blank13 評価と感想/齊藤工のスジナシ!

blank13 評価と感想
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前半はいい、後半も丁寧に描いて欲しかった ☆3点

これまで「齊藤工」名義で6本の短編を監督した俳優・斎藤工の長編初監督作品。
齊藤監督の短編『バランサー』で脚本を担当した放送作家はしもとこうじの実話をベースに映画化。
主演に高橋一生、共演に松岡茉優、斎藤工、神野三鈴、リリー・フランキー

予告編

映画『blank13』予告編【2018.2.3公開】

映画データ

blank13 (2017) - シネマトゥデイ
放送作家のはしもとこうじの実話をベースに、『昼顔』などで俳優として活躍する斎藤工が「齊藤工」名義で監督を務めた家族ドラマ。
blank13|映画情報のぴあ映画生活
『blank13』は2017年の映画。『blank13』に対するみんなの評価やクチコミ情報、映画館の上映スケジュール、フォトギャラリーや動画クリップなどを紹介しています。

本作は2018年2月3日(土)よりシネマート新宿で先行公開で、2月24日(土)から全国34館での公開です。
5月頃まで順次公開されて、最終的には100館での公開となるようです。

予告編は昨年末辺りから、シネマート新宿に行ったときに見てました。
2月3日からが先行公開だと知らなくて、1日1回上映ということもあって、オンラインでチケット予約しようとするといつも売り切れだったので見はぐっていましたが、公開から1か月経ってようやく観てまいりました。

監督は齊藤工さん
俳優と俳優以外で表記を使い分けてるのと、短編映画を撮ってたのは知りませんでした。
なお「斎」(サイ)の字は「齋」と同じで、「斉」(セイ)の字は「齊」と同じなので、「斎」と「齊」は厳密には違う漢字ですね。

主演は高橋一生さん
近作は『シン・ゴジラ』『3月のライオン 前編後編』『THE LIMIT OF SLEEPING BEAUTY ―リミット・オブ・スリーピング ビューティ―』『嘘を愛する女』『空海―KU-KAI― 美しき王妃の謎(日本語吹き替え)』を観てます。

共演に松岡茉優さん
近作は『桐島、部活やめるってよ』『勝手にふるえてろ』を観てます。

共演に斎藤工さん
近作は『虎影』『リアル鬼ごっこ』『団地』『無伴奏』『シン・ゴジラ』『SCOOP!』『昼顔』『蠱毒 ミートボールマシン』『マンハント』『去年の冬、きみと別れ』を観てます。

共演にリリー・フランキーさん
近作は『凶悪』『トイレのピエタ』『野火』『バクマン。』『恋人たち』『シェル・コレクター』『海よりもまだ深く』『二重生活』『SCOOP!』『聖の青春』『美しい星』『奥田民生になりたいボーイと出会う男すべて狂わせるガール』『サニー/32』を観てます。

他に共演と配役は以下の通りです。

松田コウジ: 高橋一生
西田サオリ: 松岡茉優
松田ヨシユキ: 斎藤工
松田洋子: 神野三鈴
岡宗太郎: 佐藤二朗
松田雅人: リリー・フランキー
松田コウジ(少年時代): 大西利空
松田ヨシユキ(少年時代): 北藤遼
織本順吉
村上淳
神戸浩
伊藤沙莉
川瀬陽太
岡田将孝
くっきー
大水洋介
昼メシくん
永野
ミラクルひかる
曇天三男坊
豪起
福士誠治
大竹浩一
細田香菜
小築舞衣
田中千空
蛭子能収
杉作J太郎
波岡一喜
森田哲矢
榊英雄
金子ノブアキ
村中玲子

あらすじ

ギャンブルに溺れ、借金を残して蒸発し、13年間音信不通だった父が余命3か月で見つかった。母と兄は見舞いを拒否したが、コウジは子供の頃キャッチボールをしてくれた優しい父を思い、入院先を訪ねる。しかし金を工面している父の姿に失望し、家族の溝は埋まらないまま、父はこの世を去った。葬式に参列するのは、数少ない友人たち。彼らが語る父のエピソードによってコウジは家族の誰も知らなかった父の真実を知り、13年間の空白が少しずつ埋まっていく……。

公式サイトより引用)

ネタバレ感想

前半シリアス、後半コントといった感じでしょうか。

冒頭は松岡茉優さん演じる女性が葬儀の受付をしてます。
すぐ隣のお寺で同姓の松田さんの葬儀が開かれてるので、参列者が間違って来るんで「松田何様?の御葬儀でしょうか」と確認すると、大抵の人が隣のお寺に行くっていうボケで始まります。

そしてすぐに松田コウジの少年時代に飛びます。
齊藤工監督、初長編ですが映画のルックはいいですね。
コウジが高校野球観戦で甲子園に連れて行ってもらったときのことを作文に書いたら賞を貰ったって、リリーさん演じるお父さんに見せに行きます。
お父さんは昼間っから、蛭子能収さん演じる常連客なんかと麻雀を打ってます。

蛭子能収が賭け麻雀、人気絶頂の中で逮捕された過去 (2016年7月13日) - エキサイトニュース(1/2)
漫画家・蛭子能収というと、どんな姿を思い浮かべるだろうか?テレビ東京系『ローカル路線バス乗り継ぎの旅』での、自由奔放すぎるコミカルな姿?「葬式で笑い出す」「孫に興味がないので名前を覚えていない」などの...(1/2)

だからリアルです。

松田家が安アパートで食事してると借金取りが来るんで居留守使います。
お父さんが仕事何してるかは分かりません。
ある日、お父さんが食卓の上にタバコがあるのに、タバコ買ってくると言って出ていったきり戻らなくなるので、神野三鈴さん演じるお母さんが朝は新聞配達、夜はスナック、昼は内職して働き詰めで子供を育てます。
お母さんはお父さんがタバコを買いに外に出るとき、「借金取りがまだうろついてるだろうから気を付けてね」と声掛けるんで、借金三昧の旦那でも愛想尽かさないんだなと思いました。

お母さんが新聞配達中に自転車で車に追突して怪我してしまうと、息子たちで新聞配達を手伝います。
ちなみに自転車で車に衝突するシーンはスタントマンを使って見せ場になってると思います。
自転車で坂を下って曲がろうとしたら出会い頭に衝突するので。

そんな女手一つで育てられた兄弟は13年後、兄ヨシユキは広告代理店に勤め、コウジは現金輸送車の仕事をしています。
これ、原作者のはしもとこうじさんが、放送作家になる前、現金輸送車の仕事をしてたんでこういう設定なんですね。
松岡茉優さん演じる女性はコウジの彼女で、銀行に勤めてるので、それで知り合った感じです。

笹川美和 『家族の風景』 ※映画「blank13」(齊藤 工 長編初監督作品/主演:高橋一生)主題歌

そしてお父さんが末期がんで余命宣告を受けて入院してるのが分かるんですが、お母さんと兄はもう愛想尽かしてるんでお見舞いに行きません。
コウジはお父さん子だったのでお見舞いに行くんですが、入院先でも金の工面をしている父親に失望すると会いに行かなくなります。
恋人のサオリに促されて、ようやく再び会いにいくとかなり衰弱してやせ細った父と対面し病室をあとにします。

さすがにここは『湯を沸かすほどの熱い愛』の宮沢りえさんみたいにやせ細っていく役作りは出来ないので、カーテン越しに話しててリリーさんの姿は映してませんでしたね。

コウジがやり切れない思いでバッティングセンターでバットを振ってると、子供の頃の記憶が走馬灯のように蘇り(上映時間70分の作品なので同じシーンの繰り返しはくどいが)、「blank13」とタイトルが出ます。
この、映画中盤くらいでタイトル出るのは『ヒメアノ~ル』方式ですね。
そしてこのタイトルを境にして、コントに変わります。

隣のお寺の松田家の葬儀には多くの人が参列してましたが、コウジの父の葬儀は10人ほどです。
お坊さんは読経を終えると、なぜか故人を偲んで参列者一人一人が挨拶する流れになります。

ここからは役の設定を与えただけで、役者さんたちのアドリブになります。
鶴瓶のスジナシ!』みたいな感じでしょうか。

佐藤二朗さん演じる岡宗太郎は松っちゃんの麻雀仲間という設定です。
困ってる人がいると自分もお金無いのに工面してあげて、いい人だったことが語られます。
織部順吉さんは手品愛好家仲間で、神戸浩さんは競馬仲間。
川瀬陽太さん演じるオカマは、共同経営者に騙されて行く当ての無かった自分を住まわせてくれたと言って泣きます。
ムラジュンさんは何だっけかな?バンド仲間だったかな。
伊藤沙莉さんは松っちゃんがよく行くスナックのバイトで「つぐない」をよく歌ってたと言います。
13年前の借金取り(波岡一喜・森田哲矢)も拝みにだけ現れます。

謎だったのは野生爆弾のくっきーさん演じる弔問客で、葬儀に遅れて現れるとお坊さんから一言促されるんですが、タクシーを待たせてて時間が無いとのことで焼香だけして帰るんですが、焼香の作法や回数を知らないのでそれでボケるっていうのをやるんですが、これ完全にテレビ東京でやってるドラマ25「MASKMEN」の流れですな。

【ドラマ25】MASKMEN 第11話 最終回

このドラマ第5話まで見てたんですけど、面白く無くて見るのやめちゃいました。
『山田孝之の東京都北区赤羽』と『山田孝之のカンヌ映画祭』に続く系譜だと思うんですけど、「山田孝之のカンヌ映画祭」も終盤グダグダだったので、さすがに三番煎じだと出涸らして、味も風味も無い感じでした。

本作がどの辺まで実話に基づくのか分かりませんが、父親が失踪して13年後に消息が分かったときは余命宣告受けて入院してた、くらいまででしょうか?
その辺までなら『ホームレス中学生』と話が被る感じですよね。

ホームレス中学生
小池徹平
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葬儀のときに、実際にああいうことがあったのでしょうかね?
お坊さんが水を向けて弔問客一人一人が挨拶するというのは考えづらく、お通夜や葬儀後の会食で故人の思い出が語られて、それでブランクの間の13年を知ったというなら現実的な気もしますが。
なのでその部分の脚本をちゃんと書いて、会食の席で故人の人柄を語らせるっていう方がよかったと思います。

仕事で知り合った放送作家の面白い実体験を、前半はドラマ調で描き、後半はフェイクドキュメントドラマ(モキュメンタリー)調で描くのは、内輪ノリっぽい感じで好きになれませんでしたね。
なので「予想を超える真実が心に突き刺さる」ことも無かったです。

毒親だと思ってた親が死んでから、周囲の評判を知るっていう話だったら『麦子さんと』みたいに王道で描いた方が心に刺さったと思いますね。

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最初にも書いた通り、映画のルックはいいので、今後はもう少ししっかりと脚本を練り込んだ作品を見てみたいと思いました。

鑑賞データ

シネ・リーブル池袋 水曜サービスデー 1100円
2018年 48作品目 累計38600円 1作品単価804円

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