ユリゴコロ 評価と感想/私の心を満たしてくれるもの

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中盤までの展開は凄かった ☆4.5点

2012年の第14回大藪春彦賞や「このミステリーがすごい!」第5位になるなどした沼田まほかるの同名小説の映画化で監督は熊澤尚人。
主演に吉高由里子と松坂桃李、共演に松山ケンイチ

予告編

映画データ

(シネマトゥデイ)

映画『ユリゴコロ』の作品情報:第14回大藪春彦賞を受賞し、第9回本屋大賞にもノミネートされた沼田まほかるのミステリー小説を映画化。ある一家の父の書斎で見つかった殺人者の手記を入口に、殺人に取りつかれた女性の壮絶な人生を描く。監督を務めるのは、『近キョリ恋愛』などの熊澤尚人。
(ぴあ映画生活)
『ユリゴコロ』は2017年の映画。『ユリゴコロ』に対するみんなの評価やクチコミ情報、映画館の上映スケジュール、フォトギャラリーや動画クリップなどを紹介しています。
本作は2017年9月23日(土)公開で全国300館弱での公開です。
配給が東映と日活だったので、本作の予告編はあまり目にしませんでした。
普段行く映画館がどうしても東宝系と松竹系になるからなんですが、東映の配給でヒーロー物とアニメ物と相棒以外で300館規模はわりと珍しいんじゃないかと思います。

原作者の沼田まほかるさんは56歳でデビューした遅咲きの作家さんみたいですが知りませんで原作も未読です。
湊かなえさんや「殺人鬼フジコの衝動」の真梨幸子さんらと共にイヤミスの旗手と呼ばれてるそうですが、確かに似てると思います。

幸せへの渇望。愛への絶望。一家惨殺事件の生き残りの少女フジコ。お母さんみたいにはならない―いつしか幸せだけを追い求め殺人鬼となっていく…。50万部突破の大ベストセラー『殺人鬼フジコの衝動』がついに戦慄×狂気のドラマ化!2015年11月13日よりHulu×J:COMにて全6話一挙配信!
(Huluのフジコは面白かったです)

監督は熊澤尚人さん
実写版『ここさけ』で初めて知った監督さんですが、ここさけといい本作といい、なかなか上手い監督さんだと思いましたよ。

アニメ版を超えてきた ☆5点 「あの花」のスタッフにより2015年に劇場版オリジナルアニメとして公開された同名作品の実写映画化で監督は熊澤尚人。 W主演にSexy Zoneの中島健人と芳根京子。共演に石井杏奈と寛一郎
主演に吉高由里子さん
ドラマでは見てましたが映画は4年ぶりの出演ということで近作は劇場では見てないですね。

主演に松坂桃李さん
近作は『日本のいちばん長い日』『劇場版 MOZU』『人生の約束』『湯を沸かすほどの熱い愛』を観てます。

某恐竜映画なんかより、こっち見ないといけない ☆5点 予告編映画データ (シネマトゥデイ)(ぴあ映画生活)子供の...
共演に松山ケンイチさん
近作は『日本のいちばん長い日』『の・ようなもの のようなもの』『怒り』『聖の青春』『関ヶ原』を観てます。

他に共演と配役は以下の通りです。

美紗子: 吉高由里子
亮介: 松坂桃李
洋介: 松山ケンイチ
みつ子: 佐津川愛美
千絵: 清野菜名
若き日の美紗子: 清原果耶
細谷: 木村多江
父親: 貴山侑哉

あらすじ

カフェを営む亮介(松坂桃李)の日常はある日突然崩れ去った。男手ひとつで育ててくれた父親が余命わずかと診断され、結婚を控えていた千絵(清野菜名)はこつ然と姿を消してしまったのだ。新しい家族を作ろうとしていた矢先の出来事を受けとめきれない亮介は、実家の押し入れで一冊のノートと巡り会う。「ユリゴコロ」と書かれたそのノートに書かれていたのは、美紗子と名乗る女(吉高由里子)の手記。人を殺めることでしか自分の生きる世界と繋がることができない女性の衝撃的な告白だった。
そんな美紗子もやがて洋介(松山ケンイチ)と運命的な出会いをし、「愛」というこれまで知る由もなかった感情に触れることとなる。しかしそれはさらなる悲劇の幕開けにすぎなかった。
自らの失意の中、美紗子の人生の奥深くに触れていくにつれ、次第にその物語が創作だとは思えなくなる亮介。いったい誰が、何のためにこれを書いたのか。なぜ自分はこれほどまでにこの手記に惹かれるのか。そして機を待っていたかのように、千絵のかつての同僚だったという細谷(木村多江)が、千絵からの伝言を手に亮介の前に現れた……。

公式サイトより引用)

ネタバレ感想

序盤の展開はグイグイ引き込まれますね。
ペンション風のカフェを経営する亮介が千絵と車でお店に向かう描写。
突然、何かに取り憑かれたかのように、車のスピードをグングン上げて目がイッちゃってます。
これもう『日本のいちばん長い日』の畑中の狂気が垣間見れてワクワクします。
畑中少佐「”積極ハ如何ニ努メテモ猶ホ神ノ線ヨリ遠シ”であります!!!」

吉高さんは主役なのになかなか出てこないんですよね。
千絵が失踪して、亮介のお父さんがガンで余命宣告を受けて、親子の時間を頻繁に持つために亮介がちょくちょく実家に帰るようになると、お父さんの部屋の押し入れから「ユリゴコロ」と書かれた大学ノートを見つけます。

映画館で予告編を数回観たときは「ユリゴコロ」って「百合心」かと思ったんですが、そっちには転ばなくて(みつ子との描写でやや転んだか)、心の「拠り所」を幼い美紗子が聞き間違えてたというオチです。

美紗子のモデルってきっとタリウム少女や佐世保小6女児同級生殺害事件だと思うんですが、まぁ主人公はそういう感じです。

なかなか深イイと思いました ☆4点 (あらすじとかは映画.comさんでどぞ)タリウム少女の事件を通して、現代の様々なファク...
ノートには殺人の記録が克明に記されていて、小説なのか日記なのかも分からず亮介が読み始めると、やっと美紗子役の吉高さんが登場します。

小学生のときは同級生に結果的にカエルで驚かす形になって池へ足を滑らせると溺死させてしまいます。
このとき異様な興奮を覚えたことから殺人への衝動を募らせます。

2回目は中学生のときで、より積極的に加担します。
妹の帽子が風に飛ばされて側溝に落ちてるのを取ろうとしている兄に、通りかかった大学生が手を貸します。
大学生が側溝の重い鉄の蓋を持ち上げてるときに兄が手を伸ばして取ろうとするのですが、中学生の美紗子は手伝うふりして鉄の蓋を持つと下に押して殺します。

美紗子は高校を卒業するとなんとなく調理の専門学校に入り、リストカッターのみつ子と出会います。
いや、この、みつ子を演じる佐津川愛美さんの強烈なこと!
ヒメアノ~ル』でもいい味だしてましたが、本作ではリストカッターで拒食症で切るか吐くかっていう役です。
リストカット用マイナイフ4種を常備していて、その日の気分によって変えるっていう変態です。
美紗子から「リストカットはオナニーと同じ、我慢しなさい」とか言われて半べそかきます。
結局、みつ子はリストカットの魅力に抗えず、美紗子の協力によってリストカットの国へ旅立たれてしまいます。
もうね、リストカットの描写でケツ浮きまくりです。モゾモゾする。

この間にも美紗子は1人殺してます。
みつ子の家の近所の中華屋で働いてる若者で、2人で歩いてるといつも言い寄ってきます。
その日は美紗子が1人で歩いてるとやっぱり言い寄ってきて、美紗子が相手すると人気の無いところに誘導します。
急な階段がある手前で足首を挫いたふりをすると、おんぶしてとおねだり。
相手がしゃがんだところを後ろから蹴り落として殺害します。
(『その男、凶暴につき』みたいでサイコーか)

調理の専門学校を卒業すると、レストランのキッチンで働きます。
職場だと嫌な上司や納入業者など、他人と関わらずには生きていけないので嫌気がさすと、1年余りで辞め、街頭に立つ娼婦になります。

娼婦で立ってると、レストラン時代のキッチンの上司に出くわします。
金で買われると、一度やってみたかったんだよなぁとキッチンに連れ込まれます。
相手が夢中になってるすきに、鍋で頭ぶっ叩いて殺します。

娼婦で立つも、お金が尽きてきたころに洋介と出会います。
娼婦を買うときに「今、何時」と聞くのが隠語なんですが、洋介は分からず時間を答えます。
美紗子が買って下さいというと、今これしかないけどと言って5千円をくれます。
洋介は不能者で、心が虚ろな感じで、似た者同士頻繁に会うようになります。

やがて美紗子が客の誰かも分からない子を身籠ると、洋介は2人でその子を育てようと言って結婚します。

亮介はこの辺まで読み進めると、これは小説では無くて日記だと思うようになり、この子供は自分ではないかと思うようになります。

それと並行して、千絵が失踪してから、以前の職場で友人だったという細谷という女性が亮介を訪ねてきます。
聞けば、新宿のホテルのトイレで偶然、千絵と会ったとのことで、千絵から「結婚を約束してる人がいるが、事情があって黙って出てきてしまった。無事でいることを伝えてほしい」と言われて来たとのことでした。

亮介は千絵が失踪してから、自分が千絵について何も知らなかったことに気付いて愕然とします。
実家はおろか、出身の学校も分からず探す手立てが無く、細谷が手伝ってくれることになります。

次に細谷が訪ねて来たときは千絵の過去が明らかになります。
千絵は大学卒業後、会社経営者と思われた男と結婚しましたがその男はヤクザで、その男から逃れてきたときに出会ったのが亮介でした。
ずっと千絵を探していたヤクザが拉致したのが失踪の真相でした。
千絵の両親はそのヤクザに借金があり、そのことが足枷となって千絵は逃げられずにいて、娼婦をさせられて借金を返しているとのことでした。

この辺のヤクザに拉致されて姦されてるシーンも凄惨でしたね。
中盤くらいまでは、とにかく凄かったです。

亮介は千絵がそうなってることを知ると、そのヤクザを殺してやりたいと思うようになり、日記の美紗子とシンクロしてきます。

日記を尚も読み進めると、洋介が側溝の鉄の蓋を持っていた大学生だと分かります。
洋介が美紗子に過去を語ったためでしたが、美紗子はそのときの中学生が自分だったことを言えずにいました。
幸せだと思われた夫婦生活が軋み始めます。

悪いことは続くもので、レストラン時代の納入業者が美紗子を探しあて、訪ねてきます。
キッチンの上司と会った際に、どこかに電話していましたが、それは納入業者で美紗子が娼婦になってることを言いふらしてたのでした。
納入業者は美紗子が殺したことを見抜いて脅してきます。
結局、美紗子は脅しに乗るフリをして、納入業者も青酸カリで殺します。

やがて納入業者のことで警察が訪ねてくることとなり、洋介からも疑われます。
殺してないという美紗子でしたが、そろそろ身辺を整理せねばなりませんでした。
罪の告白である、ユリゴコロのノートを書き終えると、深夜、家の近くの川で入水自殺を図ります。

亮介が最後までノートを読み終えると、ノートを読んでいたのが父親の知るところとなります。
父親は母親の死は、川で溺れそうな亮介を助けようとしてと言っていましたが、真相を話し始めます。

入水自殺を図った美紗子を幼い亮介が追いかけてきて誤って川に落ちてしまいます。
美紗子は亮介を助けると力尽きてそのまま川に流されます。
すると父親が駆け付けて美紗子を救います。
一命を取り留めると暫く入院します。

その入院してる間に父親はユリゴコロのノートを見つけます。
自分の人生を狂わされたのが美紗子だと知ると父は絶望し、美紗子は死ぬべきだったと思うようになります。
美紗子が退院すると、ダムに連れていき美紗子の自殺を幇助しようとしますが、父親には出来ませんでした。
有り金を渡すと、二度と自分と亮介の前に姿を現すなと言って去ります。

亮介は自分が殺人鬼の息子だということを知ると、一刻も早くヤクザを殺し千絵を助けたいと思います。
細谷に厳しい口調でヤクザの行方を詰問し東京に向かうと、細谷から連絡が入りヤクザの居場所が分かります。

亮介が組事務所に駆け付けるとヤクザ3人はすでに死んでいました。
奥の部屋に監禁されていた千絵を助け出すと、亮介は細谷が手伝ってくれたことを話します。
千絵は細谷のことをみつ子さんと呼んでいました。
亮介は美紗子が使う偽名、みつ子と同じなのに胸騒ぎを覚えます。
ヤクザの遺体のそばには服に付く種子(オナモミ)が落ちていて、それは亮介の実家の前に生えている草でした。

亮介は細谷と会うと美紗子であることを確かめます。
細谷の左手首には大きな傷跡があり、美紗子にもありました。
細谷は真相を話し始めます。

美紗子は父と別れたあと、警察に追われてることもあり、整形していました。
やがてまたレストランのキッチンで働くようになると、そこで出会ったのか千絵でした。
ホテルのトイレで千絵と偶然会って、亮介の名前が出てきたときには心底驚いて、何が何でも2人を幸せにしようと思ったとのことで、ヤクザを殺したのは細谷=美紗子でした。
亮介は呪われた自分の過去を断ち切るかのごとく細谷の首を絞めますが殺すことは出来ませんでした。
亮介は父親・洋介が余命幾ばくも無いことを細谷に伝えます。

洋介の病室を訪れる細谷。
洋介とは久しぶりの再会となりますが、出会った瞬間一気に過去の2人に戻ります。

亮介は実家を眺めます。
母・美紗子の記憶が全くなかった亮介でしたが、母親がしきりにノートに書いていたのを思い出すと、だんだんと記憶が蘇ってくるのでした。

主に回想パートですが、中盤くらいまでの展開はグイグイ引き込まれましたね。
それこそ劇中の亮介が引き込まれるみたいに。

この話、どういうところに帰結するのだろうという興味と、千絵の失踪がどう関わってくるのかというところでしたが、中盤を過ぎて美紗子と洋介の恋愛パートになってくると、やや失速します。

解せなかったのは洋介が美紗子をダムに連れてくシーンですね。
間接的とは言え、ユリゴコロのノートで美紗子の告白を読んだわけで、それまでの洋介の描写から受け止めるものと思ってましたが、結局別れちゃうっていうのが、ちょっと解せませんでした。

千絵の失踪の原因は、てっきり美紗子の過去の事件と関わってくるのかと思いましたが、ヤクザと結婚していたっていうかなり雑な設定の独立した話でしたが、あの姦されるシーンの妙な迫力とかでリアリティがあって吹っ飛びました。

本作は上の配役に書いた方以外は、重要な役でもちょっとお名前を存じ上げない役者さんが結構出ていたのですが、キャスティングが上手いなと思いましたね。

亮介の父役の人は最初出てきたときに生瀬勝久さんがやってるのかと思いましたが違っていて、途中から松山ケンイチさんが出てきたときは、ああ似てるなと思いました。(9月30日追記:芸能プロダクション(株)ノックアウトに所属する貴山侑哉さんでした)


子供時代の亮介役の子も松坂桃李さんに似てるなぁと思いましたし。
カフェのスタッフとかで気になる人もいたんですが、ちょっとお名前が分かりませんでした。

本作は映像の感じもいいなと思ったんですが、撮影の今村圭祐さんと照明の織田誠さんは、今年の邦画でスマッシュヒットになった『帝一の國』でもコンビを組まれてて、なるほどと思いました。

もしもピアノが弾けるなら ☆5点 2010年からジャンプSQ.19で連載されていた古屋兎丸氏による全14巻からなる同名コミックの映画化で、2014年には舞台化もされている学園政権闘争コメディです。
映倫区分はPG12ですが、前半虫が出てくる描写やリスカのシーンでかなりエグく感じますが、そうした作品ながらも結構評価高いので見て損はない映画だと思います。

鑑賞データ

新宿バルト9 夕方割 1300円
2017年 157作品目 累計167700円 1作品単価1068円

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