猫は抱くもの 評価と感想/何で舞台風?予告編のアップに騙された

猫は抱くもの 評価と感想 映画感想

鑑賞後感はいいものの終盤までが辛すぎる ☆2.5点

2015年に刊行された猫と人間の絆を描いた大山淳子の同名連作短編小説を一本のストーリーにして映画化。
監督は犬童一心、主演は沢尻エリカ、共演に吉沢亮、峯田和伸、コムアイ

予告編

映画データ

猫は抱くもの|映画情報のぴあ映画生活
『猫は抱くもの』は2018年の映画。『猫は抱くもの』に対するみんなの評価やクチコミ情報、映画館の上映スケジュール、フォトギャラリーや動画クリップなどを紹介しています。

本作は2018年6月23日(土)公開で、全国67館での公開です。
今後順次公開されて、最終的には84館での公開となるようです。
製作・配給はキノフィルムズ

予告編は新宿ピカデリーに行ったときよく目にしました。
今年はこのあと『旅猫リポート』が公開されるんで、今年のネコ映画1作目ということで観に行ってきました。

監督は犬童一心さん
劇場で観るのは初めてになります。
作品は『ジョゼと虎と魚たち』『メゾン・ド・ヒミコ』『ゼロの焦点』『のぼうの城』を見てます。
『メゾン・ド・ヒミコ』なんかはよかったですね。

あとドラマ版の「グーグーだって猫である」は1,2と両方見ました。
この作品はほっこり癒されましたね。

連続ドラマW グーグーだって猫である
少女漫画界の巨星・大島弓子が、飼い猫との...

主演は沢尻エリカさん
近作は『新宿スワン』『不能犯』を観てます。

共演に吉沢亮さん
近作は『ラストコップ THE MOVIE』『銀魂』『斉木楠雄のΨ難』『悪と仮面のルール』『リバーズ・エッジ』『ママレード・ボーイ』を観てます。

共演に峯田和伸さん
近作は『素敵なダイナマイトスキャンダル』を観てます。

他に共演と配役は以下の通りです。

大石沙織: 沢尻エリカ
良男(猫): 吉沢亮
後藤保(ゴッホ): 峯田和伸
キイロ(猫): コムアイ
老猫&スーパー店長: 岩松了
サビ&スナック客: 藤村忠寿
サバトラ&サニーズのファン&カラオケ店員: 内田健司
黒猫&高橋の友人: 久場雄太
茶ブチ&スーパー店員&スナックのママ: 今井久美子
キジトラ&バラエティ番組MC: 小林涼子
黒白ブチ&サニーズのトッキー: 林田岬優
ヒョウ柄&スーパー店員: 木下愛華
縞三毛&中山帆乃: 蒔田彩珠
サニーズのナッツン: 伊藤ゆみ
サニーズのみるみる: 佐藤乃莉
サニーズのりんりん: 末永百合恵
ベッド・イン: 益子寺かおり
ベッド・イン: 中尊寺まい
バラエティ番組MC: 中村有志
高橋良男&ササキ: 柿澤勇人

あらすじ

元アイドル×自分を人間だと思う猫
こじらせた1人と1匹の時間が、輝きだす──

田舎町の小さなスーパー。元アイドルの沙織(沢尻エリカ)は経歴を隠して、レジ係として働いていた。芸能界ではなりたかった自分になれず、誰も知らないこの町に逃げてきて、いつしか投げやりな生き方にも慣れてしまった。心を開けるのは、裏の倉庫でこっそり飼っているロシアンブルーの猫・良男(吉沢亮)だけ。空き時間にそっと訪ねては、今日あった出来事や、気になる男性のこと、頭に描いた妄想などを、いちいち話して聞かせるのだった。そんな沙織の心に寄り添ううちに、良男はいつしか自分も人間で、彼女を守れるたった一人の恋人なのだと思い込んでしまう。

ある日、スーパーで万引きをした女子高校生(蒔田彩珠)が捕まった。保護者代わりにやってきたのは、叔父の後藤保(峯田和伸)という男。“ゴッホ”と呼ばれる売れない画家に、沙織はなぜか惹かれるものを感じ、あれこれと勝手な想像を良男に語ってみせる。そんな平穏な日々も、つかの間──。沙織は、心を許しかけていた年下の上司(柿澤勇人)から手痛い裏切りにあってしまった。良男を抱きしめ「もう男は、良男だけでいいよ……」と涙を流す沙織。

その夜。そばにいてあげたいという思いに駆られた良男は、満月に誘われるように外の世界に飛び出して、沙織のアパートへ走る。だが夜道で足を滑らせ、暗い川へと落ちてしまった。流れ着いたのは個性豊かな猫たちが集う「ねこすて橋」のたもと。良男はそこで、ゴッホの飼い猫だったキイロ(コムアイ)や、不思議な力を持つ長老猫(岩松了)と出会う。

一方、必死になって良男を探す沙織のもとに、東京のテレビ局から連絡が入った。かつて沙織が所属して、売れないまま解散してしまったアイドルグループ「サニーズ」を、たった一日だけ再結成したいと。

離ればなれになった1人と1匹は、自分らしく生きるすべを見つけることができるのか。
それぞれの想いを叶えることはできるのか──。

公式サイトより引用)

ネタバレ感想

原作者こそ違いますが、脚本・高田亮×監督・犬童一心の「グーグーだって猫である」コンビということで、ほっこりしたのを期待して観に行ったんですが…。

連続ドラマW グーグーだって猫である2|WOWOW
少女漫画界の巨星・大島弓子のコミックエッセイドラマ化、待望の続編「グーグーだって猫である2」

いや、オープニングから「ねこすて橋」の下に捨てられている猫たちを引き気味に撮ってるショットと猫のCG感に嫌な予感がしたんですけど、主人公の沙織が出てきてスーパーのバックヤードで良男と戯れてるシーンが始まると、以降ずっと舞台風なんです。

このシーンはバックヤードのシーンなんですが、予告編だとアップで撮ってるんで気付きにくいですが、これ背景が舞台のセットなんです。

そしてスーパー内も同様に舞台のセットです。

あと沙織は元々はソロ歌手志望で歌が好きなので、ひとりカラオケに行くんですが、これも舞台のセットで、前半はバックヤード、スーパー内、カラオケ店とほぼ舞台のセットでお話が展開していく感じで、たまに外の景色とかも挟みますが、なんでこんな演出にしたのだろう?と疑問に思いました。
なんか映画館のスクリーンで舞台中継を見てるみたいな。
今年は吉永小百合様の『北の桜守』でも舞台演出入れてたので、流行ってるんでしょうか。

そして肝心の猫も、本物の猫より擬人化されてる方の出番が多いので、全然ほっこりしないんです。
ミュージカル要素を除いた「キャッツ」の劇場中継をスクリーンで見てる感じでしょうか。

あと配役のところを見ても分かるように一人二役が多いんですが、猫の役と人間の役が対応してるとか関係してるとかでは全然無くて、ただ一人二役なだけです。
こういう一人二役も小劇場の舞台的な演出だなと思いました。

前半の話のメインは、スーパーの本社の社員の高橋がやってきて、レジサービスが優秀ということで沙織が表彰されます。
それで沙織は高橋にデートや食事に誘われて心を許しかけるんですが、ひとりカラオケに行ったある日、高橋が地元の友人たちとカラオケに来ていて彼女がいることを聞いてしまいます。
そして高橋は沙織が元アイドルだということを知っていて近づいてきたのも分かり、沙織が傷つくっていうのがメインになります。

後半はサニーズ再結成の話が持ち上がりますが、「懐かしのアイドルグループは今」的なテレビ番組の出演で1回限りの復活です。

このシーンは舞台のセットではなく、テレビ局のスタジオになります。
(かつて沙織に手を出してきたプロデューサーのササキ(柿澤勇人さんの一人二役だけ似たような役かも)との再会に、ソロ歌手への道が開けるかも?と妄想するも、完全に忘れられていてスルーされて落ち込む沙織の図)

複数の懐かしのアイドルグループが出演して、クイズやゲームで1位になったら1曲歌えるっていう歌番組では無くバラエティー番組で、司会は中村有志さんです。
映画館のスクリーンでTVチャンピオン見てる気がします。

ライバルグループにベッド・インが出てくるんで、この映画は本気なんだかふざけてるんだか(笑)

熱湯風呂とかも入らされてました。

サニーズのトッキーが頑張って、5秒以上熱湯風呂に浸かるので、優勝は見事サニーズで1曲歌えることになります。


だけど番組のエンディングで提供クレジット越しに少し流れるだけで、消費されるアイドルの悲哀が描かれます。

結局、久しぶりに東京へ行って番組収録に臨むも、昔と何も変わらず傷ついただけで、バスで夜になって沙織は帰ってきます。

沙織はそのまま家には帰らず、山に入ってゴッホの家に向かいます。
以前に高橋とハイキングしたときに、山の中でキイロという猫と暮らすゴッホを見かけていて、その後、良男を探してた時に同じようにキイロを探すゴッホと知り合いになっていました。

沙織はゴッホの家に着くときちんと歌わせてもらえなかったと収録の愚痴を言います。
するとゴッホはきちんと歌おうと客がいるカラオケスナックに沙織を連れていきます。
ゴッホの家もカラオケスナックも舞台セットで場面転換する感じです。

沙織は「ロマンス交差点」のメインパートを、ゴッホは沙織のパートを歌うことになりますが、ちょっとしか無い沙織のパートをゴッホが失敗すると、沙織の思いが溢れます。
「自分はたったこれだけのパートを歌うためにどれほど練習したか」
「昔も今もがむしゃらに努力したって報われない」
と言うと酒をあおりますが、「本当はアイドルグループの端でソロも少なくて恥ずかしいと思ってたんだろ」とゴッホが沙織の心の中を見透かしてるかのように指摘します。

沙織は売り言葉に買い言葉で、「絵画で食えなくて、姪の面倒を見る代わりにお金を貰ってるあんたに、私の気持ちが分かるか」とキレます。
ゴッホは「分かる」と言うと、「プロデューサーと付き合っても何にもならなくて」「東京でアイドルに挫折して逃げるように隠れて田舎のスーパーでレジ打ちして」「再結成を期待したらバラエティー番組で」と、沙織の気持を代弁するようにグサグサ言って自己啓発セミナーみたくなります。
すると沙織は号泣しますが、その様子を見たゴッホは猛然とデッサンを始めます。

ゴッホのデッサンが熱を帯びてくると沙織も全てをさらけ出しヌードデッサンになりますが、『ヘルタースケルター』じゃないので肝心な部分は映りませんのでご安心下さい。
沙織とゴッホを探していた良男とキイロも辿り着くと、その様子を窓から眺めています。
ゴッホは複数のデッサンで一枚の沙織の肖像画を完成させるのでした。

エピローグ
良男と再会できた沙織はスーパーを辞め、東京のペット化の物件に引っ越し良男と暮らします。
トッキ―の紹介で結婚式で歌うアルバイトの仕事も得ます。
それだけでは生活できないので、沙織は通りかかった喫茶店で求人募集の貼り紙を見つけると店に入ります。
店員に「求人募集の貼り紙を見て」と言うと、その店員はゴッホの姪でした。
「店長を呼んできます」と言って奥に行く店員に続くと、店の奥の壁にはゴッホが書いた沙織の肖像画が掛けられていて映画は終わります。

 

正直、最初は舞台調で途中からTVチャンピオンになったときはどうしようかと思いましたが、最後は良男とも暮らせますし、自己啓発みたいのを経て一歩踏み出せたので、鑑賞後感はそんなに悪くはありませんでした。

ただこれ、舞台でやった方がいいと思いますね。
途中のTVチャンピオンのわちゃわちゃした感じも、最近の小劇場のお芝居でよく見る感じですし、一人二役の配役と併せて舞台の方がハマる気がします。

主演の沢尻さんは相変わらずいいですね。
沢尻さんの落ち着いた声とかイントネーション、あと滑舌がよくて台詞が聞き取りやすいのも好きです。

あと、序盤は擬人化した良男の喉とか腹を撫でてるのがエロかったです。

それから、益田トッシュさんが手掛けた「ロマンス交差点」もよかったですね。

ただ本作は猫映画と謳ってますけど、終わってみると猫あんまり関係無くて、基本的にゴッホがいれば完結してしまう話になっていたのが残念な気がします。

そういえば今年1月に公開された『ピンカートンに会いにいく』もアイドルグループを再結成する話でした。

主人公がこじらせてるのとか、テーマ的にはこっちの方が近い気がします。

ピンカートンに会いにいく 評価と感想/こじらせアラフォーを救えるのか?
ピンカートンの魅力が伝わってこなかった ☆3点 2013年から始まった松竹ブロードキャスティングのオリジナル映画プロジェクト第5弾で、第3弾『東京ウィンドオーケストラ』に続く坂下雄一郎監督作品。 20年前にブレイク寸前で突然解散したアイドルグループのリーダーが再結成に奔走するコメディで主演は内田慈、共演に松本若菜、山田真歩

猫映画でほっこりしようと観に行ったら、手の甲をひっかかれた感じですが、こじらせ映画を観に来たと思えば、その痛みも許せる感じの作品だと思います。

鑑賞データ

新宿ピカデリー SMTメンバーズ割引クーポン 1200円
2018年 111作品目 累計105800円 1作品単価953円

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