さよなら、僕のマンハッタン 評価と感想/父さん、ぼくは不純です

さよなら、僕のマンハッタン 評価と感想
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よくこんな脚本思いつくなと感嘆 ☆5点

マーク・ウェブ監督が『(500)日のサマー』で長編デビューする前から惚れ込んでいたアラン・ローブによる脚本を10年の時を経て映画化した青春ドラマ。
主演はカラム・ターナー、共演にジェフ・ブリッジス、ケイト・ベッキンセイル、ピアース・ブロスナン

予告編

4月14日(土)公開『さよなら、僕のマンハッタン』日本版予告

映画データ

さよなら、僕のマンハッタン (2017) - シネマトゥデイ
『(500)日のサマー』などのマーク・ウェブ監督が、サイモン&ガーファンクルの名曲「The Only Living Boy In New York」に乗せてつづるラブストーリー。
さよなら、僕のマンハッタン|映画情報のぴあ映画生活
『さよなら、僕のマンハッタン』は2017年の映画。『さよなら、僕のマンハッタン』に対するみんなの評価やクチコミ情報、映画館の上映スケジュール、フォトギャラリーや動画クリップなどを紹介しています。

本作は2018年4月14日(土)公開で、全国11館での公開です。
今後順次公開されて、最終的には34館での公開となるようです。

丸の内と新宿の各ピカデリーで予告編を目にしまして、マーク・ウェブ監督、昨年11月に『gifted/ギフテッド』が公開されたばかりなのに早いなと思いましたよ。

gifted/ギフテッド (字幕版)
クリス・エヴァンス
¥ 399(2018/11/22 18:49時点)

監督はマーク・ウェブ
近作は『gifted/ギフテッド』を観てます。

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主演はカラム・ターナー
今年公開される『ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生』でエディ・レッドメイン演じる主人公ニュート・スキャマンダーの兄テセウス役で出演しており、今年ブレイク必至と言われております。
近作は『アサシン クリード』を観てます。

共演にジェフ・ブリッジス
本作では製作総指揮にも名を連ねてます。
近作は『キングスマン:ゴールデン・サークル』を観てます。

共演にケイト・ベッキンセイル
近作は『天使が消えた街』を観てます。

共演にピアース・ブロスナン
近作は『スパイ・レジェンド』を観てます。

他に共演と配役は以下の通りです。

トーマス・ウェブ: カラム・ターナー
W・F・ジェラルド: ジェフ・ブリッジス
ジョハンナ: ケイト・ベッキンセイル
イーサン・ウェブ: ピアース・ブロスナン
ジュディス・ウェブ: シンシア・ニクソン
ミミ・パストーリ: カーシー・クレモンズ
ジョージ: テイト・ドノヴァン
デヴィッド: ウォーレス・ショーン
アーウィン・サンダーズ: ジョン・ボルジャー
叔父のバスター: ウィリアム・ジョン・キャンプ

あらすじ

大学卒業を機にアッパー・ウエストサイドにある親元を離れ、ロウワー・イーストサイドで一人暮らしを始めたトーマスは、風変わりなアパートの隣人W.F.ジェラルドと出会い、彼から人生のアドバイスを受けることに。ある日、想いを寄せる古書店員のミミと行ったナイトクラブで、父と愛人ジョハンナの密会を目撃してしまう。W.F.の助言を受けながらジョハンナを父から引き離そうと躍起になるうちに、「あなたの全てを知っている」という謎めいた彼女の魅力に溺れていく。退屈な日々に舞い降りた二つの出会いが彼を予想もしていなかった自身と家族の物語に直面させることになる・・・。

公式サイトより引用)

ネタバレ感想

いやー、面白かったですね。
『gifted/ギフテッド』もよかったですけど、個人的には本作の方が上ですね。
ロッテントマトとか見るとめちゃめちゃ評価低いんで、何で?と思いますけど、最近はあんまりアテにならないと思ってるんで、まぁいいです。
ただ興行収入に影響を及ぼしそうで怖いですよね。
本作は全米では60万ドルくらいしかいってません。
製作がアマゾン・スタジオなんでアマゾンビデオでペイできればいいのかな?

『gifted/ギフテッド』は上映時間102分とコンパクトな作品だったんですけど、本作はさらに短く88分の上映時間となっております。
舞台がニューヨークということもあって、上映時間といい、ウディ・アレン作品みたいな雰囲気もありました。

 

冒頭はジェフ・ブリッジス演じるW・Fがニューヨークについて語ってます。
ジェフ・ブリッジスはすぐには出てこないんで、あとからW・Fが語ってるんだと分かるんですが、細かいことは何言ってるか分かりません。
ただ、ニューヨークはつまらない街になってしまったと言ってます。

主人公のトーマスは作家志望の文学青年で、古書店に勤めるミミのことが好きなんですけど、ミミにはバンドマンの彼氏がいるんですね。
ミミとは8月8日の1回だけいい仲になったんですけど、今は友達止まりです。
トーマスはバンドマンの彼氏がツアー中なんでミミと頻繁に会ってるんですけど、どうにかして仲を進展できないかなと思ってます。
またミミはクロアチアのザグレブに留学するって言ってるんで、それで離れるのもやだなーと思ってます。

トーマスの父のイーサンは出版社の社長です。
元々は作家志望でしたが、早々に見切りをつけ出版人として成功します。
バリバリのお金持ちって感じではないですけど、アッパー・ウエストサイドに住んでて、頻繁に友人たちを自宅に呼んで食事してます。
トーマスも時々参加しますが、会話が合わず居心地の悪さを感じてます。
ここでもニューヨークについて語られていますが、トーマスはフィラデルフィアがアツいって的外れな(ペンシルベニア州だから)こと言ったりしてます。
イーサンからはロウワー・イーストサイドなんかに住まないで、もっと近くに住めと言われますが、トーマスは親に頼りたくない感じです。

ただ、トーマスは母親のことを心配してます。
母親は専業主婦のようですが、元々は芸術家で、現在は双極性障害を患ってます。
うつの方が重いタイプです。

ある日トーマスがロウワー・イーストサイドのアパートに帰ると、2Bの部屋に引っ越してきたという男性が階段に座っていて話しかけてきます。
ミミのことで浮かない顔をしてるトーマスに「悩んでるな」と言うと、相談に乗ると言います。
W・Fと名乗る男性は、語り口が作家みたいで物事をよく知ってそうな感じです。
トーマスは一旦部屋に戻りますが、ミミとの仲を進展させる方法をW・Fに相談するようになります。

W・Fのアドバイスはトーマスがミミのことを好き過ぎるから、逆にミミにトーマスを失ってしまうかもしれないという恐怖を感じさせないといけないと言います。
まぁ「押してダメなら引いてみろ」ってことだと思います。

ある晩、トーマスはミミを誘ってナイトクラブに行くと、父親の不倫を目撃します。
母親が不倫のことを知れば病気が悪化すると考えたトーマスは、W・Fに相談します。

W・Fが「どうしたいんだ?」と尋ねるとトーマスは「別れさせたい」と答えます。
W・Fは父親と向き合ってみろとアドバイスします。

トーマスは父親を、グランド・セントラル駅構内のオイスターバーレストランにランチに誘い、不倫のことを問いただそうとしましたが、チキンなため話を切り出せませんでした。
父親からは逆に、なかなか予約が取れない就職カウンセリングを予約しといたから行くように言われるのでした。

父親に言えないトーマスは相手の女性を探ろうとします。
ミミに協力してもらって、父の出版社の前で張り込み、父を尾行して2人が会うところを尾行しようとすると、相手の女性が1人で出版社から出てきたため尾行するとソーホー地域に住んでることが分かります。
相手の女性の居場所が分かったトーマスはW・Fに相談すると「心の声に従え」と曖昧なことを言われます。

トーマスは再びその女性を尾行すると、思い切って「自分が誰だか分かるか?」と声をかけます。
女性は「ストーカーね」と言い、ずっと尾けてることに気づいていました。
そして続けて「イーサンの息子のトーマスでしょ」と言い、社長室に飾ってある写真を見たと言います。

2人は喫茶店に入って話をすると、女性の名前はジョハンナでフリーの編集者でした。
父親との関係は1年半くらいになると言います。
トーマスは不倫のことを非難すると「お子様ね」と往なされ、「私のこと好きなんでしょ」とからかわれ、「イーサンと別れるつもりはない」と言われるのでした。

トーマスは事の顛末をW・Fに報告すると「本当の気持ちはどうなんだ?」と聞かれます。
W・Fはトーマスがジョハンナに惹かれてることを見抜き聞いてるのですが、トーマスは認めません。
W・Fは改めて「心の声に従え」と言い、「ジョハンナと寝たいと思ってるんだろ」と聞くと、トーマスはジョハンナと寝たいと認めるのでした。

ある日、友人が主催するパーティーにミミを連れて出席すると、ジョハンナも年配の男性を連れて出席していました。
その男性は金持ちで有名なギャラリーオーナーで、トーマスは父以外とも親しくしているジョハンナが気になります。
ジョハンナが席を外した際に、ミミにトイレに行くと言って席を離れると、ジョハンナを呼び止め売春婦呼ばわりします。
怒ったジョハンナはそういうところが子供だと言い、あの男性はゲイで社会的地位を維持するためにカミングアウトしてないと言い、パートナーは別にいて、自分は友人としてカモフラージュするためにこういうパーティーに一緒に出席していると言います。
バツが悪いトーマスは何を思ったか突然ジョハンナにキスをしますが、ジョハンナもそれを受け入れます。
トーマスはミミに「先に帰る」と言ってパーティーを抜け出すと、ジョハンナの家で結ばれるのでした。

トーマスはジョハンナとピロートークしてると、ジョハンナは驚くほどトーマスのことを知っていました。
テニスで優秀な成績を収めたことや高校時代は新聞部で作家志望だったことなどをイーサンから聞いていたのでした。
トーマスはジョハンナから「書いたものをイーサンに見せたの?」と聞かれると、「見せた」と答え、「何て言われたの?」と聞かれると「無難だ」と言われてショックだったことを明かすと、ジョハンナは「今度、読ませて」と言うのでした。

再びW・Fに経過報告するトーマス。
ジョハンナには高校時代に書いたものはもう無いと言いましたが、実は持っていてW・Fに見せると「才能がある」と言われます。
トーマスはW・Fに「ジョハンナのことで頭がいっぱいだな」と言われると「愛かな?」と言い、W・Fに誰か愛したことはあるかと尋ねます。
W・Fはただ一人だけ愛したことがあると言い、その女性は親友に取られたと言うのでした。

トーマスはイーサンの会社に呼ばれ、「何か言うことがあるだろう」と言われます。
ジョハンナとのことがバレたかとドキッとしますが、イーサンが怒ってるのは就職カウンセリングをすっぽかしたことでした。
イーサンはいつまでも進路を決めない息子に引導を渡すように「縁故採用には否定的だったが、この会社で見習いから働いてみたらどうだ?」と言います。
しかしトーマスはそれを「無難だ」と皮肉で返し、イーサンを怒らせるのでした。

アパートに戻ったトーマスはW・Fの部屋を訪ねると留守で、机の上にジュリアン・ステラーズ著「ニューヨークの少年」と書かれた原稿が置いてありました。
トーマスが原稿を読むと、それまでW・Fに語った内容が記されていました。
部屋を出たトーマスは中庭にいるW・Fを見つけると「原稿は僕のこと?」と声を掛けます。
W・Fが「そうだ」と答えると、トーマスは「これまで12冊の著作がある覆面作家のジュリアン・ステラーズはあなただったんですね」と言い、W・Fが有名作家であることが明らかになります。
トーマスは「なぜ自分のことを?」と聞くと、原稿執筆のため気分転換に借りた部屋でトーマスと知り合い、たまたまそうなったと言うのでした。

ある日、トーマスは友人の結婚式に出席すると、リバーサイドで本を読むトーマスの母を見たと友人から言われます。
友人からは母の病気のことを心配されますが、トーマスは今は落ち着いてると答えると、母親の様子を見に実家に行きます。
トーマスは母と話をしていると今度開かれる父の会社のパーティを楽しみにしており、母が読んでる本がジュリアン・ステラーズだと知ります。
トーマスはダメ元で、「ニューヨークの少年」の登場人物が一堂に会すると言って、W・Fをパーティーに誘うのでした。

トーマスはジョハンナの家を訪ねると留守でした。
諦めてミミの勤める古書店に行こうとすると、父とデートするジョハンナの姿を見かけます。
2人がソーホーにあるシーフードレストランに入るのを見届けたトーマスは、2人が以前と変わらずアツアツなのに動揺します。
そしてそのまま古書店に行くと、今度はミミから「あの人と寝た?」と聞かれます。
パーティーを途中で帰ったとき、ジョハンナも途中で帰ったことを怪しんでたのでした。
トーマスは「イーサンの愛人だぞ」と言って否定します。
するとミミはバンドマンと別れたことを告げますが、トーマスの様子を見て「もっと喜ぶかと思った」と言うのでした。

父の会社のパーティーの日、会場のザ ジェーン ホテルは大盛況です。
トーマスはミミを伴って会場に行くと母と3人で談笑します。
ジョハンナの姿も確認し、W・Fもパーティーに来ていました。
トーマスは母とミミを残してW・Fの元に行くと、「ニューヨークの少年」の登場人物を指で差して教え、母を紹介すると言って戻ります。
母の元に戻ったトーマスは紹介したい人がいると言って、W・Fの元へ連れて行こうとするとW・Fの姿はありませんでした。

その頃W・Fはタバコを吸いにベランダに出たジョハンナと話をしていました。
W・Fは詩の一節を引用してジョハンナに話しかけると、すぐに打ち解けますが、ジョハンナのことを知ってると言い、「若い青年を傷つけたら私が許さない」と言うと、ジョハンナは動揺して怒って出て行きます。

トーマスはジョハンナが1人でいるところを見つけると、父と母から見えない位置で話しかけます。
するとジョハンナから別れ話を切り出されます。
ジョハンナはイーサンからプロポーズされ、それを受けるつもりだと言います。
怒ったトーマスは大声を出しそうになりますが、ジョハンナにイーサンと母に気づかれると言われるとパーティーを飛び出します。

トーマスはパーティーを飛び出して、雨の中、黄昏ているとミミがやってきます。
ミミはザグレブへの留学を決め、トーマスに一緒に来て欲しいと言いますが、トーマスはジョハンナと寝たと言って断ります。
ミミはトーマスに「あなたは純粋な人だ」と言いますが、それを否定するトーマスが汚れてしまったと悟るとタクシーに乗って帰って行きます。
トーマスはその日、久しぶりに実家に泊まります。

トーマスは朝、キッチンで母と顔を合わすと「あら、泊まってたの」と言われます。
そして昨日のパーティーは盛況でとても楽しかったと母は言います。
父のことを尋ねると、もう会社に行ったと言われ、トーマスはイーサンの会社に向かいます。

イーサンの会社に着いたトーマスが、階段を上って社長室に行こうとすると、会社に来ていたジョハンナが気付き後を追ってきます。
トーマスが社長室に入るとジョハンナも入ってきて3人が揃います。
ジョハンナは「止めて」とトーマスに言うと、イーサンは「知り合いか?」とトーマスに聞きます。
トーマスは「彼女と寝た」と言うと、ジョハンナは大粒の涙を流します。
事態が呑み込めないイーサンにトーマスが説明すると、「ずっとお前を大事に思っていたのに」とイーサンが掴みかかってきます。
トーマスに掴みながらも泣き崩れたイーサンが部屋を出ていくと、ジョハンナは「彼の言ったことは本当よ」と言って、社長室に飾ってあった1枚の写真を見せてきます。
その写真はトーマスが高校時代、テニスの試合で表彰されている写真で、よく見ると見守るように写ってるW・Fの姿がありました。

トーマスは慌ててアパートに戻るとW・Fの部屋はもぬけの殻でした。
部屋には「ブルックリン・イン」と書かれた灰皿だけが残され、W・Fが以前、ブルックリンにもアパートがあると言っていたのを思い出すと、バー・ブルックリン・インに向かいます。

トーマスがブルックリン・インに着くとW・Fはカウンターで飲んでいました。
トーマスが写真のことを尋ねると、W・Fは父と母を含めた3人のことをアーティストに例えて話し始めます。
3人のアーティストは友人同士でとても仲がよかったのですが、3人のうちの1人は才能に見切りを付けるとその中の1人と結婚します。
生活をするためアーティストの道を諦め、無難に生きることを選択したのでした。
しかし、夫婦は子宝に恵まれなかったため、調べると夫の方に生殖能力がありませんでした。
夫婦は相談した結果、アーティストの道を突き進んだもう1人に、父親になってもらうことを依頼します。
アーティストは了承しますが、実際に子供が生まれると姿を隠し逃げてしまったと言い、W・Fは涙ぐむのでした。
トーマスはW・Fの肩に手を回すと、母親の元へ向かいます。

母親の元へ着くとイーサンと離婚したことが告げられます。
トーマスはジュリアン・ステラーズに会ったことを告げると、動揺した母から「何を知ったの?」と聞かれます。
トーマスは「母さんの罪悪感(双極性障害)の元だよ」と言うと、「25年間ベンチに座って、あの人の本を読んでいたでしょう?」と言います。
全てを悟った母は「秘密にしてたのは私の意志で、イーサンにも黙っているように頼んだ」と言うと、トーマスは「大丈夫だよ、全て許してる」と言い、手を取り合って微笑むのでした。

一年後
ザグレブに行ったミミに変わりトーマスが古書店で働いてます。
ペンギンブックスに送った原稿は、残念ながらと送り返されてきていました。
トーマスは古書店でバイトしながら作家を目指していました。
するとそこに父がやってきます。
発売されたばかりの「ニューヨークの少年」を買いに来たのでした。
セントラルパークを歩く2人。
イーサンは本の感想を聞いてきます。
トーマスは「父の過去に驚いた」と言うと、イーサンは「どっちの?」と聞きます。
「逃げなかった方の」と言われるとイーサンは微笑みます。
トーマスはイーサンに「ジョハンナとは会ってないの?」と聞くと「会ってない」と言いますが、これはイーサンのジョークで2人は間もなく結婚するとのことでした。

書店では「ニューヨークの少年」のイベントが開かれています。
著者としてW・Fも出席するそのイベントには母親の姿もありました。
2人を優しく見守るトーマスを映して映画は終わります。

 

本作はアメリカでの評判に比べると、日本での評判の方がいい気がしますが、日本人が思い浮かべるニューヨークが描かれているからなのかな?と思います。

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こちらのマーク・ウェブ監督のインタビューを読むと、アメリカに住む者にとってはこのニューヨークはリアルでは無いと語られています。
日本人がリアルでない東京が描かれている邦画を見て、評価が低くなるみたいなものなのかもしれません。

ただ本作は、トーマスのメンターとなるW・Fとの出会いから、とても魅力的です。
登場からして明らかに作家と思わせるW・Fの語り口は示唆に富んでいて、主人公をどう導いてくれるのだろうと単純にワクワクします。
しかもそれがラストに向けて驚愕の展開になるという、よくこんな脚本を思いつくなぁと思いました。

監督のインタビューにもありますが、実際、本作の脚本家であるアラン・ローブは30代半ばを過ぎてもハリウッドで芽が出ず、この脚本を最後にしようとしていました。
しかし結果的にこの年に書いた2本の脚本(本作と「悲しみが乾くまで」)が2005年のブラックリストに選ばれて、現在まで脚本家を続けることができ、執念の作品になってるんだと思います。

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ちなみにアラン・ローブの名前を意識したことは無かったですが『ロック・オブ・エイジズ』も彼の脚本で面白かったです。

なんか本作の脚本の成り立ちが、近年の邦画では大好きな『ばしゃ馬さんとビッグマウス』にも似てると思いましたね。

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物語としては、主人公トーマスは純粋であるがゆえに魅力が無いと思われ、大好きなミミに振り向いてもらえませんでしたが、W・Fに「君を失うことの恐怖を感じさせろ」「人生に身を委ねろ。窓を見つけて、飛び出せ!」とアドバイスされ、本能のままに生きると、結果としてミミに振り向いてもらえます。

男女間においては、いい人はいつまで経ってもいい人で、ちょっと危険な感じがする方がモテるというのに似てると思いますが、トーマスを『北の国から』で「父さん、僕は不純です」と言って、タマコ(裕木奈江)を妊娠させてしまって大人の階段を上った黒板純(吉岡秀隆)とリンクさせると妙に腑に落ちるものがあるなと思いました。

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役者陣ではジョハンナを演じるケイト・ベッキンセイルが何と言ってもよかったですね。
元々がめちゃめちゃ美人なのに、本作では最近のハセキョーを思わせる、ちょっと整形が入ってないか?と感じさせる絶妙の妖しさが魅力的で、男どもを夢中にさせる役柄に説得力を与えていました。

また、製作総指揮にまで名を連ねる力の入れようのジェフ・ブリッジスも、役柄上は世捨て人のような力の抜けた演技でありながら、彼の口から語られるセリフはとても魅力的でした。

寓話的なニューヨークを描きつつも、ロケ地として登場する現在のニューヨークも魅力的で、音楽と脚本と相まって、大変魅力的な作品に仕上がってると思います。

ロケーションマップ|映画『さよなら、僕のマンハッタン』公式サイト
映画『(500)日のサマー』『gifted/ギフテッド』マーク・ウェブ監督最新作。4月14日(土)丸の内ピカデリー、新宿ピカデリーほか全国順次公開

鑑賞データ

丸の内ピカデリー SMTメンバーズ割引クーポン 1200円
2018年 65作品目 累計56600円 1作品単価871円

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