ドラマ部分が脆弱過ぎる ☆2点
2001年から2016年まで週刊少年ジャンプで連載され、全74巻で全世界累計発行部数1億2千万部を超えるベストセラーとなった久保帯人の同名漫画の1~8巻までの死神代行篇を元に実写映画化。
監督は佐藤信介、主演は福士蒼汰、共演に杉咲花、吉沢亮、長澤まさみ、江口洋介
予告編
映画データ
本作は2018年7月20日(金)公開で、全国330館での公開です。
配給はワーナー・ブラザース
劇場での予告編はかなり前から流れていたので、プロモーションには力入ってたと思います。
今夏のワーナー・ブラザースの大作でしょうかね。
例によって例のごとく、原作は未読でアニメ版も見たことありません。
監督は佐藤信介さん
近作は『アイアムアヒーロー』『いぬやしき』を観てます。
主演に福士蒼汰さん
近作は『無限の住人』『曇天に笑う』『ラプラスの魔女』を観てます。
共演に杉咲花さん
近作は『トイレのピエタ』『劇場版 MOZU』『スキャナー 記憶のカケラをよむ男』『湯を沸かすほどの熱い愛』『無限の住人』『メアリと魔女の花(声の出演)』を観てます。
共演に吉沢亮さん
近作は『ラストコップ THE MOVIE』『銀魂』『斉木楠雄のΨ難』『悪と仮面のルール』『リバーズ・エッジ』『ママレード・ボーイ』『猫は抱くもの』を観てます。
共演に早乙女太一さん
近作は『22年目の告白-私が殺人犯です-』を観てます。
共演にMIYAVIさん
近作は『不屈の男 アンブロークン』『キングコング:髑髏島の巨神』を観てます。
共演に長澤まさみさん
近作は『アイアムアヒーロー』『グッドモーニングショー』『追憶』『銀魂』『散歩する侵略者』『嘘を愛する女』『50回目のファーストキス』を観てます。
共演に江口洋介さん
近作は『るろうに剣心 京都大火編/伝説の最期編』『脳男』『天空の蜂』『人生の約束』『孤狼の血』を観てます。
他に共演と配役は以下の通りです。
黒崎一護: 福士蒼汰
朽木ルキア: 杉咲花
石田雨竜: 吉沢亮
井上織姫: 真野恵里菜
茶渡泰虎: 小柳友
浅野啓吾: 山田寛人
有沢たつき: 伊藤梨沙子
浦原喜助: 田辺誠一
阿散井恋次: 早乙女太一
朽木白哉: MIYAVI
黒崎遊子: 平澤宏々路
黒崎夏梨: 安藤美優
黒崎真咲: 長澤まさみ
黒崎一心: 江口洋介
あらすじ
亡き母・真咲の思い出を胸に、高校生・黒崎一護は父親・一心と幼い妹ふたりと暮らしていた。幽霊が見えること以外は普通の生活だったが、自らを“死神”と名乗る少女・朽木ルキアが目の前に現れたことで、平和だった世界は突然壊れてしまう。
「虚〈ホロウ〉」と呼ばれる悪霊が一護の家族を襲い、助けに入ったルキアは瀕死の状態に。絶望的な状況下、彼女は最後の手段として、本来は人間に譲ってはいけない死神の力を一護に分け与える。起死回生、死神となって悪霊・虚〈ホロウ〉を退治した一護だが、ルキアは死神の力をほとんど失ってしまう。彼女は自身の力が回復するまで、一護のクラスメイトになりすまし、死神代行としての務めを迫るが、一護は頑なに拒み続けていた…。
ある日、同級生であり、死神に怨みを持つ滅却師〈クインシー〉一族の生き残りの石田雨竜が一護に勝負を仕掛け、大量の虚が空座町に現れる非常事態が発生!嫌々ながらも、虚退治を行う中、“力の譲渡”という掟を破ったルキアを罰するため、死神・阿散井恋次と朽木白哉も目の前に現れる…。ルキアを助ける条件は、最悪の虚グランドフィッシャーの討伐。
謎の商店主・浦原の予感が的中したのか、クラスメイトの織姫やチャドにも危険が迫る中、一護はルキアとともに虚退治の覚悟を決めるのだった。母を虚に殺された過去を背負って。ついにグランドフィッシャーと対峙することになった一護だったが、ルキアを追ってきた恋次と白哉も目の前に立ちはだかり、絶体絶命の窮地に立たされてしまうーー。
(公式サイトより引用)
ネタバレ感想
映画館での予告を見る限り、昨年から続いてるヒーロー物の少年漫画の実写映画化は本作で打ち止めって感じですかね?(『銀魂2』を除く)
2017年4月29日(土)公開 ワーナー・ブラザース配給 三池崇史監督『無限の住人』興収9.65億円
2017年7月14日(金)公開 ワーナー・ブラザース配給 福田雄一監督『銀魂』興収38.4億円
2017年7月29日(土)公開 松竹配給 萩原健太郎監督『東京喰種 トーキョーグール』興収11億円
2017年8月4日(金)公開 東宝・ワーナー配給 三池崇史監督『ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない 第一章』興収9.2億円
2017年9月30日(土)公開 東宝配給 本広克行監督『亜人』興収14.4億円
2017年10月21日(土)公開 ソニー・ピクチャーズ アスミック・エース配給 福田雄一監督『斉木楠雄のΨ難』興収10億円
2017年12月1日(金)公開 ワーナー・ブラザース配給 曽利文彦監督『鋼の錬金術師』推定興収11億円
2018年3月21日(水)公開 松竹配給 本広克行監督『曇天に笑う』推定興収不明
本作も含めて圧倒的にワーナー作品が多いんですが、続編が作られるのは『銀魂』だけという少年漫画実写化には厳しい時代になってきました。
2014年8月1日(金)・9月13日(土)公開の
ワーナー・ブラザース配給 大友啓史監督『るろうに剣心 京都大火編/伝説の最期編』興収52.2億円・43.5億円
の頃に比べると、製作費もグッと減ってきてるのかどうか分かりませんが、本作を見る限りはそういった感じを抱かせる作りになってましたね。
序盤に一護がルキアから死神の力を移されて、バトルしてる辺りまではよかったと思います。
虚〈ホロウ〉が何となく『ソウ』シリーズのジグソウみたいだな?と思ったりして観てたんですけど、夜のシーンなので一護のコスプレ感もそんなに感じないですし、クリーチャーの造形やCG(東京喰種っぽい感じもしましたが)も悪くなかったと思います。
ただバトルが終わってしまいますと、一気に中弛みに入ります。
中盤は高校生活がメインのドラマ部分になると思うんですが、ここが全然魅力的じゃないですし面白くないんですよね。
原作を読んで無いせいもありますが、小柳友さん演じる茶渡泰虎は何者感を漂わせながら何者でもないですし、真野恵里菜さん演じる井上織姫もヒロインであるはずなのにほぼ空気です。
印象に残ってるのは、何かっていうと「一護死んだよ」って口にする山田寛人さん演じる浅野啓吾でしょうか。
一護は死神になる前から霊が見える体質で、事故で亡くなった子供のために献花された場所を荒らした不良を懲らしめるくらい正義感が強いのに、ルキアの死神代行の依頼を拒み続けるのがイマイチよく理解出来ませんでした。
まぁ、あっさり受け入れてしまえば物語がすぐ終わってしまうからでしょうけど、学校、河原の土手、自宅押入れのループは退屈でした。
あと単純に疑問だったのが「ルキア食事しなくていいの?」ってことなんですけど、死神だからいらないんですかね?
でも死神の能力は奪われてる訳で人間みたいなものだし、そこら辺の設定がよく分かりませんでした。
一護は母親の死に虚が関係してると知ると、死神代行を引き受けますが、そのトレーニングシーンがまた取って付けたようで酷かったです。
今どきタイヤ引きでトレーニングって、あれで強くなるのでしょうかね(笑)
ピッチングマシンは連射式のものでしたが、トレーニング自体がアナログ過ぎて笑ってしまいました。
ただ調べたら漫画原作にもそのようなシーンはあるようで、実写版の方がよりハードとのこと。
どうやら漫画やアニメの方がコメディ色が強いようですが、実写版は全体的に抑え目なのでこのシーンが逆に浮くのかな?と思います。
昨年の『銀魂』のヒットを見ると、漫画実写化はコメディ部分をどう上手く処理できるかが鍵な気がします。
一護は母親がグランドフィッシャーに殺されたことが分かると、仇討ちを兼ねた最終決戦となります。
グランドフィッシャーとは山の上で会ったのに、バトルが駅前になるのはよく分からないのですが、佐藤信介監督は『アイアムアヒーロー』や『いぬやしき』を観ても分かるように市街地の特撮が上手いので、この設定にしたんだと思います。
またラストシーンでお金がかかるでしょうから、予算を節約するために学園部分の中盤は中弛みしたんだとも思いました。
ただ、最終決戦は見どころはあるんですが、駅前だけでやってて動きが無いので、スケール感がありません。
最近の特撮やアクションでは、あれくらいは普通にあって目が慣れてしまっているので、さしたる驚きや感動も無く、中弛み感が解消されただけでした。
そして、グランドフィッシャーを倒したあとの展開は、映画オリジナルの展開のようですが、脚本が破綻してないですかね?
一護がグランドフィッシャーを倒せば、死神の掟を破ったルキアの罰は免れるはずでしたが、恋次と白哉はそれを反故にして一護を倒しにかかります。
白哉たちが約束を守らないのはいいんです。
vs恋次戦や、vs白哉戦が描けますから。
ただ一護は白哉には全く敵いません。
『無限の住人』よろしく、やられてもやられても立ち向かっていきしぶといだけです。
すると、その様子に居たたまれなくなったルキアが一護を制止して、死神の能力の返還を行います。
ルキアとのトレーニングで霊力が高くなっていた一護は能力の返還を行っても、命を落とすことはありませんでしたが、ルキアとの一切の思い出や自身が死神代行だったことを忘れてしまうのでした。
うーん、ここでルキアは一護と離れ離れになることに辛そうな表情を見せるのですが、元々ルキアは能力の返還を行おうとしてて、ただ一護の霊力が低かったため、返還を行うと一護が死んでしまうことから先延ばしにしてたと思うんですけど、それで白哉に許されるならば、一護の霊力が高まった時点で、とっとと返還してしまえばよかったのに、と思いました。
少なくとも一護とルキアの関係性に、感傷的なものの必要性は感じなかったんですよね。
一連の記憶を失った一護は、雨竜がクインシーであることも忘れるんですが、雨竜の方はどうなんでしょう?
雨竜は一護が死神の能力を失ったことを知ってて接しているのか、それとも雨竜自身もルキアの存在含めて忘れてしまっているのか、ラストシーンは謎です。
雨竜が一連の出来事を忘れているならば、設定としては破綻してくると思うんですけど、どうもラストの映画オリジナル部分の描き方が上手くなかった気がします。
役者陣でいえば、父親役の江口洋介さんや浦原喜助役の田辺誠一さんの起用はもったいなかった気がします。
続編を見据えての起用であれば納得なんですけれど、本作に限っていえばキャラクターが全然活躍してなくて、役に比べて役者さんの存在が大き過ぎた気がします。
いわゆる本来の意味での「役不足」だと思います。
本作に於いて、実質的に活躍してるのは、一護役の福士さん、ルキア役の杉咲さん、雨竜役の吉沢さん、恋次役の早乙女さん、白哉役のMIYAVIさんだけな気がするんですが、雨竜なんかは学校生活での存在感も薄いですし、バトルでも弓矢を引くだけの存在に成り下がってた気もします。
MIYAVIさんは『不屈の男 アンブロークン』はよかったんですけど、どうもハリウッドスケールの作品の方が合う気がしますね。
それにしても少年漫画のヒーローものの実写映画のキャスト、被り過ぎじゃないですかね。
福士さんは『無限の住人』で天津影久、『曇天に笑う』で曇天火
杉咲さんも『無限の住人』で浅野凜
吉沢さんは『銀魂』で沖田総悟
長澤さんも『銀魂』で志村妙
江口さんは『るろうに剣心』で斎藤一
まあ『曇天に笑う』を除いて、全部ワーナー作品なんですが、こういうところが海外資本の弊害なのかなぁ?と思います。
最近のハリウッドでは多様性が叫ばれてますが、日本にもいっぱい役者さんがいるんだから、もっと色んな人を使えばいいのになぁと思いました。
鑑賞データ
新宿ピカデリー SMTメンバーズ割引クーポン 1200円
2018年 121作品目 累計116900円 1作品単価966円
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