ダブルミンツ 評価と感想/どいつもこいつもホモばかり

ダブルミンツ 評価と感想
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主従関係、ネトラレなど盛り沢山だが性描写が弱い ☆4点

2007年に発表された中村明日美子の全5話(1巻)からなるBL漫画の映画化で、監督は『下衆の愛』の内田英治、W主演で淵上泰史と田中俊介

予告編

映画データ

ダブルミンツ (2017):作品情報|シネマトゥデイ
映画『ダブルミンツ』のあらすじ・キャスト・動画など作品情報:「同級生」などで知られる中村明日美子のコミックを実写化した異色のBLドラマ。
http://cinema.pia.co.jp/title/172473/

全国でまだ20館ほどの上映で、映画館で予告編を見たことも無かったんですけど、『下衆の愛』の内田監督ということで観てきました。

原作未読で中村明日美子さんも知らず、映画の内容もBL物くらいにしか知らなくて、観客も映画通みたいな人が多いのかなと思いきや、殆ど女性ばかりで、きっと作者や原作のファン、両主演のファンが観に来てるのかな?と思いました。

監督は内田英治さん
去年『下衆の愛』がロングラン上映されて話題になりました。

下衆の愛 評価と感想/映画という魔物に取りつかれた人々
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実はこのときもBLっぽい描写があって細田善彦さん演じる助監督マモルの監督への思いが一途で切ないのでした。

主演に淵上泰史さん
フジテレビのドラマ「昼顔」で吉瀬美智子さん演じる主婦の年下のストーカー化する不倫相手を好演。
映画は安達祐実さん主演の『花宵道中』を観てます。

花宵道中 評価と感想/なかなかいいですよ
想像していたより  ☆4点 予告編 映画データ あらすじ 江戸時代末期。新吉原の人気女郎・朝霧(安達祐実)は、囚われの身ながらも地道に働き続け、間もなく年季明けを迎えようとしていた。そんなある日、朝霧は縁日で染物職人の半次郎(淵上泰史)と出...

W主演で田中俊介さん
初めましての方で、森山未來さんに似てるなと思いましたが、若い頃の池畑慎之介さんの雰囲気もあって、妖しい色気を放っておりました。

(ちなみにこれはピーター名義なので似てないんですが、池畑慎之介で短髪で若いときです)

共演によくテレビドラマで拝見する名脇役の小木茂光さんと、元・男闘呼組の高橋和也さんと『ALWAYS 三丁目の夕日』の須賀健太さん。

あらすじ

「女を殺した―」
ある日突然、壱河光夫(淵上泰史)の携帯電話にかかってきた高圧的な声の主は、高校時代の同級生で、今はチンピラになっている市川光央(田中俊介)だった。
すぐに光央のところに向かった光夫が目にしたのは、車のトランクの中に横たわる光央の彼女の麻美(冨手麻妙)の姿だった。
高校時代に出会った同じ“イチカワミツオ”の音の名前を持つ二人。
光夫(川籠石駿平)は冷酷で高飛車な光央(須賀健太)と、下僕として主従関係を結ぶこととなるのだった。
そして数年を経て、衝撃的な再会をした光夫と光央。
かつての隠微な記憶が忘れられない光夫は、逆らうことなく共犯者となり、森の中に穴を掘って麻美を埋める。
光央が麻美としていたペアリングとともに・・・
時が経って、自分のしたことが怖くなってしまった光央はあっさり警察に自首。
警察は埋めた場所を捜索するが、何も出てこない。
取調べで、虚言を吐いたと叱責される光央の前に現れたのは、一匹狼で光央が出入りしている暴力団を監視している、マル暴の中岡刑事(高橋和也)だった・・・。
この事件をきっかけに、光夫と光央の関係は、やがて高校時代の主従関係でない、新しい形の関係へと姿を変えていく。
そして警察だけでなく、光央のボスである佐伯(小木茂光)も絡み、二人はやがて取り返しのつかない犯罪の姿へと落ちていくのだった・・・

(公式サイトより引用)

ネタバレ感想

光夫の方は都内のIT会社でSEをしています。
残業してると電話があって、女を殺してしまったからすぐ来いと。
電話の声は高校卒業以来会って無かった光央でした。

向かう車の中で高校時代が回想されます。

高校時代、偶然同じクラスで同姓同名だった2人のイチカワミツオ。
先生からは光夫の方は漢数字の方の壱河と呼ばれます。

光央の方はいじめっ子で光夫をいじめていました。

ある日、体育館の倉庫に裸にした光夫を閉じ込めます。
体育の授業をしているので光夫が出られなくて跳び箱の陰に隠れていると、女子たちが体育の授業で使うんで跳び箱を持っていこうとします。
焦る光夫でしたが、跳び箱は中止になりマットの授業になったことで、事なきを得ます。

しかし放課後、誰もいなくなって体育館を出ようとするも、鍵が掛けられて扉が開きません。
焦っていると体育館の中から光央が現れ、一生俺のいう事を聞けば出してやると言われます。
一生俺の犬になれという光央に対し、素直にそれを受け入れる光夫なのでした。

光央が待っている駐車場に付くと、車のそばでへたり込んでいる光央の姿。
トランクを開けられ死体を見せられると、殺す気は無かったとパニくる光央を尻目に、山に埋めに行こうと冷静に光夫は言います。

光央は終始高圧的ですが、ビビりでもあります。

山に着くと光夫ひとりで穴を掘らされ、女を埋めます。
その際に光央が女とお揃いでしていた指輪も埋めるのでした。

明け方、山を下りる車の中で、やっぱり自首すると言い出すビビりな光央。
不安がる光央を安心させようと、光夫がキスします。
そんなに嫌がられなかったことから、光夫がズボンの中に手を入れると光央がキレたので、光夫は車を降りて歩いて帰るのでした。

光央は彼女の麻美とクラブに行った際、トイレに行ってる間に麻美をナンパしてた男をぶちのめしたのですが、やりすぎって非難されたのに逆上して麻美を殴り殺してしまったのでした。
埋めてる麻美が生き返る夢を見て怖くなった光央は警察に自首します。

警察は光央の自供を元に遺体を埋めた場所を捜索しますが、遺体が出てきません。
遺体が出なきゃ事件にならないってことで、悪質ないらずらと判断され釈放されますが、光央が普段出入りしている暴力団・佐伯組に関心を持つ一匹狼の刑事・中岡に監視されるようになります。

中岡は光央の自供を元に、光夫に事情を聞きに行きますが、光夫は光央の妄想だろうと中岡の追及を冷静にかわしますが、光夫はなぜか埋めたはずの指輪をしていて、中岡に素敵な指輪ですねと言われます。

観客は、弱気な光央を見越して光夫が別の場所に埋めたんだろうな、と思って観てます。

中岡はその足で佐伯組を訪れます。
光央の元へは直接向かわず、佐伯に光央を呼び出してもらい事情を聞くっていう嫌がらせをしてプレッシャーをかけます。
佐伯には、ヤクザの世界って男ばっかりだから、やっぱり男色が多いのか?とか聞くと、佐伯は人によると答えます。

光央と二人きりになった中岡は、遺体が見つかったと嘘をつき、指輪も見せて光央に揺さぶりをかけるのでした。

中岡がいなくなったあと、パニくった光央は光夫に電話をかけます。
ビビる光央に大丈夫と言う光夫の声のうしろからは女の声が聞こえます。

不審に思った光央が光夫の家に急行すると、部屋には麻美がいました。

光夫によると、山で別れたあと現場に戻って、遺体を掘り返すと、麻美は生きていて気絶していただけでした。
クラブでの出来事もひどく酔っぱらっていて覚えてないので、家に連れ帰ってきてたのでした。

安心したのと同時に腹立たしくもある光央は麻美を追い返すと、光夫を殴ります。
殴られて泣いて倒れている光夫に舐めろと命令すると、犬のように光央のズボンのファスナーを口で咥えて下ろす光夫でした。
それ以来、光央は光夫の家に入り浸るようになります。

光央は佐伯組に出入りはしてますが、組員ではなくチンピラです。
佐伯には可愛がられてましたが、ある日、ヤクの売り上げの一部をちょろまかしたことで、組で制裁をかけられます。
光央の身柄を引き取りにきた光夫を見た佐伯は、光夫の肝が据わってるのを見て、光央に頼むはずだった仕事を任せます。

それは、コインロッカーを使ってヤクの受け渡しをする簡単なもので、無事成功させると佐伯からバイト代と共に1枚のDVDをプレゼントされました。

自宅に帰ってDVDを見ると、それは今回のさらに以前に光央が佐伯組に制裁をかけられていた物で、頭を丸刈りにされ、組員たちにバックから犯されてる映像で、佐伯からもキスされていました。

小木茂光さん!
ここサイコーでしたね。
中岡が佐伯組で聞いてたことが生きてくる訳ですが、佐伯がダメなチンピラの光央に優しいのは同性愛的な気があるからだろうと思ってましたが、ドンピシャでした。
ここは、どいつもこいつもホモばかり、と思って見てました。

光夫のベッドで休んでいた光央は、光夫がDVDを見たことを知り激怒します。
光夫を殺すと息巻きますが、そんなことを出来るはずも無く、ナイフで自分のお腹を刺して自殺しようとするのでした。

ここは、お腹を刺して横に引いていれば三島になったのになぁとか思って見てました。

光央は高校時代、光夫がまだヤッてない彼女を寝取ったことがあります。
それは光央自身が気付いてなかった、光夫への嫉妬心からでしたが、最近になってそのことに気付き始めていました。
一命を取り留めた光央は入院中にヤクザな世界から足を洗おうと決めます。

退院した光央は佐伯組を抜けさせてもらえるよう頼みに行きます。

佐伯は光央は組員でも無いんだから、そのままフェードアウトすればいいものをと、感心したような呆れたような面持ちで言います。
ただどうせ抜けるなら、ついでなので、最近、敵対が激しくなってる組へ、拳銃で脅しをかけてくることを頼まれます。

拳銃を手にした光央は敵の組へ乗り込むと、組事務所の中にまで入って激しい銃撃戦を繰り広げた挙句、自身も足を撃たれるのでした。

佐伯は自分の意に反して事を大きくした光央に呆れるも、銃弾で負傷した光央のため闇医者を手配し匿います。

光夫にも知らせると、そこで初めて光夫と光央が結ばれるのですが、これまでBL描写を溜めてたわりにはおとなしめで、『無伴奏』の池松壮亮さんと斎藤工さんの方が激しかったので、それ以上のものが観たかったなと思いました。

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翌日、光夫が目を覚ますと光央がいません。

光央の行方が掴めない光夫は佐伯が裏で噛んでると考え、ヤクの取引を警察にタレこむといって佐伯を脅し、光央の元に案内させます。
光央は漁船に乗って韓国へ高飛びしようとしていました。

自分も一緒に行くという光夫に対し、来るなという光央。
ナイフで自分の顔を傷付けた光夫は、自分ももう堅気には戻れないと光央に訴えるのでした。

光央は、このバカ犬が、と言って光夫を抱きしめると2人で韓国へ向かって映画は終わります。

 

映画はですね、面白かったです。

直情的でドSでありながらも実はビビりなところがある光央と、究極のM体質で何でも受け入れてしまうも、その実は冷静で肝が据わった光夫との関係が一方的で無くて揺れ動いてるのが面白かったですね。

光央はドSですが、佐伯組の中にいると光夫のような立場でもあり、両方の面を持ってるというのも面白かったです。

劇中、光夫の部屋でテレビを見てるシーンがあって、放送大学みたいのが流れてるんですが、その番組の教授(菅原大吉)がギリシャ神話のアンドロギュノスの話をしています。

アンドロギュノスの話はプラトンの「饗宴」に出てくるもので、人間の起源について説明しています。

人間は元々は背中合わせの一体だったけど、神によって2つに切り離されたというもの。
このため人間は互いに失われた半身を求め、男らしい男は男を求め、女らしい女は女を求め、多くの中途半端な人間は互いに異性を求めるというものです。

これを聞いてインテリな光夫は、光央とは元は一体だったと思いますが、光央はあまり関心が無いっていう。

光央のDVDを見てるシーンもよかったです。
光夫が桃を食べながら見てて、滴がダラダラ落ちながらも目の色一つ変えないという。
何でも受け入れるから動じないんですよね。
光央の方が逆にそれ見られてうろたえるっていう。

役者陣では田中俊介さんが抜群によかったです。
一本筋が通ってなくてコロコロと変わる光央は難しかったと思うのですが好演してたと思います。
そしてあの雰囲気とあの顔、二丁目辺りで人気出そうと思いました。

小木茂光さんも終始何か醸し出しててよかったです。
もうちょっと光央との絡み見たいと思いました。

「ダブルミンツ」で検索すると、結構評価の高い原作なんですね。

ただのBL漫画と侮るなかれで、BLを超越した共依存のような関係にもなってて、光夫と光央だけじゃなく、光央と佐伯にもそれが垣間見れるところが面白かったです。

映画もわりと原作に忠実に撮られてるみたいですので、おススメの1本じゃないかと思います。

鑑賞データ

シネ・リーブル池袋 TCGメンバーズ料金 1300円
2017年 94作品目 累計99800円 1作品単価1062円

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