ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書 評価と感想/時代はアベノペーパーへ

ペンタゴン・ペーパーズ 評価と感想 映画感想

ニクソンが怖くてブン屋ができるか ☆3.5点

ニューヨーク・タイムズがスクープしたアメリカ国防総省のベトナム戦争を分析した記録、通称「ペンタゴン・ペーパーズ」を続けて報道したワシントン・ポストの2人を描いた作品。
監督はスティーヴン・スピルバーグ、主演にメリル・ストリープ、トム・ハンクス

予告編

映画データ

(シネマトゥデイ)

ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書
映画『ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書』の作品情報:メリル・ストリープとトム・ハンクスが共演し、スティーヴン・スピルバーグがメガホンを取った社会派ドラマ。実在の人物をモデルに、都合の悪い真実をひた隠しする政府に対して一歩も引かない姿勢で挑んだジャーナリストたちの命懸けの戦いを描写する。

(ぴあ映画生活)

ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書|映画情報のぴあ映画生活
『ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書』は2017年の映画。『ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書』に対するみんなの評価やクチコミ情報、映画館の上映スケジュール、フォトギャラリーや動画クリップなどを紹介しています。

本作は2018年3月30日(金)公開で、全国281館での公開です。
予告編はまぁまぁ目にしましたかね。
トム・ハンクスの「Not yet」の台詞が印象的で、2016年のアカデミー作品賞を受賞した『スポットライト 世紀のスクープ』をイメージして観に行きました。

スポットライト 世紀のスクープ 評価と感想/有名俳優出てますがインディペンデント映画で頑張った
さすがアカデミー作品賞と脚本賞面白い!  ☆5点 予告編 映画データ マイケル・キートンも出ていた、去年の作品賞と脚本賞の『バードマン』は小難しくてあまり面白さが分からなかったんですけど、今作は非常に面白かったです!

監督は巨匠スティーヴン・スピルバーグ
『シンドラーのリスト』と『プライベート・ライアン』でアカデミー監督賞を2度受賞してます。
監督作を映画館で見るのはトム・ハンクス主演の『ターミナル』以来でしょうか。

主演に名優メリル・ストリープ
『ソフィーの選択』と『マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙』でアカデミー主演女優賞を2度受賞してます。
近作は『未来を花束にして』『マダム・フローレンス! 夢見るふたり』を観てます。

主演に名優トム・ハンクス
『フィラデルフィア』と『フォレスト・ガンプ/一期一会』でアカデミー主演男優賞を2度受賞してます。
近作は『王様のためのホログラム』『インフェルノ』『ザ・サークル』を観てます。

共演にマイケル・スタールバーグ
近作は『ヒッチコック』『完全なるチェックメイト』『トランボ ハリウッドに最も嫌われた男』『MILES AHEAD/マイルス・デイヴィス 空白の5年間』『ドクター・ストレンジ』『メッセージ』『女神の見えざる手』『シェイプ・オブ・ウォーター』を観てます。

共演にジェシー・プレモンス
近作は『ザ・マスター』『ブラック・スキャンダル』『疑惑のチャンピオン』『バリー・シール/アメリカをはめた男』を観てます。

他に共演と配役は以下の通りです。

キャサリン(ケイ)・グラハム: メリル・ストリープ
ベン・ブラッドリー: トム・ハンクス
トニー・ブラッドリー: サラ・ポールソン
ベン・バグディキアン: ボブ・オデンカーク
フリッツ・ビーブ: トレイシー・レッツ
アーサー・パーソンズ: ブラッドリー・ウィットフォード
ロバート・マクナマラ: ブルース・グリーンウッド
ダニエル・エルズバーグ: マシュー・リス
ラリー・グラハム・ウェイマウス: アリソン・ブリー
ロジャー・クラーク: ジェシー・プレモンス
エイブ・ローゼンタール: マイケル・スタールバーグ

あらすじ

1971年、ベトナム戦争が泥沼化し、アメリカ国内には反戦の気運が高まっていた。国防総省はベトナム戦争について客観的に調査・分析する文書を作成していたが、戦争の長期化により、それは7000枚に及ぶ膨大な量に膨れあがっていた。
ある日、その文書が流出し、ニューヨーク・タイムズが内容の一部をスクープした。
ライバル紙のニューヨーク・タイムズに先を越され、ワシントン・ポストのトップでアメリカ主要新聞社史上初の女性発行人キャサリン・グラハム(メリル・ストリープ)と編集主幹ベン・ブラッドリー(トム・ハンクス)は、残りの文書を独自に入手し、全貌を公表しようと奔走する。真実を伝えたいという気持ちが彼らを駆り立てていた。

しかし、ニクソン大統領があらゆる手段で記事を差し止めようとするのは明らかだった。政府を敵に回してまで、本当に記事にするのか…報道の自由、信念を懸けた“決断”の時は近づいていた。

公式サイトより引用)

ネタバレ感想

公式サイトにストーリーが載ってないと思ったら、プロダクションノートが4記事で2万字オーバーと詳しくて読み応えがあり、これを見れば映画のことは全て分かると思います。

映画『ペンタゴン・ペーパーズ 最高機密文書』公式サイト
7000枚に及ぶ最高機密文書=ペンタゴン・ペーパーズアメリカ政府がその存在すらも ひた隠しにしていたのは一体なぜなのか?国民に絶対に知られたくなかった衝撃の事実とは!? 本年度アカデミー賞®最有力!スティーブン・スピルバーグが現代社会に放つ強烈なメッセージ。メリル・ストリープ×トム・ハンクスの、2大オスカー俳優が初共演

冒頭に『スポットライト 世紀のスクープ』をイメージして観に行ったと書きましたが、どちらかというとスクープを手に入れるまでではなくて、記事を掲載するかしないかで揺れる、株式上場を控えた女性社主の心情を描いた作品、といった感じでしょうか。

原題が「THE POST」ですからね。

メリル・ストリープ演じるキャサリン・グラハムのキャラクターが面白いですよね。

まずキャサリンはいつものメリル・ストリープが演じる強い女性という感じではありません。

お嬢様でセレブで交友関係は広いですが、父が買収したワシントン・ポスト社が、婿養子的な夫で優秀だったフィリップ・グラハムに引き継がれて経営されていたところ、夫の自殺によって自分が経営しなければならなくなります。

主に経営面では社主としてフリッツやアーサーといった取締役の声を聞きながら経営する一方、ジャーナリズムの面では発行人として編集主幹であるベンの意見を聞きながら決断を下さなければなりませんが、そのどちらにも精通しているとはいえないキャサリンの揺れる心情を、メリル・ストリープがものの見事に演じていたと思います。

そしてキャサリンを取り巻く環境で興味深いと思ったのが、ペンタゴン・ペーパーズの作成を指揮した張本人の国防長官ロバート・マクナマラが親友だったことです。

追悼マクナマラ、計算高い泣き虫男
追悼マクナマラ、計算高い泣き虫男

ニューヨーク・タイムズのスクープで世論が揺れるようなことを、数年も前から知っていたなんてと驚くキャサリンでしたが、掲載についての助言を求めに行きます。

ニュース|映画『ペンタゴン・ペーパーズ 最高機密文書』

劇中のキャサリンはかなり助言を聞くタイプで、『ニュースの真相』で突っ走ってしまったCBSのプロデューサー、メアリー・メイプスとは対照的だなと思いました。

ニュースの真相 評価と感想/永田町偽メール事件みたいなやつです
まだ上映館数少ないが面白い ☆4.5点 予告編 映画データ (シネマトゥデイ) (ぴあ映画生活) 2004年、2期目を狙うブッシュ大統領の軍歴詐称疑惑を報道したCBS「60ミニッツⅡ」の制作チームが、報

ただ、助言は聞くけど、最後の決断は自らが下し、責任は取ると言うので、これは信頼されるリーダーだなと思いました。

実は鑑賞直後の満足感はあまり高くなかったんですよね。
『スポットライト 世紀のスクープ』や『大統領の陰謀』のように社会派ジャーナリズムの映画だと思っていたので頭が切り替わらなかったのですが、この作品は同じくメリル・ストリープが出演した『未来を花束にして』なんかと同じでフェミニズム的な要素が高い作品でした。

未来を花束にして 評価と感想/1913年英ダービーでの事件
自分も男ですけど、男死ねと思いましたね ☆4.5点 物語は20世紀初めのイギリスで女性参政権を求めて闘った人たちの話で、キャリー・マリガン演じるモード・ワッツって人が主人公の話なんですけど、このモード・ワッツって人が歴史的に有名だとか、この運動のリーダーとかではないです。

トランプ政権が誕生して、報道の自由が脅かされそうとのことで、スピルバーグが完成を急いだ作品とのことですが、#MeTooにも掛かってきますよね。

スピルバーグ監督「#MeToo」を語る 「驚かなかった」 〈AERA〉
 最新作「ペンタゴン・ペーパーズ」の3月30日公開を前にスピルバーグ監督が、朝日新聞などのインタビューで、「言論の自由」や「#MeToo」などを語った。*  *  * 財務省が学校法人・森友学園の国有...

その目線で見ると、また評価が変わってきそうな作品なので、もう一度観たいと思いますが、3月は1日(パリ行き、ブラックパンサー、シェイプオブウォーター)と30日(ヴァレリアン、チャーチル、レッドスパロー、トレインミッション、ペンタゴン)とラッシュが続いているのでDVDが出てからかなぁ~。

それにしても2月に観たウォーターゲート事件のディープスロートを題材にした『ザ・シークレットマン』といい本作といい、現在の安倍政権はニクソン政権下に似てるなぁと思います。

ザ・シークレットマン 評価と感想/裏『大統領の陰謀』ともいうべき作品
組織に生きた信念の男 ☆3点 2005年にディープ・スロート(内部告発者)だったことを告白した元FBI副長官マーク・フェルトの視点でウォーターゲート事件を描いた作品。 監督はピーター・ランデズマン、主演はリーアム・ニーソン、共演にダイアン・レイン

劇中、マクナマラが「取り巻きが卑劣だ」と言いますが、「忖度」という概念は取り巻きから生まれるわけで、その取り巻きが忖度したことを隠そうとして、嘘ついたり改竄しちゃったりと卑劣なことをするので、そっくりだなぁと思います。

加計学園問題 柳瀬氏のコメント全文 | NHKニュース
経済産業省の柳瀬経済産業審議官は、学校法人「加計学園」の獣医学部新設をめぐり、愛媛県の職員らが総理大臣官邸を訪れた際の文…
“忖度”を理解できなかった外国人が腑に落ちた「説明」とは
外国人に理解してもらえない日本語というものがある。森友問題で話題の「忖度」という言葉もその1つだ。先日、ビジネスで来日したアメリカ人に「忖度」の意味について聞かれたとき、筆者はどのようにそれを説明し、納得してもらったか。

くすぶり続けてる経過も似てるなぁと思います。

朝日新聞はこの時のワシントン・ポストのようになれるのでしょうかね。

鑑賞データ

新宿ピカデリー SMTメンバーズ割引クーポン 1200円
2018年 59作品目 累計49400円 1作品単価837円

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