ボヘミアン・ラプソディ 評価と感想/まさかここまでヒットするとは

ボヘミアン・ラプソディ 評価と感想
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ストレイト・アウタ・コンプトンの下地はあったが ☆5点

1991年にHIVで45歳の若さで亡くなったフレディ・マーキュリーの伝記ドラマで、1970年のクイーン結成から伝説のステージと言われる1985年7月13日のロンドン、ウェンブリー・スタジアムでのライヴエイドのパフォーマンスまでを描いた作品。
監督はブライアン・シンガー、主演のフレディ役にラミ・マレック、共演にルーシー・ボーイントン、グウィリム・リー、ベン・ハーディ、ジョセフ・マッゼロ

予告編

映画データ

http://cinema.pia.co.jp/title/175831/

本作は2018年11月9日(金)公開で、全国368館での公開です。
配給は20世紀フォックス

監督は色々あったようですがブライアン・シンガー

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ウディ・アレン監督に続いてキャリアが終わってしまいそうな気が…。

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監督作はX-MENシリーズをことごとく見てないので『ユージュアル・サスペクツ』のみですね。

ユージュアル・サスペクツはめちゃめちゃ面白かったなぁ。
しかし、出演していたケヴィン・スペイシーもキャリアが終わってしまったという…。

主演はラミ・マレック
初めましてと思いましたが、出演作は『ザ・マスター』と『ショート・ターム』を観てました。

共演にルーシー・ボーイントン
出演作は『オリエント急行殺人事件』を観てます。

共演にトム・ホランダー
近作は『アバウト・タイム~愛おしい時間について~』『ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション』『チューリップ・フィーバー』を観てます。

あと共演にお久しぶりのマイク・マイヤーズ

本作では最初出てきたとき、すぐに分かんなかった(笑)

他に共演と配役は以下の通りです。

フレディ・マーキュリー: ラミ・マレック
メアリー・オースティン: ルーシー・ボーイントン
ブライアン・メイ: グウィリム・リー
ロジャー・テイラー: ベン・ハーディ
ジョン・ディーコン: ジョセフ・マッゼロ
ジョン・リード: エイダン・ギレン
ポール・プレンター: アレン・リーチ
ジム・ビーチ: トム・ホランダー
レイ・フォスター: マイク・マイヤーズ
ジム・ハットン: アーロン・マカスカー
デヴィッド: マックス・ベネット
ボブ・ゲルドフ: ダーモット・マーフィ

あらすじ

#1 夢を追いかける若者たちの出会い
複雑な生い立ちや、容姿へのコンプレックスを抱える孤独な若者だったフレディ。彼が出会ったのは、のちに生涯の”ファミリー”となり、音楽史にその名を残すことになるバンドのメンバーたちだった。

#2 常識を打ち破る名曲誕生の瞬間
個性的なメンバーの革新的な挑戦によって、誰もが知る名曲が次々に生み出されていく。そしてバンドは、ロックミュージカルオペラを導入した「ボヘミアン・ラプソディ」で、既成概念を覆すことに成功する!

#3 成功の光と影。そして解散の危機
数々のヒット曲を放ち、一躍世界的な大スターとなったクイーン。そしてフレディは”史上最高のエンターテイナー”とまで称されるようになる。しかし、成功の光に照らされる一方で、孤独の影が忍び寄っていた。

#4 人生を懸けた史上最大のステージへ!
フレディがソロ活動を始め、崩壊寸前となったクイーン。そんな中、バンドは20世紀最大の音楽イベント”ライヴ・エイド”に出演する。永遠に語り継がれるラスト21分のパフォーマンスに秘められた真実とは…。

(公式サイトhttp://www.foxmovies-jp.com/bohemianrhapsody/about.htmlより引用)

ネタバレ感想

劇場での予告編は2018年の洋画の中では1,2を争うほどよく見た気がします。
それこそ公開の2~3か月前から流していて劇場でのプロモーションに力入れてるなぁと思いましたが、まさかここまでヒットするとは思いませんでした。

というのも2018年は同じ20世紀フォックスの『グレイテスト・ショーマン』が批評家の評価や前評判が高く無かったわりに興収52.2億円と大ヒットしました。

しかし、前作『マンマ・ミーア! 』が日本で興収26億円とヒットし、それなりにヒットを見込んでいたであろう『マンマ・ミーア! ヒア・ウィー・ゴー』が興収10億円に届かずコケたので、「今年のミュージカル系や音楽系の映画はグレイテスト・ショーマンで観客はお腹いっぱいなんだろうな」と思ってました。

そして、劇場で予告編を散々見て、公開1か月前の自分の印象はこちらでした。

実は劇場で予告編を見るたびに、その完コピぶりは「スゴいなぁ」と思ったものの、実際のフレディ・マーキュリーよりも「ちっちゃくないか?」と思ってまして、見るたびにオカザイルを思い浮かべてたんですけど、ラミ・マレックのことも知らなかったですし、フレディの独特のパフォーマンス(動き)もあって、ちょっと笑っちゃってたんですよね。

そしてその完コピぶりから、マイルス・デイヴィスのことが好き過ぎて、自ら企画を立ち上げて監督・主演までしたドン・チードルの『MILES AHEAD/マイルス・デイヴィス 空白の5年間』を思い浮かべて、「公開規模もそのくらいか、多くても150館くらいかな?」なんて思って、興収が10億円を超えるような映画では無いとも思っていました。

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しかも、本作の公開のあとにはレディ・ガガが初主演する『アリー/ スター誕生』が控えていたので、「若い人なんかはフレディよりもガガ様だろうし、そっちの方にお客が流れるんじゃないかな?」とも思っていたんで、本作のオープニング成績や公開館数を知ったときはビックリしましたね。

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ただ、「何か小っちゃくないか?」問題に関しては、改めて調べてみたら自分の認識は正しくなくて、フレディ・マーキュリー177cmに対して演じたラミ・マレックが175cm、マイルス・デイヴィス169cmに対して演じたドン・チードルが172cmでしたので、体格的にはほぼ同じでした。

さて、20世紀フォックスのオープニングロゴがエレキギターで奏でられて始まる本作は、そのオープニングにニヤリとしてしまって、そこで既に制作側の術中にハマっていた自分ですが、実際にオープニングファンファーレを演奏していたのはブライアン・メイとロジャー・テイラーだそうで、そのことは後から知りましたが、そのこだわりぶりとライヴエイドのバックステージからの冒頭で、始まって5分で本作が良作であることは直感しました。

ただそれでもここまでヒットするとは思いませんでしたね。

アメリカでは2015年に、同じように良作だったN.W.Aの伝記映画『ストレイト・アウタ・コンプトン』が1億6千万ドル強と大ヒットしていて、アメリカで2億1千万ドルの興収を上げた本作に対する下地はあったと思うのですが、日本での大ヒットは想像できませんでした。

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ちなみにストレイト・アウタ・コンプトンと本作の共通点で言えば、それぞれアルバムとシングルが映画のタイトル名になっていること、フロントマンがエイズで亡くなってること、残りのメンバーが存命中であることなどです。

話戻りまして、自分がここまでのヒットが想像できなかったのは、クイーンに対する認識もあります。

ライヴエイドが行われた1985年当時、自分は中学生でしたがクイーンはヒットチャートの中心ではなく、エアロスミスなんかと同様にどちらかというと過去のグループだったと思います。

当時は1981年に開局したMTV全盛で、アルバムからの先行シングルのミュージックビデオ(MV)がヒットチャートの中心で、1970年代にヒットしていたクイーンやエアロスミスは「あのグループはいま?」的な感じで、クイーンに関してはよく知らず、グループ名から女性グループだと思っていました。

ヒットチャートの中心はマイケル・ジャクソン、プリンス、マドンナ、シンディ・ローパー、ホール&オーツ、ワム、フィル・コリンズ、スティング、デュラン・デュラン、カルチャー・クラブ、ヴァン・ヘイレン、ボン・ジョヴィなどなど80年代に出てきた人が中心だったように思います。

フレディ・マーキュリーに関しては当初ソロシンガーだと思ってて、自分がその名前を知ったのは当時フジテレビで放送していた「夜のヒットスタジオDELUXE」のCM枠で、そこで頻繁に流れていたノエビアのCMに使われていた「ボーン・トゥ・ラヴ・ユー」からで、そこにフレディ・マーキュリーの名前がクレジットされていました。

それでも当初は「いい曲だな」と思うもののCMで流れる部分しか知らず、フレディ・マーキュリーもどんな姿か知らなかったのですが、何かの機会(おそらくベストヒットUSAだと思いますが)でMVを見たら想像した姿と違いました。

というのも、当時ってワムにしてもデュラン・デュランにしてもアイドル系のルックスでしたし、ボン・ジョヴィなんかのハードロック系は長髪のチリチリパーマでしたから、短髪に髭面で胸毛全開で踊りながら歌うフレディは違和感ありまくりで、「何だこのオッサン」と思ったんですよね(笑)

そしてこのときもまだクイーンのメンバーだとは知らなかったのですが、次に何かの機会で見たMVが「ブレイク・フリー (自由への旅立ち)」で、ここで初めてクイーンのメンバーだと知りました。

しかしこのMVも初めて見たときは、「何だこのキモいグループは!」と思いましたね(笑)

これも当時は、女装と言えばカルチャー・クラブのボーイ・ジョージがデフォになっていましたし、あとから出てきたデッド・オア・アライヴのピート・バーンズなんかも美形でしたので、フレディもクイーンもその狭間に居る感じがして、自分の目が向かなかったんですよね。

なのでライヴエイドは日本では土日にかけて放送されたと思いますが、当時は部活してたので部活中からそわそわしていて、部活が終わったら速攻で家へ帰ってライヴエイドを見ましたが、当時見たいと思ったのはブライアン・アダムス、スティング、フィル・コリンズ、デュラン・デュラン辺りで、クイーンに関しては1ミリも頭になかったんですよね。

結局、クイーンをよく知るようになったのはフレディのHIV感染が報道されるようになってからで、フレディが亡くなると洋楽番組ではクイーンを特集していたので、もちろん楽曲はなんとなく聞いたことはありましたが、そこで初めて「これもあれもクイーンの曲か」と改めて認識した次第です。

なのでライヴエイドでのクイーンのパフォーマンスは見なかった気がするのですが、本作鑑賞時と違って、当時は楽曲自体に馴染みが無かったので、仮に見ていたとしても本作ほど感動出来なかっただろうなぁとは思いました。

ところで、本作を観て一番の驚きはフレディの出自でした。
独特の濃ゆい顔立ちですが、ボヘミアン・ラプソディのイメージから「イタリア人かな?」くらいに思っていて、フレディが何人かは気にしたことが無かったのですが、「ノロノロするな、パキ(パキスタン人の意)」と罵られるインド系だったなんて全く思わなく、本人も自身の出自や容姿にコンプレックスを持っていたとは思いも寄らなかったので、それが本作を観てのトリビアでしたね。

あと、鑑賞前から出演者の名前の中にマイク・マイヤーズを見つけて「久しぶりだな」と思ったんですが、最初プロデューサー役で出てきたとき誰だか気づきませんでした。
マイク・マイヤーズが演じたレイ・フォスターは実在するプロデューサーでは無いようなんですが、劇中では「ボヘミアン・ラプソディ」のシングル化をOKしなくて、結果的にレコード会社を移籍されちゃうんですが、その役にマイク・マイヤーズを起用したのは監督のちょっとした遊び心だと思いました。

『ボヘミアン・ラプソディ』あのシーンが最高に笑えるワケ!|シネマトゥデイ
大ヒット公開中の映画『ボヘミアン・ラプソディ』に『オースティン・パワーズ』の主演や『シュレック』の声優で知られる俳優マイク・マイヤーズが出演している(以下、該当シーンの詳細について触れる)。

あと、他にも遊び心があって、フレディの自宅パーティーのシーンでリック・ジェームスの「スーパー・フリーク」がかかってフレディが閃きますが、言わずと知れたM.C.ハマー「ユー・キャント・タッチ・ディス」の元ネタな訳ですが…

フレディも1981年にデヴィッド・ボウイと共作した「アンダー・プレッシャー」が、1990年になってヴァニラ・アイス「アイス・アイス・ベイビー」で勝手にパクられるという(笑)

「Under Pressure」をパクった「Ice Ice Baby」を聴いたフレディ・マーキュリーのリアクション | NEWS | MUSIC LIFE CLUB

そういうところも面白かったですね。

それから感想を書くにあたりウィキペディアでボヘミアン・ラプソディ (映画)のキャストのところを見たら、ラリー・マレン・ジュニア役 – マシュー・ヒューストンと書いてあって、「ラリーってU2のラリー?」と思って調べたら、ライヴエイドでステージ入りするときにすれ違ってたらしくて、これは気付かなかったですね。

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DVD出たらこういう細かいところを探すのも楽しそうですね。

しかしそれにしてもラストのライブシーンを観ていたら、ライヴエイドにしても、月面着陸にしても、あとウッドストックで帰るのに何日もかかったとか、昔の方が凄いことしてたんだなぁと思いました。

鑑賞データ

TOHOシネマズ日比谷 シネマイレージデイ 1400円
2018年 182作品目 累計163400円 1作品単価898円

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