私は絶対許さない 評価と感想/映画撮る体でAV撮りたかった気が

私は絶対許さない 評価と感想
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主観映像にする意味が分からない ☆1点

15歳の元旦に集団レイプされ、現在は昼は看護士、夜はSM嬢という顔を持つ、2015年にブックマン社から発売された雪村葉子の手記の映画化で監督は精神科医としての顔も持つ和田秀樹
主演に平塚千瑛と西川可奈子、共演に美保純と佐野史郎

予告編

映画データ

私は絶対許さない (2017):作品情報|シネマトゥデイ
映画『私は絶対許さない』のあらすじ・キャスト・動画など作品情報:自らの性犯罪被害をつづった雪村葉子の手記を、『受験のシンデレラ』などの監督を務めた精神科医の和田秀樹が映画化したドラマ。
私は絶対許さない : 作品情報 - 映画.com
私は絶対許さないの作品情報。上映スケジュール、映画レビュー、予告動画。15歳で性的集団暴行の被害に遭い、加害者の男たちへの復讐だけを胸に生きてきたという雪村葉子によるセンセーショナルな...

本作は2018年4月7日(土)公開で、全国3館での公開です。
今後順次公開されて、最終的には8館での公開となるようです。
映倫区分R18+作品です。

今年に入って暫くしてから、テアトル新宿で予告編を目にして、面白そうだなと思っておりました。
原作等の予備知識は全く無く、監督が和田秀樹さんであるということくらいでの鑑賞です。

『私は絶対許さない 15歳で集団レイプされた少女が風俗嬢になり、さらに看護師になった理由』の著者が語る加害者への復讐の方法 | ダ・ヴィンチWeb
フリルがついた白ブラウスの間から、ゴールドのネックレスがきらりと光る。長く伸びた黒髪の間から丸い瞳が覗くも、視線を合わせることをためらっているように感じる。その柔らかで優しげな表情と、下着が見えそうなほど短い黒スカートがどこかアンバランス…

監督は和田秀樹さん
本作で映画監督は4作目です。
前作の『銀座並木通り クラブアンダルシア』は映画館で観ました。

銀座並木通り クラブアンダルシア 評価と感想/銀座では珍しい男性支配人
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主演に平塚千瑛さん
ドラマ・映画共に初めましてです。

主演に西川可奈子さん
こちらもドラマ・映画共に初めましてです。

共演に美保純さん
近作は『人生の約束』『モヒカン故郷に帰る』『おじいちゃん、死んじゃったって。』を観てます。

共演に佐野史郎さん
近作は『偉大なる、しゅららぼん』『PARKS パークス』を観てます。

他に共演と配役は以下の通りです。

葉子(成人): 平塚千瑛
葉子(学生): 西川可奈子
葉子の母親: 美保純
葉子の父親: 友川カズキ
葉子の祖母: 白川和子
井上: 吉澤健
酒屋: 三上寛
女医: 原奈津子
明美: 立山咲里
川内: 奥野瑛太
デリヘル社長: 川瀬陽太
看護学校校長: 南美希子
沙織: 児島美ゆき
早田の妻: 東てる美
早田: 隆大介
雪村: 佐野史郎

あらすじ

東北地方の田舎で育った中学3年生の葉子(西川可奈子)は、メガネに化粧っ気のない素朴な女の子。厳格な父(友川カズキ)と、女々しく意地悪な母(美保純)と、優しいがどこか他人事の様に接する祖母(白川和子)と、小さな弟と妹に囲まれて平凡に暮らしていた。あの日までは・・・。
年末、若い男達に無理やり輪姦されたのだった。
元旦に全身傷だらけで帰宅した葉子を待ち受けていたのは、冷たく突き放す家族と親戚だけだった。体のみならず、心もズタズタにされ、天涯孤独の様な気持ちだった。
ひょんなことからレイプ犯の一人である若者の養父・早田(隆大介)と出会い、援助交際という名の契約を交わす。どうせ私は傷物なんだから・・・。
冬休み明けの学校でも、瞬く間に輪姦された噂は広まり、イジメが始まった。
その間も援助交際でコツコツと大金を稼ぐ葉子。一刻も早くこの地獄から自力で抜け出すために。そしていつか、あの男達に復讐するために・・・。
高校卒業後、大都会東京へ。
すぐさま全身整形し、昼間は真面目な学生、夜は学費や生活費を稼ぐべく風俗で働いていた。そんな中、葉子(平塚千瑛)は客としてきた雪村(佐野史郎)に出会う。
彼は将来の夫になる人だった・・・。しかし、ある日、彼の真実を知ってしまう・・・。
そんな体験を実際に持つ雪村葉子さんが35歳になって執筆した手記を元に、何に対して復讐しているのか。あの男達への思いは・・・。

公式サイトより引用)

ネタバレ感想

あらすじに「東北地方の田舎で育った中学3年生の葉子(西川可奈子)は、メガネに化粧っ気のない素朴な女の子」って書いてありますけど、中学生だから化粧っ気がないのは当たり前じゃないですかね?

葉子は中3の大晦日の夜に東北の架空の駅、浦岩駅(最初は「藻岩駅」に見えて北海道かと思ったんです)で制服姿で母親の迎えを待ってます。
(冬休みで学校休みだと思うんですけど、部活の帰りだったのかな?そのわりには部活道具持ってなかったけど)
外のベンチに座って寒くてガタガタ震えてるんですが、どうして駅舎に入らないのかな?と思います。

すると白いワゴン車が向かってくるんですけど、劇中では主人公の30歳過ぎまでが描かれるんで、15年前とか20年前になると思いますが、車がわりと最近のなんですよね。
まぁいいですけど。
それで、白いワゴン車には5人組の男が乗ってて拉致されるんですが、その際にメガネと手袋を落とします。
車の中で姦されて、5人組の1人の家に着くと、本格的にレイプされます。

この拉致される辺りから葉子の主観映像になる一方で、心が死んだ葉子が自身を俯瞰して見るようになり、自身の行動にツッコミを入れつつナレーションを入れて話が進んでいく形になります。

葉子の母親は軽トラで迎えに来るんですが、駅舎を見て暫く待っても葉子が現れないので帰っちゃうんですね。
もう少し、外のベンチ周りを見れば、メガネと手袋が落ちてたのに…。

レイプシーンは中3の葉子役の西川可奈子さんがアンダーヘアまで見せて、5人に代わる代わるレイプされるところまできっちり見せるので凄惨なんですが、演じてる西川さんを存じ上げなかったんですけど、年齢が30歳なんですね。
童顔なので全然そうは見えませんでした。

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(これは映画の話題作りでしょうか?)

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あと主観視点から映像がぼやけ気味になるんですが、最初、それは被害者の恐怖を表してるのかな?と思ったんですけど、メガネが無くてぼやけてたということでした。

この5人にレイプされてるシーンでは、そのまま「女子高生コンクリート詰め殺人事件」になっちゃうんじゃないかと思いましたけど、朝方、犯人達が寝てる間に自力で脱出するんで「ペッパーランチ強盗強姦事件」の方でした。

参考 女子高生コンクリート詰め殺人事件 – Wikipedia

参考 ペッパーランチ#強盗強姦事件 – Wikipedia

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それでここで驚いたのは、葉子が逃げるとき寝てる犯人の顔を見て、一人一人の名前を言っていくんですよね。
「フルカワ・キムラ・ヌマシタ・マサアキ・サイタ」
てっきり見ず知らずの奴らにレイプされたと思ったんですけど、名前を知ってる程度の知り合いであることが分かります。

フルカワの家を出た葉子は、顔に殴られた痕があるので、近所の農家のおじいさんに「病院行くか?警察行くか?」と助けられるんですが、「最寄りの駅(浦岩駅)まで送って下さい」と言います。

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まぁ、中学生だから仕方ないんですけど、何で?とは思います。

浦岩駅に着くと、元旦なのに部活に行くクラスメイトの女生徒に会い、こちらも心配されるんですが、葉子は大丈夫と言い、駅のトイレに行くと血を洗って証拠を消しちゃいます。

その後はクラスの女友達に電話して、「昨日、○○のトコに泊まったってことにしておいて」と言うんですが、悉く「葉子のお母さんから電話きて、来てないって言っちゃったよ」と言われたので、諦めて駅から歩いて帰ります。

家に帰ると元旦なので親戚(男ばっかり)が集まってるんですが、無断外泊したことを責められます。
母親は雪の中、迎えに行ったせいで帰りに脱輪したって言って怒ってますし、父親は「この、ふしだらな娘が」と言って殴りますし、親戚のオヤジ連中は白い目で見ます。
葉子は母親にどこに行ってたと聞かれるんですが、頑として言いません。

この時のことを、あとで成長した葉子が「母親は、私が姦されたことに気づいてたはずなのに守ってくれなかった。あそこで優しい言葉をかけてくれたらどれだけ救われたか」みたいなことを言うんですが、確かに背景として男尊女卑で閉鎖的な村社会というのがあるのでしょうが、やっぱり動物の中で言葉を話せるのは人間だけなので、言葉で伝えないと分からないと思うんですよね。
「フルカワ・キムラ・ヌマシタ・マサアキ・サイタに強姦された、助けて」って言わないと。
それを伝えた上で、やはり体面とかを気にして、事件に蓋がされるのでしたら主人公に同情出来るんですが、劇中の主人公の行動には「あれ?」って首を傾げることばかりで、レイプされた事実や家庭環境を除いて同情出来ないんですよね。

まぁ、葉子の母親も「農家の長男だから、裕福だと思って嫁いできたのに、こんな貧乏暮らしさせられるとは思わなかったわ」と悪態つく人ですし、父親もすぐ手を上げる人なので、実家がクソではあるんですが…。

それで実家は自分の事を守ってくれないと悟った葉子は、実家を出ることに決めるんですが、カバンとマフラーをフルカワの家に忘れてきたことに気づいて取りに行きます。
もう実家出るんでカバンなんてどうでもいいじゃんと思いますし、犯人の元へノコノコ戻るの?と首を傾げたくなる行動ばかりとるんで、観ててかなり不快になってきます。

葉子はフルカワの家の場所をはっきり覚えてないんで近くを歩いてると、ビニールハウスでシンナーを吸ってるマサアキに会い、フルカワの家の場所を聞いてカバンを取りに行きます。
フルカワの家に入ると、今度はフルカワがシャブを打ってて、どうしようもない連中だということが描かれるんですが、普通に犯罪なので誰か通報しないんでしょうか?

本作は実話を基にしてるらしいんですが、先日観た『ミスミソウ』と同じで村社会が治外法権的過ぎてノレなかったです。

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マサアキもフルカワも、今度は全く危害を加えないんで、葉子はあっさりカバンを取り戻します。
そしてカバンを取り戻した葉子が歩いてると、赤いスポーツタイプの車が近づいてきて、中の男が声を掛けてきます。
男はマサアキの母親の再婚相手の早田と言って、葉子のことを知ってると言います。
歩くのは大変だから車で送って行くと言うと、葉子は助手席に座ります。

うーん、このシーンもなんで?って思うんですけど、ここは俯瞰して見てる葉子も自身にツッコミを入れます。
でも、ツッコミなんで漫才っぽいというかギャグっぽくなるじゃないですか。
扱ってるテーマは重いのに、シーンとしては軽くなるので、どういう気持ちで観たらいいか分からないんですよね。

早田は車の中で愛人というか援助交際をもちかけてきます。
葉子は「それって売春でしょ」と言うんですがOKします。
ラブホテルに入ると早田はヤクザでムショ暮らしが長かったことを語り、先にお金を支払うと言って財布の中から好きなだけ持っていっていいと言います。
財布の中には30万円くらい入っていたので、葉子はそれを全部取ります。

で、葉子は早田と行為に及ぶんですが、早田は糖尿病で男性としての機能はありません。
(こないだもそんな映画あったな、『娼年』だ)
ヤクザだからペニスに真珠が入ってるみたいなんですけど、俯瞰して見てる葉子に「チンポがイボイボになってるじゃん」とか言わせるんですが、別に必要のないシーンの気もします。

それからは早田とちょくちょく会うんですが、値段が段々と下がっていって、葉子が「今日はこれだけ?」とか言うと、早田が「常連割引ということで、ここはひとつ」とか言って、2人の関係がお茶目に描かれます。

家を出るって言ってた葉子なんで、そのまま家出したのかな?と思ってたら、高校卒業まで実家にいます。
レイプされてからは中学の成績も下がってきたので、志望校のランクを下げるんですが、そのことを母親に相談すると、学費が上がらなければ何でもいいと言われます。
中学に行ってもレイプされたことが噂になってるようで、駅のトイレにヤリマンとかいたずら書きされるようになります。
葉子はリストカットを繰り返すようになり、摂食障害にもなって過食嘔吐を繰り返します。

高校時代も援交してるのが噂になってて、学校のトイレにヤリマンとか書かれてます。
葉子の唯一の楽しみは早田から貰った金を自分の部屋の畳の下に並べて貯金することでした。

早田は糖尿病なんで、たまに低血糖で震えだします。
そんな時は葉子が氷砂糖を用意してて、水と一緒に与え落ち着かせるんで、介護みたくなってます。
この経験が元になってるのかは分かりませんが、高校を卒業したら看護の専門学校に行きたいと思い両親に相談しますが、女なんて進学してもしょうがないと言われ、農協にでも就職して、金持ちの男でも見つけて結婚しろと言われます(テンプレ過ぎる田舎描写だ)。

結局、400万円貯めた葉子は両親に相談せず東京の大学に行くことに決めると、当然のように反対されますが、父親は最後には折れて「月に3万円しか仕送り出来ねえぞ」と捨て台詞を吐くと、以降劇中には登場しなくなります。
早田とも、特に別れのシーンとか描かれず、葉子はバスで東京に向かいます。

このシーンまでは北海道だと思っていたのでバスで千歳空港まで向かうのかな?と思ってたら、延々と高速道路を走るバスからの風景を早送りで映して東京まで着いてたので、ここで北海道じゃなく東北なんだと分かりました。

そして東京に着いたら、いきなり整形するんで、ここからの葉子を演じるのは平塚千瑛さんになります。
西川可奈子さんが童顔なのに対し、平塚千瑛さんは逆に大人びた顔なので、いくら整形したとはいえ同一人物にするのは厳しい気がしますが、まぁ映画だからいいです。

レイプ被害者を描いた衝撃の映画『私は絶対許さない』主演、女優・平塚千瑛の素顔に迫る―― (2018年4月1日) - エキサイトニュース
昨年10月、ハリウッドの映画プロデューサー・ハーヴェイ・ワインスタイン氏の性的スキャンダルが明らかになったことで、「#MeToo」という言葉をキーワードにSNS上でセクハラやパワハラ被害を告発する動き...

レイプされたことも援交してたことも知られてない東京での大学生活では、女子グループの中心にいる感じです。

ある日、歌舞伎町の区役所通りを歩いてるとスカウトにつかまります。
喫茶店で話を聞くとおっぱいパブのスカウト兼店長でした。
話を聞いた葉子は怒って帰るものの、次のシーンではおっパブに勤務してます。

そこで葉子は客として来た雪村と知り合います。
おっパブなのに名刺を差し出す礼儀正しい雪村はIT関連の会社の社長をしていて、接待で連れられて来たと言います。
しかし、初対面の女性のおっぱいを触るのには抵抗があるので、普通にお話しましょうと言い、クリスタルを入れてくれると以降、太客になってくれます。

雪村は店外デートをするたびに高価なプレゼントをくれ、一流レストランでの食事を御馳走してくれます。
泊まりがけで温泉旅行に出かけても手を出してこない雪村に、葉子自らが「もう我慢出来ない、抱いて」と言うと、隠していた雪村の変態性が顔を覗かせますが、そのことに葉子はまだ気づいていませんでした。

その後、葉子はおっパブと掛け持ちするのか辞めたのかは分かりませんが、池袋のデリヘルに面接に行きます。
その日から働く気満々の葉子ですが、店長からまずは講習を受けてもらうからと言われ、社長講習だからと言われるのでした。
川瀬陽太さん演じるデリヘル社長はデリヘルなんで素股を教えるんですが、案の定、本番講習の流れになるのでした(このシーンもいるのかな?)。

性被害者の目線で描いた映画『私は絶対許さない』主演の平塚千瑛さんに名古屋でインタビュー |シネアナゴヤ
映画『私は絶対許さない』は雪村葉子さんの手記「私は絶対許さない 15歳で集団レイプされた少女が風俗嬢になり、さらに看護師になった理由」を精神科医でもある和田秀樹さんが監督として実写映画化した作品。W主演で整形後の葉子を演じた平塚千瑛さんに名...

ある日、葉子がデリヘルに出勤すると客として待っていたのは雪村でした。
雪村はお金に困ってるなら相談してくれればいいと言い、デリヘルを辞めるように言うと、なんなら結婚しようか?という流れになります。
そのことを嬉しく感じた葉子は15歳のときにレイプされたことを明かし、それでも受け入れてくれるかというと雪村は気にしないと言うのですが、その理由がキモいのです。
「葉子ちゃんがレイプされたのは、男たちに可愛い、やりたいって思われたからでしょう。そんな可愛い、やりたいって思われる葉子ちゃんを妻に出来るなんて幸せだよ」と言うのです。
普通、こんなこと言われたらキモくて結婚しないと思うんですけど、主人公はバカなんでしょうか?結婚します。

「15歳で輪姦された女性の夫を、どう演じるべきか」 | 文春オンライン
「僕は古事記になじみが深い出雲の地、島根県松江市の出身です。古事記に残る神話は実際の出来事を投影した物語かもしれません。今回の映画も実際に起きた事件が、『私にはこう見えた』という、主人公の主観的な視点…

結婚して葉子が自分の物になった雪村は立ちバックするなど異様な性癖を見せるようになって、葉子が週末は家にいて欲しいと言ってもゴルフに出かけ、毎日の夕食は「どこぞこの名店の~」と言ってテイクアウトしてきます。
しかも葉子が掃除の際に雪村のパソコンに触ってしまうとロリコンゲームをやっていました。
葉子の帰りが遅いと浮気を疑われ、剃毛されるんですが、真珠とか本番講習とか剃毛とか、映画撮る体でAV撮りたかったのかな?と思ってしまいました。
その後は毎日のようにテイクアウトされる豪華な食事によって葉子は太っていきます。
さらに雪村の束縛によりうつ病にもなっていきます。

雪村はバツイチで、前の妻が仕事のことに口出ししてきたりしてうるさく、周りの友人の妻を見ても友人たちと年齢が同じくらいで、葉子のように美人で若くて肌が綺麗な妻というだけで自慢だ(要はバカで可愛い)と言います。
なので少々太っても気にしない雪村でしたが、葉子はこのままだと殺されると思いジムに通い始めます。
するとそのジムで、離婚して男には頼らず女性として自立して生きる沙織と出会います。
(演じる児島美ゆきさんが懐かしいんですが、美保純さんと併せて「北の国から」案件かもしれない)
沙織に感化された葉子は、自分も自立するために、高校時代に叶わなかった夢の看護学校に行きたいというと、雪村も了承してくれます。

あとこの頃になると実家の母親から電話がかかってきて、父親が倒れたことを理由にお金を無心されるようになります。
葉子が裕福な生活をしていると踏んだ母親は掌返しで「美人の葉子ちゃんなら金持ちを捉まえると思った」と言ってお金をアテにするようになりますが、それに気づいた葉子は断るのでした。

看護学校に行き、実習に励む葉子は充実していて、帰宅した雪村に嬉々として語りますが、雪村は「あっ、そう」と受け流すだけでした。
葉子は実習で井上という足の悪い老人の担当をしていましたが、2人きりになった部屋で介助を頼まれた際に押し倒され、下半身に手を入れられるのでした(こんなんばっかですけど、このおじいちゃん出てきたときにそうなるの分かってました)。

と、まぁそんなことがありつつも無事、戴帽式を経て看護師となります。
そして葉子は久しぶりに実家に向かいます。
家の近くの自販機を通るとフルカワが釣り銭を漁っていてシケモクを拾っていました。
葉子はタバコを1本恵んでやります。
整形してるので当然、葉子とは気づかれません。

葉子が実家の前に着いて眺めてると、母親が帰ってきます。
葉子を見ても娘だと気づかない母親は、雪が降ってるからと言って、スーパーのレジ袋を頭にかけてくれますが、自分はもう家に入るだけなので、普通は傘渡すと思うのですが…。
最後まで開いた口が塞がりません。

その後葉子は雪村と離婚して、昼は看護師、夜はSMの女王様をしてる(鞭打ちとか放尿)ことが描かれて映画は終わります。

 

うーん、確かに悲惨な経験だとは思うんですが、歌舞伎町の風俗嬢辺りに聴けば、わりとある話だと思います。
伊藤沙莉さん主演の『獣道』もそんな話でした。

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本作が一番モヤっとするのは、「私は絶対許さない」と言いながら、憎しみのベクトルが犯人に向かっていかないことです。
母親だったり、父親だったり、雪村だったり、違うところに話が飛び、どちらかというと男社会を許さないって言ってる感じでしょうか。

劇中は頻繁に「フルカワ・キムラ・ヌマシタ・マサアキ・サイタ」と名前が読み上げられ殺すって言ってるので、『ミスミソウ』みたいな流れになるのかな?と思いましたが、レイプの復讐で5人殺したという事件は聞いたことないので、その辺はフィクションで描くのかな?と思ったんですが、あくまで実話通りのようです。

本作は予備知識が全く無い状態で観たので、感想を書くにあたり色々調べたのですが、原作にも犯人の名前が「フルカワ・キムラ・ヌマシタ・マサアキ・サイタ」と書いてあり、これは実際の名前だそうで、原作者の育った地域を知ってる人なら特定出来ると思うんですが、ある意味、この原作や映画に実名を載せることが復讐なのかもしれません。
ただレイプする連中なんて他人の痛みに鈍感なので、この方法では気づかないと思いますが。

今回の財務省の福田事務次官のセクハラ問題にしてもそうですが、テレ朝女性社員の「セクハラが黙認されてしまう」という言い分はもっともで、自分だけのことなら我慢してしまうという選択肢もあると思いますが、犯人を野放しにすることによって、新たな被害者を生む危険性もある訳で、やはり被害者は声を上げるべきだと思うんですよね。

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昨年2017年から刑法が改正され、強姦罪が強制性交等罪に変わりましたが、旧強姦罪の公訴時効が10年、民事が20年なので本作の原作者の場合はちょっと厳しいのでしょうかね。

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7月13日に施行された、性犯罪の厳罰化や、被害者の告訴がなくても起訴できるようにすることなどを盛り込んだ改正刑法。どう変わったのか、わかりやすく解説します。

さて、映画の方に話を戻しまして演出方法なんですが、主観映像にする意味が分かりませんでしたね。
ハードコア』や『悪女/AKUJO』なんかでも使われてて、確かに体験してる視点にはなって、実際に受けたのはこんな酷いんだよ、不快なんだよと言いたいのは分かりますが、所詮は実際に被害を受けてる訳では無くて、あくまで映像として主観なだけで、客観的に観てしまいます。

なので見辛いだけでメリットが無いんですよね。
女優さんにしても、せっかく主演してるのに映らない訳ですし…。

文春オンラインの佐野史郎さんのインタビューにあるように、主観視点によって見えてくるものがあるのではないかということですが、本作で主人公の価値観とか人格が変容する様子が表現されていたとは思えません。

原作者の雪村葉子さんは、事件が起きるまでは真面目なガリ勉タイプだったようですが、劇中では事件前の学校での様子であるとか、家庭での親子関係であるとかが描かれてる訳では無いので、「あれっ?」と首を傾げることはあっても、少女がどう変わっていったのかは分からないんですよね(中学時代優秀だったのは飯島愛さんとかもそうですよね)

東京に出て来てもそうです。
おっパブのスカウトに怒っていたのに、次のシーンでは勤めてるって、どう気持が変化したのか全く分かりません。
その間の葛藤を描かなければいけないのに、大事なところがスルッと抜け落ちてると思います。

全編主観映像で撮るのもいいですが、やりたいことに技術が追い付いてなく、冒頭の入り方や劇伴は2時間サスペンスの範疇を出て無いと思います。

その代わり、真珠だったり本番講習だったり剃毛だったり、そういうシーンは全編主観映像でなく、客観映像になるのでスケベなオヤジがそういう画が欲しいんではないかと勘繰りたくなってしまいます。

本作を映画にするにあたって訴えるべきテーマは、原作者のように壮絶な体験をしても、そういうことがあったとは思えないほど力強く生きてるってことで、そうなるには酷い事ばかりではなく、例えば大学生活であるとか看護学校の中で楽しいこととかもあったと思うんですが、そういうことは全く描かれてないんですよね。

うーん、主演した女優さんたちは物凄く頑張ったと思うんですけど、申し訳ないですが映画としてはダメダメな作品で、自分の中では今年の邦画ではぶっちぎりのワースト作品です。

鑑賞データ

テアトル新宿 TCGメンバーズ ハッピーチューズデー 1000円
2018年 64作品目 累計55400円 1作品単価866円

コメント

  1. 名無し より:

    劇中の主人公の行動には「あれ?」って首を傾げることばかりで、レイプされた事実や家庭環境を除いて同情出来ないんですよね。
    と書かれておりますが、性犯罪の被害にあった身としてはとてもリアルでよくわかる内容で不自然ではないと思います。
    誰にもバレたくないし、だから家に帰る前に痕跡を洗い流さなければと思うのです。私も全く同じことをしました。
    しかし、自分からは言えないけれど助けてほしい気づいてほしいという気持ちもあるので、気づいているのに助けてくれなかったと母親に対して絶望するのもわかります。
    犯人たちの元へ鞄を取りに戻った気持ちもよくわかります。なぜか鞄取り戻さないと。って思っちゃうんです。
    それに自分はもう死んでますし、それこそリングの貞子くらいの気持ちなので、男たちがどんな顔をするのか見たい気持ちがあったり。

    このリアルな行動に対して疑問を抱き、理解をしてもらえないというのは、被害に遭っていない方はやはりこう感じられるものなのだなと痛感しました。それがこの映画に対する評価が分かれる一因になっているのでしょうね。

  2. 東北の嬢 より:

    上の名無しさんに同感です