真っ赤な星 評価と感想/よく分かりませんでした

真っ赤な星 評価と感想
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もう少しストーリーが欲しかった ☆2.5点

前作『溶ける』が第70回カンヌ国際映画祭シネフォンダシオン部門に正式出品され注目を集めた22歳の俊英、井樫彩監督の初長編作にして劇場映画デビュー作品。
孤独を抱える14歳の少女と27歳の女性の交わることのない愛の日々を繊細なタッチで綴ったドラマ。
主演に小松未来と桜井ユキ、共演に毎熊克哉

予告編

映画データ

http://cinema.pia.co.jp/title/173313/

本作は2018年12月1日(土)テアトル新宿を皮切りに順次公開され、最終的に全国11館での公開です。

監督は井樫彩さん
東放学園映画専門学校の卒業制作で手掛けた45分の中編映画『溶ける』がぴあフィルムフェスティバルや、なら国際映画祭など国内の映画祭で受賞を重ね、2017年のカンヌ国際映画祭シネフォンダシオン部門(学生映画部門)に、日本人歴代最年少で正式出品されたそうです。

PFFアワード2016『溶ける』|第38回PFF
田舎町の女子高校生・真子は、言葉にならない違和感を学校でも家でも抱いている。東京から来た従兄弟、妊娠する同級生。真子の苛立ちは何に対する嫌悪なのか、力強く描く。

本作が初長編作にして劇場映画デビュー作となります。

主演に小松未来さん
初めましての女優さんです。
芸大院生だった竹内里紗監督の修了制作作品『みつこと宇宙こぶ』に主演して、2017年の第11回 田辺・弁慶映画祭で女優賞を受賞されてます(ちなみにこの時の男優賞はルー大柴さん)。
志田未来さんと名前がかぶるのか。

主演に桜井ユキさん
近作は『新宿スワン』『トイレのピエタ』『リアル鬼ごっこ』『フローレンスは眠る』『過激派オペラ』『ひかりをあててしぼる』『THE LIMIT OF SLEEPING BEAUTY ―リミット・オブ・スリーピング ビューティ―』『娼年』『50回目のファーストキス』『スマホを落としただけなのに』を観てます。

共演に毎熊克哉さん
近作は『ダブルミンツ』『獣道』『彼女の人生は間違いじゃない』『全員死刑』『北の桜守』『万引き家族』『空飛ぶタイヤ』『純平、考え直せ』『止められるか、俺たちを』を観てます。

他に共演と配役は以下の通りです。

陽: 小松未来
弥生: 桜井ユキ
賢吾: 毎熊克哉
大祐: 大原由暉
雅弘: 小林竜樹
恵利子: 西山真来
田淵: 菊沢将憲
湯舟すぴか
山谷武志
若林瑠海
大重わたる
久保山智夏
高田彩花
長野こうへい
中田クルミ(声の出演)
PANTA

あらすじ

片田舎の病院に怪我をして入院した14歳の陽(小松未来)。
彼女はいつも優しく接してくれていた看護師の弥生(桜井ユキ)に対し、特別な感情を抱き始めていた。
だが退院の日、弥生が突然看護師を辞めたことを知る。
1年後、陽は買い物の帰り道で偶然弥生と再会する。
そこにいたのは、過去の優しい面影はなく、男たちに身体を売ることで生計を立てている弥生だった。
再会後、学校にも家にも居場所がない陽は、吸い寄せられるように弥生に近づく。
一方、弥生には誰にも言えない悲しい過去があった。満たされない現実を冷めた目で見つめ、互いに孤独を抱えるふたりは、弥生のアパートで心の空白を埋める生活を始めていく——。

(公式サイトhttp://makkanahoshi.com/より引用)

ネタバレ感想

うーん、監督がカンヌでノミネートを果たしてるのと、注目してる桜井ユキさんが主演されてるので観に行きましたが、「なんで?」「どうして?」と思うことが多くて、あまり映画に入り込めませんでしたね。

まず、怪我で入院している病院で、綺麗で優しい看護師さんに出会って、心惹かれるっていう設定はいいと思いますが、なんで惹かれるのかをもう少し丁寧に描いて欲しかった。
上映時間101分のわりに病院での時間が短すぎた気がします。

そしていざ退院となると、看護師が辞めてるのを知る訳ですが、病院での時間を丁寧に描いてないので喪失感が感じられないんですよねぇ。

そしてこのときは退院の手続きをしていた母親を普通に感じたんですが、1年後に飛ぶと毒親と化してます。
娘そっちのけで同棲してる男に入れあげて、娘に対する性的虐待も見て見ぬふりという感じなんですが、近所で噂が立たないのかしら?

それで陽は買い物帰りに偶然、弥生と再会を果たす訳ですが、いくら田舎だからってあんな場所があるんでしょうかね?
カップルのためのカーセックススポットなら分かりますが、あんなカーデリヘル・スポットみたいなの?

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それで弥生はカーデリヘル嬢かと思ったんですが、個人売春なんですかね?
看護師の資格持ってるのに管理されてるデリヘルならまだしも、何であんな危険なことやってるのかよく分かりませんでしたね。

それで弥生と陽は一緒に暮らす訳ですが、よかれと思ったことでも「未成年者誘拐罪」になっちゃう訳じゃないですか。

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本作を観てて思ったのは、どこを観てても「児童福祉局案件だろ」と思ってしまうんですよね。

あと弥生はお金が無くて、ガスが止められたりしてるのにパラグライダーやってるんですが、これもよく分かりませんでしたね。
パラグライダーお金かかるんじゃないですかね?

あと、トンネル内で車を停めたりしてて、「交通法規大丈夫なの?」とかも思ってしまいました。

そして二人は一旦仲違いすると陽は弥生に追い出されて、幼馴染の大祐の家に厄介になりますが、こここそ「大祐のお母さんが児童福祉局に通報すべきだろう」と思ったんですが、大祐のお母さんもウェルカム状態で、そっちの方には話が転ばないんですよね。
ここの家が唯一まともそうなのに…。

結局、弥生が相手した客が陽の母親の男だと分かって、陽が性的虐待されてたのを知って母親の元へ乗り込むんですが、もうここでは「誰か早く警察に通報してあげてー!」としか思えませんでしたね。

うーん、それにしても観る前は14歳と27歳という年齢差から、『キャロル』をもう少しプラトニックにした感じになるのかな?と思いましたが、全然そうではありませんでした。

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というのも出てくる男共がクソ過ぎて、母親の男は性的虐待というかレイプですし、弥生の常連客も児童買春で淫行ですし、弥生の彼氏は不倫男ですし、美しかった『キャロル』というよりも、シャーリーズ・セロンの『モンスター』いう感じで、全く救いが無いんですよね。

そしてこの男たちが罰せられる訳でもないので、観ててモヤモヤするんですよねぇ。

はっきり言って、監督が何を描きたかったかは分からないですし、パラグライダーも天文台も映画の画面としては映えますが、物語的には全然機能してなかったように思います。

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上のインタビュー記事を読むと、監督はパラグライダーを思い付いてから映画が動き出したと言ってますが、もう少しストーリー、脚本を練り込んで頂きたかったというのが正直なところでした。

鑑賞データ

テアトル新宿 TCGメンバーズ ハッピーチューズデー 1000円
2018年 185作品目 累計166600円 1作品単価901円

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