トイレのピエタ 評価と感想/RADWIMPS野田洋次郎主演

トイレのピエタ 評価と感想

雰囲気のあるとてもいい映画でした よ ☆4点

予告編

『トイレのピエタ』予告編

映画データ

トイレのピエタ|映画情報のぴあ映画生活
『トイレのピエタ』は2015年の映画。『トイレのピエタ』に対するみんなの評価やクチコミ情報、映画館の上映スケジュール、フォトギャラリーや動画クリップなどを紹介しています。

あらすじ

画家への夢を諦め、窓拭きのバイトでやり過ごすように日々を送る園田宏(野田洋次郎)。美大時代の恋人さつき(市川沙椰)と再会し、彼女の個展に誘われるが、もはや絵など見る気にもなれない。ビルの壁に貼り付いて窓を拭く自分を虫のようだと思っていたある日、宏は突然倒れ、病院へ運ばれる。人体実験のような精密検査。結果は家族と一緒に聞かなければならないそうだ。

郷里の両親に連絡するのは煩わしい。さつきに頼み込んで病院に来てもらうが、絵を巡って口論となり、彼女は早々に帰ってしまう。
その時、若い女の声がロビーに轟いた。

「制服破れたんですけど、弁償してもらえますか!?」

女子高生の真衣(杉咲花)がサラリーマンを相手に因縁を付けている。

宏は真衣に声をかけ、制服代を払う代わりに妹役をやってほしいと持ちかける。
風変わりな依頼に首を傾げながらも、宏に付いてくる真衣。

「胃に悪性の腫瘍ができてます。このまま何もしないと3カ月くらいの命ですよ」

突然の余命宣告。呆然とする宏に、傍らの真衣は明るく声をかける。

「今から一緒に死んじゃおうか?」

バイクの後ろに真衣を乗せ、スピードを上げる。
だがそのまま死んでしまうことなどできなかった。

入院して抗がん剤治療を始めた宏は副作用に苦しめられる。
郷里から駆けつけた父(岩松了)と母(大竹しのぶ)には、本当の病名は伝えられない。

突然もうすぐ死ぬと告げられてもなんの実感も得られず、漠然とした恐怖に支配される宏。
それでも過ぎていく入院生活の中で、同室の患者・横田(リリー・フランキー)や小児病棟の拓人(澤田陸)と拓人の母(宮沢りえ)らと出会い、これまで知らなかった世界を垣間見ることになる。

拓人が大切にしていた塗り絵を捨ててしまった宏は、お詫びに自作の塗り絵をプレゼントすることを思いつく。久しぶりに絵を描こうとしたものの、資料となる本を買ってきてくれる人がいない。その時宏は真衣の存在を思い出す。

「何なの?入院してる暇人と違ってこっちは忙しいんだけど!」

相変わらずの勢いに押される宏。しかしそれ以来、度々病院にやって来るようになった真衣との間に奇妙な交流が始まった。

「あのさ、背の低い子とキスする時はどうするの?」

病人相手でも容赦なく、ありのままの感情をぶつけてくる真衣。
彼女は彼女の事情の中で、寂しさや憤りを抱えているようだ。

「あんたなんか自分で生きることも死ぬこともできないじゃん!」

残された時間を知るまでは、この夏もいつものように、やり過ごすだけの季節になると思っていた。
それが人生最期の夏に変わってしまった時、目の前に現れた、あまりに無垢な存在。

戸惑い、翻弄されながらも、宏は生と死の間に強烈な光を見る。

公式サイトより引用)

ネタバレ感想

いつも行く映画館で予告編を見たと思うんですが、特に印象もなくスルーするところでした。

なぜ観に行ったかと言うと、ツイッターでフォローしているギョーカイ系(主に演劇関係・役者)の人が、複数人絶賛していたので観に行きたくなりました。

主演はRADWIMPSの野田洋次郎さん。
「RADWIMPS」の字面はみたことありますが曲は知りません。

ヒロインは杉咲花さん。
この方は何回か見たことあって、映画では『マダム・マーマレードの異常な謎』、ドラマでは『名もなき毒』『MOZU』などで、目力があって中々上手い若手の注目株の女優さんと認識しております。

ストーリーはいわゆる余命宣告もので、ふだんこのテーマの映画とかドラマって見ないんですが(そういえばオー・ヘンリーの『最後の一葉』とかもちゃんと読んだことない)、今回は前記理由により鑑賞です。

また、この「トイレのピエタ」というのが、手塚治虫氏が亡くなる前の最後の構想だということも、またこれを映画化するにあたってのいきさつ(手塚氏娘さんのネガティブ発言)も知りませんでした。

物語も、余命宣告モノとしてオーソドックスで、映画的・ドラマ的な劇的に何かが起こるということもありません。

主人公たちの背景もいちいち細かく説明はしないのですが、それぞれが背負っているものを冗長になることなく淡々と描写し、ややもすれば眠くなる展開なんですが、不思議と雰囲気でみせてくれる映画です。

野田さんは演技するにあたり、役作りでだんだん痩せていくというようなことはせずに、力を入れすぎることも無く、自然体で演じられてたように思います。

杉咲さんは前記、上手い方だと認識しているので、主人公を翻弄するヒロインを上手く演じられていたと思いますし、野田さんとの演技のバランスもよかったです。

主人公が入院してから登場する隣の病床の入院患者役のリリー・フランキーさんが出てくると、コミカルな感じで俄然面白くなります。
当て書きしたんじゃないかと思えるキャラクターでニヤニヤと笑ってしまい、思わずリリーさんズルいと思いましたが、近年の『凶悪』『そして父になる』など、もう名バイプレーヤーの域ですよね。

松永大司監督が着想を得た「トイレのピエタ」、のトイレの天井に絵を描くというシーンには、主人公も中々辿り着かず、ホントに最後の最後に出てくるんですが、ここの部分の演出も過剰に泣かせようという感じではなかったのが、逆によかったです。その分、エンディングの曲でジーンときてしまいました。

とりたてて、特にここがよかったというのは無いですが(金魚と泳ぐ幻想的なシーンなどありましたが)、レビュータイトルどおり不思議と雰囲気で魅せてくれる映画で、とてもいい映画でした。
RADWIMPS野田洋次郎さんのファン以外にも是非お勧めしたいと思える映画です。

鑑賞データ

ヒューマントラストシネマ渋谷 TCGメンバーズ ハッピーフライデー 1000円

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