ジュラシック・ワールド/炎の王国 評価と感想/前作よりよかった

ジュラシック・ワールド/炎の王国 評価と感想
スポンサーリンク

監督の真面目さが窺える ☆3.5点

スティーヴン・スピルバーグ製作総指揮の『ジュラシック・パーク』シリーズの第5作目で2015年の『ジュラシック・ワールド』の続編。
前作の監督のコリン・トレヴォロウも製作総指揮に回り、新たな監督に『怪物はささやく』のJ・A・バヨナ、主演は前作から引き続きクリス・プラットとブライス・ダラス・ハワード

予告編

映画データ

http://cinema.pia.co.jp/title/169458/

本作は2018年7月13日(金)公開で、全国376館での公開です。
配給はユニバーサルで、日本では東宝東和です。

大作なので予告編はかなり目にしましたが、前作の『ジュラシック・ワールド』がかなり酷かったのと、ほっといてもヒットするでしょうから見る気がしませんでしたが、特に見たい作品が無かったのとTOHOシネマズで作品限定クーポン1100円だったので観てまいりました。

ジュラシック・ワールド 評価と感想/スピルバーグ総指揮でこの人命軽視ぶり
まったく理不尽なヒドい映画でした  ☆1点 予告編 映画データ あらすじ コスタリカ沖の島に建設された“ジュラシック・ワールド”は、本物の恐竜を身近に体験できるテーマパーク。安全な環境の中で、訪れた家族連れが様々な恐竜たちの動き回る様子を見...

監督はJ・A・バヨナ
昨年見逃した『怪物はささやく』の監督で初めましてですが、先日WOWOWで放送されてたので見ました。

『怪物はささやく』は製作費4300万ドルに対し、世界興収が4700万ドルとギリギリ赤字じゃなかった(プロモーション入れたら赤字だと思う)んですけど、北米では370万ドルしかいかなくて上映も実質3週間で打ち切られたようです。
ただスペインでは2016年の興行収入第1位で2800万ドルを上げていて、スペインのアカデミー賞であるゴヤ賞も9部門で受賞してます。
ロッテントマトの評価もよく、批評家受けはよさそうでしたが、実際に見たところ、児童文学作品としては難しめでしたが、寓話性の高いテーマを扱っていて、演出や視覚効果なども含めてなかなかいい作品だと思いました。
真面目な監督なんじゃないかと思います。

主演にクリス・プラット
近作は『her/世界でひとつの彼女』『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』『ジュラシック・ワールド』『マグニフィセント・セブン』『パッセンジャー』『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス』『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』を観てます。

主演にブライス・ダラス・ハワード
映画監督のロン・ハワードの娘さんです。
近作は『ジュラシック・ワールド』『ピートと秘密の友達』を観てます。

他に共演と配役は以下の通りです。

オーウェン・グレイディ: クリス・プラット
クレア・ディアリング: ブライス・ダラス・ハワード
イーライ・ミルズ: レイフ・スポール
フランクリン・ウェブ: ジャスティス・スミス
ジア・ロドリゲス: ダニエラ・ピネダ
ベンジャミン・ロックウッド: ジェームズ・クロムウェル
エヴァーソル: トビー・ジョーンズ
ケン・ウィートリー: テッド・レビン
イアン・マルコム: ジェフ・ゴールドブラム
ヘンリー・ウー: B・D・ウォン
アイリス: ジェラルディン・チャップリン
メイジー・ロックウッド: イザベラ・サーモン

あらすじ

あの大惨事から3年───
大人気テーマパーク「ジュラシック・ワールド」は放棄され、恐竜たちは大自然で自由に生活を初めていた。
しかし、島で火山噴火の予兆がとらえられていた。
迫り来る危機的状況の中、恐竜たちの生死を自然にゆだねるか、命を懸け救い出すか。
人間を救うためではなく、恐竜のための選択を迫られる。

公式サイトより引用)

ネタバレ感想

前作の監督のコリン・トレヴォロウは『ジュラシック・ワールド』を撮る以前には長編映画を1本しか撮って無くて、『彼女はパートタイムトラベラー』というコメディ作品だったようですが、基本コメディの人のようです。

それで前作は『ジュラシック・パークⅢ』から14年ぶりの続編ということもあって、公開3日間で全世界5億ドル超えの特大ヒットとなって、日本でも公開7日目で20億円、2週間で50億円に到達するなど特大ヒットしてました。

自分は公開から3週間後くらいに観に行ったんですが、あまりの酷さにビックリして何でヒットしてるのか全然分からなかったんですけど、自分が腹を立てた人命軽視部分は、アメリカではギャグのようでゲラゲラ笑うところだったようです。

前作でジュラシックシリーズを初めて鑑賞したので知らなかったのですが、2作目の『ロスト・ワールド/ジュラシック・パーク』も3作目の『ジュラシック・パークⅢ』も酷かったようで、1作目の『ジュラシック・パーク』こそ、「生命の倫理や生命の進化と歴史」「テクノロジーの進歩と過信」といった哲学的なテーマが盛り込まれた高尚なSFエンターテインメント作品だったようですが、それ以降はバカ怪獣映画として見るのが正しいというような意見もあり、作品に対する認識をやや改めた次第です。

さて本作ですが、アメリカでは2018年6月22日(金)に公開されるとオープニング興収は1億5千万ドルでした。
これは事前の予測よりはやや高かったものの、前作の2億ドル超えには及ばず、前作が3週目で5億ドルに到達したのに対し、本作は6週で4億ドルと最終興収でも5億ドル超えは厳しそうな状況です。
世界興収を見ても、中国では前作より上回ってるようですが、イギリス、フランス、ドイツなどは前作の50%~70%といったところで大きく下回ってます。
ロッテントマトを見ても、前作のトマトメーターが71%、オーディエンススコアが78%に対し、本作では51%と54%とかなり下回っています。
ただ日本では前作が公開7日目で20億円に到達したのに対し、本作は4日目で到達するなど前作を超える大ヒットを記録しています。

そんな中で鑑賞した本作ですが、前作のこともあってハードルが相当下がっていたので、面白かったです。
前作では腹が立って仕方なかった副園長のクレアも少しは改心したようで、恐竜保護団体のリーダーという設定は、また少しムカつくポイントでしたが、本作では前作と違って無自覚なまま悪いことをする人がいなく、悪人は自覚ある悪人として描かれ、最終的にも成敗されるので腹立つポイントも少なかったです。

前作のジュラシック・ワールドの事件でパークを運営してたマスラニ社は8億ドルの損害賠償を支払い倒産しパークは放置されています。
恐竜たちは島を自由に徘徊し生き延びていましたが、火山噴火が確認され島が消滅の危機に陥ると、議会で恐竜たちを救出するべきか否かが話し合われます。

1作目と2作目に出てきたジェフ・ゴールドブラム演じるイアン・マルコム博士が公聴会で、「自然の摂理に委ねる(救出しない)べき」と意見すると、議会もその意見を支持して救出は行われないことになりますが、この辺は映画を観ている観客の感覚に近いのではないかと思います。

ただ恐竜を救出しないと映画は終わってしまいますので救出する展開になります。

1作目でリチャード・アッテンボローが演じた、パークを運営していたハモンド財団創始者のジョン・ハモンドと、初期に一緒に研究していたロックウッド財団のベンジャミン・ロックウッドという人が出てきて、クレアに金は出すから救出して欲しいと依頼します。
特にロックウッドの右腕であるイーライ・ミルズは、「ヴェロキラプトルのブルーは何としても救出して欲しい」と言うので、クレアはオーウェンに協力を依頼し、島に向かうことになります。

島にはロックウッド財団が雇った傭兵たちと一緒に向かうので、『キングコング:髑髏島の巨神』みたいな雰囲気がありましたね。

キングコング:髑髏島の巨神 評価と感想/5代目スケバン刑事参上
コングやトカゲはいい。サミュエルが ☆3.5点 予告編 映画データ 評判よさそうなので観て参りました。2D字幕版で鑑賞です。 キングコングはピーター・ジャクソン版は見てなくて、ジョン・ギラーミン版を淀川長治先生の日曜洋画劇場で見た記憶はある...

噴火する島のビジュアルと併せて、完全に怪獣映画のイメージでした。

ジャングルの中でブルーと再会を果たすオーウェンは、さしずめ『野生のエルザ』といったところでしょうか。

オーウェンがもう少しのところでブルーを保護しようとすると、取り囲んでいた傭兵がブルーに麻酔銃を撃ちます。
それに怒ったオーウェンに対しても傭兵のリーダーが麻酔銃を撃つので、本作の悪役は分かりやすくて安心して観ていられます。

ロックウッド財団の任務を負った傭兵たちは目的の恐竜たちを回収すると、クレアやオーウェンたちを残して島から脱出しようとするので、クレアやオーウェンが善、ロックウッド財団(イーライ・ミルズ)が悪という勧善懲悪の図式となります。

ロックウッド財団の実質的運営を任されていたイーライ・ミルズは、オーナーのベンジャミン・ロックウッドを騙していて、金儲け主義に走っています。
島で回収した恐竜たちを、富裕層相手に兵器や嗜好品としてオークションで売りさばくのが真の目的で、財団の地下の檻の中に捕らえられていたクレアとオーウェンたちが真相を知ることになります。

オーウェンは檻から脱出するために、隣の檻に閉じ込められている恐竜の力を利用して壁を突き破ると、脱出に成功しますがその恐竜も檻から放たれてしまいます。

檻から放たれた恐竜は、財団の地下で開かれているオークション会場に現れるのでパニックとなり、オークション中の恐竜も放たれるので惨事が拡大していき、ここで主要な悪人たちは食い殺される展開になります。

本作には伏線としてもう1つ流れがあって、ベンジャミン・ロックウッドの孫娘メイジーについて描かれます。
ロックウッドはハモンドと研究してた若かりし頃、娘を失った悲しみから娘のクローンを再生しようとして、仲違いした経緯があります。
メイジーの正体はロックウッドの娘のクローンで、ミルズによってロックウッドが殺されると、メイジーは出生の秘密をミルズからバラされクローン人間として利用されそうになります。

オーウェンとクレアは恐竜とミルズからメイジーを救うと選択を迫られます。
財団の地下には檻から逃げ出した恐竜がひしめき合っていましたが、故障した配管からシアンガスが流出して換気ファンも故障してます。
恐竜を助けるには地下の扉を開けるしかありませんが、それは財団があるカリフォルニアに恐竜を放つことでもあります。
オーウェンは扉を開けるべきではないと主張し、クレアも最後まで迷いますがオーウェンに同意します。
しかし、恐竜と同じクローンであるメイジーは、恐竜に同情すると扉を開けてしまいます。

恐竜はシリーズとしては初めて人間の住む世界に解き放たれると、イアン・マルコム博士が「人間は恐竜と共存していかなければならない。真のジュラシック・ワールドにようこそ」と皮肉を言って、続編を示唆して映画は終わります。

映画『ジュラシック・ワールド3』についてわかっていること ― 『炎の王国』続編、オリジナル出演者も復帰へ? | THE RIVER

これまでは島という閉鎖された空間で、被害者も関係者かわざわざパークを訪れた人だけでしたが、次作では全ての人に関わってきそうな展開で、この辺は遺伝子組み換え作物などがある現状を踏まえてのものなのかなと思います。

SankeiBiz(サンケイビズ):自分を磨く経済情報サイト
SankeiBiz(サンケイビズ)は産経新聞グループの経済情報サイトです。「仕事・キャリア」「自分磨き」を主なテーマに、ニュースはもちろん、気鋭の経営者や識者が執筆する連載・コラムなどビジネスパーソンの知的好奇心を満たすコンテンツをご覧くだ...

その意味で言うと、内輪の中だけで終始していたシリーズが一歩踏み出した気もするんですが、そのテーマは『ランペイジ 巨獣大乱闘』でもうやっちゃってるんですよね。

ランペイジ 巨獣大乱闘 評価と感想/まさかのゴリラバディ物で泣けた
クソでかいテッドだ、これw ☆4.5点 1986年に発売されたアーケードゲームの実写映画化でWWEのスーパースター、ドウェイン・ジョンソンが製作総指揮と主演を務めたパニックアクション。 監督はブラッド・ペイトン、共演にナオミ・ハリス、マリン...

なので『ジュラシック・ワールド3』を見ても、目新しさは無いと思いますが、それなりにまたヒットするんだろうなと思います。

『ジュラシック・ワールド3』は2021年の6月公開だそうです。

「ジュラシック・ワールド3」が2021年6月公開決定 : 映画ニュース - 映画.com
米ユニバーサル・ピクチャーズが、クリス・プラット主演「ジュラシック・ワールド3(原題)」を2021年6月11日全米公開すると発表した。メガヒット作「ジュラシック・パーク」シリーズの14年ぶりの新作となった「ジュラシック・ワールド」(2015

日本ではまた7月か8月になるんでしょうね。

鑑賞データ

TOHOシネマズ日比谷 作品限定クーポン 1100円+DOLBY ATMOS200円
2018年 122作品目 累計118200円 1作品単価969円

コメント