めちゃめちゃバブリーな映画でした ☆3.5点
世界ラリー選手権(WRC)に繋がる架空の国内ラリーシリーズを舞台にメカニックである兄とドライバーである弟を描いたカーレース映画。
監督は羽住英一郎、W主演に東出昌大と新田真剣佑、共演に森川葵、北村匠海、吉田鋼太郎、特別協賛にトヨタ自動車
予告編
映画データ
本作は2018年6月1日(金)公開で、全国302館での公開です。
制作はROBOTで配給は東宝となってます。
劇場では予告編をよく目にしましたね。
「怖いと思った瞬間負けなんだよ」は小学生とかに流行らないんですかね?
予告編で首都高走ってるのを見て、『湾岸ミッドナイト』以来なんじゃないかと楽しみにして観に行ってきました(笑)
監督は羽住英一郎さん
映画版『海猿』シリーズ4作で累計興収240億円くらい叩き出してるんですけど、海猿はドラマも含めて1本も見てません。
監督作は『劇場版 MOZU』を観てます。
主演に東出昌大さん
近作は『GONIN サーガ』『ヒーローマニア -生活-』『クリーピー 偽りの隣人』『聖の青春』『関ヶ原』『散歩する侵略者』を観てます。
主演に新田真剣佑さん
近作は『チア☆ダン〜女子高生がチアダンスで全米制覇しちゃったホントの話〜』『ピーチガール』『ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない 第一章』『不能犯』『パシフィック・リム:アップライジング』を観てます。
共演に森川葵さん
近作は『渇き。』『噓八百』『リバーズ・エッジ』を観てます。
共演に北村匠海さん
近作は『信長協奏曲』『セーラー服と機関銃 -卒業-』『あやしい彼女』『ディストラクション・ベイビーズ』『君の膵臓をたべたい』『勝手にふるえてろ』を観てます。
共演に要潤さん
近作は『あやしい彼女』を観てます。
共演に吉田鋼太郎さん
近作は『新宿スワン』『帝一の國』『三度目の殺人』『ミックス。』『嘘を愛する女』を観てます。
他に共演と配役は以下の通りです。
檜山篤洋(兄): 東出昌大
檜山直純(弟): 新田真剣佑
檜山直純(幼少期): 財前魁斗
遠藤ひかる: 森川葵
新海彰: 北村匠海
増田順平: 町田啓太
香川久俊: 要潤
都築一星: 吉田鋼太郎
片岡 怜: 佐藤貢三
原 良和: 平山裕介
坂崎 豊: 松本実
水野友也: 長谷川ティティ
関竜太: 川口覚
永瀬陽菜: 清水ひまわり
あらすじ
世界最高峰のラリー競技・WRC(世界ラリー選手権)の登竜門として、若き才能たちがしのぎを削る国内トップカテゴリーのSCRS(SEIKOカップラリーシリーズ)。
スピカレーシングファクトリーとライバルチームの熾烈な優勝争いは激しさを増していた。
スペシャルステージで競われるのは、コンマ1秒の世界。
「攻めなきゃ、勝てねーから!」
WRCへのステップアップを目指すスピカ所属の天才ドライバー、檜山直純(新田真剣佑)。
真面目で確かな腕を持ち、チームに貢献するメカニックの兄・檜山篤洋(東出昌大)の助言を無視し、リスクを顧みない、勝気な走りを続ける。
ラウンド毎に衝突を繰り返す二人。
いつしか、チームにも険悪なムードが漂い始め……。
そんなある日、素行の悪い直純の新しいマネジメント担当として遠藤ひかる(森川葵)がやってくる。
なんの知識もなく、完全に場違いな、ひかる。
彼女を待ち受けていたのは、檜山兄弟の確執に秘められた過去、そして、チーム全員を巻き込む試練だった。(公式サイトhttp://overdrive-movie.jp/about/story.htmlより引用)
ネタバレ感想
日本だとオンロードでサーキット場を使ってレースする全日本F3選手権やSUPER GTなんかは馴染みがあるんですが、公道を使ってオフロードでレースするラリーレースなんてあるのかな?と思ったんですが、あるんですね。
本作ではアジア2戦を含めて計13戦する「SEIKOカップラリーシリーズ」略してSCRSが舞台になってるんですけど、架空のシリーズだよなぁとは思いつつも、実際に時計メーカーのSEIKOが劇中の冠スポンサーになってシリーズに名前が付いてるんで、本当にあるシリーズのようにも思えて紛らわしかったですね。
本作では森の中のコースでもギャラリーがいたので、ラリーレースの最高峰のWRCをイメージしてるんだろうなと思いましたけど、観客のエキストラを集めるのも大変だったろうなと思いました。
特別協賛にトヨタ自動車、Special Thanksに豊田章男社長の名前があったので、お金いっぱい出てるんだろうなと思いましたが、公開から13日目に観に行きましたが、結構空いてましたね。
スポンサー枠の招待チケットとかたくさん出てないんですかね?
金券ショップ覗いてみればよかったと思います。
映画は冒頭からスピカレーシングファクトリーの社長であり監督でもある都築一星(吉田鋼太郎)がレースクイーン2人を侍らせて、セクハラ(「ラリーに必要なのは3つのSでスピードとスリル、そしてセックス。タイムを1秒縮めるごとに(レースクイーンの)チャックを5cm下ろそう」と言う)をかますのでバブリーだなと思うのと同時に、F1でもレースクイーン廃止の動きの中、なかなかの時代錯誤っぷりだなとも思いました(笑)
肝心のストーリーの方は結構ザルで、SCRSなんかとっとと飛び越えてWRCに行きたい協調性の無い弟と、ザ・いい人の兄が対立しながらシリーズが進んでいく中で、弟がなぜそうなったのかの過去が明らかになり、兄弟のわだかまりが溶けると最終戦で逆転してシリーズ総合優勝してハッピーエンドっていうベタな展開です。
あとそこにスポーツマネジメント会社ワンダースポーツエージェントの遠藤ひかるが弟の担当になり、それまで大物アマチュア高校生ゴルファー(石川遼をもじったような名前)の担当だったひかるは、弟の担当を腰掛け程度にしか考えておらずカーレースの知識も全くありませんでしたが、自分が高校生ゴルファーの担当を外されたことに気づくと、スピカのメカニックたちの仕事ぶりに感化され、自身もやっと必死になるって話が絡んできますが、この話は無くてもよかった気がします。
たぶん素人同然のひかるにラリー競技を説明することで、観客にも分かるようにするっていうためのキャラクターだと思うんですが、メインの話がぼやけるので、そもそもキャラクターとして要らなかった気もします。
檜山兄弟の確執の方は、幼馴染に永瀬陽菜って女の子がいていつもドリカム状態で遊んでたんですが、弟は陽菜が好きで、陽菜は兄を好きで、弟がいじけちゃうっていう話です。
子供の頃の兄弟は自転車のダウンヒルをよくやってて、陽菜に振り向いてもらいたい弟は兄に勝つためにその頃から無茶な乗り方をしてて、自転車をよく壊します。
その度に兄はどれだけ壊れても「すぐに直してやるから」と言って直してくれますが、弟はその過程でどれだけ兄に勝っても陽菜には振り向いてもらえないと気付いていきます。
それぞれが成長し、兄はメカニックの道へ、弟はドライバーへの道へ進路を取ると、そのタイミングで陽菜は兄に告白しようとするのですが、それを察知した弟は兄貴には他に好きな人がいると嘘を言います。
そして暫くすると陽菜はボストンへ留学することになりますが、留学中にボストンで銃乱射事件に巻き込まれて亡くなってしまいます。
弟は自分の付いた嘘が引き金となってボストン留学を決意させたと考え、陽菜の死を受け止められず、ずっと自暴自棄になっていたのでした。
最終戦の前のレースで攻め過ぎてクラッシュした弟は何とか自力でピットに戻るものの、見た目の損傷はそれほど酷くないにも関わらず、兄からは直せずリタイアするしかないと言われます。
反発する弟でしたが、エンジンが壊れてて分解して直すのはルール違反でした。
兄は直せるものと直せないものがあると言うと、最終戦を前に弟は姿を消してしまいます。
スピカのナビのドライバーである片岡から弟の行方を聞かれた兄は感情的になって「分からない」と答えますが、冷静になって考えると子供の頃によく遊んだダウンヒルコースのゴールの浜辺に辿り着きます。
弟も浜辺にいて陽菜に嘘をついたことを懺悔すると、2人は過去を清算し最終戦に臨みます。
最終戦では兄が長年開発していたターボチャージャーを導入しますが、弟は今度は事故車を避けようしてクラッシュしてしまいます。
しかも道路わきの湖に落ちて水没してしまうのでした。
最終戦もリタイアの文字が頭をかすめる弟でしたが、兄は引き揚げてピットに持っていくと言います。
ピットに持って帰ると見た目の損傷は酷いにも関わらず、エンジンは無事で5分のペナルティを払えば修理可能なのが分かります。
メカニック総出で直すと弟の腕に託すことになります。
弟はライバルであるシグマレーシングの新海を抑えて最終戦を制すと、逆転でシリーズ総合優勝を決めるのでした。
その翌年には弟はWRCに参戦しスーパールーキーとして注目されていることが語られて、めでたしめでたしで映画は終わります。
因みに最終戦はフィルムコミッションが充実している北九州で行われてます。
羽住監督の『劇場版 MOZU』でも撮影に使われていて、実際に一部公道を封鎖して撮影してるので、日本を舞台にした過去のこの手の作品(『湾岸ミッドナイト』や『頭文字D』)に比べると迫力あるものに仕上がってると思います。
それから第5戦はお台場ラウンドで、予告編で出てくる首都高になるんですが、さすがに首都高は封鎖出来ないと思うので合成(或いはグランツーリスモもみたいなCG)だと思いますし、そんな感じの画に仕上がってました。
ただお台場ラウンドのスタートが、本広克行監督が『踊る大捜査線』で封鎖出来なかったレインボーブリッジで、羽住監督は封鎖出来ちゃったのかな?と思いましたが、実際には山口県宇部市の宇部スカイロードだったようです。
あと劇中では弟・直純が美女を侍らせてシャンパンクルーズしてるので、これまたバブリーだなと思いましたが、結構リーズナブルに出来るようですね。
あとそうそう、劇中気になったのはドライバーが車に乗り込むときにヘルメット被って無いんですよね。
なのに車に入るとヘルメット被ってていつ被ったのだろう?と思って、そこばっかり気になっちゃいました。
まぁ先にヘルメット被っちゃうと顔が分からないってことなんでしょうけど、そういうところはリアリティなかったですかね。
あとは見どころは何と言っても真剣佑さんの筋肉じゃないでしょうかね。
これでもかと見せてくれるので、女子にはたまらないんじゃないでしょうか。
真剣佑PV映画としての側面もあると思います。
とにかく車の音とWANIMAの主題歌がうるさいので映画館で観てこその映画だと思いますよ。
鑑賞データ
新宿ピカデリー SMTメンバーズ割引クーポン 1200円
2018年 99作品目 累計93100円 1作品単価940円
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