パターソン 評価と感想/何も起きないのにめちゃめちゃ面白い

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平凡な日常の中にある小さな幸せが愛しい ☆5点

第69回(2016年)カンヌ国際映画祭パルム・ドッグ賞受賞作品で監督はジム・ジャームッシュ。
詩を綴るバス運転手の一週間を描く。主演はアダム・ドライバー、共演にゴルシフテ・ファラハニと永瀬正敏

予告編

映画データ

(シネマトゥデイ)

映画『パターソン』の作品情報:『ブロークン・フラワーズ』などのジム・ジャームッシュが監督を務め、『沈黙 −サイレンス−』などのアダム・ドライヴァーが主人公を演じたドラマ。詩をつづるバスの運転手の日常を映し出す。
(ぴあ映画生活)
『パターソン』は2016年の映画。『パターソン』に対するみんなの評価やクチコミ情報、映画館の上映スケジュール、フォトギャラリーや動画クリップなどを紹介しています。
本作は2017年8月26日(土)公開で全国で20館くらいでの上映です。

本作の予告編は映画館で見たことが無く、全くのノーマークでした。
いつものようにヤフー映画の公開カレンダーでチェックしていたところ、以前から観ようと思っていた『エル ELLE』や『ワンダーウーマン』『関ヶ原』と同じ週の公開でジム・ジャームッシュ監督作品かぁ、と思いながらも手が伸びないでいましたが、同じ週の公開では本作と『ボブという名の猫 幸せのハイタッチ』の評判がよさそうだったので、先にボブを観て本作は3週目も終わるというタイミングで観てまいりました。

監督はジム・ジャームッシュ
映画館で作品を観るのは初めてですね。
映画をよく見始めた頃、オシャレ系の監督として認識はしていましたが、『ストレンジャー・ザン・パラダイス』と『ダウン・バイ・ロー』は白黒映画なのでビデオでも手が伸びず、『ミステリー・トレイン』が永瀬正敏さんと工藤夕貴さんなので、やっとこさ観た感じなんですが、もう内容は忘れました。
その後も殆ど作品は見てなくて、レンタルで『コーヒー&シガレッツ』を見たのが最後ですね。
(アマゾンプライム会員だと無料で見れるみたいです)

主演はアダム・ドライバー
近作は『インサイド・ルーウィン・デイヴィス 名もなき男の歌』『ヤング・アダルト・ニューヨーク』『沈黙 -サイレンス-』を観てます。

あらすじや予告のイメージと違った  ☆3.5点 予告編映画データ劇場の予告編を何回か見てまして『LIFE!』でのベ...
共演にゴルシフテ・ファラハニ
イラン出身の女優さんで初めましてです。
セールスマン』のアスガー・ファルハディ監督のベルリン映画祭受賞作『彼女が消えた浜辺』に主演されてます。

共演に永瀬正敏
近作は『まほろ駅前狂騒曲』『後妻業の女』『』を観てます。
ジム・ジャームッシュ作品はミステリー・トレイン以来の出演となります。

他に共演と配役は以下の通りです。

パターソン役: アダム・ドライバー
ローラ役: ゴルシフテ・ファラハニ
ドク役: バリー・シャバカ・ヘンリー
メソッド・マン役: クリフ・スミス
マリー役: チャステン・ハーモン
エヴェレット役: ウィリアム・ジャクソン・ハーパー
日本の詩人役: 永瀬正敏
マーヴィン: ネリー(ブルドッグ犬)

あらすじ

ニュージャージー州パターソンに住むバス運転手のパターソン(アダム・ドライバー)。彼の1日は朝、隣に眠る妻ローラ(ゴルシフテ・ファラハニ)にキスをして始まる。いつものように仕事に向かい、乗務をこなす中で、心に芽生える詩を秘密のノートに書きとめていく。帰宅して妻と夕食を取り、愛犬マーヴィンと夜の散歩。バーへ立ち寄り、1杯だけ飲んで帰宅しローラの隣で眠りにつく。そんな一見変わりのない毎日。パターソンの日々を、ユニークな人々との交流と、思いがけない出会いと共に描く、ユーモアと優しさに溢れた7日間の物語。

公式サイトより引用)

ネタバレ感想

ニュージャージー州のパターソン市営バスの運転手であるパターソンの、詩とともに生活する、ある一週間のお話です。

映画だとのどかな地方都市って感じに見えるんですけど、ニューヨークから30~40kmしか離れてないんですね。

『パターソン』(ジム・ジャームッシュ監督 アダム・ドライバー)は、街の名前と同じ名前を持つ男性、パターソンとその妻ローラ、そして相棒のブルドッグ、マーヴィン。2人と1匹の1週間を描いた映画です。
あらすじは上に出てる感じなんですけど、6時30分ではやや遅い感じで6時~6時15分くらいの間に枕元に置いた腕時計で目覚めます。
奥さんは寝てるので腕とか肩にキスするんですけど、そうすると目が覚めて見た夢の話をパターソンにするんですね。
物語は月曜日の朝から始まるんですが、双子が産まれた夢を見た話をするので、それからのパターソンの一週間にはバスの中や街中でよく双子が登場するのでニヤリとするところです。

パターソンは朝食はキッチンで1人で摂ります。
奥さんがまだ寝てるので、ケロッグのコーンフレークみたいので丸いやつを食べてます。
今のだとココくんのチョコワのチョコがかかってないみたいなやつで昔のシュガ―ポンみたいなのを牛乳に浸して食べてます。

食べてる間も詩のこと考えてますね。
パターソンはマッチを集めてて、最近お気に入りの「オハイオ印のブルーチップのマッチ」について詩にしようとしています。

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会社までは歩いて行きます。
どのくらいの距離かは分かりませんが、会社に行くまでのちょっとした道のりでも、景色というか街並みというか味わいがあって画になります。

バスの準備が出来て出発するまでの間も運転席で詩を書いてます。
配車係の人が来て「大丈夫?」って聞かれるとパターソンは「大丈夫」って返し、配車係の人に「調子はどう?」って尋ねると配車係の人が「最悪」と言って家庭での愚痴をこぼすのが日課になってます。

バスの運転中はちょっと詩のこと考えたり(もちろん安全運転です)、お客さんの会話聞いて微笑んだりしながら過ごします。
バスのフロントガラスを写す映像も綺麗です。

お昼休みは奥さんが作ってくれたサンドイッチのお弁当を食べながら詩を書いてます。

(奥さんいつ弁当作ってくれたんだろ?7時くらいに起きてくるのかな。描かれてないのでちょっと分からないんですけどね)

それにしても何回も「オハイオ印のブルーチップ」って繰り返されるんで可笑しくって可笑しくって。
いや、マッチ箱一つであんなに語れるなんて凄いなと(笑)
豊富な語彙力が無いと無理なんですけど、日常の中のちょっとした気づきを掘り下げて言葉にして綴るだけで、あんな素敵な詩が出来なんて素晴らしいと思いました。

英語も難しい英語使ってないんですよね。
センテンスも短いですし、韻を踏んだりしてるから心地いいんです。

パターソンは夕方には帰ってきます。
何時くらいだろ?5時過ぎくらいかな。
帰ってくると郵便受け見るんですが、それがいつも傾いているので直すんですね。

奥さんはパターソンが帰ってくると「どうだった?」って聞くんですが、まぁ特に何もないんで「いつもと変わらないよ」って答えてます。
パターソンは帰ってくると半地下のガレージで詩を書いてます。

奥さんは日中、カーテン作ったり、洋服作ったり、壁塗ったりしてます。
草間彌生さんのデザインみたいで丸がモチーフになってます。
あんなビビットな色使いじゃなくて白黒ですけど。
時々、市場のバザーみたいのでカップケーキ作ったのを出していて、それが好評なことからカップケーキ屋さんをやろうかなと言ってますが、火曜日にはユーチューブの通販番組見てたらギター欲しくなって、自分がデザインした服着てカントリー歌手になるのが夢だって言ってるんで、面白い奥さんです。

奥さんはパターソンの詩の才能を理解していて、秘密のノートに書き留めてるだけのパターソンの詩を勿体ないと言ってます。
パターソンは奥さんにも自分の詩をそんなに見せてない感じでしたが、奥さんはパターソンの詩が広く社会に知られるべきと思ってます。
とりあえずノート失くしたら終わりなのでコピーとりましょうと勧めてて、ようやく週末にコピーをとることになります。

夕食を食べるシーンは木曜日だけだったかな。
奥さん手作りのパイで芽キャベツとチーズが入ってるやつ。
芽キャベツとチーズがパターソンの好物らしいです。

夕食のあとはパターソンがブルドッグのマーヴィンを散歩に連れてくのが日課ですが、どうも見てると奥さんの犬って感じなんですよね。
奥さんがマーヴィンに赤ちゃん言葉使って「パパに散歩連れてってもらいましょうね」とか言って、それをパターソンが無表情気味な顔で聞いてるって画が可笑しくって。

パターソンは散歩の途中でバーに寄るのも日課です。
バーの外壁にリードを繋げるとマーヴィンは大人しくしてるんですが、盗まれるんじゃないかな?と心配になりますが、その心配はちゃんと火曜日の夜に注意されます。

火曜日の夜、マーヴィンと散歩してるとオープンカーに乗った黒人の若者たちから、その犬高いんじゃないの?と声をかけられます。
パターソンはエサが高いと答えますが、若者たちは気を付けた方がいい、ワンジャックされるって言って去っていきます。
まあそれでもパターソンはそのあとバーに寄るんですけどね。
実際の街の治安がどれくらい悪いのかは分かりませんが、この映画では悪い人は出てこなくて、それがこの映画の心地いいところでもあります。

パターソンはバーではビール中ジョッキを1杯飲むだけなんですが、マスターのドクとのやり取りだったり、バーで顔見知りのエヴェレットとマリーの間のストーカー問題とかが描かれます。
マスターとの会話ではパターソン出身の有名人の話をしていて、マスターは雑誌の切り抜きを集めてて、この人は殿堂入りとか言って壁に貼ってるのが面白かったです。
「アボットとコステロ」のルウ・コステロがパターソン出身らしく、一塁手は誰だ?のネタもあります。

基本バーのシーンで1日が終わり、また翌朝が描かれます。

オハイオ印のブルーチップの詩は火曜日に出来たんじゃないかな。
火曜日はパターソンが帰ってくるとギターを買ってもいいかとおねだりされます(たったの200ドルで教則DVDも付いてくる!)
注文して2日で届くとのことで、水曜日に注文して金曜日に届きます。

火水木は特に何も起きないかな。
犬と夜散歩してたらコインランドリーから黒人青年の歌うラップが聞こえて、そのリリックがよくて褒めたり、会社から帰るときにパターソンと同じように秘密のノートに詩を書いてる少女に出会ったりして、市井の名もない詩を愛する人たちが描かれます。

金曜日はわりと事件というか、いつもと違います。
まず奥さんが土曜日に市場でカップケーキ販売なのでパターソンが起きる前から準備してます。
仕事ではバスが故障してお客さんを他のバスに乗り換えさせることになります。
(パターソンはスマホや携帯を持ってなく乗客からスマホを借りて営業所に電話してた)
なのでいつもよりちょっと残業で帰りが遅くなります。
郵便受けを傾けているやつの正体も分かって、パターソンが日中仕事してる間にマーヴィンが家の外に出てきて鼻で押してるっていう(笑)

パターソンが帰ってくると奥さんは今日は少し遅かったねと言い、バスが故障したことを伝えるととても心配されました。
夕食はカップケーキの準備でキッチンが使えないのでピザのデリバリーをとります。

バーではマリーにフラれたエヴェレットが自暴自棄になってピストルで立て籠もり事件を起こしそうになります。
パターソンは自分でも信じられないような柔術的な動きでピストルを叩き落とすとエヴェレットを取り押さえますが、ピストルはおもちゃでした。

土曜日は仕事休みです。
奥さんの焼き終わったカップケーキを車に運ぶのを手伝うと、あとはお家でのんびりです。
マーヴィンを散歩に連れてこうとするといつもとは反対の方に行きたがります。

夕方、奥さんが帰ってくると大喜びしてます。
カップケーキが全部売れて売り上げが286ドルだったと。
自分へのご褒美とお祝いを兼ねて2人で外で食事して映画を観に行くことにします。
名画座のようなところで観た映画はベラ・ルゴシの『獣人島』モロー博士の島です。

奥さんは「私、白黒のホラー映画大好き」とか言って楽しそうな感じです。
その映画館では翌週は『アボットとコステロの凸凹フランケンシュタインの巻』を上映します。
2人は観終えると、出てきた女優キャスリーン・バークが奥さん(ローラ)に似てたね、なんて話ながら気持ちよく帰ってきます。
毎週2人で映画館行きたいねとパターソンが言います。

帰ってくると事件が起きてます。
パターソンの秘密のノートがズタズタになってました。
それこそシュレッダーかけたみたいに。
犯人はマーヴィンでした。
いつもはガレージに置いておくノートですが、その日は映画に出かけるときにうっかりソファに置きっ放しにしてしまったのでした。
落ち込むパターソンに謝る奥さん。
マーヴィンは怒られてガレージに入れられます。

このシーンもパターソン可哀想なんですが、可笑しくって可笑しくって。
もうありえないくらいにズタズタで、奥さんが全部集めといてくれて、あとでパズルみたいに復元できるかな?なんて言ってます。
コンピューターで。

日曜日、奥さんが起きてくるとパターソンは起きていてガレージに入れてたはずのマーヴィンもいます。
奥さんがガレージに戻そうとすると、パターソンが出したと言います。
奥さんはどうしてほしい、1人になりたかったら出ていこうか?と聞きますが、逆にパターソンが1人になると言って散歩しに行きます。

街の名所であるグレートフォールズが見渡せる公園のベンチに座ってると、日本人が座ってもいいかと声をかけてきます。

そして詩人のウィリアム・カーロス・ウィリアムズを知ってるかと聞いてきます。
パターソンが知っていると答えると日本人は聖地巡礼に来たことを伝えます。

パターソンは少女にしても、この日本人にしても自分で詩を書いてることは言わないんですが、当然、知識はあるので話が合います。
日本人も日本語で詩を書いてると言い、翻訳することはしないと言います。
レインコートを着てシャワーを浴びるようなものだと。
日本人はお土産と言って、新しいノートをくれます。

なんか、このシーンはジーンときましたね。
パターソンももちろんウィリアム・カーロス・ウィリアムズが好きで奥さんに読んであげたりしてるんですが、ここでもこうやって名もない市井の日本人の詩人と繋がって詩の話が出来るって素敵だなと思いました。
パターソンがバスの運転手をしてると言うと、詩的だと言われます。
ウィリアム・カーロス・ウィリアムズは町医者でした。

なんか永瀬さんが3回くらい「A-ha」って言うんですけど、日本人には何のA-haか分からないんですけど、パルムの寺尾聰さんみたいなものかな?

ワーオ

日本人が明日帰る、会えてよかったっていうと、パターソンは東京に帰るの?って聞きます。
大阪って答えると、ごめん、そう言おうと思ったって言います。
何で大阪なんだろう(笑)
河瀨組の奈良の撮影に合流するからかしら?

このあとはパターソンが詩を読んで、また月曜の朝を迎えて映画は終わります。

映画はですね、カンヌでパルムドック賞を受賞したマーヴィンを演じたブルドッグ犬ネリーがめちゃめちゃ可愛いくて癒されましたね。

今年の受賞犬は、ジム・ジャームッシュ監督の『パターソン』に出演したブルドッグのネリー(Nellie, イングリッシュ・ブルドッグ、2016.03死去)が受賞。
公開する前に亡くなったみたいでエンドロールで追悼してました

自分は詩に対する知識は全くないので映画中に出てくる名前、エミリ・ディキンスン、フランク・オハラ、アレン・ギンズバーグ、もちろんウィリアム・カーロス・ウィリアムズも知らなかったんですが、ウィリアムズは日本人と書簡を交わしてたそうで、そういう設定が映画に反映されてるんですね。

 大きな事件など、起こらない。ジム・ジャームッシュ監督の新作「パターソン」(ロングライド配給)は、アメリカのニュージャージー州の町パターソンに住む、バスの運転…
映画の中でパターソンが奥さんにウィリアムズの詩を読んであげるんですが、それが冷蔵庫の中にあった物を食べちゃってごめんね、っていう詩で可笑しくて(笑)
このblogでは、日々の雑感や考えたことをマイペースに綴っていこうと思います。コメント大歓迎ですので、もし良かったらぜひ何か書き残していってくださいね。
それで何か聞いたことあるなぁと思ったらアントニオ猪木さんの「冷蔵庫の納豆食べちゃってごめんね」と同じなんですね。
猪木さんウィリアムズの詩集読んでるんですね。
教養って大事だなと思いました。

今年は邦画では詩集を映画にした『映画 夜空はいつでも最高密度の青色だ』がありました。
笑えるシーンもあって面白い ☆5点 2007年に当時女性では最年少で中原中也賞を受賞した最果タヒさんによる2016年に出版された第四詩集を、『舟を編む』で第37回(2014年)日本アカデミー賞の作品賞をはじめ6冠に輝いた石井裕也監督によって映画化した作品です。
詩には特に興味はないんですけど、何故か心にスッと入ってくるんですよね。

そういえば、夜空の感想を読み返して思い出しましたが本作はジム・ジャームッシュ作品なのにタバコを吸うシーンがありませんでした。
『コーヒー&シガレッツ』のイメージが強かったんで意外でした。

バーのジャジーな雰囲気と音楽もよかったです。
奥さんが作るデザインとか、パターソンが読み上げる詩、マーヴィンの愛らしさが作り上げる雰囲気。

ジャームッシュ作品だからといってオシャレすぎて難しいということもなく、ホントに何も起こらない一週間なのに、とても面白い作品ですので激しくおススメいたします。
今後も全国で順次公開されるみたいですのでお近くに来たら必見です。

鑑賞データ

ヒューマントラストシネマ有楽町 TCGメンバーズ ハッピーフライデー 1000円
2017年 151作品目 累計161300円 1作品単価1068円

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