リップヴァンウィンクルの花嫁 評価と感想/役が憑依するCocco

映画感想
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傑作!おもしろい  ☆5点

予告編

映画「リップヴァンウィンクルの花嫁」予告編

映画データ
https://www.cinematoday.jp/movie/T0020708
http://cinema.pia.co.jp/title/169196/
あらすじ(ネタバレ注意 観てからお読み下さい)

 

末期がんで余命幾ばくもないAV女優の真白(Cocco)は一人で死ぬのは寂しいからと一千万円で一緒に死んでくれる人を探すよう、便利屋である安室(綾野剛)に依頼する。
その依頼を受けてターゲットとなったのが、安室が提供している結婚式の代理親族出席サービスを利用した七海(黒木華)だった。という話です。

映画は180分の長尺でしたが最初の60分くらいは、安室が七海が離婚して孤独になるように仕向ける様が描かれていて、ここがまずとても面白かったです。
いわゆるガスライティング的手法で七海を追い詰めていく様子は、新宿スワンの白鳥龍彦(綾野剛)より新宿スワンしてて恐ろしかったです。
終わってあらすじを書いてしまえば何てことないのですが、最初の60分の、先の読めない展開は物語をグイグイ推進していくのに必要十分で180分という長尺も気になりませんでした。

そして主要キャストにCoccoさんがクレジットされてるのに出ないな?と思っていると、60分くらい経ってからの登場です。
そこからは七海と真白の不思議な共同生活が描かれます。
リップヴァンウィンクル(西洋版浦島太郎)の世界のような森の奥の大邸宅での生活。
今年の洋画では今のところマイNo.1の『キャロル』っぽい百合的描写もありつつ、物語の展開は相変わらず先が読めないので、ダレることなく最後まで見れました。

主要キャスト3人の演技は素晴らしく、黒木華さんは言わずもがなですが、綾野剛さんとの演技演技してない自然な演技が、撮影監督・神戸千木さんのゆらめくようなカメラワークと相俟って素晴らしかったです。

Coccoさんは塚本晋也監督の『KOTOKO』と劇団鹿殺しの舞台『ジルゼの事情』で演技を見てますが、役に寄せるというよりは役が憑依するという感じで、Coccoさんでしか表せない存在感だったと思います。


印象的なコンビニのレジ袋の話のシーンはCoccoさんが日々感じてる事が脚本に反映されたのか、或いは、岩井俊二監督が脚本をCoccoさんに当て書きしたのかは分かりませんが、その後の七海の運命を決める象徴的なシーンだったと思います。
自分の解釈としては、「一緒に死んでくれるか?」という問いに「うん」と答えたことで、七海は助かったのだと思いました。

岩井俊二監督12年ぶりの実写長編作ということで気合入っていたと思います。
脇を固める役者陣も豪華で、有名どころのカメオ出演もちらほら。
今年、今のところ個人的にはNo.1の邦画です。
贅沢な180分間を是非スクリーンで体験して欲しいと思いました。

 

池袋HUMAXシネマズ ファーストデー 1100円
2016年 32作品目 累計39000円 1作品単価1219円

↓野獣死すべしにリップヴァンウィンクルの話が出てきます

https://www.youtube.com/watch?v=JwM0z7AwyU0&t=15s

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