前半退屈だが後半のスケール感は上手いなと ☆4点
『GANTZ』原作者の奥浩哉が2014年から2017年まで漫画雑誌「イブニング」に連載していた同名漫画の実写映画化で、監督は実写版『GANTZ』を手掛けた佐藤信介、主演に映画主演は16年ぶりとなる木梨憲武、W主演で佐藤健
予告編
映画データ
本作は2018年4月20日(金)公開で、全国306館での公開です。
配給は東宝で、フジテレビムービーですね。
劇場での予告編はよく目にしました。
邦画では『曇天に笑う』に次ぐ感じだったと思います。
(『曇天に笑う』まだ公開してるのか…。)
相変わらず原作の存在も知らず、未読での鑑賞です。
監督は佐藤信介さん
原作と監督が同じコンビによる『GANTZ』は金曜ロードショーでチラッと見た感じです。
近作は『アイアムアヒーロー』を観てます。
主演に木梨憲武さん
映画主演は2002年に公開された『竜馬の妻とその夫と愛人』以来だそうです。
近作は『イニシエーション・ラブ』に友情出演してたみたいですけど、どのシーンだったか忘れました。
主演に佐藤健さん
近作は『るろうに剣心 京都大火編/伝説の最期編』『リアル~完全なる首長竜の日~』『トイレのピエタ』『バクマン。』『世界から猫が消えたなら』『何者』『亜人』『8年越しの花嫁 奇跡の実話』を観てます。
共演に本郷奏多さん
近作は『鋼の錬金術師』を観てます。
共演に二階堂ふみさん
近作は『渇き。』『味園ユニバース』『ふきげんな過去』『SCOOP!』『何者』『リバーズ・エッジ』を観てます。
共演に斉藤由貴さん
近作は『三度目の殺人』『リベンジgirl』を観てます。
共演に伊勢谷友介さん
近作は『るろうに剣心 京都大火編 / 伝説の最期編』『ジョーカー・ゲーム』『新宿スワン』『劇場版 MOZU』『新宿スワンⅡ』『3月のライオン後編』『忍びの国』『ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない 第一章』を観てます。
他に共演と配役は以下の通りです。
犬屋敷壱郎: 木梨憲武
獅子神皓: 佐藤健
安堂直行: 本郷奏多
渡辺しおん: 二階堂ふみ
犬屋敷麻理: 三吉彩花
犬屋敷剛史: 福崎那由他
犬屋敷万理江: 濱田マリ
獅子神の父: 渋川清彦
獅子神優子: 斉藤由貴
萩原刑事: 伊勢谷友介
犬屋敷の上司: 山本浩司
情報番組司会者: 生瀬勝久
あらすじ
定年を間近に控える冴えないサラリーマン・犬屋敷壱郎(木梨憲武)は会社や家庭から阻害された日々を送っていたが、ある日突然、医者から末期ガンによる余命宣告を受け、深い虚無感に襲われる。その晩、突如墜落事故に巻き込まれ機械の体に生まれ変わった彼は、人間を遥かに超越する力を手に入れることに。一方、同じ事故に遭遇した高校生・獅子神皓(佐藤健)は、手に入れた力を己の思うがままに行使し始めていた。自分の意志に背く人々をただただ傷付けていく獅子神と、獅子神によって傷付けられた人々を救い続ける犬屋敷。
人間の本質は善なのか、それとも悪なのか…
強大な力を手に入れた二人が、いま、それぞれの想いで動き出す――。(公式サイトhttp://inuyashiki-movie.com/about.htmlより引用)
ネタバレ感想
基本的には『アイアムアヒーロー』と同じですかね。
30歳過ぎても芽が出ない漫画家のアシスタント鈴木英雄が、たまたま猟銃免許を持っていたことから、逃げる過程でヘタレを克服し、猟銃でゾンビに立ち向かい、ヒーローになっていくっていう話で犬屋敷壱郎と一緒です。
前半は犬屋敷と獅子神の家庭環境を含めた背景が丁寧過ぎるほど丁寧に描かれやや退屈なんですが、この辺は『アイアムアヒーロー』が序盤からスケール感を出して、中盤が中だるみしたのに対し、本作では後半に盛り上げようという作戦なんでしょう。
犬屋敷は食品会社のサラリーマンですが、見積りをミスしたり、発注数間違えてスポーツドリンク(これが伏線になってる)の過剰在庫抱えたりしてて、よくあの年になるまでサラリーマンが務まったなぁと思って観てました。
家に帰れば、ようやく念願の一軒家(もう定年が近いっていってるのにローン通るかなぁ?)を手に入れたのに、旗竿地で日当たりが悪いと文句を言われ、妻と娘からはほぼいびられっぱなしなんですが、何でそんなに嫌われてるのかはよく分かりません。
特に娘・麻理の父に対する扱いは酷くてかなり不快なんですけど、最後に父が娘を救うというのに落差を持たせたいからだろうなぁ、とは思って観てました。
ただ偶然迷い込んできた捨て犬「はなこ」は可愛かったですね。
妻が再三、「捨ててきて」って言うんですが、別に一戸建てなんだから飼ってあげればいいのにと思います。
犬屋敷は健康診断で再検査になり、末期ガンが見つかって余命僅かと判明するんですが、そのことすら家族に打ち明けられず、悶々としてるんですが、終わってみればこの設定いるのかな?と思いました。
犬屋敷は妻に強く言われて、はなこを捨てに行った帰りの公園で宇宙人によるアブダクションに遭い、機械の身体にされてしまうという展開です。
機械の身体になったのは翌朝分かります。
朝食に味噌汁を飲んでも味がしないと言います。
食欲が湧かないわりに喉が渇いて水をがぶ飲みする犬屋敷は、自分の部屋に戻ると腕が裂け中から機械の腕が飛び出し、さきほど食べた味噌汁をぶちまけるんですが、これも後半への伏線となっています。
こういう風に前半は後半への伏線を描いてるんですが、犬屋敷のヘタレっぷりと自分の身体に起きてる変化に戸惑う様子をじっくり描いてるのでテンポが悪いなぁと思いました。
それに比べると同じ公園でアブダクションに遭い、機械の身体にされた獅子神はいきなり機械の身体を使いこなしてます。
獅子神は学校でいじめられてるため不登校の友人の直行の家に行くと、買ってきた漫画雑誌を差し出して「読む?」と聞きますが、ゲームに夢中な直行は「もう読みたい作品が無い」と言って興味を示しません。
すると獅子神は「面白いものを見せてやる」と言ってベランダに出ると、指鉄砲を作り「バンッ」と言って、外を飛んでる鳥をいきなり撃ち落としてみせます。
さらに地下駐車場に降りると、車を自由自在に動かしてぶつけたりするんですが、悪戯にしては行き過ぎてて、どうしてそんなに闇を抱えてるのかは分かりません。
獅子神は「俺が守るから学校に来い」と直行に言います。
翌日、直行が登校すると珍しい奴が来たといった目でクラスから見られます。
すかさずいじめグループが近づいてきて「金を持ってきたんだろうなぁ」と迫ります。
すると獅子神がリーダーの腕を取り、凄い握力で懲らしめると、「俺はうんこ野郎です。もう安堂くんには近づきません」みたいなことを言わせます。
いじめっ子を撃退するんでスカッとはするんですが、獅子神の闇は深そうです。
ここで、これまで教室にいても存在感の薄かった二階堂ふみちゃんが出てきます。
最初に教室を映したとき、二階堂ふみちゃんだよなぁ?と思ってもスルーするので、随分と役が小さいなと思ったのですが、ここからは獅子神にかなり絡んできます(この2人は『何者』でも共演してます)。
しおんは「安堂くんを助けたから言う訳じゃないけど、前から獅子神くんのことが好きだった」と告白します。
獅子神が家に帰るとアパート住まいの母子家庭だということが分かります。
母役は斉藤由貴さんです。
獅子神は養育費を受け取るのに、再婚して子供もいる父親に会わなければいけないようで、母親に「明日、お父さんのトコに行ってきなさい」と言われます。
父親が嫌いな獅子神は「振込でいいじゃん」と言いますが、母親は「お父さんも会うの楽しみにしてるでしょ」と言います。
すると獅子神は「女のパンツを頭に被ってた人だぞ他に女を作って出て行った人だぞ」と強烈な一言を放つので、ここは本作の見どころになってると思います。
この頃になると犬屋敷に人々の悲しんでる声が耳に届くようになります。
その声を辿っていくと病院で、息子が植物状態になって悲しんでる母親の声だと分かります。
犬屋敷は気づかれないよう病室に入り、植物状態の子供に手を当てると機械のセンサーが反応し、子供の意識が戻ります。
自分には何の取り柄も無いと思っていた犬屋敷ですが、病気を治す能力があることが分かると、人の役に立ててることを実感し、人々を治療して回るようになります。
この行為はあとでニュースで取り上げられ奇跡の人と呼ばれるようになります。
獅子神は郊外の豪華な一軒家に住む父親を訪ねます。
腹違いになる年の離れた弟と妹は「お兄ちゃんが来た!」と喜んでくれます。
父の再婚相手は夕食にA5ランクのすき焼きを用意してくれ優しくしてくれます。
そこには、母と2人でアパートで貧乏暮らしをする日常とはかけ離れた幸せな家庭がありました。
父親の顔を見ると、無性に殺意を覚えた獅子神ですが、養育費を受け取ると住宅街を歩いて帰ります。
すると住宅街の中に、父親の家と同じように幸せそうな家庭を見つけ、勝手に入って行きます。
当然のようにその家の主人に咎められると、獅子神は「バンッ」と言って指先から弾を放ち、その家の主人を殺してしまいます。
更にその家の妻も殺すと、助けてと叫ぶその家の娘の声が犬屋敷の耳に届きます。
犬屋敷は急いでその声の元へ向かいますが、玄関を入るとすでにその少女は亡くなっていました。
犬屋敷は早速、蘇生を試みますが、一度死んでしまうと生き返らせることが出来ないということが分かります。
そうこうしているうちに獅子神に気付かれ、犬屋敷は撃たれてしまいます。
ここで獅子神がいきなり人を殺しちゃうのはよく理解出来ないんですが、動機としては『怒り』に近いのかなぁと思います。
この辺まで観てると獅子神に殺傷能力、犬屋敷に治癒能力と、違う能力を与えられたのかな?と思うんですが、話が進むと与えられた能力は同じだと分かります。
獅子神が家に帰ると、母親から来月から父親の所で暮らすように言われます。
理由は父親の所ならば大学に行けるからでした。
でも獅子神は、母親のそばに居て働いて助けたいと言います。
しかし母親にはもう一つ理由がありました。
末期ガンに犯されていたのです。
獅子神は「どうして自分たちだけこんな不幸ばっかり」と嘆き、母親を抱きしめ泣くのでした。
獅子神の狂気は加速します。
放課後、直行と銀行のATMに寄ると、口座アプリを操作して預金残高を増やし金を下ろします。
直行に札束をポンと与えると、昨夜の殺人を告白し、自分は神になったと言います。
しかし、そんな獅子神についていけなくなった直行は絶交します。
その頃、犬屋敷には直行の心の叫びが聞こえてきました。
「このままだと、彼はまた人を殺してしまう。誰か彼を止めてくれ」
その声を聞いた犬屋敷は初めて空を飛ぶと、アブダクションされた公園にいた直行と出会います。
直行は、犬屋敷が空から降りて来たことから、獅子神と同じ能力の持ち主であると見抜き、彼を止めて欲しいと言います。
犬屋敷はアブダクションされたときにもう1人いたことを話し、直行は自分が見た獅子神の能力を説明すると、2人で協力して獅子神を止めることになります。
獅子神は母親に付き添って病院に行くと、母親のガンが綺麗に消えていました。
母親を抱きしめたことによって治癒能力が働きガンが消えたと思われますが、獅子神はまだその能力には気付いてなさそうです。
母親のガンも消え、お金の心配も要らないことから、ルンルン気分で母親と帰っていたところ、一家惨殺事件を追っている萩原刑事たちに取り囲まれます(それまで捜査シーンとか無いんで唐突に感じますし、犬屋敷が疑われてもおかしくない)。
獅子神は母親の目の前で銃撃戦を繰り広げると、警官数人を射殺して逃げます。
事件は直ちに報道され、警官を殺害して逃げていることから、実名報道で顔写真を晒されてニュースになります。
一方、犬屋敷はそれまで全く攻撃能力が無かったので、直行のコーチの元、トレーニングすると指から銃を撃てるようになります。
直行はちょっと練習しただけですぐに水をがぶ飲みする犬屋敷を見て、(蒸気機関のように)水が動力源ではないかと言います。
すると犬屋敷が少し前に飲んだスポーツドリンクを直行の顔にぶちまけてしまいます。
犬屋敷は直行に謝ると、味噌汁を飲んだときもこうなったことを話します。
直行は味噌汁もスポーツドリンクも塩分があることから、塩分が弱点ではないかと言います。
警察から逃げ切った獅子神が黄昏ていると下校中のしおんに見つかります。
しおんはニュースのことを知っていましたが、獅子神を信じていて匿ってくれると言います。
獅子神はしおんについて行くと、しおんは団地で祖母と2人暮らしでした。
幼い頃に両親が亡くなり、それ以来、祖母と2人生活だと語るしおんの家も貧乏なのでした。
直行と犬屋敷は警官まで殺害して逃亡している獅子神を案じ、懸命に行方を捜しますが犬屋敷のレーダーに引っ掛かりませんでした。
しおんに安らぎを感じている獅子神の殺気が薄れ、レーダーに掛からないのかもしれません。
しかし、獅子神の安らぎも長くは続きませんでした。
テレビのワイドショーは連日、獅子神の事件を報じ、マスコミは母親の元へ詰めかけていました。
しかしマスコミに責められた母親は自殺してしまいます。
そのことを知って激しく動揺した獅子神は、しおんに一家惨殺の犯人は自分だと告げます。
それでも信じないと言うしおんに機械の身体を見せると、しおんを抱いて空を飛びます。
しかし、しおんはそれでも獅子神にいて欲しいと言うのでした。
夜中にしおんが喉が渇いて目を覚ますと、萩原刑事が指揮するSAT隊が窓から侵入し狙撃準備を整えていました。
しおんがSAT隊に気付いた瞬間、寝ている獅子神に一斉射撃が始まりますが、獅子神はSAT隊をあっという間に殲滅します。
しかし、銃撃戦の巻き添えを食って、しおんと祖母は死んでしまうのでした。
激しい怒りに震えた獅子神は復讐を決意して飛び立ちます。
翌日のニュースはSAT隊全滅で持ちきりでした。
警視庁長官は非常事態を宣言し、総力を挙げて獅子神を捕まえると宣言します。
獅子神は復讐の手始めに、ネットの掲示板に面白可笑しく書き込んでいる連中を殺して回ります。
機械の身体によって書き込んでる人物を特定し、モニタ越しに現れると「バンッ」と言って殺します。
したり顔で事件を解説しているワイドショーの司会者にも電話をかけると、受話器越しに殺し生放送のため映像が流れるのでした。
獅子神の犯行がエスカレートする中、家族の身を案じた犬屋敷は家から出ないように説得しますが、誰も言うことを聞きません。
娘の麻理は課外授業で新宿の都庁に出かけていきます。
すると獅子神は新宿のユニカビジョンに現れます。
ユニカビジョンをジャックした獅子神は、国民に宣戦布告を告げると、モニタ周辺にいる人たちを「バンッ、バンッ、バンッ、バンッ」と言って殺していきます。
また、獅子神はそのニュース映像をスマホなどで見てる人たちも殺していくのでした。
獅子神が新宿に現れたことを知った犬屋敷と直行は新宿に向かいます。
その際、直行は犬屋敷のカメラを通して、「スマホやモニタの電源を切って下さい」と国民に呼びかけます。
東口周辺の人々を殺していた獅子神でしたが、「獅子神の母親の住所をマスコミにリークしてやったのは俺だぜ」と言う声が聞こえます。
その声は課外授業で都庁に来ていたクラスメイトで、直行をいじめてたリーダーでした。
獅子神は都庁の展望台に現れるといじめっ子たちを殺します。
獅子神の殺戮を目の前にして、恐怖に震える麻理の心の声を聞いた犬屋敷が展望台に現れると、新宿上空での2人のバトルになります。
一進一退の攻防が続きますが、ダメージを負った犬屋敷は直行が待つビルの屋上に逃げ込みます。
獅子神が犬屋敷を追ってビルの屋上に来ると、一家惨殺事件のときに倒した男だと認識します。
直行と犬屋敷は、獅子神を説得しますが獅子神は聞く耳を持ちませんでした。
犬屋敷はダメージを回復するため水を飲もうとペットボトルを取り出します。
しかし、獅子神に奪われ飲まれてしまいます。
再び、新宿上空でバトルとなった2人は空高く上がり、成層圏に届きそうな場所でバトルを繰り広げます。
しかし次の瞬間、獅子神が水を吐き出してエラーを起こします。
犬屋敷が水のペットボトルに見せかけていたのは、犬屋敷が大量に余らせていたスポーツドリンクでした。
犬屋敷は制御不能になってる獅子神を地表に叩き落すと、崩れそうな展望台で倒れている麻理を助けに行きます。
犬屋敷は麻理を抱きしめて生き返らせようとしますが、機械のセンサーが反応しません。
機械を諦めて、必死に心臓マッサージをしますが、反応がありませんでした。
犬屋敷は娘を救えなかったと諦めかけると、麻理が息を吹き返します。
しかし、そのタイミングで倒したと思われた獅子神が再び現れます。
2人の様子を見て犬屋敷が麻理の父親だと気づくと、善人ぶってる犬屋敷に自分と同じ絶望を味合わせてやると言い再びバトルになります。
獅子神は隙を突いて麻理を奪うと掴んでビルから落とそうとします。
獅子神が掴んでる手を離そうとすると、犬屋敷は「やめろー」と言ってパンチを繰り出します。
獅子神は麻理を離して落とすと、犬屋敷にクロスカウンター気味にパンチを繰り出しますが、犬屋敷のパンチが獅子神の顔を捉えると粉々に壊れ勝利するのでした。
犬屋敷は落ちる麻理を地表すれすれで救い安全な場所に座らせると、「取り残された人々を救いに行く」と言って、またビルに向かって飛んで行くのでした。
場面変わっていつものように朝食を摂る犬屋敷家。
家族の父親を見る目は変わらないようでしたが、父と娘は秘密の絆で結ばれています。
母が早く食べちゃってと言い、皆が慌ただしく出ていき映画は終わります。
出演者クレジットのあと、直行の部屋には獅子神がいます。
獅子神は直行に買ってきた漫画雑誌を「読む?」と聞くと、直行が読むと言ってエンドロールとなります。
映画は獅子神が無差別にバンバン殺すあたりからテンポが出てきて面白くなってきますね。
しかし『アイアムアヒーロー』のときは序盤でしたが、エキストラを使ったであろう街中のロケ、ゾンビ感染が広がっていく様子が圧巻だったんですが、まだ地方都市のレベルでした。
本作ではそれを新宿でやっていて、後半のユニカビジョン周辺と歌舞伎町一番街通りのエキストラのロケ、いったいどうやったんだろう?と思いました。
『シン・ゴジラ』なんかもパニック感がよく出てましたが、この辺のスケール感の出し方は佐藤監督が一番上手いんじゃないかと思います。
新宿上空で行われるバトルもハリウッド並みのCGで違和感なかったですね。
損保ジャパン本社ビル(パンタロンビル)の壁に立っているところも見応えありました。
ただ2人が新宿の高層ビル群を破壊するんで、犬屋敷は新宿御苑上空か代々木公園上空でバトルすれば被害が及ばなかったのになぁと思いました(特撮怪獣映画あるある)。
テーマ的には冒頭にも書いたように『アイアムアヒーロー』と被っちゃってるので目新しさはありませんでしたね。
あと善悪の対立にしたのはいいんですが、人間の本質が善なのか悪なのかを掘り下げるには物足りなかったと思います。
獅子神の闇が最初から深いのも説得力が無かったので、あそこまで悪に堕ちるのがいまいち理解できませんでした。
ラストは『ヒメアノ~ル』的な終わり方にも取れて、男同士の友情いいなと思いましたけど、あれだけバトルしても死なないんだったら、何のために戦ったの?と思って、あれじゃ『亜人』と同じじゃんとも思ってしまいました。
鑑賞データ
TOHOシネマズ日比谷(旧スカラ座) シネマイレージデイ 1400円
2018年 68作品目 累計60200円 1作品単価885円
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