蠱毒 ミートボールマシン 評価と感想/吉原ロケという貴重な作品

蠱毒 ミートボールマシン 評価と感想
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楽しさ満載!面白いよー ☆3.5点

1999年の山本淳一監督による『ミートボールマシン』のリメイクで2005年に山本淳一監督・山口雄大監督により制作された『MEATBALL MACHINE』の特技監督を務めた西村喜廣監督が再々映画化。主演は田中要次(BoBA)

予告編

映画データ

蠱毒 ミートボールマシン (2016):作品情報|シネマトゥデイ
映画『蠱毒 ミートボールマシン』のあらすじ・キャストなど作品情報:2006年に公開され、国内外で話題を呼んだ『MEATBALL MACHINE -ミートボールマシン-』を新たによみがえらせたアクションホラー。
http://cinema.pia.co.jp/title/171371/

日本の特殊造形の第一人者、西村喜廣監督の新作ということで観に行ってきました。
東京では新宿武蔵野館1館のみの上映で8月19日(土)からの公開で、1日1回レイトのみ3週間限定上映というハードルの高さです。

監督は西村喜廣さん
特殊造形の監督や監修として大作やB級を問わず様々な作品に携われてます。
近作ですと『進撃の巨人』や『Zアイランド』『シン・ゴジラ』などに携われてます。
監督作は前作の『虎影』を観てます。

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主演は田中要次さん
BoBAさんて呼ばれてるの知らなかったです。
木村拓哉さん主演のドラマ『HERO』のバーテンダー役で有名になりましたけど、本作でも「あるよ」ネタあるよ。

あるよ - Google 検索

近作は『ニシノユキヒコの恋と冒険』『エヴェレスト 神々の山嶺』『サバイバルファミリー』『追憶』などを観てます。

他に共演と配役は以下の通りです。

野田勇次: 田中要次
三田カヲル: 百合沙
マミ: 鳥居みゆき
田ノ上: 川瀬陽太
長谷: 村杉蝉之介
酒井: 三元雅芸
カップル男: 仁科貴
カップル女: 安部智凛
高橋: 矢部太郎
老爺: ジジ・ぷぅ
貧乏な男: こまつよしお
ボロボロの女: 冨手麻妙
神父: 沼澤邪鬼
警官隊 隊長: 島津健太郎
警官隊A: 山中アラタ
警官隊B: 屋敷紘子
警官隊C: 栄島智
次郎: 富田海人
萌: 小林実由
黒岩: 加藤桃子
ユイ: 水井真希
サオリ: 松田リマ
アイラ: 倖田李梨
白線女: しいなえいひ
宇宙人: 斎藤工

あらすじ

取り立て屋の野田勇次(田中要次)は、優しい性格が災いし社長(川瀬陽太)から役立たずの烙印を押された中年男。
彼の唯一の楽しみは、落語のテープを聴くことと、行きつけの古本屋に勤める三田カヲル(百合沙)に会うことだった。
そんなある日、勇次らの街はとつぜん巨大なフラスコに包まれて外の世界と遮断されてしまう。
そしてフラスコの中の人々は、謎の寄生生物に操られた戦闘マシン・ネクロボーグになり町中で死闘を繰り広げていった。
ネクロボーグにされながらも自らの意志を保った勇次は、行方不明のカヲルを探し街中を駆け抜ける。
果たして勇次はカヲルを救うことができるのか?
そしてフラスコは誰が何の目的で作ったのか?
やがて驚愕の真実が明らかになってゆく――。

公式サイトより引用)

ネタバレ感想

過去作のミートボールマシンは未見です。
2005年版のは今をときめく高橋一生さんが主演されてたんですね!

本作は過去作とはストーリ上の繋がりは全く無くて、ネクロボーグというグロテスクなキャラクターが暴れ回るのが共通してるだけなので、過去作未見でも全く問題ありません。

オープニングは蠱毒の説明から。
古代中国の呪術で壺のなかに様々な昆虫や毒虫をいれて共喰いさせるというもので、最後に残った1匹を使って呪いをかけるというものです。
壺の中に入れられたムカデとかが出てくるんで、虫苦手な人は映像的に無理かもです。

宇宙には何やら不穏なフラスコというかビーカーが漂っていて今にも落ちてきそう。
地上では三池崇史監督『オーディション』の、しいなえいひ(椎名英姫)さん演じる白線女が、ラインカーを使って東京スカイツリー周辺一帯を囲むように線を引いています。

主人公・野田勇次は債権回収会社の会社員。
気が弱いため取り立ての成果が上げられず、ヤクザチックな社長に怒られてばかり。
目標金額に届かないのでキャッシングして穴埋めしてます。
老人ホームで暮らしてる母親からは金の無心ばかりされていて胃の痛い毎日です。
そんな彼の心の拠り所は落語のカセットテープを聴くことと、そのテープを買うために行く古本屋の店員カヲルに会うことです。
ある日、野田はあまりに胃が痛くて倒れてしまい病院に行くとガンと診断され、余命宣告を受けます。
どうせ死ぬんだと開き直った野田は、その日からガンガン取り立てに回ると目標金額にあっという間に到達するのでした。

気分がいいのでカセットテープを買いに行こうとすると、古本屋での仕事を終え店から出てきたカヲルが車に乗った男からドライブに行こうとしつこく誘われてます。
野田は調子づいて勢いそのままに止めに入るとドライブ男に殴られるんですが、通りかかったお巡りさんにより事なきを得ます。

お店のポイントカードで野田の名前を覚えていたカヲルは礼を言うと自宅に誘います。
もじもじ緊張してる野田に優しく接してくれるカヲル。
野田が(ガンの診断を受けて)元気がないと分かると、イイところがあると言って野田を誘います。

野田が誘われたのはカヲルが嵌っている新興宗教の教会でした。
入会金10万円で大丈夫とカヲルに言われ、そういうことかと気づくと野田は出ていってしまいます。
茫然自失で街を歩いてるとマミという女に声をかけられキャバクラに誘われます。
天獄というそのキャバクラは大人の竜宮城のようで飲めや踊れやの大騒ぎ。
夢のようなひと時を過ごしますが、そこはぼったくりバーで回収したお金を全て奪われてしまいます。

無一文で店先に放り出されると、教会でカヲルが面倒を見ていた男の子が「お姉ちゃんにちょっかい出すんじゃねぇ」と突っかかってきます。
男の子と揉めてると誘拐と勘違いし通報され、野田は逮捕されて警察の留置所に入れられてしまうのでした。

その頃、外の世界では白線女がちょうど線を引き終わると、フラスコが落ちてきて周囲一帯と隔絶されてしまいます。
フラスコ内部には謎の生命体「ユニット」が放たれ、それに寄生された人々が次々とネクロボーグになると、殺し合いを始めるのでした。

フラスコを蠱毒の壺に見立て『バトル・ロワイアル』よろしく殺し合いをさせる訳ですね。
ネクロボーグは『アイアムアヒーロー』のゾンビみたいに、人間のときに得意だったことを生かして攻撃してくるのでコメディタッチでもあります。

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留置場にいる野田のところにもユニットがやってきて警察官に寄生するとネクロボーグ化してしまいます。
野田にも寄生しますが、野田は目だけは守ったのでネクロボーグ化しても、元の人格は保ったままでした。

その後はネクロボーグ化した社長と野田の対決。
人間のままの警官隊4人組とネクロボーグ化した天獄のキャスト達との対決が描かれます。

社長を倒した野田が、カヲルの部屋に向かうとドライブに行こうと誘っていた男がネクロボーグ化してて、カヲルを連れ去ってしまいます。
ドライブ男は暴走タイプのネクロボーグでしたが、カヲルは連れ去られながらもコントロールしようと、上半身の服を脱ぐとそれを手綱替わりにして西部劇の御者みたいに操縦します。

このシーンはカヲル役の百合沙(木嶋ゆり)さんが、おっぱいを大きく揺らして熱演されているので見応えがあり、ある意味おっぱい映画でアメリカではたいへんウケたみたいです。

fjmovie|『蠱毒 ミートボールマシン』西村喜廣監督インタビュー

カヲルはドライブ男を教会に突っ込ませて停めると、追いかけてきた野田や警官隊たちも追いつきます。

ネクロボーグ化した教祖も加わって血みどろの闘いを繰り広げて、野田が勝利したのも束の間、カヲルが寄生されてネクロボーグ化してしまいます。
人格を失ったカヲルを、悲しみにくれながらとどめを刺す野田でした。

そのころちょうどフラスコの外側に人々が集まり始めます。
人々がフラスコに手を触れると、それぞれのネガティブな思いが文字となって現れ、フラスコの壁面を上がっていきます。
するとフラスコが消失し、内部も消失してます。

消失したフラスコは、宇宙で人工衛星のようなものに回収されます。
人工衛星にはモニターが付いていて、斎藤工さん演じる緑色の宇宙人がテレビショッピングのようなことをやっています。

斎藤工が緑色の宇宙人に!「蠱毒 ミートボールマシン」メイキング写真(コメントあり)
本日8月19日に封切られた「蠱毒 ミートボールマシン」より、斎藤工演じる“謎の宇宙人”の姿が解禁された。

商品は宇宙人向けの栄養ドリンクで、蠱毒のような仕組みのフラスコは栄養ドリンクを作るためでした。
人間界だとローヤルゼリーみたいなものかな(笑)

オチがテレビショッピングということで、『HERO』で常にテレビショッピングを流してた田中要次さんの壮大なパロディにもなるんだと思います。

映画はマスターユーザーっていうネクロボーグの中に入ってる小さい生き物で入れ歯にカエルの手足みたいのくっつけたやつとか、警官隊の中にジャッキー・チェン(栄島智)がいたりして面白いんですが、『虎影』に比べるとストーリーが無いのでやや飽きてしまいました。


このクラスの作品としては上映時間100分と長めなんですが、低予算ということもあってバトルの方に長めに時間が取られてるんで、ちょっと目が疲れちゃったです。
血糊の量とかハンパないんで海外だと凄いウケると思います。

映画観てて何気に凄いなと思ったのが吉原で撮影してて、チラッとソープの看板とかも映ってるんでよく撮影出来たなと思ったんですが、監督が浅草出身だということと、逆に低予算だったからということですが、普通の邦画じゃ撮影出来ないんで逆に貴重なんじゃないかと思いました。

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長いこと東京住んでますけど、キラキラ橘商店街とかも初めて知りました。

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この映画を観た後、たまたま『劇場版 虫皇帝』という映画の存在を知って、ネットフリックスでやってた(配信終わっちゃったみたいです)ので見てみたんですけど、蠱毒に繋がる感じで面白かった(動物愛護の観点からは怒られるかもしれない)ので、虫苦手じゃない方はご覧になられるとよいと思います。

西村監督の観客に楽しんでもらおうというのが伝わってくる映画で、今後の公開予定も宮城、長野、愛知、大阪、広島とまだ少ないですが、お近くにきたら是非足を運ばれるといいと思います。

2018年9月6日追記

ネットフリックスで高橋一生さん版の『MEATBALL MACHINE ミートボールマシン』配信されたようですね。

https://www.netflix.com/title/70068919(2019年9月3日リンク切れ確認)

鑑賞データ

新宿武蔵野館 映画ファンサービスデー 1000円
2017年 143作品目 累計151700円 1作品単価1061円

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