億男 評価と感想/メロスとかけて芝浜と解くがその心は?

億男 評価と感想
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あまり面白くなく ☆3点

東宝のプロデューサー川村元気による『世界から猫が消えたなら』に続く自身の小説の二作目で、2015年の本屋大賞10位に入賞した同名小説を映画化。
借金を抱え家族バラバラになった主人公が宝くじ3億円の当選に翻弄されながら、真の幸せを探し求める様を描く。
監督は大友啓史、主演に佐藤健と高橋一生、共演に黒木華、池田エライザ、沢尻エリカ、北村一輝、藤原竜也

予告編

映画データ

億男 (2018):作品情報|シネマトゥデイ
映画『億男』のあらすじ・キャスト・評価・動画など作品情報:『世界から猫が消えたなら』の原作者でプロデューサーとしても活動している川村元気の著書を、『ハゲタカ』シリーズなどの大友啓史監督が映画化。
億男 : 作品情報 - 映画.com
億男の作品情報。上映スケジュール、映画レビュー、予告動画。映画プロデューサー・川村元気の同名ベストセラー小説を佐藤健&高橋一生共演、「るろうに剣心」シリーズ、「3月のライオ...

本作は2018年10月19日(金)公開で、全国299館での公開です。
配給と制作は東宝で、製作委員会方式の作品です。

劇場での予告編は公開の1か月~1か月半前くらいからでしょうか目にしだしたのは。
お金にまつわる新感覚マネーエンターテインメントとのことで、面白そうだったので観に行ってみました。

監督は大友啓史さん
監督作は『るろうに剣心 京都大火編伝説の最期編』『ミュージアム』『3月のライオン 前編後編』を観てます。

主演に佐藤健さん
近作は『るろうに剣心 京都大火編伝説の最期編』『リアル~完全なる首長竜の日~』『トイレのピエタ』『バクマン。』『世界から猫が消えたなら』『何者』『亜人』『8年越しの花嫁 奇跡の実話』『いぬやしき』を観てます。

主演に高橋一生さん
近作は『シン・ゴジラ』『3月のライオン 前編後編』『THE LIMIT OF SLEEPING BEAUTY ―リミット・オブ・スリーピング ビューティ―』『嘘を愛する女』『空海―KU-KAI― 美しき王妃の謎(日本語吹き替え)』『blank13』『空飛ぶタイヤ』を観てます。

共演に黒木華さん
近作は『銀の匙 Silver Spoon』『リップヴァンウィンクルの花嫁』『海辺のリア』『未来のミライ(声の出演)』『散り椿』を観てます。

共演に池田エライザさん
近作は『伊藤くん A to E』『となりの怪物くん』『SUNNY 強い気持ち・強い愛』を観てます。

共演に沢尻エリカさん
近作は『新宿スワン』『不能犯』『猫は抱くもの』を観てます。

共演に北村一輝さん
近作は『KILLERS/キラーズ』『無限の住人』『8年越しの花嫁 奇跡の実話』『羊の木』『今夜、ロマンス劇場で』『去年の冬、きみと別れ』を観てます。

共演に藤原竜也さん
近作は『るろうに剣心 京都大火編伝説の最期編』『22年目の告白-私が殺人犯です-』『泣き虫しょったんの奇跡』を観てます。

他に共演と配役は以下の通りです。

大倉一男: 佐藤健
古河九十九: 高橋一生
大倉万佐子: 黒木華
あきら: 池田エライザ
安田十和子: 沢尻エリカ
百瀬栄一: 北村一輝
千住清人: 藤原竜也
麻衣: 松田るか
百瀬の秘書C: 村本明久
ダンサー: 渡辺加和
セミナー参加者: 川瀬陽太
: 佐藤玲
宝くじのお姉さん: 廣瀬菜都美
落研メンバー: 藤原季節
落研メンバー: 尾上寛之
落研メンバー: 大津尋葵
落研メンバー: 前原滉
落研メンバー: 大窪人衛
落研メンバー: 船崎良

あらすじ

兄が3,000万円の借金を残して失踪して以来、図書館司書の一男(佐藤健)は、夜もパン工場で働きながら借金を返済している。妻・万左子(黒木華)は度重なる借金の返済に苦心し窮屈に生きることしか選んでいない一男に愛想を尽かし、離婚届を残して娘・まどかと一緒に家を出てしまうのだった。そんな踏んだり蹴ったりの一男だったが、突然宝くじが当たる。当選金額3億円!これで借金を返せるだけでなく、家族の絆を修復することができるはず。だがネットを見ると、宝くじの高額当選者たちはみな悲惨な人生を送っているという記事ばかり・・・。怖くなった一男は、大学時代の親友であり、起業して億万長者となった九十九(高橋一生)にアドバイスを求めることにする。久しぶりの再会と九十九プロデュースの豪遊に浮かれて酔いつぶれた一男が翌朝目を覚ますと、3億円と共に九十九は姿を消していた──

3億円と親友のゆくえを求めて、一男のお金と幸せをめぐる冒険が始まった。九十九の家のパーティで出会った“あきら”(池田エライザ)と名乗る女性を頼りに、かつて九十九と起業した仲間=“億男”と呼ばれる億万長者たちに九十九の手掛かりを探る。ギャンブル好きの実業家:百瀬(北村一輝)、マネーセミナーの教祖:千住(藤原竜也)、10億円を隠し持つ主婦:十和子(沢尻エリカ)・・・。クセ者ぞろいの億男たちを渡り歩く“地獄めぐり”に翻弄される一男。お金、友情、そして家族。すべてを失った男が最後にたどり着くのは?お金とは何か?幸せはどこか─

(公式サイトhttp://okuotoko-movie.jp/about/story.htmlより引用)

ネタバレ感想

本作は映画版『闇金ウシジマくん』のパート1みたいなヒルズ族のパーティーシーンから始まり、一男と九十九が万札をばら撒いてます。

そして翌朝、酔い潰れた一男が目を覚ますとパーティー部屋はもぬけの殻で、下の部屋に降りて九十九を探すも姿は無く、預けた3億円も消えています。
一男はすぐに九十九に電話するも携帯は繋がらず連絡が取れません。

そこでパーティーの時、一男に近づいてきてLINE交換したギャラ飲みみたいなことをしてる女子のあきらに連絡し、九十九の行方を知ってそうな人を紹介してもらって探し回るという展開になります。

2時間で1万円、美人モデルが「ギャラ飲み」の実態を告白 | マネーポストWEB
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あきらが教えてくれたのは九十九の会社バイカムの創業メンバーでスーパーエンジニアだった百瀬という男です。

そして一男が百瀬に会って事情を話すと、パーティーに至ったまでの経緯が回想形式で描かれるんですが、まず序盤の設定からしてノレなかったです。

上のあらすじにあるように、一男は兄の連帯保証人(というか兄がいるのに一男なのか?原作では弟らしいから一男で合ってる)になっていたため3000万円の借金を背負っていて、昼は図書館司書として正社員で働き、夜はパン工場でバイトして、手取り37万円の中から15万円を借金返済に充てています。
妻の万佐子とは離婚していないものの別居してるので心に余裕も無く、家賃も余計にかかって生活もカツカツなので、「まず自己破産すればいいのにな?」と思ってしまいました。

ただ本作ではラッキーなことに一男は宝くじで3億円に当選します。
銀行員から説明を受けるシーンも描かれ、例の「【その日】から読む本」を渡されるシーンもあります。

参考 【その日】から読む本 – Wikipedia

宝くじ高額当せん者だけに配布される冊子に書かれた「驚愕の注意点」…不幸なトラブルも多数
毎年11月下旬から12月下旬にかけて発売される「年末ジャンボ宝くじ」。2016年のその1等は7億円で25本(第704回全国)。前後賞はそれぞれ1億5000万円で...

しかし一男はネットなどで高額当選者の末路がことごとく悲惨になってるのを知ると不安になり、しばらく会ってない大学時代の親友で現在はIT長者として成功している九十九ならば、お金に関するいいアドバイスがもらえるのではないかと考え、久しぶりに連絡するとすぐに会う運びとなります。

宝くじ当選者の末路…高額当選に要注意は本当だった! | J-WAVE NEWS
J-WAVEで放送中の番組「STEP ONE」(ナビゲーター:サッシャ・寺岡歩美)のワンコーナー「BEHIND THE SCENE」。12月21日(木)のオンエアでは、宝くじがいざ当たった! という時の心構えについて、『宝くじで1億円当たっ

一男は九十九に会うと「お金は実際に手にした方が実感が湧く」と言われ3億円を持って行きます。
さらに「実際に使った方がもっと価値が分かる」と言われパーティーを開催し、九十九が消えた経緯までが分かるんですが、【その日】から読む本にも書いてある通り、「何でまず借金返済しないんだろ?」と思ってしまいました。
図書館司書のイメージって、本好きで博識のイメージもあるんですが、序盤で描かれる一男の行動は「図書館司書の割に頭悪すぎない?」と思って、もう全然ノレませんでした。

話を聞き終えた百瀬によるとバイカムはすでに売却されており、九十九を除く創業メンバーは莫大な売却益を得て、各々が別の仕事をする中、九十九だけは売却に反対し会社に残り新規事業を立ち上げたものの、上手くいってないことを聞かされると一男を不安にさせます。

そして一男は次々に起業メンバーを回り話を聞くと、IT長者として時代の寵児ともてはやされた九十九も大金に翻弄され苦悩してた姿を知ると、一男と九十九の出会いが描かれる展開となります。

一男と九十九は大学の落研で出会い、飲み会の席で一男が九十九に嘔吐してしまったところ、気にするなと言って介抱してくれたのが縁で親しくなります。
九十九は吃音(どもり)でしたが落語は流暢で、一男も負けじと芸を磨くと2人は99+1=100点コンビと呼ばれるまでの仲になり、モロッコ旅行の回想シーンが描かれます。

学生時代のモロッコ旅行では2つのお金にまつわるエピソードが描かれます。

1つはホテルへの道を迷っていたところ、親切な客引きについて行ったら、案内料をせがまれたというもので、少しの金額だからと言って払おうする一男に対し、無料だと言ったんだから払う必要は無いと言う九十九が描かれます。

もう1つは旅の疲れから雑貨店で買い物中に、意識を失って倒れてしまった一男が食器などを割ってしまい、店から34万円請求されたというもので、一男が目覚めたときにはすでに九十九が払ってくれていて、一男が(そんなぼったくりな金額を)どうして?と聞くと、一刻も早くその場を収めて早く病院に連れて行きたかったというエピソードが描かれ、九十九の人柄が描かれます。

そしてモロッコの砂漠で九十九が披露してくれた落語の「芝浜」を思い出すと、電車に乗ってる一男の前に、突然、九十九が姿を現します。

映画「億男」から透けて見える落語の名作「芝浜」(1/2ページ)
人を殺めたり、だましたり、人間性をむき出しにする金は日常と犯罪の境界線を緩める。10月19日公開の映画「億男(おくおとこ)」。タイトルからは金のにおいがプンプ…

一男はこの時には九十九が3億円を持って姿を消した真意に気づいていて、九十九に「芝浜なんだろう?」と言い、戻ってきた3億円で娘が欲しがっていた自転車を買ってあげて、夫婦仲も取り戻せそうな感じで、芝浜っていうオチだけで映画は終わるんですが、面白いかって聞かれるとそんなに面白くなかったです。

参考 芝浜 – Wikipedia

九十九のやったことは平たく言っちゃうとドッキリだと思うんですが、『オズランド』のときにも書いたんですけど、個人的にはドッキリが嫌いなのでノレなかったのかなぁ?とも思ったんですが、それだけじゃ無くて、まぁ全体的に話は薄っぺらかったと思います。

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九十九の人となりを序盤はパーティーで金をばら撒いたり、ピンヒールにシャンパン注いで飲ませたりして、観客には胡散臭い人物と匂わせておいて、終盤にかけて九十九の本当の人となりを描いて、「九十九を信じられるか、信じられないか」みたいな「走れメロス」のような構成にして、最後に落語の「芝浜」でオチをつけるってだけじゃ、上映時間116分は長くてテンポ悪い気がしました。

競馬場での百瀬の話(あれ最初1分くらい北村一輝さんだと気づかなかったw)、あの頭の中だけでお金が行ったりきたりする話も、昔から競馬のノミ行為ではある話で、客から注文受けても実際は買ってないっていうのがあるんで、目新しい話じゃないんですが、実際は頭の中だけで貸した100万円を種明かしされずに百瀬から請求されたら一男はどうしたんでしょうかね?

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千住のセミナー(藤原竜也さん太って見えるのそういう服みたいです)みたいのは、『闇金ウシジマくん Part3』とか他で散々やってますから、これも笑えるだけで、お金の意味を考える上での目新しさは無いですよね。

十和子の西麻布・六本木界隈の男と女の話もよく聞く話で、フリマアプリが出会い系の場になってるというのもなんともなんですが、それより気になることが…。

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更新日:3月22日22時02分

十和子は10億もの現金を古い公団住宅の壁や畳の下にビッシリと敷き詰めてましたが、火事があったらどうするんでしょうかね?
全焼しなくてもボヤだけでもダメージありそうと思いました。
それともタイガーボードなのかしら?

ところで本作は、原作:川村元気、制作配給:東宝、主演:佐藤健ということで『世界から猫が消えたなら』の2匹目のどじょうを狙ったんだと思いますが、『世界から』が興収12.3億円だったのに対し、本作の興収は半分の6億円台に終わりそうなんですけど、両作とも共通するのは海外ロケなんですよね。

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『世界から』がアルゼンチンで、本作がモロッコで、佐藤健さん色んなところ行けていいなぁと思いました。

鑑賞データ

TOHOシネマズ上野 シネマイレージウィーク 1100円
2018年 171作品目 累計153300円 1作品単価896円

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