ヒッチコック 評価と感想/こじらせちゃったヒッチコック

映画『ヒッチコック』評価と感想

無冠の巨匠  ☆3.5点

予告編

映画「ヒッチコック」予告編

映画データ

ヒッチコック (2012) - シネマトゥデイ
数々の傑作を世に送り出したサスペンスの帝王アルフレッド・ヒッチコックの知られざる素顔に迫る伝記ドラマ。
ヒッチコック|映画情報のぴあ映画生活
『ヒッチコック』は2012年の映画。『ヒッチコック』に対するみんなの評価やクチコミ情報、映画館の上映スケジュール、フォトギャラリーや動画クリップなどを紹介しています。

あらすじ

その夜、ヒッチコック(アンソニー・ホプキンス)は、上機嫌だった。1959年7月8日、シカゴで開かれたワールド・プレミアで、新作『北北西に進路を取れ』が大反響を呼んだのだ。だがヒッチコックは、「もう60歳、そろそろ引き時では?」という記者の質問に、たちまち顔を強ばらせる。46作品を世に送り出し、サスペンスの巨匠と称えられたヒッチコックだが、引退する気など微塵もなかった。

「意表を突く映画を撮りたい」と、秘書のペギー(トニ・コレット)に素材を探させていたヒッチコックは、実在の大量殺人鬼エド・ゲインの物語「サイコ」に心を奪われる。新作には妻のアルマ(ヘレン・ミレン)の賛同が不可欠だったが、彼女は陰惨なテーマに眉をひそめる。それでも、「観客はショックだよ。主演女優が中盤で殺されるんだ」というヒッチコックのアイディアに興味を抱いたアルマは、「最初の30分で殺すのよ」と乗り気になる…。

だが、業界の反応は散々だった。製作発表に集まったマスコミは、配られた資料写真のおぞましさに顔をしかめる。パラマウントの社長バーニー(リチャード・ポートナウ)も、出資はできないと突っぱねる。
広大な庭とプール付きの豪邸を担保に、自己資金で製作すると言うヒッチに、「なぜ『サイコ』なの?」と問うアルマ。「資金も時間も無くて知恵を絞った頃の、楽しさと解放感をもう一度味わいたい」と訴える夫に、アルマも決意を固める。

出資も監督のギャラもナシ、配給するだけという契約にパラマウントも同意するが、新たな問題が発生!
脚本をチェックした映倫が、バスルームの殺人シーンにダメ出しをしたのだ。映倫の許可がないと、アメリカで上映できない。ヒッチは、アカデミー賞監督賞をもらったことのない自分は、ハリウッドから嫌われているのだと落ち込む。
一方、キャスティングは順調だった。主人公にはアンソニー・パーキンス(ジェームズ・ダーシー)、ヒロインにはジャネット・リー(スカーレット・ヨハンソン)、彼女の妹役にはヴェラ・マイルズ(ジェシカ・ピール)が決まる。

撮影が始まると、技術的なトラブルが続出、さらにバーニーが映像を見せろと騒ぎ出す。頼りのアルマは、脚本家のウィット(ダニー・ヒューストン)に依頼された共同執筆に夢中で、ヒッチは二人の仲を疑い始める。
最も重要な殺人シーンの撮影日、ヒッチの精神状態は最悪だった。生ぬるい動きのスタントからナイフを奪い、自ら鬼気迫る演技を見せるヒッチ。ジャネットは本気で悲鳴をあげ、迫真のシーンとなるが、その後ヒッチは高熱で倒れてしまう。

海辺の貸別荘で、ウィットと執筆していたアルマに緊急の電話が入る。アルマはヒッチの代わりにテキパキと現場を仕切り、バーニーが連れてきた代理の監督も「ヒッチコック映画の監督は一人よ」と撃退する。
だが、アルマが帰宅すると、浮気の証拠を見つけたと思いこんだヒッチが嫉妬に燃えていた。「妻なら全力でサポートしろ」の一言に、完全にキレるアルマ。「過去30年、私は影で耐えてきた。何年ぶりかで自分の仕事を楽しんで、非難される覚えはないわ!」

ウィットはヒッチに監督してもらうために自分を利用しただけだと知り、傷つくアルマ。
一方ヒッチは、第1回の関係者試写で酷評され、失意のなか敗北を認める。「解決策は一つよ。また、あなたと組むの」。
アルマの決断に目を輝かせるヒッチ。超一流の編集者であるアルマとの『サイコ』再編集を手始めに、今二人の大逆転劇が始まる──!

公式サイトより引用)

ネタバレ感想

数々の名作を生み出しながらアカデミー賞とは無縁だったヒッチコック。
この映画はヒッチコック60才、サイコ製作時の裏話です。
作家性は二の次にしてヒット作を要求する配給会社。
人気作品を連発してるのに認めてくれないアカデミー。
目をかけた女優には裏切られ、脚本家の妻は男友達と篭って共同執筆。

というわけで60才にして完全にこじらせちゃってるヒッチコックが、エド・ゲインの犯罪に基づいたロバート・ブロックの小説『サイコ』を映画化したくなります。

しかしこの映画化は配給会社の援助を得られず、自己資金での製作となりリスクを抱えたものとなります。
様々なプレッシャーからか夢の中にまで現れるエド・ゲイン。
その助言によってさらに疑心暗鬼になるという負のスパイラル。

一方で本作は脚本家で夫の良き理解者で裏方に徹した妻アルマにもスポットを当てています。
事実かどうかは分かりませんがサイコの肝となるシーンでは夫より大胆な発想をしていて、様々なアイデアは妻によるところが大きいのではないかと思わせます。

お互いに年をとり、夫のわがままに付き合いきれず熟年離婚のような危機を迎える夫婦ですが、リスクを背負ったサイコの製作を通して改心し妻に感謝し、本来妻にも与えられるべき賞賛を二人で享受してこの映画は終わります。

結局このサイコがヒッチコック最大のヒット作となり、後にこれを超えるものが出ませんでしたが、きっと夫婦円満に暮らした結果かなぁと思いました。

鑑賞データ

TOHOシネマズ六本木 シネマイレージデイ 1300円

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