スマホを落としただけなのに 評価と感想/スマホを落としただけじゃない

スマホを落としただけなのに 評価と感想
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ネットリテラシーも低かった ☆3点

宝島社主催『このミステリーがすごい!』大賞の2016年隠し玉作品だった志駕晃の小説「パスワード」を加筆修正・改題し2017年に出版された同名小説の映画化。
彼氏がタクシーにスマートフォンを忘れたことから事件に巻き込まれるヒロインを描いた作品。
監督は中田秀夫、主演は北川景子、共演に千葉雄大、成田凌、田中圭

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予告編

映画データ

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本作は2018年11月2日(金)公開で、全国316館での公開です。
東宝配給のTBS映画で製作委員会方式で作られています。

劇場では、自分のスマホのバイブが鳴ったんじゃないかと思う特報的な予告編は非常によく目にしてて、公開されたら観に行こうと思ってました。

ただ、通常バージョンの予告編が流れだすと、予告でネタバレしてるんじゃないかな?とも思いました。

例によって例のごとく原作は未読での鑑賞です。

監督は中田秀夫さん
作品を劇場で観たのは『リング』『仄暗い水の底から』『インシテミル 7日間のデス・ゲーム』くらいで、それ以外で観たのも『クロユリ団地』くらいで作品はあまり見てません。

主演は北川景子さん
近作は『の・ようなもの のようなもの』『破門 ふたりのヤクビョーガミ』『君の膵臓をたべたい』『探偵はBARにいる3』『パンク侍、斬られて候』『センセイ君主』『響-HIBIKI-』を観てます。

共演に千葉雄大さん
近作は『モヒカン故郷に帰る』『殿、利息でござる!』『帝一の國』『亜人』『音量を上げろタコ!なに歌ってんのか全然わかんねぇんだよ!!』を観てます。

共演に成田凌さん
近作は『君の名は。(声の出演)』『THE LIMIT OF SLEEPING BEAUTY ―リミット・オブ・スリーピング ビューティ―』『ニワトリ★スター』『ここは退屈迎えに来て』『ビブリア古書堂の事件手帖』を観てます。

共演に田中圭さん
近作は『みなさん、さようなら』『予告犯』『伊藤くん A to E』『マンハント』を観てます。

他に共演と配役は以下の通りです。

稲葉麻美: 北川景子
加賀谷学: 千葉雄大
浦野善治: 成田凌
富田誠: 田中圭
毒島徹: 原田泰造
小柳守: バカリズム
武井雄哉: 要潤
杉本加奈子: 高橋メアリージュン
大野俊也: 酒井健太(アルコ&ピース)
天城千尋: 筧美和子
宮本まゆ: 松山愛里
池上聡子: 岩井堂聖子
山本美奈代: 桜井ユキ
高校生: 北村匠海

あらすじ

彼氏の富田(田中圭)に電話をかけた麻美(北川景子)は、スマホから聞こえてくる聞き覚えのない男の声に言葉を失った。たまたま落ちていたスマホを拾ったという男から、富田のスマホが無事に戻ってきて安堵した麻美だったが、その日を境に不可解な出来事が起こるようになる。

身に覚えのないクレジットカードの請求や、SNSで繋がっているだけの男からのネットストーキング。落としたスマホから個人情報が流出したのか?

ネットセキュリティ会社に勤める浦野(成田凌)に、スマホの安全対策を設定してもらい安心していた麻美だったが、その晩、何者かにアカウントを乗っ取られ、誰にも見られたくなかった写真がSNSにアップされてしまう。

時を同じくして、人里離れた山の中で次々と若い女性の遺体が見つかり、事件を担当する刑事・加賀谷(千葉雄大)は、犯人が長い黒髪の女性ばかりを狙っていたことに気が付く。

スマホを拾ったのは誰だったのか。
連続殺人事件の真犯人はいったい誰なのか。
そして明らかになる“奪われた麻美の秘密”とは?

(公式サイトhttp://sumaho-otoshita.jp/first/story.htmlより引用)

ネタバレ感想

原作がどんな感じで書かれてたのか分からないですけど、物語の進め方があまり上手くないかなぁ?と思いました。

タイトルが「スマホを落としただけなのに」なんで、スマホを落とした話がメインになると思うんですが、平行して殺人事件が描かれるじゃないですか。

でも、この2つの話は終盤まで交わってこない訳ですが、話を交互に見せてるので、スマホを拾った人物と殺人犯は同一人物というのは読めてしまいます。

「スマホを落としただけ」という小さなことが、「連続殺人事件」という大きなことに繋がってくるならば、中盤辺りまでは「スマホを落としただけ」を描き、中盤以降から「連続殺人事件」を描いた方が、前半がコメディタッチで中盤からサイコスリラーにガラッと変わった『ヒメアノ~ル』のような転調感は出せないにしても、スリラーとしてのスケール感は大きくなっていったんじゃないかなぁ?と思いました。

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特に観客には、富田がタクシーに忘れたスマホは、次に乗った乗客が手に入れたシーンを見せてるので、そもそもが富田の周辺人物を麻美のストーカーと思わせることが難しいと思いますが、本作では平行して殺人事件も描いちゃってるので、予告編でへらへらしてたバカリズムさん演じる小柳守の存在価値も相対的に低くなってしまってると思いました。

これを、「スマホを落としただけ」の中で小柳を登場させれば、ストーカーだと思った、でもストーカーじゃなかった、じゃあストーカーは誰?っていう風にしたあとに、連続殺人の方を描いてストーカーと繋がっていくという風にしていけば、あのへらへらしたシーンもより効果的だった気がします。

なんか、予告のイメージから受けたストーカーのスカされ方がハンパ無かったんですよね。
麻美が自宅の前を通った人影に怯えますが、それがただの隣人だったときは、「何だそれ」と思いましたもの。

冒頭からノレなかったのは、麻美が富田だと思って電話をかけたら、拾った人物が電話に出る訳ですが、横浜にいると言う拾った人に直接会って返そうとしてもらうんですけど、拾った人がその前に「交番に届けておきましょうか?」って言ったのに、何でそうしないんだろう?と思いました。
知らない人に会うの気持ち悪くないのかな?と思ったら、もうノレませんでした。

それでスマホを拾った犯人はハッカーだった訳ですが、鬼女板みたいにフェイスブック(映画ではソーシャルブック)で身元を特定していくのは面白かったですね。
まず拾ったスマホは普通誰のか分からないですよね。
そこに稲葉麻美から電話がかかってくる。
携帯とかスマホの場合、だいたいアドレス帳に登録された人からかかってくるので、ディスプレイに「稲葉麻美」と表示されます。
そして本作の場合、富田は麻美とのツーショットを待ち受けにしてたので、2人の容姿が分かる。
麻美と話すと彼氏の「とみた」のスマホだということが分かる。
電話を切った後、稲葉麻美をフェイスブックで検索する。
そして稲葉麻美の友達の中から「富田誠」を見つける。
フェイスブックの富田誠のプロフィールを見ると、リア充なんで何でもオープン(勤務先や生年月日)になってる。
スマホの暗証番号に試しに生年月日を入れてみる。
スマホのロックが外れる。
画像フォルダの中にある富田が撮った麻美のハレンチな写真も見れちゃう。

まぁ本作の場合、富田のネットリテラシーが低すぎて、あれほど生年月日をパスワードにするなと言ってるのに、スマホのパスワードにしてたからデータを抜かれちゃう訳ですが、その後もやらかします。

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麻美の友人の杉本加奈子にお願いされて、富田の会社が協賛ということで人気ライブのチケットを頼まれますが、裏ルート的なリンク先からチケットを入手するとクレジットカード番号を抜かれて、しばらくしたらカードの請求が50万円くらいくるんですけど、こいつバカかな?と思いました(笑)

おまけに変なリンクを踏んでるので、ブラウザジャックされるようになってるんですが、スマホが乗っ取られたと思って、「あさみん、どうしよう、スマホが人質に取られた」と言うと、麻美がフェイスブックで繋がってるネットセキュリティ会社を経営してる加奈子の先輩に相談します。

すると待ち合わせ場所のバーに現れたのは、「社長が出張で来れなくなったので自分が任された」と言う成田凌さん演じる浦野善治で、2人は浦野にスマホを診てもらいます。

そして、結果的にはこの浦野が犯人というオチな訳ですが、ここも「出会ったばかりの見ず知らずの人を簡単に信用し過ぎだろう」と思って、犯人がどうのこうのというより2人の危機意識が低過ぎて人災な気がしたんですが、サラリーマンでも下の記事みたいに、可燃性のあるスプレーを換気されてない部屋に充満させるっていう危機意識の低さなので、ある意味リアリティあるのか…。

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あと、前述したように連続殺人のくだりは後半から見せるか、前半に見せるにしても捜査シーンは描かず、ニュースでこういう事件が起きてるくらいに留めておけばよかったと思うのですが、捜査シーンで千葉雄大さん演じる加賀谷刑事がデリヘル嬢の待機部屋で、黒髪で長髪のデリヘル嬢にピッタリくっついてセクハラをかますシーンがあるのですが、加賀谷刑事と浦野をシンクロさせるような描写は、加賀谷を犯人とミスリードさせるためだったり、『レッド・ドラゴン』のグレアム刑事みたい(犯人の意識と同化するってやつ)のを狙ったのかもしれませんが、ちょっと話を盛り込み過ぎな気がしました。

参考 ウィル・グレアム – Wikipedia

Bitly
Bitly

どうやら原作では原田泰造さん演じる毒島徹が捜査側の主人公のようなのですが、原作ほど捜査に時間を割けないので、映画では捜査側の主人公を加賀谷にして、犯人とシンクロする設定にしてサクサクと犯人に辿り着くようにしたんだと思いますが、浦野の過去を描かないで加賀谷の過去を描いているので、映画として変な感じなんですよね。

そして本作最大の驚きは、予告編で若干ネタバレしてしまっている、新聞記事と踏切内で佇む稲葉麻美っぽくない北川景子さん。

これ予告を見た時点ではドッペルゲンガー設定とか双子設定なのかな?と思いましたが、観客が見ていた稲葉麻美は、麻美の大学時代からのルームメイトだった山本美奈代(桜井ユキ)が整形した姿で、踏切自殺した麻美に成り済まして生きていたというものでしたが、これが明かされたときは「もう全然、スマホを落としただけじゃないじゃん!」と心の中でツッコんでいました。

Bitly

劇中では、大学卒業後、麻美も美奈代も就職せず株取引に夢中になり、特に麻美は美奈代に無断で美奈代名義で借金を作ったため、その清算として麻美が美奈代のふりをして自殺し、美奈代には麻美として生きて欲しいと託したものでしたが、そういう人はやっぱりフェイスブックやっちゃいけないですよね。

劇中では加奈子に後押しされて麻美は停止していたフェイスブックを再開させますが、それによって美奈代(だから今の麻美)と付き合っていた武井から友達申請されて困ることになりますし、ハメ撮りが趣味だった武井の画像アカウントが浦野にハッキングされて、美奈代の体のホクロの位置と麻美の体のホクロの位置が同じだったことから、稲葉麻美が山本美奈代だったことが浦野にバレて、麻美が富田や周囲に隠していた秘密が明らかになる訳ですが、こうなってくると元々が公正証書原本不実記載等罪なので、普通の人がスマホを落としたのとは状況が違ってくるので、作品としては観客に対する啓蒙的な意味合いは薄まってしまって、啓蒙的なタイトルが意味を成さなくなってしまったので、このエピソードは丸々無かった方がよかったんじゃないかと思いました。

ちょっと90年代のどんでん返しを狙い過ぎたハリウッドスリラーみたいで、逆に陳腐な感じになってしまったと思いますね。

まぁ教訓としては、「後ろめたいことがある人は、(SNSなど)あまり目立つことをしない方がいい」っていうところでしょうか。

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