50回目のファーストキス 評価と感想/雛型がいいんだと思います

50回目のファーストキス
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序盤はやりすぎ感あって笑えず ☆3.5点

2004年にアメリカで公開され興収1億ドル超えのヒットとなったアダム・サンドラーとドリュー・バリモア主演の同名タイトルのラブコメディーのリメイク作品。
監督は福田雄一、主演に山田孝之、長澤まさみ

予告編

映画データ

50回目のファーストキス : 作品情報 - 映画.com
50回目のファーストキスの作品情報。上映スケジュール、映画レビュー、予告動画。アダム・サンドラー&ドリュー・バリモア主演による2004年のハリウッド映画「50回目のファースト・キス」を、山田孝...

本作は2018年6月1日(金)公開で、全国321館での公開です。
製作・配給はソニー・ピクチャーズで日テレ映画でもあります。

劇場での予告編というか30秒の特報はよく目にしてて、単純に『8年越しの花嫁 奇跡の実話』みたいな難病モノのラブストーリーかと思ってました。

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リメイクとは全く知らずオリジナル版の存在も知りませんでした。

監督は福田雄一さん
近作は『HK/変態仮面 アブノーマル・クライシス』『銀魂』『斉木楠雄のΨ難』を観てます。

主演に山田孝之さん
近作は『凶悪』『新宿スワン』『バクマン。』『信長協奏曲』『テラフォーマーズ』『何者』『映画 山田孝之3D』『銀魂』『ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない 第一章』を観てます。

主演に長澤まさみさん
近作は『アイアムアヒーロー』『グッドモーニングショー』『追憶』『銀魂』『散歩する侵略者』『嘘を愛する女』を観てます。

共演にムロツヨシさん
近作は『HK/変態仮面 アブノーマル・クライシス』『ヒメアノ~ル』『銀魂』『斉木楠雄のΨ難』『DESTINY 鎌倉ものがたり』を観てます。

共演に太賀さん
近作は『淵に立つ』『追憶』『南瓜とマヨネーズ』『海を駆ける』を観てます。

共演に山崎紘菜さん
近作は『チア☆ダン〜女子高生がチアダンスで全米制覇しちゃったホントの話〜』『花筐/HANAGATAMI』を観てます。

共演に佐藤二朗さん
近作は『天空の蜂』『RANMARU 神の舌を持つ男』『恋妻家宮本』『銀魂』『斉木楠雄のΨ難』を観てます。

他に共演と配役は以下の通りです。

弓削大輔: 山田孝之
藤島瑠衣: 長澤まさみ
ウーラ山崎: ムロツヨシ
味方和彦: 勝矢
藤島慎太郎: 太賀
高頭すみれ: 山崎紘菜
名取医師: 大和田伸也
藤島健太: 佐藤二朗
スー: Myhraliza G.Aala
ニック: Blake “Brutus” La Benz
大輔に夢中になる客の1人: 桜井ユキ

あらすじ

ハワイでコーディネイターをするプレイボーイ弓削大輔(ゆげだいすけ)はある日、カフェで藤島瑠衣(ふじしまるい)という女性と出会い恋に落ちる。
しかし、翌日同じカフェで会った彼女は大輔の事をまるで覚えていない。
実は彼女は交通事故の後遺症により、新しい記憶は1日で消えてしまう短期記憶障害を負っていたのだ。

彼女を想う父と弟の手で、その事実を隠され、同じ日を繰り返す瑠衣。
事情を知った大輔は、毎日、自分を覚えていない彼女に一途に愛を告白し続ける。

瑠衣にとっては毎日が大輔との初対面。
大輔の機転と努力により結ばれた二人だが、
大輔の本当の夢を知った時、瑠衣はある行動に出るー

(公式サイトhttp://50kiss.jp/より引用)

ネタバレ感想

大輔がジェットスキーに乗って去って行く導入部は『クヒオ大佐』を思わせる詐欺師かと思ったんですけど、プレイボーイであるということを描きたかったようで、邦画とは思えないほどのバタ臭さで始まる本作。

その後も宇宙人が残していったパワースポットということにして、モニュメントを設置して『ローマの休日』の真実の口を引き合いに出す、福田雄一監督らしいギャグのくだりや、大輔と瑠衣が初めて会った際の別れ際に駐車中の車一台挟んでアホみたいにはしゃいでいるシーンくらいまで、どうにもバタ臭くてコント見てるのかと思いました。

しかし、どうやら色々な感想を拝見すると、宇宙人のくだりは福田監督オリジナルの様子ですが、あとはだいたいオリジナル版と同じだそうで、それがバタ臭さの原因なんだなと思いました。

ただ本作は瑠衣が短期記憶障害であることが明らかになると、ややシリアスになって面白くなってきます。

父と弟が瑠衣に病気だと気づかれないように、壁に描いた絵を毎日消してるのは、何でそんな面倒臭いことしてるんだろ?と思いましたし、その割には車検切れ(そこ注意するだろ)で病気のことが発覚するって脚本がザルだなと思ったんですけど、これもオリジナルと全く一緒なんですね。

そして大輔が瑠衣に繰り返しアタックして恋愛を成就させようとするくだりは、『オール・ユー・ニード・イズ・キル』や恋愛シミュレーションゲームのやり込み要素的な面白さがあると思います。

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車検切れで瑠衣に病気のことが分かってしまうと、大輔の提案でこれまでの方針を転換して、毎朝ビデオメッセージを見せるようになるんですが、オリジナル版(2004年)より前に公開されてる『メメント』(日本では2001年公開)を見てるので、この方が毎日絵を消したりするよりも有用だよなと思ってました。

大事なことはメモしておくってやつです(『メメント』の場合はタトゥーでしたが)。
瑠衣もビデオメッセージを繰り返し見るようになると自分で気付いて日記を付けるようになりますよね。

それでこの後は自分の病気のせいで、大輔が夢を諦めようとしてるのに気づいた瑠衣が自ら身を引いて、一旦2人は別れますが、やっぱり諦めきれない大輔が自ら病院に入った瑠衣の元へ向かうと、新しい記憶が定着しないはずの瑠衣に、誰だか分からないけど毎日、大輔が夢に出てくるようになったのを知って、ハッピーエンドで終わるっていう王道のお話であります。

だいたいこういう系統のお話は面白いんですよね。
オリジナル版と同じくアメリカでは2004年に公開された『バタフライ・エフェクト』は短期記憶障害+タイムリープというお話でしたし、最近だと2014年に日本公開された『アバウト・タイム〜愛おしい時間について〜』なんかはタイムリープして恋愛を成就させるやり込み系の作品でした。

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なので本作は、オリジナル版のフォーマットといいますか、テンプレといいますか、雛型がいいんですよね。
だからそれに当てはめればある程度面白いものが作れちゃうと思います。

しかし、オリジナル版と同じく舞台設定までハワイにしちゃうのは、製作陣がハワイロケを楽しみたかっただけなんじゃないか?と穿った見方(これ誤用なんですね)をしてしまいます(笑)

おまけに山田孝之さんは既婚者ですけど、予てより長澤まさみ好きを公言していて、男目線で誰得か見たら、何回もキスをする山田さん1人が得をした映画のように思えてなりません(嫉妬)

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本作でよかったのは福田組初参加かと思われた太賀さんですかね。
過去2回福田作品には出演してるみたいですが、がっつり出るのは初めてみたいで、いつもの福田作品とは違った太賀さんならではの面白さが出てたと思います。

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うーん、面白いっちゃあ面白いんですけど、ポスターや予告にはオリジナル版のことが全く触れられてなくて、公式サイトのイントロダクションでさえも全く触れられてなくて、監督のコメントで原作って言葉がやっと一箇所出てくるだけなのは、正直どうなの?とは思ってしまいますね。

いくらオリジナル版の配給もソニー・ピクチャーズだからって、そこはちゃんと明かすべきでは?とモヤモヤしたものを感じてしまった本作を観ての感想でした。

鑑賞データ

TOHOシネマズ上野 シネマイレージデイ 1400円
2018年 98作品目 累計91900円 1作品単価938円

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