『タリウム少女の毒殺日記』評価と感想/テーマはすごく広いです

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なかなか深イイと思いました ☆4点

あらすじとかは映画.comさんでどぞ

タリウム少女の事件を通して、現代の様々なファクターに焦点をあてた作品だと思います。
テーマはホント広いと思うので、どれか一つというのは無いと思うのですが、例えば「合理性と倫理性」のどちらを取るかとか、なぜ可愛がってた金魚を殺してはいけなくて食卓に焼き魚が出るのはいいのかとか、結構深い哲学的なお話だと思います。

映画の中のタリウム少女は、笑ったり、泣いたり、怒ったり、一切の感情を排してるように見えますが、観察して完璧な傍観者になることを望んでいる訳である意味「神の視点」に立とうとしている訳ですが、対象を観察するというのはその対象や対象の変化に興味がある訳で一切の感情が無い訳では無いんですよね。自分の中で面白いか面白くないかの感情はある。
だから映画の最後で母親にタリウムの投与を止めたのは納得できます。対象に興味が無くなったから、面白くなくなったからだと思います。

思えば産業革命以降の近代は合理性を優先して加速度的に発展してきた訳ですが、じゃあこの先はどうするのかっていう話だと思います。
人体改造アーティストがやっていたように、人体にマイクロチップを埋め込めば犯罪を抑止することは出来なくても犯人を簡単に捕まえることが出来たり、大学の先生などが言っていた難しくてよく分からないんですけど、今話題のiPS細胞とか豚から人の臓器を作るとか、そういうのはいつも、その技術革新を利用するのかいや倫理的(感情)にマズいからしないのか、っていう対立だと思うんですよね。
タリウム少女に対する親や先生のように、この社会もどれが正しくて正解かなんて言えないと思うんですよね。ただ大勢の意見はこっちだろうみたいなのがあるだけで。だからマイノリティの生き辛さ(学校ではいじめにあいますし)も描かれていたかなぁなんて思います。

映画は最後人体改造アーティストと自転車で疾走するのは良かったですね。人間らしくなったようで希望が持てる終わり方で好きです。

この映画、連日上映後、監督がトークをされていたようで、この映画は観た人で色々語るのにいい映画ですよね。公開前の予告で観たいと思っていたのですが、なんとなくタイミングを逃して終映ギリギリの鑑賞になってしまったので監督のトークが無かったのですが、色々お話しを聞きたかったなぁと思いました。

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