監督のオナニーを延々見せられる107分 ☆0点
テレビドラマ「時効警察」や「熱海の捜査官」を演出した三木聡監督によるオリジナル脚本のロックコメディ。
声帯ドーピングによる奇跡のシャウトが維持出来なくなりそうなカリスマロックシンガーと声が小さすぎるストリートミュージシャンが出会ったことから起こるドタバタ劇。
主演に阿部サダヲと吉岡里帆、共演に千葉雄大、麻生久美子、田中哲司
予告編
映画データ
本作は2018年10月12日(金)公開で、全国214館での公開です。
劇場での予告編はTOHOシネマズでたいへんよく目にしまして、東宝作品なのかな?と思いましたが、配給はアスミック・エースでした。
製作委員会方式で作られてて、アスミック・エース、GYAO、WOWOW、ポニーキャニオン、ニッポン放送、ローソンエンタテインメントが名を連ねてます。
監督は三木聡さん
長編映画は本作で8作目のようですが、過去作は見たことありません。
ドラマの「時効警察」も見たり見なかったりしたので、どういう監督さんかは存じ上げません。
奥さんがふせえりさんなのも初めて知りました。
主演に阿部サダヲさん
近作は『夢売るふたり』『殿、利息でござる!』『彼女がその名を知らない鳥たち』を観てます。
主演に吉岡里帆さん
劇場で映画出演作を見るのは初めてになります。
WOWOWで放送してた『STAR SAND-星砂物語-』を途中から見ました。
ドラマはブレイクするきっかけになった「あさが来た」を見てて、「ゆとりですがなにか」「メディカルチーム レディ・ダ・ヴィンチの診断」「カルテット」は全話見てましたが、「ごめん、愛してる」が1話で脱落し、「きみが心に棲みついた」と「健康で文化的な最低限度の生活」は2,3話だけ見ました。
共演に千葉雄大さん
近作は『モヒカン故郷に帰る』『殿、利息でござる!』『帝一の國』『亜人』を観てます。
共演に麻生久美子さん
近作は『ばしゃ馬さんとビッグマウス』『ニシノユキヒコの恋と冒険』『グラスホッパー』『未来のミライ(声の出演)』『散り椿』を観てます。
共演に田中哲司さん
近作は『アウトレイジ ビヨンド』『ストロベリーナイト』『愛の渦』『映画 夜空はいつでも最高密度の青色だ』を観てます。
共演に松尾スズキさん
近作は『まほろ駅前狂騒曲』『シン・ゴジラ』『奥田民生になりたいボーイと出会う男すべて狂わせるガール』を観てます。
共演にふせえりさん
近作は『麦子さんと』を観てます。
他に共演と配役は以下の通りです。
シン: 阿部サダヲ
明日葉ふうか: 吉岡里帆
坂口: 千葉雄大
女医: 麻生久美子
自滅: 小峠英二
伊能聖子: 片山友希
木之本: 中村優子
シンの母親: 池津祥子
よろこびソバのおじさん/ピザの配達員: 森下能幸
無料レコード社長: 岩松了
デビルおばさん: ふせえり
社長: 田中哲司
ザッパおじさん: 松尾スズキ
K.G.B.: PABLO
1984: KenKen
ローザ: SATOKO
破滅: 富澤タク
壊滅: KATARU
幻滅: NABO
ゆめうつつ: 清水麻八子
ドロドロ: マーガレット廣井
スピード: Katzuya Shimizu
ラッキー: Kenzoooooo
あらすじ
驚異の歌声をもつ世界的ロックスター・シン(阿部サダヲ)。その存在がカリスマであり、熱狂的な人気を誇っているが、実は彼には決して人に知られてはいけない秘密があった。万人を魅了するその歌声は“声帯ドーピング”というオキテ破りの方法によって作られたものだったのだ。さらに長年にわたる声帯ドーピングのやりすぎによって、シンの喉は崩壊寸前に……!
そんなシンと出会ってしまったのは、異様に声が小さすぎるストリートミュージシャン・ふうか(吉岡里帆)。何事にも自信がなく内気なふうかは、彼女の歌を聴いたシンから「心が燃えない、心の不燃ゴミ」「音量を上げろタコ!なに歌ってんのか全然わかんねぇんだよ!!」と一刀両断されてしまう。普通の会話もままならないほど正反対な2人は、お互いの存在が目ざわりで仕方がない。シンの言葉でミュージシャンとしての未来にすっかり自信を失ったふうか。吉祥寺で「13アイスクリーム」を営む、強烈な個性をもつザッパおじさん(松尾スズキ)とデビルおばさん(ふせえり)の家に下宿している彼女のもとに、ある日突然シンがおしかけてきた。「やらない理由を探すな!」と家に引きこもるふうかをシンは強引にオーディション会場へと連れていくのだった。
うんざりしながらも、シンの圧倒的エネルギーに触れたふうかは偶然、シンの“声帯ドーピング”の秘密を知ってしまう! さらにシンの過去を知ることによって、次第に心を開いていく。しかし、シンに“声帯ドーピング”を施したプロダクションの社長(田中哲司)がシンの最後の歌声を利用しようと迫り、レコード会社のシン担当・坂口(千葉雄大)も気弱な表の顔とは別に裏である計画を企てていた。坂口の陰謀によって、“声帯ドーピング”の秘密がマスコミに漏れたシンは、謎の組織から追われるハメになる。そして、ふうかはシンの声を守るために、シンと一緒に逃げることを決意するが……リミット迫る“声の争奪戦”が今、はじまる!!!
(公式サイトhttp://onryoagero-tako.com/about/より引用)
ネタバレ感想
本作は劇場で何度も見た予告編の感じからは、未見ですが『TOO YOUNG TO DIE! 若くして死ぬ』のイメージがして、観なくてもいいかなぁと思ってました。
ただ毎週月曜日は映画の週末動員ランキングをチェックするのですが、本作が公開された週は2018年の中でも最も低調だったにも関わらず、本作は200館以上の公開規模ながら12位スタートと大コケしました。
これは昨年のマイワースト作品だった『リベンジgirl』の11位スタートを上回る快挙で、こうなると俄然観たくなりました。
しかし定価で観るのも癪ですし、かといって上映が2~3週で打ち切られそうな気もしたので観る日を思案していたところ、ちょうどTOHOシネマズのシネマイレージウィークに入ったので1100円で観ることができました。
これだと仮にハズレ映画でもダメージ少ないですし、評価のハードル自体を低くすることが出来ます。
とまぁ、そんな感じで三木聡監督作品初鑑賞となりました。
このブログでも何回か書いてますが、映画の良し悪しって冒頭5~10分で何となく分かりますが、本作は「悪し」の方でした。
まず何が悪いって、冒頭、ライブ会場をピザ屋の宅配バイクで飛び出したシンが、道路を渡ろうとしたふうかとぶつかりそうになってコケるんですが、このシーンをスローモーションで何度もカメラの視点を変えて外連味たっぷりに撮るんです。
何か『マトリックス』のときみたいに新しい映像表現をするとかなら分かるんですが、全くそうじゃないんで意味が無く無駄なんですが、それを冒頭10分くらいやってるんです。
映画の尺を無駄に使ってるんで「ストーリーが大して無いんじゃないかな?」と思ったんですが、結論から言うとそうでした。
場面変わって、ふうかが住んでる吉祥寺の13アイスクリーム周辺は、ビビッドな色使いの『スワロウテイル』みたいなデフォルメされた街並みなんですが、ここで登場する世界観もザッパおじさんもデビルおばさんも全く面白く無いんです。
ザッパおじさんが言う「いいの、いいの、ブライアン・イーノ」も「義耳シェルター」も、自分に言わせれば「内容が無いよう」です。
この感じ、感想書いてて思い出しました「海苔の本田の奥さん」を連呼する前田司郎監督作品『ふきげんな過去』に近いです。
ザッパおじさんを演じる松尾スズキさんも、デビルおばさんを演じるビシバシステムの布施絵理さんも芸達者な方ですが、ここまで面白くないのは脚本が悪いんだと思います。
その後もストーリーが無く、内容が無い脚本をオーソドックスに見せてもらえるならまだ我慢できるんですが、ぐるぐる回って撮ってみたり、極端なローアングルで下から撮ってみたりと、色々やってくれるんですが、ただ単純にカメラワークが酷いとしか言いようがなく、監督のオナニーを見せられてるようでした。
なんか監督が一生懸命、順手でオナニーしたり、逆手でオナニーしたり、左手にマニキュア塗ってオナニーしたり、こんにゃく使ったり、カップ麺使ったり、色々して見せてくれるんですが、オナニーでしか無いという…。
なのでオナニストなら楽しめるのかもしれませんが、自分には無理でした。
映画がコケた責任も、当初は吉岡里帆さんのせいという記事が出て、次に阿部サダヲさんが原因だという記事が出ました。
でも下のアエラドットの記事にあるように、監督が悪いと思います。
いや、監督も悪いですが、もっと上の方、企画した方にも「よくこんな企画通したな?」と思いますが、製作費回収に必死なんでしょうか、10月12日公開ですが12月5日にはソフト化の記事が出てます。
普通ならまだ上映8週目なんですが、そんなんだったら最初からDVDスルーでよかったんじゃないかと思いました。
スクリーンの無駄です。
文句無しぶっちぎりで2018年のマイワースト作品でございました。
鑑賞データ
TOHOシネマズ日比谷 シネマイレージウィーク 1100円
2018年 167作品目 累計148900円 1作品単価892円
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