厳しい意見が多いようですが ☆3.5点
予告編
映画データ
あらすじ
淳美(綾瀬はるか)が自殺を図り、一命を取り留めたものの昏睡状態となる。
彼女と幼い頃から一緒に過ごしいつしか恋人となった浩市(佐藤健)でも淳美が自殺を図った理由がわからない。
彼女を救うために、浩市は<センシング>と呼ばれる眠り続ける患者と意思疎通ができる手法を用い、淳美の意識内へ潜り込む。
<センシング>を繰り返すうちに、浩市の脳と淳美の意識が混線するようになり、二人は現実と仮想が入り乱れる意識の迷宮を彷徨う。
そして二人がかつて過ごした飛古根島へ向かった浩市は、記憶を封印していた15年前の事件に触れる……。(MovieWalkerより引用)
ネタバレ感想
綾瀬はるかさんが中谷美紀さんのトイレに必ずついてくる、といった舞台挨拶のニュースは目にしていたのですが映画は全くのノーマークでした。
タイトルで『ドラえもんのび太の恐竜』や『REX恐竜物語』のような子供向けの恐竜映画を思い浮かべていて食指が動かなかったのですが、ひょんなことから黒沢清監督作品で原作が『このミステリーがすごい』大賞ということを知り、俄然見たいと思いました。
原作は読んでないのですが、どうやら原作とは全然違うようですね。
首長竜とセンシングの骨格だけを生かした別の作品に仕上がっているようです。
黒沢監督お得意のホラー的表現は原作には全く無いもののようですし、ラストも違うようで原作ファンにしてみるとあれ?ってなるのかと思います。
また綾瀬さんや佐藤健さんファンの方で、黒沢清監督作品に免疫がない方がご覧になると、戸惑って厳しい意見になるのかな?とも思いました。
私個人の感想としてはアリだと思いました。
センシング中の映像表現(車を運転する時のチープな感じやフィロソフィカルゾンビ、お得意の死体などなど)は黒沢監督ならではですし、なぜか突然の首長竜のCGもなかなか気持ち悪くてよかったです。
ストーリー的には(どんでん返しも含め)世にも奇妙な物語にありそうな感じですが、ちゃんとオチに向かって収束してますし、ハッピーエンド的なのも良かったです。
思うにこの作品の評価が厳しいのは、これまでの黒沢映画と扱われ方が違うからなのかなー?とも思いました。
黒沢監督は本来、独自の作家性が強い監督ですし、どちらかというとミニシアターでマニア受けするような監督だと思うのですが、本作は大作でメジャー映画のような公開規模ですし、普段そういった映画しか見ない方が見ると嫌悪感を抱くかも?なぁと思いました。
洋画も邦画も大作が占める中、独自の作家性をもつ監督達は非常に映画を撮り辛い状況にあると思います。
そういった意味でこの映画を撮る決断したのは黒沢監督にとってはチャレンジだったのではないでしょうか。
次回作が尖閣問題による製作会社の破産で製作中止になったのが気になるところであります。
鑑賞データ
TOHOシネマズ有楽座 シネマイレージデイ 1000円
コメント