鑑賞後は肩で風を切って歩きたくなる ☆5点
『GANTZ』や『図書館戦争』シリーズでアクション監督を努めた下村勇二監督によるアクション映画。
主演は2013年に俳優業を引退した坂口拓がTAK∴と名を改め復帰。共演に斎藤工
予告編
映画データ
何やらアクションが凄いらしいと漏れ伝わって知った本作ですが、気づいたときには新宿武蔵野館での上映が終了し観れなかったのですが、シネマート新宿での復活上映で観ることが出来ました。
予告編は映画館でも見たことなくて、作品に関する知識も無くての鑑賞です。
監督は下村勇二さん
倉田アクションクラブ出身で、ドニー・イェンの元で仕事をしてきたようです。
アクション監督は近作に『プラチナデータ』や『アイアムアヒーロー』などがあります。
主演はTAK∴さん
主演作は見たことなかったんですが、アクション監督もされていて匠馬敏郎名義での『TOKYO TRIBE』『虎影』『リアル鬼ごっこ』などを観たことあります。
共演に斎藤工さん
近作は『虎影』『リアル鬼ごっこ』『団地』『無伴奏』『シン・ゴジラ』『SCOOP!』『昼顔』『蠱毒 ミートボールマシン』を観てます。
他に共演と配役は以下の通りです。
黒田敏郎: TAK∴
サチ: 近藤結良
真壁健二: 斎藤工
松本静香: 長谷部瞳
ニュート: 篠田麻里子
国防軍指揮官: 加藤雅也
ロック: いしだ壱成
ファントム: 大塚明夫
アビスウォーカー: 稲川良貴
マックス: 望月オーソン
マサル: 赤見賢太
キャスパー: 坂口茉琴
フォックス: 屋敷紘子
イーグル: 三元雅芸
角川義彦: 角田明彦
大人サチ: 武田梨奈(声の出演)
あらすじ
国防軍演習場で、特殊訓練に参加した部隊が全滅する事件が起こる。
それは対一兵対一個小隊という異常な状況を想定する「対ゴースト戦」と称された特殊訓練であった…。黒田敏郎(TAK∴)は石川県加賀市でコンビニの店員をしながら、少女サチ(近藤結良)と暮らしていた。
敏郎は時折自分の中で暴れだす破壊の衝動を押さえながら、日々を慎ましく、一見安穏な日々送っている。しかし、彼らがひっそりと暮らす田舎町で、不可解な殺人事件がおこる。
それは、ファントムと呼ばれる謎の男(大塚明夫)からの、敏郎に対する警告だった。 敏郎はかって最強と言われた特殊傭兵部隊に属しながら、自らの手で部隊を壊滅させた。 ただひとり、自分をかばって重症を負った健二(斎藤工)と、指揮官であったファントムを残して… ファントムは敏郎を処刑するため、特殊部隊を引き連れて追ってきたのだった。 敏郎は、送られてくる暗殺者を密かに始末しながら、逃げるでもなく、少人数で決戦の準備を始める。
その無謀な戦いの果てに見る、未来のために・・・。(公式サイトより引用)
ネタバレ感想
まず、キャストやスタッフの方の出発点となっている2001年の映画『VERSUS』は見たことありません。
そこから皆さん様々な映画のアクションに携われるわけですが、そこで出会ったのが稲川義貴さんが生み出された「ゼロレンジ・コンバット・システム」で本作はそのアクションがメインの作品になります。
「ゼロレンジ・コンバット・システム」というのは知らなかったんですが、昨年公開された『HiGH&LOW THE RED RAIN』で取り入れられ、かなりメジャーになったようです。
そしてこのときのアクション監督が匠馬敏郎さんになります。
冒頭はこのゼロレンジコンバットを使うゴーストに国防軍が全滅させられます。
加藤雅也さん演じる国防軍指揮官もいつの間にか背後をとられて殺されます。
このゴーストというのは誰も姿を見たことが無い(見たら殺されてるから)伝説の傭兵で、長年に亘り語り継がれていることから一人の人物では無いと思われてます。
場面は変わって石川県加賀市。
コンビニ経営している黒田敏郎とサチの慎ましい生活の描写はコミカルに描かれてます。
元傭兵と少女の組み合わせは『レオン』を彷彿とさせます。
隣町の喫茶店で不可解な殺人事件が起こると、黒田も命を狙われ始めます。
いしだ壱成さん演じるロックには街中でビジネスバッグに仕込んだサイレンサー付きの銃で狙われます。
通行人は全く気付かず。
武器を持ってない黒田は通行人に隠れて近づくと、ボールペンで喉を突き刺して殺します。
篠田麻里子さん演じるニュートには電話ボックスの中で襲われますが、受話器のコードで首を絞めて首を折って殺します。
ファントムにサチを誘拐されると、黒田は敵地に乗り込みます。
このとき車椅子生活(下半身不随)になった元相棒の真壁が弟子2人を付けてくれます。
森の中の敵地に乗り込んでからは40分に亘るアクションで3人対200人になります。
森の中の敵を倒して、建物の中に入るとアビスウォーカーとの対決になります。
アビスウォーカーを倒すとファントムとの対決になります。
ファントムが黒田を狙ったのは、黒田が傭兵部隊をやめるときにサチを連れ去ったからでした。
ファントムは各地から幼い子供を連れてきては洗脳し、素質のある者は傭兵マシーンに作り上げていました。
黒田が森の中で戦ったキャスパーもそうした子で、子供だと思った黒田は止めを刺しませんでした。
黒田がサチを連れ去ったのもそうした素質を見抜いたからで、サチには穏やかな生活をさせたかったのでした。
それまでの戦いで傷を負った黒田は死闘の末ファントムを倒すと、自らも力尽きて死んでしまいます。
ラストは砂浜
黒田に助け出されたサチは思い出の品を砂浜に埋めています。
遠くからはサチを見つめる視線。
その姿は死んだはずの黒田のように見えます。
RE:BORNのタイトルが出て、エンドロールが流れて映画は終わります。
最近の映画では近接戦での射撃スタイルC.A.Rシステムが取り入れられた『ジョン・ウィック』のアクションが話題になりましたが、本作のゼロレンジコンバットはその銃も無い場合の戦い方になります。
ゼロレンジコンバットではボクシングのウィービングのように常に上体を揺らしてたので、酔拳ならぬユラユラ拳だと思いました。
それから戦いにおいては緊張してると死ぬと言ってて、肩甲骨周辺をぐにゃぐにゃさせてたのも特徴的でしたが、下の記事を読むとゼロレンジコンバットを習得するにあたり、半年間、肩甲骨だけを回してたそうです。
(もうベスト・キッドのペンキ塗りとかワックスがけみたいだな)
それで上の記事読むと『ジョン・ウィック』のC.A.Rシステムでさえ3年前の最新ということが書いてあって凄いんですけど、もう出てる人たちがリアルグラップラー刃牙(読んだことないですけど)みたいな人たちばかりなんで、凡人には理解が及ばなくてただただ凄いの一言であります。
上の記事や劇中でも見えない戦争ということが語られてますが、有名俳優が出演している大作映画のアクションにはこうした裏方の人たちのアイデアがあるわけで、本作はいわば「見えないアクション」が凝縮されてる映画だと思います。
12月にDVDの発売が決まってるようですが、京都シネマでは2017年10月21日から、福岡のユナイテッド・シネマ キャナルシティ13では 2017年10月27日から、横浜のシネマ・ジャック&ベティでは2017年11月4日から公開されるようですので、近くの方は是非劇場に足を運ばれることをおススメいたします。
鑑賞データ
シネマート新宿 TCGメンバーズ ハッピーフライデー 1000円
2017年 161作品目 累計172300円 1作品単価1070円
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