旅猫リポート 評価と感想/フランダースの犬くらい不幸で泣ける

旅猫リポート 評価と感想
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僕のワンダフル・ライフ的な良作でした ☆4.5点

2012年に出版されたベストセラー作家・有川浩の同名小説の映画化。
ある事情により猫を飼えなくなった主人公が里親を探すため旧友を訪ねて回るロードムービー。
監督は同じ有川浩原作の「植物図鑑」を監督した三木康一郎、主演は福士蒼汰、猫の声で高畑充希

予告編

映画データ

旅猫リポート : 作品情報 - 映画.com
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本作は2018年10月26日(金)公開で、全国321館での公開です。
配給は松竹、制作はホリプロで、製作委員会方式で作られてて(松竹、日本テレビ放送網、木下グループ、ホリプロ、講談社、読売テレビ放送、研音、読売新聞社、イメージフィールド、イオンエンターテイメント)といった会社が名を連ねてます。

松竹系の映画館では特報的な予告編をかなり前(昨年とか年初)から目にしてた記憶があって、プロモーションに力入れてるなと思いましたが、初週の週末動員ランキングが2位スタートで興収も1億円ちょっととあまり振るわなかったようです。

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ただ、予告編の時点から猫が可愛くて、正しい猫映画のような気がしたので、観に行くのは決めてました。
今年は『猫は抱くもの』があったので、ネコ映画2本目となります。

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監督は三木康一郎さん
監督作は2017年のマイワースト作品『リベンジgirl』を観てます。

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主演は福士蒼汰さん
近作は『無限の住人』『曇天に笑う』『ラプラスの魔女』『BLEACH』を観てます。

猫の声で高畑充希さん
近作は『怒り』『ひるね姫 ~知らないワタシの物語~(声の出演)』『泥棒役者』『DESTINY 鎌倉ものがたり』を観てます。

共演に広瀬アリスさん
近作は『銀の匙 Silver Spoon』『新宿スワンⅡ』を観てます。

共演に大野拓朗さん
近作は『黒執事』『セーラー服と機関銃 -卒業-』『サバイバルファミリー』を観てます。

共演に竹内結子さん
近作は『ストロベリーナイト』『殿、利息でござる!』『クリーピー 偽りの隣人』を観てます。

他に共演と配役は以下の通りです。

宮脇悟: 福士蒼汰
ナナ(声): 高畑充希
ナナ: トム
杉千佳子: 広瀬アリス
杉修介: 大野拓朗
澤田幸介: 山本涼介
吉峯大吾: 前野朋哉
宮脇悟(小学時代):田口翔大
澤田幸介(小学時代):二宮慶多
五十嵐:中村靖日
神崎: 戸田菜穂
モモ(声): 沢城みゆき
虎丸(声): 前野智昭
宮脇健悟:橋本じゅん
宮脇和子:木村多江
澤田慶介:田中壮太郎
澤田洋恵:笛木優子
香島法子: 竹内結子

あらすじ

野良猫として誇り高く、タフに生きてきたナナ(声=高畑充希)。
人間は信用ならないし、なれ合うなんてまっぴら。
でも定期的においしいものをくれる優しい青年・悟(福士蒼汰)のことは、ちょっと気に入っている。
ある日、一瞬のタイミングのずれで車に轢かれ大けがを負ってしまったナナ。
薄れゆく意識の中、ナナが必死で助けを呼んだのは悟だった。

この日からナナは悟の猫になり、ふたりは家族になった。
いつもナナのことを一番に考えてくれる、優しい悟。
それなのに、ある事情で悟はナナを手放す決心をする。
ナナの新しい飼い主を探すため、悟はナナを愛車に乗せ最初で最後の旅に出た。
だがこれっぽっちも納得していないナナは、旅先で出会う悟の友達に心を開かない。
小学校時代の友人(山本涼介)のところではゲージから出ようとせず、
高校時代の友人夫婦(広瀬アリス大野拓朗)の先住犬には喧嘩を売り、大騒ぎになる始末。
困り果てた悟は、小さい頃からお世話になっている
叔母(竹内結子)のもとを訪ねるのだが……。

(公式サイトhttp://tabineko-movie.jp/about/より引用)

ネタバレ感想

有川浩さんの小説は読んだこと無くて、映像化作品は『図書館戦争』シリーズも見たことないんですけど、テレビで放送してたのを見た『阪急電車 片道15分の奇跡』とか、連ドラを見てた「フリーター、家を買う。」や「三匹のおっさん〜正義の味方、見参!!〜」は、わりと面白かったので好きです。

阪急電車はヤフー映画で4.04点映画.comで3.6点フィルマークスで3.6点なんでわりといい方だと思うんですが、本作もヤフー映画で3.88点映画.comで3.8点フィルマークスで3.6点なんでわりといい方だと思うんですけど、ハートウォーミングな感じでテイスト的にも似てたと思います。

ストーリーは、さる事情で猫を飼えなくなった主人公が、猫を飼ってくれると言っている旧友たちを、愛車のフィアット・パンダに乗って訪ねて行くロードムービーで、友人に会うとその過去が描かれ、主人公の境遇がだんだん分かってくるという展開なんですが、そのだんだん明らかになる主人公の境遇が、「フランダースの犬」のネロもビックリな不幸ぶりなんで、泣くなって言う方が無理だと思うんですが、実際、映画館では鼻をすする音がよく聞こえました(笑)

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自分も泣くまでには至りませんでしたがかなり感動しました。
展開としてはベタなんですけど演出があざとくなく、その辺は監督のインタビューを読むと意識したようで、脚本に原作者の有川浩さんがクレジットされてるので、脚本の力をそのまま信じたんだと思います。

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さて、その肝心の主人公の不幸ぶりなんですが、まず小学生時代の同級生・澤田幸介に会うと、主人公・宮脇悟の両親が悟が修学旅行中で家を留守にしてるときに、交通事故で2人いっぺんに亡くなってしまったのが分かります。
悟は幸介が拾ってきた捨て猫のハチを行きがかり上飼うことになって友情を深めたのですが、孤児になってしまった悟の家族はハチだけになってしまいます。
両親の葬儀の際、親戚が悟をどうするか話し合いますが、引き取り手が無く養護施設に預けようという話になります。
しかし悟の母・和子の妹の香島法子が自分が引き取って育てると言います。
法子は若く未婚の独身だったため親戚の反応は冷ややかでしたが、それでも引き取って育てると言います。
ただ法子の仕事は判事で転勤が多く、ペット不可の官舎暮らしで猫のハチまでは引き取れないとのことで、ハチは高松の親戚に引き取られることになり、悟と離れ離れになってしまいます。

悟の次の不幸は、高校時代の親友の杉修介・千佳子夫妻に会うと描かれます。
高校生になった悟は高松で暮らすハチに会うため、千佳子の実家の茶畑でのアルバイトに精を出しお金を貯めます。
しかしお金も貯まって会いに行こうとした矢先、ハチが死んだとの連絡を受け意気消沈します。
千佳子にしっかり弔ってくるようアドバイスされ、悟は高松に行きますが、悟が高松から戻ってくると修介から千佳子とデートしたと聞かされます。
千佳子のことが好きだった悟ですが、修介の思いを知ったのと、自分が付き合ってもいつかは引っ越しで遠距離になるため、思いを告げることなく潔く身を引きます。

そして最大の不幸は叔母の法子の元を訪れると描かれます。
悟が飼い猫のナナを預けようとしたのは1年前に悪性腫瘍が見つかって余命宣告を受けたからだと分かります。
1年前に病気のことを聞かされた法子は転勤の多い判事を辞め、弁護士として法律事務所に就職し、悟とナナと暮らせるよう一軒家に引っ越しています。
結局ナナを預けるためのお見合いは上手くいかず、北九州で暮らす法子の家で飼われることになります。

そしてさらに衝撃の事実が明らかになります。
法子が孤児となった悟を引き取ったときが描かれて、悟は両親の本当の子ではないことが明かされます。
悟は法子が担当した育児放棄事件の赤ちゃんで、乳児院に引き取られる話を姉夫婦にしたところ、不妊治療で悩んでいた姉夫婦が引き取ることになり養子縁組した子で、これで親戚が引き取りたがらなかった理由も分かるという次第です。

そして悟はいよいよ体調が悪くなってくると病院暮らしとなり、ナナも法子の家を飛び出して野良猫となってしまいます。
ただ、ナナが法子の家を飛び出したのは悟に自由に会いたかったからで、悟が入院している病院の近くの海辺で暮らし、悟が散歩のため車椅子で外に出たときに会いにきます。

そしてとうとう悟が危篤状態になると、どうにかして悟の病室に行こうと病院の玄関でナナが待っています。
法子も最後に、悟に会わせようとナナを探すと玄関で待っているナナを見つけます。
悟は臨終の間際、ナナにありがとうと言って胸に抱いて亡くなるので、泣くなっていう方が無理な案件だと思います。
『僕のワンダフル・ライフ』と同じくらい涙ちょちょぎれる案件だと思います。

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動物と子供には勝てない(笑) ☆4.5点2010年にアメリカで出版されると49週に亘りベストセラーランキング入りしたW・ブルース・キャメロン著「野良犬トビーの愛すべき転生(原題:A Dog's Purpose)」の映画化で監督はラッセ・ハル...

それにしても両親が亡くなっただけでも不幸なのに、それが本当の親じゃないというのを小学生で知るっていうのも不幸過ぎて驚いたんですが、主人公の悟がグレることなく、真っ直ぐ育ったいい奴でしたので安心して観ることができました。

主人公がそれ程いい奴で安心して観れたという点で、2017年末公開の松竹配給映画『8年越しの花嫁 奇跡の実話』と同じくらい良作だと思うんですが、8年越しが口コミでヒットして興収28億円をあげたのに対し、本作は10億にも届かなそうでその辺はちょっと残念に思います。

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クリアな映像に抑えた演出が光る良作 ☆4.5点岡山県に在住するカップルの実話で、2006年に発症した原因不明の病で昏睡状態に陥った彼女との闘病から8年越しの結婚までを描いた作品。監督は『64-ロクヨン- 前編/後編』の瀬々敬久、脚本は岡田惠...

そして観る前は気づかなかったんですが、原作:有川浩、配給:松竹、制作:ホリプロ、監督:三木康一郎、出演:高畑充希という布陣は、2016年公開の『植物図鑑 運命の恋、ひろいました』と同じで、植物図鑑は興収22億円をあげてるので、本作もそれくらいを狙ってたと思うのですがコケちゃって残念です。

植物図鑑がヤフー映画で3.10点映画.comで3.4点フィルマークスで3.2点なので、本作の方が良作だと思うのですが、良作が必ずしもヒットしないのが映画興行の難しいところだなぁと改めて思った映画『旅猫リポート』の感想でした。

鑑賞データ

TOHOシネマズ上野 シネマイレージウィーク 1100円
2018年 170作品目 累計152200円 1作品単価895円

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