ヘイル、シーザー! 評価と感想/マッカーシズムとヘイズコード

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時代背景を知らないと難しいかも  ☆4点

予告編はこんな感じです


映画データはこちらからどうぞ
映画『ヘイル、シーザー!』の作品情報:オスカー常連のジョエル&イーサン・コーエン兄弟によるサスペンスコメディー。ハリウッド黄金期を舞台に、超大作映画の撮影中に誘拐された大スターを奪還すべく、スタジオに雇われた何でも屋による捜査を描く。
『ヘイル、シーザー!』は2016年の映画。『ヘイル、シーザー!』に対するみんなの評価やクチコミ情報、映画館の上映スケジュール、フォトギャラリーや動画クリップなどを紹介しています。
コーエン兄弟の新作です。

コーエン作品はコメディよりスリラーの方が好きなんですけど『ノーカントリー』以降はコメディが続いてる感じでしょうか?

黄金期のハリウッドの映画撮影所を舞台にしたお話で、日本だと三谷幸喜さんが撮りそうな作品です。

冒頭からナレーションが多いのと、膨大な台詞に数多くの登場人物で、これは自分には厳しいかなと思いましたが、なんとか話に付いていくことができました。

あらすじとしては、ジョシュ・ブローリン演じる映画撮影所のプロデューサーで、よろずトラブル処理係であるエディ・マニックスに振りかかる、トラブルの一日を描いたお話なんですけど、劇中映画や登場人物にはモデルがあるようなので、それを知ってれば楽しめるようですが、相当の映画通じゃないと厳しいかなと思います(自分は全く分かりませんでした)。

物語の時代背景としては1940年代のハリウッド黄金期が終わり、テレビの出現によって映画が斜陽産業になるんじゃないかと危惧されていた50年代のハリウッドで、テレビに負けないように娯楽大作が多く作られていた時代です。

また第二次世界大戦後の冷戦構造によりハリウッドでも赤狩りが横行していた時代で、物語の軸もこれを背景としていて、スタジオで撮影中の大作映画「ヘイルシーザー」の主演俳優ベアード(ジョージ・クルーニー)が誘拐されるという事件が中心になります。

でも誘拐事件と言っても深刻ではなくて、ハリウッドの脚本家たちが我々はヒット作を書いても正当な報酬をもらってなく映画会社から搾取されている。
富の不平等(資本主義ダメ)だからそれを取り返すんだと息巻いてて、誘拐されたベアードもその主張に感化されて誘拐に加担するというコメディタッチであります。

またスタジオで撮影中の映画の場面場面では、楽しいシーンがあって、アクションは得意だけど演技はド下手な西部劇俳優がドラマ物の大作映画の主演にさせられたり、スカーレット・ヨハンソン演じる人魚物映画の映像的美しさとか、『マジック・マイク』を彷彿とさせるチャニング・テイタム演じる水兵モノの映画の踊りのシーンとか見どころが散りばめられています。

エディが奔走するトラブルには、双子のゴシップ誌の映画ライター(この頃のライターは映画の興行成績に影響するほど力があったようです)が俳優と監督の同性愛(この頃はタブーだった)をスクープしようとするのを抑えたり(この辺は今年公開された『キャロル』とかに通じます)、スカヨハがシングルマザーになりそうなのを取り繕う工作をしたりしますが、この辺は、この時代のハリウッドにはヘイズ・コードという検閲制度があってすごく保守的だったのと関わっているようです。

他に描かれてるお話は、エディがロッキード社からスカウトを受けてて気持ちが揺れてるという話で、楽で給料がいい仕事(ロッキード)を取るか、辛くてなんだかよくわからないんだけども今の仕事(映画産業)を取るか選ぶ話で、結局は今の仕事を取るという、映画という魔物に取り憑かれた映画人の映画愛に溢れたお話でもありました。

TOHOシネマズ六本木 シネマイレージデイ 1400円
2016年 53作品目 累計62000円 1作品単価1170円

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