佐藤祐市監督でも如何ともし難く ☆1点
小学館の少女漫画雑誌Sho-Comiに2015年から連載され、LINEマンガの少女部門で月間1位になり、累計180万部を超えた星森ゆきも作「ういらぶ。-初々しい恋のおはなし-」の実写映画化作品。
同じマンションに住む幼馴染の高校生、凛、優羽、暦、蛍太は美男美女の仲良し4人組。
凛と優羽は両想いだが、お互い好き過ぎる為、凛は事あるごとに「お前はゴミクズでダメなヤツ」と言ってしまい、言われ続けた優羽も自信を無くしお互い告白出来ずにいる。
それをずっとそばで見守る暦と蛍太はやきもきするが、優羽の前にはっきり好きだと告白する和馬という男が現れたことにより、凛と優羽の関係に変化が訪れる様を描いたラブストーリー。
監督は『キサラギ』や『ストロベリーナイト』の佐藤祐市、主演にジャニーズグループKing & Princeの平野紫耀と桜井日奈子、共演に玉城ティナと磯村勇斗
予告編
映画データ
本作は2018年11月9日(金)公開で、全国217館での公開です。
配給はアスミック・エースで、制作プロダクションはアスミック・エースと共同テレビジョンで製作委員会方式で作られてます。
劇場での予告編はそんなに目にしなかった気がするんですが、桜井日奈子さんの初主演作だった『ママレード・ボーイ』の感想を書いてるときに、本作が公開されるのを知りました。
公開直前までは、明らかにスイーツ映画ですしジャニーズ映画なのでスルーしようかなと思ってたんですが、本作の2か月前に公開された『累 かさね』が漫画原作にも拘わらず非常によかった佐藤祐市監督だったので、観に行ってみました。
例によって例のごとく漫画原作の存在すら知らず、未読での鑑賞です。
監督は佐藤祐市さん
近作は『ストロベリーナイト』『脳内ポイズンベリー』『累 かさね』を観てます。
主演に平野紫耀さん
映画出演は3本目で主演作としては2作目ですが、初主演作の『honey』はスルーしたので劇場では初めましてです。
ドラマは「花のち晴れ〜花男 Next Season〜」を見てましたが、2話ぐらいで脱落しました。
主演に桜井日奈子さん
近作は『ラストコップ THE MOVIE』『ママレード・ボーイ』を観てます。
共演に玉城ティナさん
近作は『貞子vs伽椰子』『PとJK』『サクラダリセット 前篇/後篇』を観てます。
共演に磯村勇斗さん
近作は『恋は雨上がりのように』を観てます。
共演に桜田ひよりさん
近作は『脳内ポイズンベリー』『東京喰種 トーキョーグール』『祈りの幕が下りる時』を観てます。
共演に伊藤健太郎さん
近作は『俺物語!!』『チア☆ダン〜女子高生がチアダンスで全米制覇しちゃったホントの話〜』『サクラダリセット 前篇/後篇』『犬猿』『コーヒーが冷めないうちに』を観てます。
他に共演と配役は以下の通りです。
和泉凛: 平野紫耀
春名優羽: 桜井日奈子
坂下暦: 玉城ティナ
藤蛍太: 磯村勇斗
佐伯実花: 桜田ひより
佐伯和真: 伊藤健太郎
あらすじ
同じマンションに住む幼なじみ4人組。お互い“大好きすぎて「好き」って言えない”こじらせまくりの凛(平野紫耀)と優羽(桜井日奈子)、そんなふたりを心配して見守る暦(玉城ティナ)と蛍太(磯村勇斗)。最強幼なじみチーム4人の前に、“好きなら好きとハッキリ言う”ライバル兄妹・和真(伊藤健太郎)と実花(桜田ひより)が現れる。ずっとこのまま変わらないと思っていた2人の恋と4人の友情は、思わぬ方向へ動きはじめて!?
(公式サイトhttp://welove.asmik-ace.co.jp/story.htmlより引用)
ネタバレ感想
うーん、結論から言ってしまえば、若手演技派の土屋太鳳さんと芳根京子さんを配して、漫画原作だった『累 かさね』を極上のエンタメ作品に仕上げた佐藤祐市監督の腕をもってしても、如何ともし難かったようで、全く見るべき所の無いスイーツ映画でした。
というか、はっきり言って2018年No1.クソスイーツ映画だと思います。
でも2018年は『音量を上げろタコ!なに歌ってんのか全然わかんねぇんだよ!!』という、圧倒的ワースト作品があったので、ワースト作品は免れた気がします。
まぁ本作の感想を読むとだいたいの人が挙げていますが、凛のモラハラが酷くて観てて吐き気しかしないんですよね。
それで漫画原作はLINEマンガで人気が出たみたいですけど、そこでのユーザーレビューでもモラハラにゲンナリしてる人が多いみたいなんですよね(あと、アマゾンのカスタマーレビューとかでも)。
まぁ「壁ドン」に代表されるように、こういうオレ様男子とか、ドS男子とかは少女漫画の専売特許キャラで、それにキュンキュンする読者がいるのも分かるんですが、それを実写でやっちゃうと不快感の方が勝ってしまう気がします。
こういうモラハラ的表現は少女漫画のマーケット内でそれに胸キュンする読者が楽しんでる分にはいいと思うのですが、映画のマーケットに出てしまうとアンチの声の方が大きくなってしまうと思うんですよね。
本作はヤフー映画とフィルマークスのレビューで2.8点台、映画.comが少し高くて3.3点で、レビュー数自体がこの規模の映画にしては少ない気もしますが、おそらく出演者のファンの鑑賞がメインであろう作品で、ヤフーとフィルマークスで評価が2点台なのはかなり残念な映画なんだと思います。
また、前述したLINEマンガのレビューも、映画きっかけで漫画を読んだ人のレビューが原作の評価を押し下げていて、こうなってくると「映画化したのは誰得なんだろ?」と思いました。
本作はSho-Comi創刊50周年事業の一環としての映画化だったようで、2017年12月に公開された『未成年だけどコドモじゃない』(劇場鑑賞してました)、2018年10月公開の『あのコの、トリコ。』(未見です)に続く映画化だったようです。
『未成年だけどコドモじゃない』がヤフー映画3.23点、映画.com3.3点、フィルマークス3.4点
『あのコの、トリコ。』がヤフー映画2.97点、映画.com2.9点、フィルマークス3.1点
だったので、興収は別として、映画化としての作品の出来は本作一番悪かったと思うのですが、それもやっぱりモラハラ描写を実写でやることの難しさだったと思います。
凛を演じたキンプリの平野さんを花男で初めて見たときは、かなりのイケメンだと思いましたが、本作の凛には吐き気しかしなかったので、役とはいえ個人的にはマイナスのイメージとなってしまいました。
ひと頃は「ジャニーズ映画だからといって侮るなかれ」と思っていて、2013年の関ジャニ∞の安田章大さんが主演した『ばしゃ馬さんとビッグマウス』や、2015年にこれまた関ジャニ∞の渋谷すばるさんが主演した『味園ユニバース』などは本当に素晴らしかったのですが、最近は、特に2015年~16年のSMAP解散騒動以降、「やっぱりジャニーズ映画か」と思うことが多くなってしまいました。
なので出演者にも原作者にも得にならない映画化だと思ったんですが、それを演出する佐藤監督も何を血迷ったのか、章立てになってる訳でもないのに本編中唐突にアイキャッチを差し込んでくるんで、もう苦笑するしかありませんでした。
そしてこのアイキャッチを観たときに日本テレビで1991年から2000年まで放送されていた「DAISUKI!」の完全なパクリだと思ったんですが、これは1962年生まれでバブル時代を謳歌したであろう佐藤監督の郷愁の現れなんでしょうかね。
というのも佐藤監督は長年フジテレビのドラマの演出を手掛けていたので、フジテレビの社員ディレクターかと思っていたのですが、実際はフジテレビのグループ会社の共同テレビジョンの子会社のベイシアに長年在籍してたようで現在は共同テレビに所属してるようですが、現在はTBSのドラマの「メゾン・ド・ポリス」の演出を手掛けていて、フジテレビのドラマじゃないって珍しいなと思ったんですが、これもフジテレビの凋落が要因の一つかと思いまして、バブルといえばフジテレビでしたから、その郷愁があるのかな?なんて思った次第です。
しかし、本作を鑑賞しに来てる年齢層を考えると「DAISUKI!」を全く知らないであろう世代だと思うんですが、バブリーダンスや平野ノラさんがウケている昨今なんで、その線を狙ったんでしょうか?全く謎でした。
そして映画の内容とは直接関係無いですが、自分の斜め前に座っていた2人組の若い女性の鑑賞マナーが酷かった(笑)
上映中はずーっとお喋りしていて、まぁ劇伴とかかかっているんでそんなには気になりませんでしたが、「この映画にしてこの観客」と思ってしまいました。
そして一番最後に驚いたのはエンドロール中にツーショットで自撮りしだしたことでしたが、エンドロールが終わって館内が明るくなると納得しました。
日本人じゃなくて中国人でした。
なので仕方が無いと思ったんですが、何で観に来たんだろう?と思いまして、願わくば平野さんのファンじゃなけれないいなと思いました。
鑑賞データ
TOHOシネマズ上野 シネマイレージ6P無料鑑賞 0円
2018年 181作品目 累計162000円 1作品単価895円
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