2017年劇場鑑賞214作品の中からのベストテンです。 今年も絞り切れず邦画と洋画分けてあります。
邦画(91作品)
1位:3月のライオン 前編・後編(監督:大友啓史)
2位:愚行録(監督:石川慶)
3位:22年目の告白-私が殺人犯です(監督:入江悠)
4位:銀魂(監督:福田雄一)
5位:彼女がその名を知らない鳥たち(監督:白石和彌)
6位:映画 夜空はいつでも最高密度の青色だ(監督:石井裕也)
7位:勝手にふるえてろ(監督:大九明子)
8位:南瓜とマヨネーズ(監督:冨永昌敬)
9位:ハルチカ(監督:市井昌秀)
10位:心が叫びたがってるんだ。(監督:熊澤尚人)
今年は去年に比べると邦画は低調だったと思います。
特に非メジャー配給作品が元気が無かった気がします。
自分の中では1位と2位が抜けてて、その次が3位と4位、5位以下は横並びという感じです。
1位の3月のライオンと2位の愚行録は迷いましたが、前後編でもきっちり仕上げてきた3月のライオンを上位にとりました。
3月のライオンは東宝・アスミックエース配給で300館弱での公開、漫画原作と大作でしたけど、興収的にはコケたと思います。
現在アニメ版の第2シリーズが放映されてますが、それと比べてもうまくまとめられてたと思います。
公開がもう1,2か月遅かったら藤井四段の連勝記録で盛り上がった将棋ブームに乗れたんじゃないかと思いました。
2位の愚行録は全くのノーマークだったので驚きました。
いわゆるイヤミスなんですけど男性作家によるもので、石川慶監督のポーランドで映画を学んだという経歴もあってヨーロッパ映画(特に東欧)の雰囲気がありました。
『その男、凶暴につき』でエリック・サティの曲を使ってヨーロッパ的に仕上げてた北野武監督と近いと思いました。
3位と4位はワーナー大作で期待してなかったんですけど、面白かったですね。
22年目はタイトルと予告でネタバレしてると思ったんですけど、その先のどんでん返しが面白かったです。
リメイクというのが少し残念ですけど。
銀魂はパロディが面白かったですね。
ヒットを受けて中国でも公開されたみたいですけど、前提となるパロディ(CDTVなど)が日本人じゃないと分からないので魅力は半減すると思います。
5位の彼女がその名をは沼田まほかる原作の映画化で、今年は『ユリゴコロ』も公開されたんですけど、こちらの方がカタルシスがあったので上位にとりました。
10位の実写版ここさけはユリゴコロも監督した熊澤監督によるもの。
大ヒットしたアニメ映画原作を2年足らずで実写映画化という無謀なものでしたけど、アニメだと成り立つ表現を実写では上手く改変してました。
ユリゴコロも面白かったんで今年の熊澤監督のアベレージは高いです。
6位の夜空は、詩集を映画にするってどんなだろう?と思いましたけど、オリジナル脚本で面白かったです。
今年は底辺系の人を描いた作品が少なかった気がします。
7位の勝手には、年末のベストテンも固まってきたところに飛び込んできました。
予告編では松岡茉優さん初主演のポップなラブコメディくらいに思ってたんですが、心抉られる物語で映画のルックもよかったです。
8位の南瓜とマヨネーズはうっかりするとベストテンをスルーしそうだったんですけど、なかなか90分くらいであっさりとまとめるのも難しいんじゃないかと思います。
劇伴がほとんど無かったのもよかったです。
そして最近のオダギリジョーさん出演作は殆ど外れがないと思います。
9位のハルチカは角川映画です。
あとで銀魂で爆発することになる橋本環奈さんのホップ・ステップ的な作品になったんじゃないかと思います。
映画もちょっと変わってましたし、吹奏楽部の固定カメラの長回しシーンは今年ベストな気がします。
ちなみに2位と9位に小出恵介さんがいますが他意はありません。
ベストテン以下では『RE:BORN リボーン』『チア☆ダン〜女子高生がチアダンスで全米制覇しちゃったホントの話〜』『帝一の國』『君の膵臓をたべたい』あたりもよかったです。
洋画(123作品)
1位:ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス(監督:ジェームズ・ガン)
2位:ネオン・デーモン(監督:ニコラス・ウィンディング・レフン)
3位:パターソン(監督:ジム・ジャームッシュ)
4位:わたしは、ダニエル・ブレイク(監督:ケン・ローチ)
5位:ダンケルク(監督:クリストファー・ノーラン)
6位:ヒトラーへの285枚の葉書(監督:ヴァンサン・ペレーズ)
7位:ザ・コンサルタント(監督:ギャヴィン・オコナー)
8位:ハクソー・リッジ(監督:メル・ギブソン)
9位:はじまりへの旅(監督:マット・ロス)
10位:ジェーン・ドウの解剖(監督:アンドレ・ウーヴレダル)
今年の洋画は豊作で絞るのに苦労しましたが4位まではほぼ同率1位みたいな感じです。
1位のガーディアンズ・オブ・ギャラクシーは、もうこのシリーズ大好きなので見る前から1位だったという(笑)そんな感じです。
2位のネオンデーモンは2017年1月の公開で今年最初の方に見たんですけどインパクトが凄かったですね。
ビジュアル的にも好きでしたし、エル・ファニングは凄い美人て訳ではないんですけど、引き込まれる魅力がありますね。
3位のパターソンは市営バスの運転手で名もない詩人のルーティーンのような一週間を淡々と描いただけなんですけど面白かったです。
4位のダニエル・ブレイクはイギリスの社会保障問題を扱ったもので胸が締め付けられました。
この3位と4位はおそらくそんなに予算掛かってないと思うんですよね。
邦画でもまんまリメイクできる話で、こういう映画が邦画で出来なかったのが残念に思いました。
5位のクリストファー・ノーラン監督は天才としかいいようが無いですね。キューブリック級だと思います。
6位のヒトラーへの285枚の葉書は、ブレンダン・グリーソンとエマ・トンプソンの演技が非常によくて個人的には最優秀主演男優賞・女優賞をあげたい感じです。監督のヴァンサン・ペレーズの思いが詰まった映画だと思います。
7位のザ・コンサルタントは脚本が面白かったですね。日本だと「ATARU」になっちゃうんですけど、本作はリアリティがありました。
8位のハクソー・リッジはメル・ギブソン監督作を何で今まで見なかったんだろ?と思いました。戦闘シーンが凄まじかったですね。
9位のはじまりへの旅は、とにかく子役たちがよかったです。
10位のジェーン・ドウの解剖は、ホラーから1本入れとこうと思いまして、ホラーでは今年一番これが面白かったです。
他にも『ノクターナル・アニマルズ』『女神の見えざる手』『哭声/コクソン』『マリアンヌ』『アイヒマンを追え! ナチスがもっとも畏れた男』などなど上げればキリが無いんでこの辺にしたいと思います。
2018年の公開作も楽しみです。
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