恋妻家宮本 評価と感想/電通に優しい言葉といわれてもなぁ

恋妻家宮本 評価と感想
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全体的に薄っぺらい内容でした ☆2点

電通・東宝配給作品で重松清さん原作「ファミレス」の映画化です。
脚本家で有名な遊川和彦さんがなぜか初監督を務められた作品です。

予告編

映画データ

恋妻家宮本 (2017):作品情報|シネマトゥデイ
映画『恋妻家宮本』のあらすじ・キャストなど作品情報:テレビドラマ「家政婦のミタ」「偽装の夫婦」など数々の話題作を送り出してきた人気脚本家・遊川和彦の初監督作。
http://cinema.pia.co.jp/title/169227/

あらすじ

宮本陽平(阿部寛)と美代子(天海祐希)は、学生時代に合コンで知り合い、卒業と同時にできちゃった婚。ごく平穏な結婚生活25年を経て、子供の独立の時を迎えていた。夫と妻から、父親と母親に形を変えてきた夫婦生活。理想の夫ではないにしても浮気もせず、教師として真面目に働き、きちんと給料を入れる、そんな自分に何の問題もないと陽平は思っていた。だが息子夫婦が福島へ転勤で旅立った日、25年振りの二人きりの生活に戸惑い、陽平と美代子はついつい飲みすぎ、ついに美代子が飲みつぶれてしまう。その夜、陽平は妻の記入欄がすべて書き込まれて捺印された離婚届を本棚で発見。順風満帆の夫婦生活と思っていた陽平は激しく動揺する。しかし、妻に問いただす勇気もなく、ただ悶々とする陽平。そんなある日、耐えられずに陽平は趣味の料理教室仲間に相談するが、妻の浮気を示唆されて余計に不安を募らせる。これまでの人生を常に何が正しいかを考えながら生きてきた陽平。教師として学校でふれあう生徒とその家族、趣味で通う料理学校で垣間見るよその夫婦の姿、そこには、さまざまな夫婦そして家族の形がある。正しいことって何だろうかと、陽平の惑いは深まるばかりであった。そんな時、突然美代子が家を飛び出してしまう……。

MovieWalkerより引用)

ネタバレ感想

この映画の予告編は去年の早い時期から結構映画館で目にしました。
『ラ・ラ・ランド』に次ぐ勢いで目にした気がします。

原作は未読です。
重松さんの作品は映像化されている作品が非常に多い印象なんですが、ウィキペディア見たら小説自体、物凄い多いですね。
どうやって書いてるんだろう?ってくらい非常に多作な作家さんなんですね。

原作はどれも読んだことないですが、映像化された作品は「あすなろ三三七拍子」「流星ワゴン」「希望ヶ丘の人びと」を連ドラで見ました。
「流星ワゴン」を見たときに、同じTBSでやっていた「とんび」(未見ですが)みたいだなと思いました。
何かおやじの話が多いイメージです。

監督の遊川和彦さん脚本作品のドラマは結構見てる気がしますが、ヒット作である「GTO」と「家政婦のミタ」はちゃんと見たことありません。
再放送でチラッと見た感じです。

遊川さんが監督されたのは何ででしょうね?オリジナル脚本って訳でもないですし。
普通、第一回監督作ってその監督さんの個性っていうか、描きたいテーマがあって、そういうのが色濃く反映されると思うのですが、有名な作家さんの原作じゃそれは無い感じなので疑問に思いました。

それで肝心の演出方法なんですが、何か見てて”こそばゆい”と言いますか。
カメラは紗がかかった感じの映像でそれはいいんですが、演技指導がベタといいますか古臭いといいますか。

例えば、オロオロするときはそれこそオロオロする感じで、幼稚園の学芸会でのお芝居を観てるような感じがしました。
ドラマを想像していたので、コメディに寄ってるせいもあるでしょうが、モントリオール映画祭に持っていったみたいなので、海外配給も意識して、このような演技になったのかな?
海外の人には分かりやすいと思いますね、コントみたいになってるので。

ただ自分には、ファミレスに行っても注文をなかなか決められない優柔不断の主人公の設定から、もうノレませんでした。
プロポーズの言葉の「お前の作った味噌汁が飲みたい」とかもねぇ…。

そういうわりに主人公は料理教室に通ちゃったりする訳で、奥さん専業主婦で外に働きに行ってる様子もないので、なんで?となります。
妻が書いた離婚届を本の間に挟まれてるのを見つけてオロオロするんですが、ひとこと「これなぁに?」って聞けば済むと思うんだけどなぁ(それだと話がすぐ終わっちゃいますが)と思って観てたので、もう映画自体にノレないという…。

阿部寛さん演じる主人公の宮本陽平は天海祐希さん演じる妻の美代子と大学院生時代に出来ちゃった結婚するんですが、元々は小説家志望だったのをやめて、妻が目指してた教員になって中学の国語教師をしてるんですが、そのわりに生徒にも妻にも気の利いた言葉をかけてあげられないんですよね。
言葉を操る人だろ?と思うんですけど、なぜか料理が重要なモチーフになっていて、なんか設定が上手くないなぁと思いました。

料理は料理で美味しそうなんで、それはいいんですが、それこそタイトルは先月観た『僕らのごはんは明日で待ってる』の方が合ってそうな内容でした。

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あと、「ぼくごは」同様、本作も企業タイアップで本作ではデニーズでした。
「ぼくごは」のときはガストがシーン的にも重要なところで使われてたわりに、タイアップしてたのはケンタッキーでしたが、本作はデニーズ一筋でしたね。

あとキャスティングですかねぇ。
阿部寛さんと天海祐希さんが、就職して結婚して家を出て行った息子を持つ50歳の夫婦に見えなかったです。

阿部寛さんは『海よりもまだ深く』同様、くたびれたオヤジ感出してましたが、天海さんは強い女性のイメージで専業主婦って役も記憶にないので違和感があるといいますか。
まぁお二人の身長は合ってたと思いますが。

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(そういえば阿部さんは海よりもでも、小説家志望でなれなくてウダウダした役でした)

うーん、ぶっちゃけますと、重松原作作品はあんまりタイプじゃなかったりします(じゃあ何で観るんだって話ですが)。

何か、いい話風にコーティングされてる気がして、自分の心には響かなかったりします。
「冷やし中華はじめました」的な「いい話集めました」的な。

本作の予告でも流れる、電車が通過しちゃって聞こえなかった言葉は、プロポーズの言葉で「お前の作った味噌汁が飲みたい」なんですが、50歳になって改めてプロボーズの言葉を言うってオチで物語的にもハイライトなシーンだと思うんですが、えっ、それかよみたいな。

あと富司純子さん演じる生徒のおばあちゃんをステレオタイプ的に悪く描くのもノレませんでした。
宮本がおばあちゃんに「正しさと正しさはぶつかるが、優しさと優しさはより大きな優しさが生まれる」みたいなことを言うんですが、過労死事件に揺れる電通に言われてもなぁ…と思ってしまいました。

過酷電通に奪われた命、女性新入社員が過労自殺するまで | AERA dot. (アエラドット)
入社1年目の電通社員高橋まつりさん(当時24)が、過労自殺に追い込まれた。その死は電通だけでなく、私たちの働き方、日本社会も大きく揺さぶっている。

あと料理教室で一緒の専業主婦・五十嵐真珠(菅野美穂)と陽平がお互いの離婚問題を話してる中で、性生活の不一致が原因じゃないかってことで試してみようってなるんですが、いや普通ならねぇから。

なんか、いい話をコメディタッチで描きたいんでしょうけど、こういうシーンがあると、はっきりいってどのテンションで見ればいいか分からないんですよね。

自分は公開から3週目に入った平日夜の新宿ピカデリーで観たんですが、観客10人強でした。

この作品、ヤフーのレビュー点数を見ても一時期は4点を超えてて、2/14現在でも3.92点あるんですが、自分はあまりステマ、ステマ言わない方ですが、さすがにここまで高評価になるかなぁ?と思います。
3.5~3.6くらいがいいとこじゃない無いかと思います。

鑑賞データ

新宿ピカデリー SMTメンバーズ60P無料鑑賞 0円
2017年 21作品目 累計17000円 1作品単価810円

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