『クリーピー 偽りの隣人』評価と感想/違和感や不快さがリンクする映画

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黒沢清監督の最高傑作だと思います  ☆5点

予告編はこんな感じです


映画データはこちらからどうぞ
映画『クリーピー 偽りの隣人』の作品情報:『アカルイミライ』などの黒沢清監督がメガホンを取り、第15回日本ミステリー文学大賞新人賞に輝いた前川裕の小説を映画化。隣人に抱いた疑念をきっかけに、とある夫婦の平穏な日常が悪夢になっていく恐怖を描く。
『クリーピー 偽りの隣人』は2016年の映画。『クリーピー 偽りの隣人』に対するみんなの評価やクチコミ情報、映画館の上映スケジュール、フォトギャラリーや動画クリップなどを紹介しています。
北九州監禁殺人事件をベースにしたっぽい前川裕さん原作の同名小説の映画化で、原作は未読です。


元々、サイコサスペンスやサイコスリラーのジャンルが好きなのもありまして『CURE』や『叫』は好きな映画なのですが、これらの作品はレンタルDVDで見たこともあって黒沢清監督の作家性というものをあまり意識したことはありませんでした。

黒沢監督の作家性を意識したのは『リアル〜完全なる首長竜の日〜』を劇場で観てからです。
このときは、黒沢監督が原作があるものを撮るのは珍しいなと思いましたし、原作は未読でしたが、監督のカラーには合わない作品じゃないかと思って観ました。

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そして実際に鑑賞すると原作を読んでなくても、原作とは違うのだろうなと感じました(主にストーリーテリングの点で)。

ただ、ストーリーとは全く関係ないところで画面に漂う不穏さとか、全編を通して漲る緊張感とかに惹きつけられました。
気になって調べてみると、それこそが黒沢監督の作家性の部分で、見てて違和感を感じた部分も完璧に計算されていて、凄いと思いました。

そして今作のクリーピーですが、もう冒頭から釘づけでした。

シンメトリーのようでアシンメトリーな真っ白な部屋。
何だろうと思ってると、カメラが引いて警察の取り調べ室だと分かります。
容疑者を友達のようにクン付けで呼ぶ刑事。
ハンサムな容疑者は北野映画がよくやるようなミスマッチで、ほどなくして恐ろしい連続殺人犯だと分かります。

もう序盤から引き込まれました。

黒沢監督の画面はどのシーンでも不穏さや奇妙な感覚が溢れていて、ちょっとダリの絵画を見ているような不思議な感覚に陥りましたし、全編に漂う緊張感で吐きそうにもなりました。

圧巻なのは香川照之さんの演技で、とにかく不気味。
終盤、屋上から望遠鏡を覗いてるだけなのに、なんという画になるのでしょうか。

そして主人公たち(西島さん竹内さん)でさえ、こちらの期待通りに動いてくれない不快さ。
西島さんは被害者家族(川口春奈)にさえ腕を掴んで聞き出そうとするし、竹内さんは好奇心溢れるご近所さんを地でいくように、わざわざシチューを持って行ったりして、観客を不快にさせることこの上ないです。

高倉家と西野家が食事するシーンでも、西島さんがワインを取りに行って香川さんを呼ぶけど香川さんが返事しないとか凄い違和感のあるシーンがありますが、そういうシーンがいっぱいあります。

でも、こういうの全部計算されてやってるんですよね。

それで何でそういうことをやってるんだろうと考えたときに、映画を観てる観客は、どこまでいっても傍観者なんですね。映画の中で起きてることは第三者的に見てて、どこまでも他人事。

でも主人公たちでさえ、観客の期待通りに動いてくれない不快さとか違和感は確実に存在していて、主人公たちが抱いてる隣人への不快さとか恐怖にリンクしてくるんですよね。

観客も映画の中に引きずり込まれる感じで、2Dで体感型4DXみたいなことやってるわけで凄いですよ。

市川崑監督が「映画は光と影だと思います」と言ってるんですが、最近、なんとなくそういうのが分かってきて、今作にしても光と影が凄いですよね。
同じ場面でも僅かに暗くなったりして、何ともいえない焦燥感とか不安感を煽られます。

作家性の強い黒沢監督ですが、今作は原作物のエンタメ性と作家性が上手いところでかみ合っていたと思うんで、ヤフー映画の点数とかもう少し上がってもいいと思います。

渋谷シネパレス メンズデー 1000円
2016年 73作品目 累計85800円 1作品単価1175円

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