眠れるサーカス団の美女 ☆3点
大阪芸大卒業制作映画『SLUM-POLIS』が全国公開されて話題になった二宮健監督の商業映画デビュー作で2014年に公開した『眠れる美女の限界 THE LIMIT OF SLEEPING BEAUTY』のセルフリメイク。主演は桜井ユキ、共演に高橋一生
予告編
映画データ
本作は2017年10月21日(土)公開で全国で2館ほどでの上映です。
今後順次全国公開され20館弱での公開となるようです。
本作の予告編は新宿武蔵野館で1,2回見ました。
2015年4月に放送されたテレビ東京のドラマ『みんな!エスパーだよ!番外編 〜エスパー、都へ行く〜』以来注目している女優の桜井ユキさん主演ということで観てきました。
高橋一生さんとは同じシーンはありませんでしたがフジテレビのドラマ『いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう』で共演しています。
監督は二宮健さん
経歴についてはこちらの記事をどうぞ
前作の『MATSUMOTO TRIBE』を観てます。
主演は桜井ユキさん
近作は『新宿スワン』『トイレのピエタ』『リアル鬼ごっこ』『フローレンスは眠る』『過激派オペラ』『ひかりをあててしぼる』を観てます。
共演に高橋一生さん
近作は『シン・ゴジラ』『3月のライオン 前編/後編』を観てます。
(「モザイクジャパン」でのアルフォンソ・キュアロンのくだり好きなんですよね~)
共演に満島真之介さん
近作は『オーバー・フェンス』『無限の住人』『忍びの国』『三度目の殺人』『散歩する侵略者』を観てます。
他に共演と配役は以下の通りです。
オリアアキ: 桜井ユキ
ブッチ: 古畑新之
リュウ: 佐々木一平
サイトウ: 新川將人
マリア: 阿部純子
ビト監督: 信太昌之
フクさん: 木村知貴
ツバキ: 川面千晶
ベルボーイ: 飛磨
映画プロデューサー/看護師: 武藤心平
女子アナウンサー/看護師: 若松俐歩
受付嬢/女優: 小篠恵奈
芸能事務所警備員: 重松隆志
少女アキ: 岩崎未来
ジョー: 成田凌
マスター: 山谷初男
チャーリー: 満島真之介
カイト: 高橋一生
あらすじ
主人公・オリアアキは、29歳の売れない女優。女優を夢見て上京し、ふと立ち寄ったバーでサーカス団を営むカイトに出会う。それから10年、毎日小さなサーカス団でマジシャンの助手をするアキ。30歳を目前にしたアキには仕事への熱も生きる目標もない。ルーチンワークのように繰り返されるのは、催眠術にかかるという演技。体を浮かされ、剣を刺され、催眠状態を演じているうちに、やがてアキの精神は徐々に摩耗し、いつしか現実と妄想の境界が破たんを迎えようとしていた。何故生きるのか? 何を夢見たのか? 何を目指すのか? 唯一アキの中で美しい思い出として残るのは恋人・カイトとの時間・・・。自分が生きてきた人生の軌跡、アキが生きる現実と、叶えられなかった様々な妄想が入り乱れる。そして2つの世界の境界が壊れようとしたとき、アキの人生再生がはじまる・・・?!
(公式サイトhttp://sleepingbeauty-movie.com/より引用)
ネタバレ感想
冒頭でピエロのブッチが時間は流れてるんじゃなくて、現在も過去も未来も同時に存在しているみたいなことを言うので並行世界を描いた話かな?と思ったんですよね。
主人公のアキは18~19歳で家出同然で上京してきて、渋谷センター街の1本裏通り、井ノ頭通りかな?のバーにふらっと入ってオレンジジュース(未成年だからか)を頼むと、バーの常連で近くでサーカス団を営むカイトが入ってきます。
カイトはジントニックにライムじゃなくてオレンジを付けて飲む人なんですけど、バーのマスターがアキの荷物の様子から「今日泊まるところあるの?」と聞くと無いとのことで、オーロラ(サーカス小屋)に泊まっていけばと言われます。
カイトも来なよということでお世話になると、タダ飯タダ住まいでは申し訳ないとのことで、アキが働きますと言ってマジシャンの助手を務めるようになります。
それで、その傍ら女優もやってたと思うんですけど、カイトと付き合うようになると、ある日突然カイトが自殺してしまいます。
カイトが死んでしまったアキはその後腑抜けようになんとなく生きて10年経ち、成りたかった自分や成れなかった自分などの様々な並行世界を行き来してる話かと思いました。
ちょうどブッチが「まどマギ」でいうキュウべえみたいな存在で、並行世界を行き来するのが円環の理みたいな。
アキが成りたかった自分というのは女優として大成することで、映画内ではビト監督の映画でオフィーリヤ役を得ることです。
オリヤアキはオフィーリヤからきてるのでしょう(ビト監督はビート監督か?なんだバカヤロウ)。
成れなかった自分は様々あります。
オフィーリヤ役を掴むも黒い交際が週刊誌で報道されて降板する話や、最初からオーディションに来ていた別の人に決まる話、挙句の果てに精神が錯乱して精神病院に収容される話など様々です。
精神病院のくだりは園子温監督っぽい雰囲気がしましたね。
ラストは、かつてのオーロラのメンバーがオーロラが取り壊されると言ってて、アキも最後に訪れます。
するとカイトが現れて、建物を壊す起爆スイッチを持ってます。
アキは夢の世界でカイトと生き、2人でどこか別のとこへ行って暮らそうと言いますが、カイトはそれじゃ同じだと言います。
アキがカイトの死を受け入れ別れを告げると起爆スイッチが押され、建物が爆発して映画は終わります。
アキがカイトの死を乗り越えて前に進んでいくっていうラストだと思います。
本作はR15+なんですが、冒頭アングラなバーといいますかハプニングバーみたいなところのシーンだったのでR15+なのかな?と思ったら、話が進んでいくうちにオーロラの屋上での高橋一生さんとのベッドシーンになって、桜井ユキさんが普通に脱いでたのでビックリしました。
その後も役を得るためにワインスタインみたいな展開になるところや、精神病院で水責めされるシーンでもおっぱい出してて、まさか本作で脱いでるとは思わなくて、これは嬉しい誤算でした。
本作はきっと高橋一生さんのファンで女性の方も多く観に来られると思うんですが、高橋一生さんの出番はわりと少なくて、その代わりブッチ役の古畑新之さんの出演シーンが多かったです。
完全にピエロのメイクをしてしまっているので顔は分からないのですが、『ミュージアム』でカエル男を演じた妻夫木聡さんみたいな雰囲気があって上手かったです。
満島真之介さんのシーンはバタ臭いシーンをバタ臭く演じるので、観てる方がちょっと恥ずかしかったかな。
観終わったあとに、そういえば成田凌さん出てるはずでしたが、どこに出てたか分からなくて公式サイト開いたら、あのアングラバーのバーテンダーの役でしたか。
最近は自分の中でイメージが落ち着いてきましたが、以前は出演する作品ごとにイメージが全然違っていて、同じ人だと気付かないことが多かったです。
物語的には夢を見てるみたいな話でちょっと眠くなってしまったのですが、映像は凝っていたと思います。
なんか上手く転がればニコラス・ウィンディング・レフン監督の『ネオン・デーモン』みたいな感じになったと思うんですけど、惜しかった気がします。
公式サイト見ましたら、映画で使われた曲が載ってて、その中の主題歌でKyla La Grangeの「Hummingbird」って曲のMVが360°にいじれるやつだったんで貼っときます。
鑑賞データ
新宿武蔵野館 映画ファンサービスデー 1000円
2017年 180作品目 累計193300円 1作品単価1074円
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