サノスの正義を描く ☆4点
マーベル・シネマティック・ユニバースの第19弾で『アベンジャーズ』シリーズの3作目。
監督はアンソニー・ルッソとジョー・ルッソのルッソ兄弟、出演はロバート・ダウニー・Jr、クリス・エヴァンス、クリス・ヘムズワース、マーク・ラファロ、スカーレット・ヨハンソン
予告編
映画データ
本作は2018年4月27日(金)公開で、全国363館での公開です。
予告編は『ブラックパンサー』に比べると、劇場でかかりだしたのが3月に入ってからなので、この大作にしてはそれほど目にしなかった気がします。
どうやら公式の方も徹底してネタバレしないように努めてたそうで、事前に明かせる手は少なかったのだと思います。
日本版ポスターには「アベンジャーズ、全滅。」って書いてありますけど…。
監督はルッソ兄弟
近作は『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』を観てます。
出演にロバート・ダウニー・Jr
近作は『シェフ 三ツ星フードトラック始めました』『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』『スパイダーマン:ホームカミング』を観てます。
出演にクリス・ヘムズワース
近作は『キャビン』『ラッシュ/プライドと友情』『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』『ゴーストバスターズ(2016)』『マイティ・ソー バトルロイヤル』を観てます。
出演にマーク・ラファロ
近作は『フォックスキャッチャー』『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』『スポットライト 世紀のスクープ』『マイティ・ソー バトルロイヤル』を観てます。
出演にクリス・エヴァンス
近作は『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』『gifted/ギフテッド』を観てます。
出演にスカーレット・ヨハンソン
近作は『ヒッチコック』『her/世界でひとつの彼女(声の出演)』『シェフ 三ツ星フードトラック始めました』『LUCY/ルーシー』『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』『ヘイル、シーザー!』『ジャングル・ブック』『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』『SING/シング(声の出演)』『ゴースト・イン・ザ・シェル』を観てます。
他に共演と配役は以下の通りです。
トニー・スターク/アイアンマン: ロバート・ダウニー・Jr
ソー: クリス・ヘムズワース
ブルース・バナー/ハルク: マーク・ラファロ
スティーブ・ロジャース/キャプテン・アメリカ: クリス・エヴァンス
ナターシャ・ロマノフ/ブラック・ウィドウ: スカーレット・ヨハンソン
ジェームズ・ローズ/ウォーマシン: ドン・チードル
ヴィジョン: ポール・ベタニー
ワンダ・マキシモフ/スカーレット・ウィッチ: エリザベス・オルセン
スティーヴン・ストレンジ/ドクター・ストレンジ: ベネディクト・カンバーバッチ
ピーター・パーカー/スパイダーマン: トム・ホランド
ティ・チャラ/ブラックパンサー: チャドウィック・ボーズマン
ピーター・クイル/スター・ロード: クリス・プラット
ガモーラ: ゾーイ・サルダナ
ドラックス: デイヴ・バウティスタ
ロケット: ブラッドリー・クーパー(声の出演)
グルート:ヴィン・ディーゼル(声の出演)
ロキ: トム・ヒドルストン
サノス: ジョシュ・ブローリン
あらすじ
6つすべてを手に入れると世界を滅ぼす無限大の力を得るインフィニティ・ストーン。その究極の力を秘めた石を狙う“最凶”にして最悪の敵<ラスボス>サノスを倒すため、アイアンマン、キャプテン・アメリカ、スパイダーマンら最強ヒーローチーム“アベンジャーズ”が集結。人類の命運をかけた壮絶なバトルの幕が開ける。果たして、彼らは人類を救えるのか?
(公式サイトより引用)
ネタバレ感想
まずは記録ずくめのオープニング興収めでたいですね。
日本では金・土・日・月(祝)の4日間興収が12億6千万円ですので、『アベンジャーズ』の36.1億円、『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』の32.1億円は超えてきそうな感じです。
さて本作は、まずマーベルのオープニング曲からして、いつもの威勢のいいファンファーレではなく、レクイエムみたいな感じで物々しいスタートです。
それもそのはずで、今回の敵は公式サイトなどでも謳われてるように、最凶最悪のラスボスであるサノスです。
サノスは今までの作品では『アベンジャーズ』と『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』のエンドクレジットで少しと、『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』でわりとしっかりと出てくるので、この3作品を見てる前提での登場の仕方だと思います。
と言いますのも、サノスは初っ端から登場して、人気キャラクターであるロキを殺してしまいます。
そしてサノスの目的が「6個あるインフィニティ・ストーンを全て手に入れる」ということが明らかになります。
宇宙誕生以前に存在した6つの特異点が、大爆発によって宇宙が生まれた時に残骸となり、6つのエネルギーの結晶へと姿を変えたもの。
ブルー(空間)、レッド(現実)、パープル(力)、イエロー(精神)、グリーン(時間)、オレンジ(魂)色に輝く6つの結晶は、それぞれが異なるパワーを秘めている。
インフィニティ・ストーンを意のままに操れるのは、並外れた力を持つ者のみ。6つすべてが揃うと、指をパチンと鳴らすだけで、全宇宙の半分の生命を滅ぼすほどの力を手に入れられるという。
(公式サイトより引用)
そして、最終的にサノスは、予告編にもある通り、6個揃ったら指パッチンして「全宇宙の生命を半分に減らす」ことを目標にしています。
理由としては人口が増え過ぎたってやつで、『キングスマン』のヴァレンタインだったり、『インフェルノ』のゾブリストだったりと同じです。
まずロキが殺されたのはスペース・ストーンを持ってたからで、『アベンジャーズ』では四次元キューブと言われてたものです。
そしてサノスは既にパワー・ストーンを持っていて、この時点で2つ獲得してます。
この場にはソーとハルクがいて、ハルクは地球に転送され助かりましたが、ソーは宇宙船もろとも爆破されてしまいます。
ハルクの転送先はドクター・ストレンジのところで、サノスが地球に2つあるインフィニティ・ストーンを狙ってることを告げます。
1つはドクター・ストレンジが持ってる「アガモットの目」という首飾りで、タイム・ストーンが埋め込まれています。
もう1つはヴィジョンの額に埋め込まれてるマインド・ストーンですが、ハルクとドクター・ストレンジではヴィジョンの居場所を知らなからなかったので、アイアンマンに連絡します。
するとアイアンマンはヴィジョンが行方不明になってしまったと言います。
そうこうしてるうちにサノスの手下が、ドクター・ストレンジのタイム・ストーンを狙って地球にやってきます。
ドクター・ストレンジとアイアンマン、そして宇宙船が飛来したのを察知して駆け付けたスパイダーマンで阻止しようとします。
ブルース・バナーはハルクに変身出来なかったため退避します。
しかし抵抗空しくドクター・ストレンジは拉致されてしまいます。
アイアンマンとスパイダーマンは宇宙船に潜り込んで救出の機会を伺います。
一方、宇宙航行していたガーディアンズの面々は、ソーやロキのアスガルドの民の救助信号を受信して駆け付けますが、そこは宇宙墓場のようになっていました。
しかし宇宙船のフロントガラスにぶつかった男が宇宙にいたのに僅かに息をしていたため回収し、手当てをすると息を吹き返します。
息を吹き返したのはソーで、ソーは目が覚めるとガーディアンズたちをサノスの手下と勘違いして攻撃しようとしますが、サノスにインフィニティ・ストーンを奪われたことを話すと、ガーディアンズとも共通の敵ということで手を結びます。
ソーによるとリアリティ・ストーンは惑星ノーウェアにありますが、サノスとの戦いでムジョルニアを失ったため、サノスを倒す新たな武器も必要と言います。
なので二手に分かれ、ガーディアンズからはスターロードとガモーラとドラックスとマンティスが惑星ノーウェアに向かい、ソーとロケットとグルートが武器を作る惑星ニダベリアに向かいます。
舞台は再び地球に戻り、スコットランドです。
アイアンマンが行方不明と言っていたヴィジョンはスカーレット・ウィッチと一緒にいます。
しかし、ここにもサノスの手下たちがやって来てマインド・ストーンが狙われます。
すると、間一髪のところでキャプテン・アメリカとブラック・ウィドウとファルコンが現れ、ピンチを脱します。
ヴィジョンの額にマインド・ストーンがある限り狙われると考えたキャプテン・アメリカは、額からマインド・ストーンを取り出し粉砕するために、それが可能なブラックパンサーがいるワカンダに向かいます。
ドクター・ストレンジ救出の機会を窺っていたアイアンマンたちは、サノスの手下を宇宙船外に放り出すことに成功すると、宇宙船の目的地でサノスの故郷のタイタンで待ち伏せすることにします。
惑星ノーウェアに着いたスターロードたちはコレクターに接触しますがリアリティ・ストーンは奪われた後でした。
しかもガモーラを狙って待ち伏せていたサノスにガモーラを拉致されてしまいます。
理由は、サノスは以前、ガモーラにソウル・ストーンの行方を探させていましたが、結果は行方不明と報告していたからでした。
サノスはガモーラがソウル・ストーンの在り処を知っていると読んでいました。
すでに捕まえていた、ガモーラの義妹のネビュラの拷問を見せつけて、ガモーラの口を割らせます。
ガモーラからソウル・ストーンの在り処が惑星ヴォーミアと聞いたサノスはガモーラを連れて向かいます。
2人が惑星ヴォーミアに着くと待っていたのはレッドスカルでした。
レッドスカルは「ソウル・ストーンを手に入れるには愛する者を失わなければならない」と言います。
ガモーラはサノスが愛など持ち合わせて無いと考え、ソウル・ストーンは手に入れられないと勝ち誇りましたが、サノスは神妙な顔つきをします。
サノスはサノスなりにガモーラに愛情を注いでいたのでした。
サノスはガモーラを掴んで谷底に落とすと、ソウル・ストーンを手に入れます。
捕らえられていたネビュラは、サノスとガモーラが惑星ヴォーミアに向かってる間に脱走に成功すると、スターロードたちに連絡してサノスを待ち伏せするためタイタンに向かうように言います。
スターロードたちがタイタンに着くと、先にタイタンに着いていたアイアンマンたちと出会います。
またしてもサノスの手下と勘違いされたスターロードたちは、アイアンマンたちと一触即発になりますが、ソーを宇宙で回収したことを話すとアイアンマンたちがアベンジャーズだと認識し共に戦うことになります。
ドクター・ストレンジがサノスを倒す方法を探るために未来を見ると、1400万通りの中で勝ち筋は1つだけでした。
(将棋の藤井六段のようなドクター・ストレンジ)
サノスがタイム・ストーンを狙いにやってくると戦いが始まります。
アイアンマンたちはサノスを直接倒すのではなく、インフィニティ・ストーンが埋め込まれてサノスの左手に嵌められているインフィニティ・ガントレットを外しにかかります。
全員で協力し、あと少しで外れるところまで追い詰めますが、ガモーラを殺されたことを知ったスターロードが不用意に攻撃したため、サノスに反撃の機会を与えてしまいます。
サノスはアイアンマンに致命傷を与えると、とどめを刺そうとしますが、ドクター・ストレンジはアイアンマンの命と引き換えにタイム・ストーンを渡すのでした。
ワカンダに着いたキャプテン・アメリカたちは、早速ブラックパンサーの妹で天才科学者であるシュリにヴィジョンの額に付いているマインド・ストーンを外してもらおうとしますが、20兆ものプロテクトがかかってることから時間がかかると言われます。
そのうちにサノスの手下たちがマインド・ストーンを奪いに大量の兵士を引き連れ総攻撃をしかけてきます。
バリアに守られていたワカンダでしたが、兵士たちの自爆攻撃により、徐々に浸食されてくるとキャプテン・アメリカたちは劣勢に回ります。
ヴィジョンのそばについていたスカーレット・ウィッチも戦いに加わると劣勢を挽回しますが、ヴィジョンの警備が手薄になってしまいます。
惑星ニダベリアに着いたソーたちは、サノスがインフィニティ・ガントレットを作ったあとに破壊され、活動を停止していた惑星を再稼働させると最強の武器ストームブレイカーを手に入れワカンダに向かいます。
ソーたちがワカンダに現れると兵士たちを一網打尽にしますが、その隙にサノスの手下がヴィジョンの元に回り込むとマインド・ストーンの摘出手術は失敗します。
そしてタイム・ストーンを手に入れたサノスがワカンダにやってきます。
キャプテン・アメリカたちがサノスを必死に食い止める中、ヴィジョンはスカーレット・ウィッチに自身もろともマインド・ストーンを破壊するように依頼します。
覚悟を決めたスカーレット・ウィッチはヴィジョンもろともマインド・ストーンを破壊しますが、タイム・ストーンを得たサノスに時間を巻き戻されると、あっさりとマインド・ストーンも奪われインフィニティ・ストーンが6個揃ってしまいます。
ソーは最強の武器ストームブレイカーでサノスに致命傷を与えますが即死には至らなかったため、サノスは指パッチンして消えてしまいます。
するとサノスが言っていた「全宇宙の生命を半分にする」が実行されます。
ヒーローも一般人も、金持ちも貧乏人も無作為に選ばれて散り散りになって消えていくのでした。
映画は、どこかの美しい自然の惑星で夕日を眺めながら穏やかな表情を浮かべるサノスを映しエンドクレジットに入ります。
エンドクレジットでは、本作では登場しなかったニック・フューリーが現れますが、彼もまたどこかに送った救援信号を残して消えてしまい映画は終わります。
ヒーローたちがほぼ死んでしまうという衝撃の展開で終了した本作ですが、元々は2部作という予定もあったので、こういう展開になったのだと思います。
2部作だと普通は2か月後とか3か月後に後編が公開される訳ですが、1年後に公開予定の『アベンジャーズ4(仮題)』まで、観客たちは喪に服すという感じでしょうか。
本作では『アベンジャーズ4(仮題)』への伏線も多く残されてますよね。
まず生き残ったのが2012年公開の『アベンジャーズ』の面々だということ。
ハルクは冒頭の宇宙を除いて、1回も変身できなかったこと。
『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』以来の確執がある、アイアンマンとキャプテン・アメリカは、本作では宇宙と地球で戦っていて交わらなかったことなどです。
なので、本作単体ではカタルシスは低めではないですかね。
そのかわりきっと『アベンジャーズ4(仮題)』では涙ちょちょ切れるんじゃないかと思います。
それから本作では思いのほか、スーパーヴィランであるサノスにスポットが当たっていました。
単なる極悪非道な悪役という位置づけでは無く、サノスの言い分にも説得力があるものとなっていて、『ダークナイト』のジョーカーくらい存在感を示したんじゃないかと思います。
伊達にモーションキャプチャーと声でジョシュ・ブローリンを配した訳ではありませんでした。
とにかくヒーローたちの喪に服し、「1年後を待て」という作品だと思います。
鑑賞データ
TOHOシネマズ上野 ファーストデイ 1100円
2018年 71作品目 累計63600円 1作品単価896円
コメント