モラハラお父さんは身につまされる ☆4.5 点
予告編
映画データ
あらすじ
雨の日だけに発生する連続猟奇殺人事件。
死体を見せることにこだわる犯人・カエル男は、自らをアーティストと呼び、犯行現場には必ず謎のメモを残す。
連続する事件の関連性を捜査する刑事・沢村(小栗旬)と部下の西野(野村周平)は、驚愕の次のターゲットが沢村の妻・遥(尾野真千子)であることに気づく。
冷静さを失った沢村は、カエル男の罠にはまり、絶望へと追い込まれていく。
謎の“私刑”執行アーティスト・カエル男は一体誰なのか?真の目的は?(公式サイトより引用)
ネタバレ感想
漫画原作は未読です。
随分前から映画館で予告流れていたので楽しみにしてました。
どこをどう見ても『セブン』だなぁ、と思いながら…。
漫画原作は全3巻だそうで、それなら2時間強の映画に収めるのにちょうどよさそうですね。
今年は同じような漫画原作のサイコキラーもので『ヒメアノ~ル』が上映されましたが、あちらは全6巻の物語を99分の尺で収めてR15+指定でした。
本作は3巻で132分の上映時間なので、丁寧に描いているのではないでしょうか?原作未読なので、相違点は分かりませんが。
大友監督のインタビューを読むと、映倫の審査はR15+は覚悟してたらしいですが、意外にもR指定なし。
どうやら死体が描写されていても、そこに至るまでが直接描かれて無かったり、裸が無ければOKらしく、映倫の基準もよく分からないとのことですが、製作陣としては手加減無しでやったようです。
ストーリーの詳細はネタバレになる(というか書くのがメンドくさい)ので避けますが、「~の刑」で『セブン』の要素を取り入れながら、オリジナルストーリーとして上手く描かれていたと思います。
ただ2番目に殺された、ニートのひきこもりが裁判員として参加してたのは違和感が残りますが。
ラストは賛否が分かれるところで、マイルドな仕様に収まった気がしますが、例えば「救いようのない絶望バージョン」として、ラストを冷蔵庫の扉を開けるところまでにして、沢村刑事(小栗旬)の慟哭で終えるというパターンも有りだと思います。
これだと115分くらいで収まるんじゃないでしょうか。
あそこで終わっても編集的には全然OKだと思います。
ハリウッド映画とかだとラストを何パターンか用意して試写で見せて評判いいのを採用するようですが、そうしてたらどうなったのかな?とは思います。
まぁ、でもあれは倫理的には最悪で『セルビアン・フィルム』くらいになっちゃうと思うんですが、観客にもあそこまで想像させたので有りかなと思います。
でもメジャーの映画会社だと厳しいか…。
個人的には前述以降のシーンは要らないと思いますが、あれはあれで上手くまとまってたと思います。
単なるハッピーエンドではなくて、新たなるカエル男の出現を示唆していて不気味でもあります。
グロシーンには耐性がある方ですが、基本的にはハラハラして楽しめましたし、殺人シーンなどの直接的なグロシーンが描かれずとも、想像出来て気持ち悪くなったので演出は上手かったと思います。
役者さんの演技も振り切れていて、妻夫木さんの悪役ぶりもよかったですし、尾野真千子さん、小栗旬さんの慟哭の演技も作品に厚みを与えていたと思います。
作品としてはほぼ☆5点ですが、自分としてはラストが絶望バージョンの方が好きなので☆4.5点としました。
PS:西野(野村周平)は何であんなに後ろに体重をかけてたんだろ(笑)?
鑑賞データ
丸の内ピカデリー SMTメンバーズ次回割引鑑賞クーポン 1200円
2016年 129作品目 累計145300円 1作品単価1126円
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