リリー・ジェームズの起用がよかった ☆4点
スウェーデンの音楽グループABBAのヒット曲で構成され、1999年にウエストエンド、2001年にブロードウェイで上演され大ヒットしたミュージカルを2008年に映画化し、当時のミュージカル映画史上で世界歴代1位の興収となった『マンマ・ミーア!』の10年ぶりの続編。
監督は前作のフィリダ・ロイドから替わってオル・パーカー、主要キャストは前作から引き続き、アマンダ・セイフライド、ピアース・ブロスナン、コリン・ファース、ステラン・スカルスガルド、メリル・ストリープ
予告編
映画データ
本作は2018年8月24日(金)公開で、全国336館での公開です。
配給はユニバーサル、製作にレジェンダリー・ピクチャーズ、日本での配給は東宝東和です。
劇場での予告編はちょいちょい目にしましたが、前作を見てなかったのであまり興味をそそられませんでしたが、フリーパスポートがあったので鑑賞しました。
監督はオル・パーカー
初めましての監督です。
『マリーゴールド・ホテルで会いましょう』と続編の『マリーゴールド・ホテル 幸せへの第二章』の脚本を担当してたようです。
監督作は本作が3作目で、2作目の『17歳のエンディングノート』が2013年に日本で公開されたようです。
主演はアマンダ・セイフライド
近作は『ラヴレース』『テッド2』『クーパー家の晩餐会』『ヤング・アダルト・ニューヨーク』を観てます。
共演にピアース・ブロスナン
近作は『スパイ・レジェンド』『さよなら、僕のマンハッタン』を観てます。
共演にコリン・ファース
近作は『デビルズ・ノット』『キングスマン』『ブリジット・ジョーンズの日記 ダメな私の最後のモテ期』『キングスマン:ゴールデン・サークル』を観てます。
共演にステラン・スカルスガルド
近作は『ニンフォマニアック Vol.1』『ニンフォマニアック Vol.2』『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』を観てます。
共演にリリー・ジェームズ
近作は『二ツ星の料理人』『ベイビー・ドライバー』『ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男』を観てます。
共演にアンディ・ガルシア
近作は『ゴーストバスターズ(2016)』『パッセンジャー』『ジオストーム』を観てます。
共演にメリル・ストリープ
近作は『未来を花束にして』『マダム・フローレンス! 夢見るふたり』『ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書』を観てます。
他に共演と配役は以下の通りです。
ソフィ: アマンダ・セイフライド
サム:ピアース・ブロスナン
ハリー:コリン・ファース
ビル:ステラン・スカルスガルド
ターニャ:クリスティーン・バランスキー
ロージー:ジュリー・ウォルターズ
スカイ:ドミニク・クーパー
若きドナ:リリー・ジェームズ
若きロージー:アレクサ・デイヴィーズ
若きビル:ジョシュ・ディラン
若きサム:ジェレミー・アーヴァイン
若きハリー:ヒュー・スキナー
若きターニャ:ジェシカ・キーナン・ウィン
セニョール・シエンフエゴス:アンディ・ガルシア
ルビー:シェール
ドナ:メリル・ストリープ
あらすじ
どこまでも青く輝くエーゲ海に浮かぶ、ギリシャのカロカイリ島。母のドナ(メリル・ストリープ)との夢だったホテルを、ついに完成させたソフィ(アマンダ・セイフライド)は、支配人に任命したセニョール・シエンフエゴス(アンディ・ガルシア)と共に、オープニングパーティの準備に駆け回っていた。
人生で最高に晴れやかな日を迎えたソフィだが、その心は揺れていた。ニューヨークでホテルビジネスを学んでいる夫のスカイ(ドミニク・クーパー)が、そこで働かないかと誘われたのだ。ニューヨークで新たな人生を始めることに魅力を感じるスカイと、母の夢にこだわるソフィとの間に、かつてない危機が訪れていた。
そんななか、ソフィの妊娠が発覚! ソフィは思わず、若き日の母と自分を重ねる。ママは一人で私を身ごもった時、どんな気持ちだった? 3人のパパたちとはどうやって出会って、なぜ別れたの?時はさかのぼり、オックスフォード大学を卒業した若き日のドナ(リリー・ジェームズ)は、“自分を見つけるため”に広い世界へと飛び出すことを決意する。たった一人の家族である母のルビーは、歌手として活躍していた。ツアーで忙しいとはいえ、娘の卒業式にも来てくれなかった母のもとへ戻る気もなかった。
親友のロージーとターニャに見送られ、まずはパリへと旅立ったドナは、宿泊先のホテルで、若きハリー(ヒュー・スキナー)と出会う。父親の経営する銀行を継ぐためにパリに来たというハリーは、自分にはない“自由・情熱・勇気”に満ち溢れたドナに瞬く間に恋をする。ハリーの一途な想いに心を動かされたドナは、彼と一夜を共にするのだった。
だが、ドナの冒険は、まだ始まったばかり。彼女には、目指すべき場所があった。その昔、人々が世界の果てだと信じていたギリシャのカロカイリ島だ。ところがドナは、数日に1本しかないフェリーに乗り遅れてしまう。そこへヨットで気ままな旅を続けている若き日のビル(ジョシュ・ディラン)が現れ、島まで乗せてくれる。いかにも遊び人のビルからの誘惑をこの時は軽くスルーしたドナだが、彼とのドラマはこれで終わりではなかった。
宝石のように美しい島に到着したドナは、なぜか丘の上にポツンと建つ、壊れかけた家に引き寄せられる。人の気配はなく、1頭の馬だけが取り残されていたのだが、突然の激しい嵐に馬小屋が崩れ始める。助けを求めて外へ飛び出したドナが出会ったのが、若きサム(ジェレミー・アーヴァイン)だった。力を合わせて馬を救出した二人は、たちまち恋におちる。ドナはこの島でサムと暮らすことこそが“運命”だと感じるが、“レールに敷かれた人生”を始める前に、ひと時の休息をとっていた建築家のサムは、ある重大なことをドナに隠していた……。
そして現在──。駆け付けたロージー(ジュリー・ウォルターズ)とターニャ(クリスティーン・バランスキー)に、ゴージャスなボールルームやロマンティックなテラスなど、ホテルの見どころを案内するソフィ。ところが突然、嵐の到来を告げる雷が鳴り響く。このままではフェリーが欠航し、スペシャルゲストのニューヨークのセレブやパーティを盛り上げるバンド、さらには取材のメディアも来られず、パーティは台無しだ。
慌てるソフィを、“3人のパパ”の一人であるサム(ピアース・ブロスナン)が助けてくれる。20年ぶりに再会した時のプロポーズ以来、サムはドナに愛を捧げ続けていた。だが、頼りになるサムにも嵐を止めることは不可能だ。あとの二人の“パパ”からは、パーティには出席できないと言われていた。ハリー(コリン・ファース)は東京でビジネスの重要な契約があり、冒険家のビル(ステラン・スカルスガルド)は作家としても成功し、ストックホルムで授賞式があるのだ。
果たして、ソフィはパーティを成功させることが出来るのか? スカイとの愛の行方は? そして、ソフィの中に宿ったかけがえのない命は──?(公式サイトhttp://www.mammamiamovie.jp/より引用)
ネタバレ感想
前作の『マンマ・ミーア!』は見てなかったんですが、アマゾンプライムビデオとネットフリックスで配信されてたので、珍しく事前に鑑賞して予習しました。
前作は世界興収が6億ドルを超えてて、2017年に『美女と野獣』が公開されるまでミュージカル映画での世界歴代興収1位で、日本でも興収26億円とヒットしたんですけど、テレビ画面で見たせいかそんなに面白く感じませんでした。
確かにABBAの有名な曲のところでは盛り上がるんですが、舞台が島の中に終始し、たいしたストーリーも無かったので、楽曲もストーリーもよかった『グレイテスト・ショーマン』に比べると、イマイチかな?と思いました。
ただ、メリル・ストリープの相手に、ピアース・ブロスナン、コリン・ファース、ステラン・スカルスガルドの三者揃い踏みは豪華だなぁと思いました。
特にコリン・ファースは『英国王のスピーチ』でアカデミー賞を受賞する前ですし、『キングスマン』に主演する前なので、公開時よりも後から見た方(何しろ007とキングスマンが揃っちゃう訳ですから)が豪華に感じるのかもしれません。
なので本作を観る前の期待値は低かったんですけど、前作より面白かったです。
まず本作ではドナが亡くなってる設定で、メリル・ストリープは殆ど出てこないのですが、代わりにドナの若い頃のリリー・ジェームズが出ずっぱりでして、『ベイビー・ドライバー』での演技同様に非常に魅力的でした。
出演時間の長さも、ほぼアマンダ・セイフライドと一緒かそれより長い感じなので、実質的にはリリー・ジェームズが主演といってもいいんじゃないかと思います。
ストーリーの方は前作でソフィが父親候補である3人を結婚式に招待するきっかけとなった、ドナの日記を再現する形で進みます。
前作では、ソフィがドナの日記を読んでるシーンがあるので、前作を見てる観客にはそれが映像となって見せられるので、話がすんなり入ってきます(前作の日記の順番や設定と違うという声もあるみたいですが、前作に思い入れの無い自分は気にならなったかな)
現在のソフィと過去のドナと頻繁に時間軸が入れ替わりますが分かり辛くなることもなく、若い頃のサム、ハリー、ビルが登場しても、すぐに誰だか分かる(皆何となく似てる)ので、そういうところも面白く感じました。
現在のハリーとビルは映画も後半に差し掛かってからの登場です。
契約の為、東京に来てるハリーのシーンでは会議室の壁になぜか「整合性」の文字が(笑)
相変わらずハリウッドが描く変な日本描写なんですが、ああいうシーンこそ電通とかが働きかけて鬼十則とか貼っておけばいいのになぁ、と思います。
因みに横澤さんは、ハリーの取引相手の日本人男性の携帯の待ち受けが家族写真になっててその人の娘となって写ってるという役?です。
ハリーがそれを見てソフィの元へ行こうと思ったので、記事にある「心を動かすキャラクター」というのはあながち嘘ではないかも。
話を戻します。
ビルはストックホルムでの授賞式に出席してるんですが、出てきたステラン・スカルスガルドが太ってて、「あんな太ってたかな?(笑)」と思ったのですが、授賞式を抜け出すための替え玉でビルの兄のカート(ステラン・スカルスガルドの特殊メイクによる一人二役)でした。
ハリーとビルは当初はパーティに欠席予定だったものの、嵐のことがあって虫の知らせとでもいうんでしょうか、ギリシャに向かうと港で再会します。
しかし、カロカイリ島行きのフェリーは嵐でやられ出航の目処が立っていません。
仕方なく2人は港の居酒屋で飲んでるとビルは隣のテーブルで飲んでいる漁師に声をかけられます。
その漁師は若い頃のビルがソフィとカロカイリ島にヨットで渡ったときに海で出会った人物でした。
ボートが故障してた為、助けてあげた人物で、ダスティン・ホフマンの『卒業』みたいに他の男性と結婚しようとしている彼女のところに乗り込んで幸せを掴んだ人物でした(前半のちょっとした伏線)
ビルが経緯を話すと漁師は昔のお礼を兼ねて船を出してくれることになり、ビルは大勢の方が楽しいからと言って他の漁師も誘ってもらうと、多くの船で出航することになり、その中には同じく港で足止めされていたスカイの姿もありました。
ソフィの招待客は全員無事に島に渡り、パーティは成功すると更にサプライズが起こります。
ヘリコプターで突然やって来たのは、ソフィが招待するのをためらった祖母のルビーで、家族の仲を取り持とうとスカイが招待してました。
予備知識入れて無かったので、最初誰だか分からなかったんですが、「シェールだよなぁ」と思うと、メリル・ストリープ(69歳)の母役かぁと思ったんですけど、シェール(72歳)のラスボス感が凄いので、そんなことは気にならなくなりました。
シェールが登場すると「ビリーヴ」を歌いません。
ルビーは支配人のセニョール・シエンフエゴスと1960年代にメキシコで恋仲だったというオチでした。
オープニングパーティは花火も上がって大盛況に終わります。
エピローグは9か月後。
ソフィは無事に元気な赤ちゃんを出産すると、洗礼式が行われる島の教会に再び皆が集まります。
若き日のドナが産まれたばかりのソフィを抱いて皆に祝福されたように、ソフィも皆に祝福されると亡くなったドナが目の前に現れ、皆と一緒に祝福してくれるのでした。
フィナーレはシェールによる「スーパー・トゥルーパー」を皆で歌って大団円で映画は終わります。
前作でのダイナモスによる「スーパー・トゥルーパー」
それにしても本作は、批評家・観客共に前作に比べると評価が高いんですが(2018年9月13日現在)
興行収入だと北米では前作より2千万ドルくらい少なく、世界興収だと2億ドル強少ないんですよね。
肝心の日本でも初週動員ランキングが前作は2位だったのに対し、本作は7位です。
初週興収も前作が4.3億円に対し、本作はおそらく1.5億円くらいで前作比35%と大幅に減っています。
この感じは興収118億円を記録した『アリス・イン・ワンダーランド』に似てて、続編の『アリス・イン・ワンダーランド/時間の旅』は興収27.8億円と前作比24%で大幅ダウンし、初週興収も前作比32.3%で本作と似た感じなんですよね。
おそらく昨年から『ラ・ラ・ランド』が興収44.2億円、『美女と野獣』が124億円、『グレイテスト・ショーマン』が51億円とミュージカル映画のヒットが続いたことから、観客がお腹いっぱいになっちゃってるんだと思います。
それとテレビ放映から10年目にして初めて映画化された「コード・ブルー」に、10年ぶりの続編が食われちゃった感じもします。
個人的には前作より面白かったんですが、興収10億円にギリギリ届くかという寂しい感じになりそうなので、最後に景気のいい「ダンシング・クイーン」を置いておきます。
あと「恋のウォータールー」の360度ミュージックビデオがあったので貼っておきます。
鑑賞データ
TOHOシネマズ上野 1か月フリーパスポート 0円
2018年 137作品目 累計125100円 1作品単価913円
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