思っていたより、よかったです ☆5点
予告編
映画データ
あらすじ
第2次世界大戦末期のフィリピン・レイテ島。
日本軍の敗戦が色濃くなった中、田村一等兵(塚本晋也)は結核を患い、部隊を追い出されて野戦病院行きを余儀なくされる。しかし負傷兵だらけで食料も困窮している最中、少ない食料しか持ち合わせていない田村は早々に追い出され、ふたたび戻った部隊からも入隊を拒否される。そしてはてしない原野を彷徨うことになるのだった。
空腹と孤独、そして容赦なく照りつける太陽の熱さと戦いながら、田村が見たものは・・・
(公式サイトより引用)
ネタバレ感想
原作は未読です。
今回、塚本監督版『野火』を観るにあたり、市川崑監督版『野火』を観たのですが観ておいてよかったです。
ラスト近くに決定的な違いはありますが、市川版も塚本版もほぼ同じ流れなので、原作を読んでないですが、ほぼ原作通りに作られているのだと思いました。
市川版(白黒)に比べてよかったのは、やっぱりカラーだったということ。
市川版では見れなかった、フィリピンの緑。
行われている行為は残虐ですが、自然の映像は美しいです。
それからやっぱり塚本監督の真骨頂であるグロ描写。
耐性のない人には辛いでしょうが、この戦争映画には非常にマッチしていたと思いました。
塚本監督の作品は『鉄男』『悪夢探偵1・2』『KOTOKO』ぐらいしか観ていませんが、そのどれよりもマッチしていると思いました。
たぶん他は非現実的であるのに対して、戦争という状況下ではそれが非現実的では無いという所から、そう感じたのかもしれません。
レビュータイトルにも書きましたが、この映画、資金的にも厳しくほぼ自主製作なので、もう少しショボいのかなと心配してたんですが、観てみたら全然そんなことは無く、上映時間約90分、緊張が途切れること無く濃密な物を見せてもらえたと思います。
監督の原作に対する思い入れ、いつかは映画にしたいという思い、そして今映画にしなければならないという強い思いが結実して、塚本監督の過去最高傑作になっているのではないかという気がしています。
鑑賞データ
ユーロスペース 一般料金 1800円
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