絶対的に何かがおかしいw ☆3点
集英社の漫画雑誌「りぼん」に1992年~1995年まで連載され、1994年にテレビアニメ化、2001年に台湾でドラマ化された吉住渉の同名漫画の実写映画化。
監督は廣木隆一、主演に桜井日奈子、吉沢亮、共演に筒井道隆、谷原章介、檀れい、中山美穂
予告編
映画データ
本作は2018年4月27日(金)公開で、 全国293館での公開です。
ワーナー・ブラザース配給でコナン君が大ヒットしている日テレ映画です。
予告編は劇場でよく目にしましたね。
さすがに原作は読んだことはないですけど、タイトルは有名なので知っています。
アニメ版も台湾ドラマ版も未見での鑑賞です。
監督は廣木隆一さん
近作は『さよなら歌舞伎町』『PとJK』『彼女の人生は間違いじゃない』『ナミヤ雑貨店の奇蹟』『伊藤くん A to E』を観てます。
主演に桜井日奈子さん
近作は『ラストコップ THE MOVIE』を観てます。
主演に吉沢亮さん
近作は『ラストコップ THE MOVIE』『銀魂』『斉木楠雄のΨ難』『悪と仮面のルール』『リバーズ・エッジ』を観てます。
共演に筒井道隆さん
近作は『聖の青春』を観てます。
共演に遠藤新菜さん
近作は『無伴奏』を観てます。
他に共演と配役は以下の通りです。
小石川光希: 桜井日奈子
松浦遊: 吉沢亮
小石川仁: 筒井道隆
松浦要士: 谷原章介
小石川留美: 檀れい
松浦千弥子: 中山美穂
三輪由充: 寺脇康文
三輪悟史: 藤原季節
須王銀太: 佐藤大樹
秋月茗子: 優希美青
名村慎一: 竹財輝之助
鈴木亜梨実: 遠藤新菜
遠藤香奈: えのきさりな
あらすじ
ある日突然、両親から離婚することを告げられた高校生・光希。
旅先で出会った松浦夫妻と気が合い、母親がその夫と、父親がその妻と恋に落ちたためお互いパートナーを交換して再婚すると言い出して!?
更には松浦夫妻の1人息子で光希と同い年の遊も含めてみんなで一緒に暮らすことに…。
一度自分をフったはずの初恋相手の銀太からの告白。
親友の茗子のある事件など思いがけない出来事が起こる日々のなかで、光希は次第に遊に惹かれていく。
甘いけれどクールな遊に翻弄されながら、ひとつ屋根の下に住む毎日はトキメキの連続。
でも、ある日、遊は光希と自分の二人の秘密を知ってしまう。
二人の恋の行方は…?(公式サイトより引用)
ネタバレ感想
相変わらずアサ芸バカだなぁ(笑)
「ママレード・ボーイ」が両親のパートナーチェンジに端を発する物語だとは知らなかったんですけど、設定をリアルに突き詰めればスワッピングになる訳なんですが、「りぼん」(小中学生向け)に連載されていたくらいなので、もちろんそういった描写は全くありません(笑)
英語教師の名村と茗子が図書館でキス(原作には無かったのかな?)したり、朝、先生の家から出てくるのも、完全に淫行案件なんですが、原作が1992年なので当時は今ほど問題にならなかったのだと思います。
ですが時代は変わりまして、現在はめちゃくちゃ叩かれます。
この件は、山口メンバーさんがタイムリー過ぎるんですが、須王銀太役がジャニーズ枠じゃなくEXILE枠だったのが、藤島ジュリーK.氏にはせめてもの救いだったんじゃないかと思います。
しかし、映画だと映倫区分Gで「どなたにもご覧になれます」とお墨付きを与えてしまう日本の不思議さよ(笑)
映倫審査作品の検索結果:ママレード・ボーイ 区分G 映倫番号121358
最近の邦画界は平気で20年前とかの漫画原作を映画にしますが、当時は許されていたことでも、現在だと倫理的にマズいことも有り、安易に実写にしない方がいいんじゃないかと思いますけどね。
逆に今年公開された『リバーズ・エッジ』なんかは、当時も現在にも共通する社会問題をR15+で描いているので全然いいと思うんですけど、こういう映画の方が公開館数が少なくなってしまいます。
本作の監督はピンク映画出身の廣木隆一監督だったので、両親S(りょうしんズ)や名村教師の部分はリアルにいけばよかったのになぁーと思いましたよ。
さて、内容の方ですが、遊は光希と違って、両親のパートナーチェンジには達観した姿を見せていて動じません。
しかし、祖母が父・要士に宛てた手紙を見たことにより、本当の父では無いと思っています。
そしてそのことを両親に聞くことが出来ず、光希にだけ打ち明けるんですが、本当の父で無いことを悩んでいます。
でも、この描写って絶対的におかしくないですかね?
両親のスワッピングには理解を示すのに、血が繋がってないことにこだわりを見せるなんて。
遊は母の千弥子が若い頃に有名建築家である三輪由充の事務所に勤務していて、由充の息子の三輪悟史から「母の日記に父が事務所の女性と浮気していて妊娠させたという記述があった」と聞いたことから、三輪由充を父親ではないかと疑います。
しかし由充に確認すると、「確かに若い頃は浮気をして妻を泣かせたが千弥子さんでは無い」と言われ、遊の父親探しは振出しに戻ります。
そして今度は両親のアルバムから古い写真を見つけると、4人が仲良く写っている大学時代の写真を見つけます。
ハワイ旅行で意気投合したと言っていた両親ですが、明らかに嘘で、遊はいったいどういうことだろうと写真をよく見つめると、写ってる姿は現在のパートナーチェンジした組み合わせでした。
遊は、光希の父・小石川仁が父親だと思い、光希とは腹違いの兄妹(姉弟)であると考え、突然、光希に冷たくし高校も編入して京都に行ってしまいます。
月日は流れ、大学生になった光希は自分の気持ちに整理を付けるために、京都にいる遊に会いに行きます。
光希は「遊が京都に行くときに、きちんと話が出来なく気まずいままだったから」と言い、遊が直前まで一緒にいた女子学生を「彼女?」と聞きます。
遊は「彼女」と言いますが、暫くしてそれは嘘だったと言い、アルバムの写真を見た話をして、異母兄妹(姉弟)であることを告げます。
光希は思いを断ち切るために、最後に2人だけの旅行を提案し北九州に行きます。
しかし北九州で一緒に過ごす間に遊の気持ちは盛り上がってしまい、「世間から後ろ指(近親相姦)をさされてもいい」「この愛は貫く」となって、2人はその足で実家のある横浜に向かいます。
実家に着くと遊は結婚しようと思ってることを告げますが、ここでスワッピングの真相が明らかになります。
元々、大学時代は仁と千弥子、要士と留美が付き合っていました。
卒業後もそれぞれ付き合っていましたが、千弥子が仁の子供を妊娠してしまいます。
千弥子は結婚前で誰にも相談できずいたところ、仁のイギリス転勤が決まってしまいます。
そのまま言い出せずにいた千弥子は、そのことを要士に相談するうちに深い仲になってしまったのでした。
また留美は、要士が千弥子に頻繁に会っているのを、要士が千弥子に惹かれていると勘違いして、これも仁に相談するうち、勢いでイギリスまで着いて行ってしまったのでした。
ハワイ旅行で偶然再会した2組は、そこで初めて当時の誤解を知り、元の鞘に収まったのが今回のパートナーチェンジの真相でした。
ただそれだと、遊の父はやっぱり仁になってしまいますが、その子は流産していて、要士と千弥子が結婚して授かったのが遊だったというオチでした。
なので、遊がウジウジ1人で悩まないで、両親にハッキリ聞けば何てこと無い話なのでした。
『ここさけ』なんかと一緒で「思ってることは言葉にしないと伝わらない」ってやつです。
結果的に遊は妄想を膨らませて、自身の進路まで変更してしまったのですから、随分と無駄なことをした訳です。
まぁ、最初から本当のことを言わなかった両親Sが悪いんですけど。
ただ両親Sのキャスティングは面白いと思いましたね。
学生時代に撮った写真の背景が、お台場みたいな感じだったんですけど、お台場と言えばフジテレビで、筒井道隆さんと中山美穂さんは元祖トレンディドラマ俳優で月9ドラマ常連でした。
この2人はトレンディドラマで共演したことあるんじゃないかと思いましたけど、初共演というのは意外でした。
谷原さんはブレイクしたのがもう少し後だと思うんですけど、1995年のフジテレビ・東映版の劇場映画『花より男子』で道明寺役を演じているので、やっぱりフジテレビ・トレンディのイメージです。
それから本作は序盤の引越しのシーンからタイアップが多かったですね。
引越しではアート引越センターと日通。
鈴木亜梨実が「LINEしてね」と、こういうSNSとかでは珍しい固有名詞の台詞。
光希が遊にプレゼントする時計がTIMEX(タイメックス)。
光希と遊が登校するときは相鉄バスと駅周辺も相鉄などですね。
本作も先日観た『となりの怪物くん』同様、ストーリー的にはイマイチなんですが、映画のルックはいいと思いました。
撮影にクレーンかドローン多用してるんですけど、比較的長回しが多くて、カット数が多くなかったのもよかったです。
ただその分写実的になって、パートナーチェンジという設定が生々しく感じられたかもしれません。
アニメ版やドラマ版がどういう感じで撮られてたのかは分かりませんが、コメディタッチで描けば生々しくはならないのかな?とは思いました。
それからデビュー当初こそ「岡山の奇跡」と騒がれた桜井日奈子さん。
その後、テレビドラマ「そして、誰もいなくなった」と映画『ラストコップ THE MOVIE』を見ましたが、ハッキリ言ってイマイチでした。
でも本作はなかなか魅力的に撮られてて、よかったと思いますよ。
特報を見る限り、11月公開予定の『ういらぶ。』より、本作の方がいい感じだと思います。
先ほども書きましたがスイーツ作品ではありますが、映画のルックはいいので上映時間127分でもしっかり観れるとは思います。
ただやっぱり個人的には、この設定でこの監督なら、リアルな方にシフトしてもらって、R18+の『娼年』ようなチャレンジングなものにしていただきたかったなぁ、というのが正直なところです。
鑑賞データ
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2018年 75作品目 累計68100円 1作品単価908円
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