ザ・シークレットマン 評価と感想/裏『大統領の陰謀』ともいうべき作品

ザ・シークレットマン 評価と感想 映画感想
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組織に生きた信念の男 ☆3点

2005年にディープ・スロート(内部告発者)だったことを告白した元FBI副長官マーク・フェルトの視点でウォーターゲート事件を描いた作品。
監督はピーター・ランデズマン、主演はリーアム・ニーソン、共演にダイアン・レイン

予告編

映画データ

(シネマトゥデイ)

ザ・シークレットマン (2017) - シネマトゥデイ
1970年代のウォーターゲート事件の際に内部告発し、ディープ・スロートと呼ばれた人物の実話を描くサスペンス。

(ぴあ映画生活)

ザ・シークレットマン|映画情報のぴあ映画生活
『ザ・シークレットマン』は2017年の映画。『ザ・シークレットマン』に対するみんなの評価やクチコミ情報、映画館の上映スケジュール、フォトギャラリーや動画クリップなどを紹介しています。

本作は2018年2月24日(土)公開で、全国12館での公開です。
5月くらいまで順次公開され、最終的に39館での公開となるようです。

ヒューマントラストシネマで何回か予告編を見て、久しぶりにアクション主演じゃないリーアム・ニーソンで面白そうと思ったのと、シルバーグレイの髪色にやられました。

海外版のポスターがカッコイイ!

監督はピーター・ランデズマン
初めましての監督さんです。
本作が3作目で元々はジャーナリストだったようです。
1作目がトム・ハンクスやビル・パクストンが製作者に名を連ねる『パークランド ケネディ暗殺、真実の4日間』

2作目がリドリー・スコット製作の『コンカッション』でNFL引退後のアメフト選手の死因を探る話でジャーナリスト出身らしく社会派の題材を扱う監督のようですね。

本作はトム・ハンクスとリドリー・スコットが製作に名を連ねてます。

主演はリーアム・ニーソン
近作は『サード・パーソン』『フライト・ゲーム』『ラン・オールナイト』『テッド2』『沈黙 -サイレンス-』『オペレーション・クロマイト』を観てます。

共演にダイアン・レイン
近作は『トランボ ハリウッドに最も嫌われた男』『ボンジュール、アン』『ジャスティス・リーグ』を観てます。

他に共演と配役は以下の通りです。

マーク・フェルト: リーアム・ニーソン
オードリー・フェルト: ダイアン・レイン
パトリック・グレイ: マートン・ソーカス
エド・ミラー: トニー・ゴールドウィン
アンジェロ・ラノ: アイク・バリンホルツ
チャーリー・ベイツ: ジョシュ・ルーカス
ジョアン・フェルト: マイカ・モンロー
ジョン・ディーン3世: マイケル・C・ホール
ウィリアム・C・サリバン: トム・サイズモア
ボブ・ウッドワード: ジュリアン・モリス
サンディ・スミス: ブルース・グリーンウッド
スタン・ポッティンガー: ノア・ワイリー
CIAの男: エディ・マーサン
ロバート・クンケル: ブライアン・ダーシー・ジェームズ
キャロル・ツシューディ: ウェンディ・マクレンドン=コーヴィ
パット: ケイト・ウォルシュ

あらすじ

ある日の深夜、5人の男がワシントンD.C.の民主党本部に侵入。盗聴器を仕掛けようとしたところを逮捕される。事件の指揮を担当したFBI副長官フェルトは、背後にホワイトハウスの関係者がいると確信。例え相手が大統領であろうとも、捜査の手を緩める訳にはいかない。

しかし長年FBIのトップに君臨したフーバー長官の急死後長官代理に就任したグレイは、 ホワイトハウスの意向を汲み捜査の早期終結を指示する。
このままでは真実が闇に葬られてしまう。捜査を続行し、事件の全容を明らかにするため、フェルトは一世一代の賭けに出る。

≪ウォーターゲート事件≫
1972年6月17日、ワシントンのウォーターゲートビル民主党本部に盗聴器を仕掛けようとした男たちが逮捕される。共和党ニクソン陣営は当初関与を否定していたが、大統領による事件の揉み消しや不正工作、司法妨害などが徐々に明らかになり、世論の反発から任期中に大統領が辞任するに至った。

公式サイトより引用)

ネタバレ感想

結論から言うとあんまり面白くなかったです。
ジャーナリスト出身の監督ということで、あんまり上手くないんですよね。

脚本も書いてるんですが、ちょっと分かり辛いかも。

1作目の『パークランド ケネディ暗殺、真実の4日間』は製作費1000万ドルに対し興収は65万ドル

2作目の『コンカッション』は製作費3500万ドルに対し興収は3400万ドル

本作はアメリカでは2017年9月29日(金)に公開されて、製作費は不明ですが興収は10週で約77万ドルです。

ロッテントマトはあんまりアテにはしてませんが、トマトメーター35%、オーディエンススコア44%なんで残念な感じかと思います。

 

FBI一筋のマーク・フェルトは30年の勤務のうち、転勤引越しすること13回、苦労して副長官にまで上り詰めます。

私生活では妻のオードリーと2人暮らしですが、年頃の一人娘のジョアンがヒッピーになり、家を出たまま行方不明です。
FBIの捜査能力をもってすればジョアンの行方などたやすいはずですが、マークは公私混同することなく地道に探します。

方法は全米各地に点在するコミューンに娘宛ての手紙を送り、手紙が戻ってきたコミューンをリストから消して絞り込んでいくものでした。

1972年5月2日、マークが登庁してしばらくすると、FBI長官のエドガー・フーバーが自宅で死んでるところを家政婦に発見されたと、部下から報告を受けます。

大統領が8人変わろうともFBI長官で居続けたフーバーは、要人の秘密を握ることで絶対的権力を手にしていました。
フーバーの秘密ファイルの発覚を恐れたマークは迅速に処理するのでした。

マークが自宅に帰ると、これまでの苦労が報われると妻のオードリーが喜んでいます。
マークが当然、FBI長官に就任するものと思っていました。

しかしニクソン大統領は、自分の息のかかったパトリック・グレイを長官代理に送り込んできます。
FBIに在籍したことが無いグレイの就任はマークをはじめFBIの士気を下げるものでした。

フーバー死去から1か月半経った、1972年6月17日、ウォーターゲート事件が起こります。

マークはフーバー時代と同じように捜査の指揮に当たりますが、グレイから捜査期限を設定されるなど圧力を感じます。

逮捕された容疑者が共和党関係者と近かったり、CIAから捜査妨害を受けたり、大統領法律顧問のジョン・ディーンがグレイ長官の部屋を訪れていたことから、ホワイトハウスの圧力と悟ったマークは、ワシントンポストのボブ・ウッドワード記者に情報をリークします。

ワシントンポストの記事によって事件はくすぶり続けるものの、決定打には欠きます。
グレイからは捜査の打ち切りを指示されたため、マークは部下たちと秘密裡に捜査を続けますが、目立った成果は上げられませんでした。

グレイがFBI長官に正式に任命されると時間だけが過ぎる中、時折掲載されるFBIからの内部告発と思われるワシントンポストのスクープ記事が捜査員を疑心暗鬼にさせるだけでした。

結局、そのままニクソンは再選を果たしてしまいます。

ニクソンの再選の翌日、マークが登庁するとグレイ長官が部屋で待っていて、ディープ・スロートが誰だか掴んだと言われます。
マークの名前を上げると、正式な人事が下るまで副長官のまま飼い殺しにされるのでした。

その後、副長官候補にはマークのライバルでフーバー元長官の裏仕事を一手に引き受けていたウィリアム・サリバンの名が上がり、マークは窓際に追いやられることが濃厚でした。

熟慮したマークはタイム誌記者サンディ・スミスとワシントンポストのウッドワードにより精度の高い情報をリークすると事態が一気に動きます。

グレイ長官が議会の公聴会に呼ばれ不祥事が明るみに出ると、ニクソン大統領のスキャンダルに発展し辞任に追い込まれるのでした。

マークは娘ジョアンのコミューンを探し当てると、オードリーと迎えに行きます。
ジョアンは男の子の赤ちゃんを産んでいて、また家族一緒に暮らすのでした。

グレイ長官が辞任し新しい長官が就任すると、マークも大勢の同僚に見送られながらFBIを退職します。

FBI退職から4年後、1970年にテロ組織に対する捜査で容疑者宅に不法に家宅侵入することを承諾した罪で有罪判決を受けると映画は終わりますが、その後がテロップで説明されます。

ロナルド・レーガンが大統領に就任すると「テロの脅威に適切に対処した」と評価され特赦を受けます。
1984年、妻は持病のうつ病を悪化させ自殺してしまいます。
2008年、マークは娘のジョアンと孫に看取られ死去。
その3年前の2005年にバニティ・フェア誌にディープ・スロートであったことを告白し、ワシントンポストも認めたことから長年の謎が判明します。

「アメリカ史上最強の内部告発者として、その影響ははかりしれない」とテロップが出て、マーク・フェルト(MARK FELT)のタイトルが出ると映画は終わります。

 

映画は有名な事件なので、アメリカ国民なら前提となる知識があるでしょうが、脚本的には日本人には分かり辛いかと思います。
なのでアカデミー賞を受賞した『大統領の陰謀』は見ておいた方がいいと思います。

あとオリバー・ストーン監督の『ニクソン』

ロン・ハワード監督の『フロスト×ニクソン』

この辺りを押さえておくと、より理解が深まると思います。

公式サイトの監督からのメッセージを読むとマーク・フェルトに心酔してるようですね。

ただマーク・フェルトがなぜウッドワードに様々な情報を提供したのか、本当の事は分かりません。

この物語は日本だと、すぐこの件を想起したのですが、なぜ内部告発をしたのかは色々な憶測を呼びますよね。

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そして当初のウォーターゲート事件のようにくすぶり続けるだけで1年経っても辞任するまでには至りません。

そんなこともあってか公式サイトの著名人からのコメントはジャーナリストや論客、文化人からとなっていますね。

ウォーターゲート事件の頃よりは、公益通報者保護制度なんてのも出来ましたけど、また別の問題が。

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理不尽なことには適切に対処して欲しいですが、正義というのは一方的な見方でもあるため、昔に比べると正義が通りづらい世の中になってるのかなぁ、なんてことを映画観て思いました。

鑑賞データ

ヒューマントラストシネマ渋谷 TCGメンバーズ ハッピーチューズデー 1000円
2018年 37作品目 累計27000円 1作品単価730円

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