ミジェーンのショップ袋で吹いたw ☆4.5点
韓国では2011年に公開されると観客動員740万人と大ヒットを記録し、日本でも2012年に公開された『サニー 永遠の仲間たち』のリメイク作品。
オリジナルでは1980年代後半だった時代設定を1990年代後半のコギャル世代に改変し、当時のヒットナンバーで綴る青春映画。
監督は大根仁、主演に篠原涼子と広瀬すず、共演に板谷由夏、小池栄子、ともさかりえ、渡辺直美、リリー・フランキー
予告編
映画データ
本作は2018年8月31日(金)公開で、全国316館での公開です。
配給は東宝で、制作はオフィスクレッシェンド
本作のことは昨年の真木よう子さんの降板報道で知りました。
今年は『サニー/32』もあったんでタイトルが紛らわしいなと思いましたね(昨年は『光』と『光』)
劇場での予告編はよく目にしました。
オリジナル版の存在は知らなかったんですが、アマゾンプライムビデオ、ネットフリックス、フ-ルーで配信してたので、『マンマ・ミーア! ヒア・ウィー・ゴー』と同じように珍しく事前に鑑賞して予習しました。
監督は大根仁さん
近作は『恋の渦』『バクマン。』『SCOOP!』『奥田民生になりたいボーイと出会う男すべて狂わせるガール』を観てます。
主演に篠原涼子さん
近作は『北の桜守』を観てます。
主演に広瀬すずさん
近作は『怒り』『チア☆ダン〜女子高生がチアダンスで全米制覇しちゃったホントの話〜』『三度目の殺人』『ラプラスの魔女』を観てます。
共演に板谷由夏さん
近作は『3月のライオン 前編/後編』を観てます。
共演に小池栄子さん
近作は『人生の約束』『テラフォーマーズ』『彼らが本気で編むときは』『空飛ぶタイヤ』を観てます。
共演にともさかりえさん
近作は『脳内ポイズンベリー』『PとJK』を観てます。
共演に渡辺直美さん
近作は『R100』を観てます。
共演に山本舞香さん
近作は『Zアイランド』『殿、利息でござる!』『未成年だけどコドモじゃない』『恋は雨上がりのように』を観てます。
共演に富田望生さん
近作は『モヒカン故郷に帰る』『チア☆ダン〜女子高生がチアダンスで全米制覇しちゃったホントの話〜』を観てます。
共演に池田エライザさん
近作は『伊藤くん A to E』『となりの怪物くん』を観てます。
共演にリリー・フランキーさん
近作は『凶悪』『トイレのピエタ』『野火』『バクマン。』『恋人たち』『シェル・コレクター』『海よりもまだ深く』『二重生活』『SCOOP!』『聖の青春』『美しい星』『奥田民生になりたいボーイと出会う男すべて狂わせるガール』『blank13』『サニー/32』『ラプラスの魔女』『万引き家族』を観てます。
他に共演と配役は以下の通りです。
阿部奈美: 篠原涼子
伊藤芹香: 板谷由夏
裕子: 小池栄子
心: ともさかりえ
梅: 渡辺直美
阿部奈美(90’s): 広瀬すず
伊藤芹香(90’s): 山本舞香
裕子(90’s): 野田美桜
心(90’s): 田辺桃子
梅(90’s): 富田望生
奈々(90’s): 池田エライザ
藤井渉(90’s): 三浦春馬
中川: リリー・フランキー
藤井渉の息子: 三浦春馬
藤井渉: 橋爪淳
新井(梅の上司): 新井浩文
梅の兄: 矢本悠馬
鰤谷美礼: 小野花梨
奈美の母: キムラ緑子
奈美の父: 橋本じゅん
奈美の兄: 坂口涼太郎
奈美の祖母: 三田和代
奈美の娘: 松本穂香
奈美の夫: 岡部たかし
裕子の夫: 宮崎吐夢
高校の先生: 高田聖子
奈々の継母: 宮下今日子
屋台の大将: 不破万作
チンピラ: 松澤匠
あらすじ
日本中の女子高生がルーズソックスを履き、空前のコギャルブームに沸いた90年代、そんな時代に青春を謳歌した女子高校生の仲良しグループ「サニー」のメンバー6人は、20年以上の時を経てそれぞれ問題を抱える大人になっていた。専業主婦の奈美は、ある日、久しぶりにかつての親友・芹香と再会するが、彼女は末期ガンにおかされていた……。「死ぬ前にもう一度だけ、みんなに会いたい」。芹香の願いを叶えるため、奈美が動き出す。裕子、心、梅、そして奈々……、かつての仲間は無事、芹香の前に再集結できるのか?
(公式サイトhttp://sunny-movie.jp/about/story.htmlより引用)
ネタバレ感想
韓国で740万人を動員したオリジナル版は、2017年末現在の韓国歴代観客動員ランキングで30位前後に入るみたいなんですけど、どれほど面白いのだろうと期待値を上げて見たら、それほど面白いとは思わなかったんですよね。
まず、ストーリー展開はベタですよね。
主人公のイム・ナミが母親の入院先で高校時代の友人ハ・チュナと再会したら、彼女から余命幾ばくも無いことを聞かされ、当時の仲間だったサニーの皆に会いたいという願いを叶えるべく奔走する中で自身の青春時代を思い出す、っていうわりとありそうな話です。
当時のヒットチューンで描くっていうのも、個人的にはシンディ・ローパーの「ガールズ・ジャスト・ワナ・ハヴ・ファン」(当時のタイトルは「ハイ・スクールはダンステリア」)ぐらいしかハマらなくて(ちなみに先日観た『タリーと私の秘密の時間』でも使われていました)
ボニーMの「Sunny」(1976年)は何となく聞いたことがあるのと、リチャード・サンダーソンの「Reality / 愛のファンタジー 」は『ラ・ブーム』(1982年日本公開)の主題歌っていうぐらいでいまいちピンと来なかったんです。
Joyの「Touch by Touch」に至っては知らなくて、この時代なら「a-haかデュラン・デュランならハマったんだけどなぁ」っていう感じです。
あと、一番ハマらなかったのが時代背景です。
オリジナル版の設定は2011年時点で主人公たちが42歳の設定で、25年前の17歳の高校生時代を描いているのですが、西暦でいうと1986年です。
まだソウルオリンピックが開かれる2年前の第五共和国制の時代で軍事政権時代ですよね。
個人的には韓国のこの時代を描いた映画で面白いと思うのは、華城連続殺人事件なんかをモチーフにして描いた『殺人の追憶』などのミステリーサスペンスで、暗く重いというテーマならハマるのですが、学園モノだといまいちしっくりこない感じで、学生運動の描写などもやや唐突に感じられました。
思うに、韓国のこの時代って日本だと安保闘争や東京オリンピックの頃になると思うんですが、オリジナル版が韓国でヒットしたのって、日本で『ALWAYS 三丁目の夕日』がヒットしたみたいに、ノスタルジックな要素が大きいのかな?と思うんですよね。
『ALWAYS 三丁目の夕日』の時代はもちろん生まれてませんが、それでも東京タワーやテレビの普及などは馴染みがあるのでノスタルジーを感じますが、韓国の1980年代だと馴染みが無いのでノスタルジーを感じなかったのが、自分がそれほどハマらなかった最大の要因だと思います。
それに対して本作は2018年時点で主人公たちが40歳の設定で、23年前の1995年を描いてます。
1995年の女子高生を描くならばコギャル文化は避けて通れないと思いますが、冒頭で主人公の奈美が高校を訪ねて行って、高校時代の初登校を思い出すシーンで、ミジェーンの袋が大量にスクリーン映し出されたときには、思わず吹き出して笑ってしまいました。
もう、すっかり忘れてたんですが、そういえば猫も杓子もみんな持ってて、何であの頃みんな持ってたんだろう?と考えたら可笑しくって可笑しくって、このディテールは期待できるぞと思いましたね。
映画はオリジナル版のほぼ完コピといっていいと思います。
というか、他にやりようが無いですよね(笑)
オリジナル版のサニーが7人なのが6人に減っているんですが、これはリメイクが作られたベトナム版も同じみたいです。
オリジナル版での凶暴な文学少女のクムオクがいないんですが、これはオリジナル版でも大人時代のエピソードが弱かったですし、姑にいびられサニーの再結成への参加を断り最後に登場するだけなので、物語をスッキリさせるには削られるのも致し方無いと思います。
本作の設定で上手いと思ったのは、奈美を1995年1月の阪神淡路大震災で被災して家族で越してきた設定にしたことです。
この設定のおかげで対立する小野花梨さん演じる不良グループとの喧嘩シーンで、奈美に三田和代さん演じる祖母が真似していた吉本新喜劇の岡八郎さんの「ケツの穴から手ぇ突っ込んで奥歯ガタガタ言わしたるぞ」を言わせることが出来ました。
また、奈々が奈美を嫌ってたのも継母が関西弁だからで、奈美の関西出身という設定一つでオリジナル版の二つのシーンをクリア出来たのは、白目むいて霊が取り憑いたフリをしてたオリジナル版より上手いと思いました。
ただ、このシーンでの広瀬すずさんの演技はまだ振り切れてなかったと思います。
あのシーンなら『センセイ君主』での演技が振り切れていた浜辺美波さんの方が上手く演じられたのではないかと思いました。
裕子に関しては豊胸が強調され過ぎて、高校時代の口の悪さの印象はオリジナル版より残らなかった気がします。
とは言え、大人時代を演じてる小池栄子さんの美女ぶりと存在感はオリジナル版より強烈だったので、その点ではたいへん満足しています。
心役のともさかりえさんに関しては、キャスティングを見たとき、オリジナル版のイム・ナミを演じたユ・ホジョンさんに一番似てると思ったんですよね。
なので奈美役は篠原さん(小室ファミリーというのは置いといて)よりともさかさんの方がハマったんじゃないかと思いました。
芹香役の板谷由夏さんに関しては当初予定されていた真木よう子さんよりハマったんじゃないかと思います。
身長も高くてリーダーの雰囲気がありますし、NEWS ZEROなんかでのキャスターぶりを見ても女性社長役は合ってたんじゃないかと思います。
反対に高校時代の芹香役の山本舞香さんのイメージはオリジナル版のチョン・スジのクールビューティーのイメージでした。
ただ奈々がeggモデルという設定からすると池田エライザさんでもいいかな、という感じはしました。
高校時代の梅役の富田望生さんに関しては、このくらいの年頃の女子グループの太っちょ枠では独断場で安定感ありますよね。
反対に大人時代を演じた渡辺直美さんは、実年齢ではまだ30歳なのに10歳も上の役で気の毒だなと思いましたけど、逆にいうと40歳前後で知名度あって太目の女優さんが邦画界にいないってことですよね。
年齢的にいうと森三中とかアジアンの馬場園さんとかの方が近いんですが、みんなお笑い芸人です。
本作では敵対するコギャルの鰤谷(ブリタニ)役を演じた小野花梨さんの演技が評判になってるようですけど、小野さん上手いですよね。
ドラマ「鈴木先生」の頃から注目してますが、本作でも異彩を放っていたと思います。
オリジナル版を観てる人にとっては、最後に出てくる大人の奈々を誰が演じてるのかに注目してたと思うんですけど、ここは捻りが無くて池田エライザさんのままでした。
大根監督なんで吉田羊さんとか期待したんですけど、本当のeggモデルだった押切もえさんとかだったら面白かったかもしれません。
本作は冒頭に出てくる「めざましテレビ」で紹介される安室奈美恵さんと主人公たちが同じ年齢だったり、アムラーと呼ばれたコギャル文化を描いたり、安室さんが象徴的な存在だと思うんですが、奇しくもその安室さんが引退される直前での公開となりました(昨年の引退発表を受けての製作かもしれませんが)
公開のタイミングとしては、これ以上ないタイミングだと思うんですけど、初週の週末動員ランキングが7位と、今一つ興行成績に結びついていないのは残念に思います。
個人的には、奈美が探偵の中川に依頼して藤井渉を探してもらったら、茅ケ崎でカフェのマスターやってるところとか、ホイチョイっぽい雰囲気もして、なかなか好きな作風に仕上がってた作品でした。
鑑賞データ
TOHOシネマズ上野 1か月フリーパスポート 0円
2018年 138作品目 累計125100円 1作品単価907円
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