人魚の眠る家 評価と感想/違う意味で面白かった

人魚の眠る家 評価と感想

感動、ホラー、通り越してギャグだったw ☆3.5点

2015年に幻冬舎から出版された東野圭吾作家デビュー30周年記念小説の映画化。
プール事故で脳死判定をされた愛娘の死を受け入れられない母親が最新の技術を使って自宅治療を選択したことから起こる顛末を描いた作品。
監督は堤幸彦、主演に篠原涼子と西島秀俊、共演に坂口健太郎、川栄李奈、松坂慶子、田中泯

予告編

映画『人魚の眠る家』予告編 第2弾

映画データ

人魚の眠る家|映画情報のぴあ映画生活
『人魚の眠る家』は2018年の映画。『人魚の眠る家』に対するみんなの評価やクチコミ情報、映画館の上映スケジュール、フォトギャラリーや動画クリップなどを紹介しています。

本作は2018年11月16日(金)公開で、全国326館での公開です。
配給は松竹のフジテレビムービーで制作はオフィスクレッシェンド。
製作委員会(松竹、フジテレビジョン、木下グループ、電通、幻冬舎、ジャパン・ミュージックエンターテインメント、GYAO)方式で作られています。

監督は堤幸彦さん
近作は『イニシエーション・ラブ』『天空の蜂』『RANMARU 神の舌を持つ男』を観てます。

主演に篠原涼子さん
近作は『北の桜守』『SUNNY 強い気持ち・強い愛』を観てます。

主演に西島秀俊さん
近作は『ストロベリーナイト』『脳内ポイズンベリー』『劇場版 MOZU』『クリーピー 偽りの隣人』『ラストレシピ ~麒麟の舌の記憶~』『散り椿』『オズランド 笑顔の魔法おしえます。』を観てます。

共演に坂口健太郎さん
近作は『予告犯』『俺物語!!』『ナラタージュ』『今夜、ロマンス劇場で』を観てます。

共演に川栄李奈さん
近作は『亜人』『嘘を愛する女』『センセイ君主』を観てます。

他に共演と配役は以下の通りです。

播磨薫子: 篠原涼子
播磨和昌: 西島秀俊
播磨瑞穂: 稲垣来泉(子役)
播磨生人: 斎藤汰鷹(子役)
星野祐也: 坂口健太郎
川嶋真緒: 川栄李奈
美晴: 山口紗弥加
若葉: 荒川梨杏(子役)
宗吾: 荒木飛羽(子役)
進藤: 田中哲司
播磨多津朗: 田中泯
千鶴子: 松坂慶子
真緒の父: 斉木しげる
門脇: 大倉孝二
江藤: 駿河太郎
警官: ミスターちん
池内徹也: 遠藤雄弥
ハリマテクス役員: 利重剛

あらすじ

二人の子を持つ播磨薫子(篠原涼子)と、IT機器メーカーを経営する夫・和昌(西島秀俊)。
そんな二人は、娘の小学校受験が終わったら離婚すると約束していた。
だがある日、娘の瑞穂がプールで溺れ、意識不明になったという悲報が届く。
意識不明のまま回復の見込みがない娘を前に、生かし続けるか、死を受け入れるかという究極の選択を迫られた二人は、和昌の会社の最先端技術を駆使して前例のない延命治療を開始。
治療の結果、娘はただ眠っているかのように美しい姿を取り戻していくが、その姿は薫子の狂気を呼び覚まし、次第に薫子の行動はエスカレートしていくのだった。
やがて、和昌の父・多津朗(田中泯)や、薫子の母・千鶴子(松坂慶子)、技術研究者の星野祐也(坂口健太郎)とその恋人・川嶋真緒(川栄李奈)らを巻き込み、彼らの運命を狂わせていく……。

MovieWalkerより引用)

ネタバレ感想

劇場での予告編は、『SUNNY 強い気持ち・強い愛』(2018年8月31日公開)のちょっと前か、公開が始まってから、松竹配給の作品なんで丸の内・新宿の両ピカデリーでよく目にしまして、「また篠原涼子さん主演の映画やるんだ」と思って見てました。

『SUNNY 強い気持ち・強い愛』は東宝配給作品でしたが、制作がオフィスクレッシェンドだったので、篠原さんは2作続けてオフィスクレッシェンド作品の主演になるんですね。

予告編の印象は「まぁまぁ面白そうかな」と思ったんですが、本編を観たら違う意味で面白かったです。

予告編や公式サイトには「この愛の結末に涙が止まらない」ってあるんですが、途中、結構笑っちゃいまして、そういう意味で面白かったんですよね。
『海猿』や『無限の住人』がニューヨークの上映では爆笑の渦に包まれていた感じに近いかも。

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予告では何で娘が眠っているか分からなくて、「不治の病かな?」と思って、タイトルに人魚がつく意味も分からなかったんですけど、眠っているのは脳死しているからで、人魚がつくのはプールで溺れたからでした。

当初、播磨夫妻は脳死判定を受けて臓器移植のことも説明されて、一旦は娘(瑞穂)の死を受け入れ臓器提供にも同意するんですけど、母親(薫子)がラザロ徴候で娘がピクっと動いたのを見て「まだ生きている」と思い込んでしまったため、臓器提供は取り止め脳死状態のまま延命措置に舵を切ることになります。

参考 ラザロ徴候 – Wikipedia

進藤医師からは脳死状態ではすぐに心停止に至るケースもあれば、心停止まで長時間を要するケースもあり、希少な例ではあるが心停止に至るまで何年もかかったケースがあると聞くと、瑞穂の場合は一か月経っても心停止に至らず容態も安定していたため、却って薫子に奇跡を信じさせることになります。

瑞穂が生きてると確信した薫子は病院にいつまでも居れば病人であると考え、自宅療養を希望すると痰の吸引処置などを習い、退院が認められます。

幸いにして和昌には財力があり、人工呼吸器の設置など自宅に病室を再現することも容易でした。
また和昌は家庭を顧みず浮気に走って薫子に離婚を切り出されていたため、自宅治療したいという薫子の願いを叶えることは贖罪の意味もありました。

瑞穂の介護は薫子一人では物理的に無理でしたが、プールに付き添っていた祖母(千鶴子)も責任を感じていたため自分も手伝うと言うと、薫子と千鶴子の2人で瑞穂の介護をするんでこれも可能になります。

そしてまずこの2人で介護するシーンが面白いんですね。
千鶴子がしょっちゅうミスするんで薫子に怒られてばかりなんですけど、朝の連続テレビ小説「まんぷく」で「私は武士の娘です」って言ってる松坂慶子さんと被るんです(笑)

本作にしてもまんぷくにしてもそうなんですけど、コメディリリーフとしての松坂慶子さんの存在感が抜群で、ポンコツぶり(の演技)が完全に板に付いてます(笑)

和昌は自身の会社で開発を進めているBMI(ブレーン・マシン・インターフェース)という技術に関するプレゼンの中で横隔膜ペースメーカーというものを知ります。

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横隔膜ペースメーカーはこれを体内に埋め込めば人工呼吸器が取り外せるという代物で、いつまでもベッドに固定され太いチューブに繋がれてる娘を見るのを忍びなかった2人は手術に踏み切ります。

すると幸いにしてこの手術も成功し、人工呼吸器のチューブは外れ、少なくとも瑞穂の見た目上は健常者と何ら変わりなく、ただ眠ってるだけのように見え、容態も安定していました。

ただ当然のように身体は動かせないので、床ずれを防ぐための体位変換は必要でしたし、筋力も衰えていきます。

そこで和昌は自社で開発しているBMIが筋力低下に歯止めがかけられるんじゃないかと思い、研究員の星野に相談します。

BMIは脳に直接電気信号を送り身体やロボットアームを動かすという技術で、脳損傷や脊髄損傷の患者に応用するべく星野も完成を急いでいたため、瑞穂に応用することになります。

星野はBMIの装置を播磨家に持ち込み家族の前で実際にやって見せると、瑞穂の身体はラザロ兆候のように僅かに動きます。
それを見て喜んだ薫子は、「娘は生きている!」という思いをさらに強くするのでした。

BMIの完成を急ぎたい星野は仕事の合間を縫って足繁く播磨家に通い、薫子にも基本的な操作の仕方を伝授していくと、薫子も星野に習った範囲で操作できるようになりますが、この頃になると薫子の思いが暴走し始めます。

ある日、星野が播磨家に行くと薫子が星野の指示を超えて瑞穂を大きく動かしていました。
星野はその行為に驚きますが、結果的にそれは成功し星野の研究の予想を超えるデータも得られ、星野をさらに開発にのめり込ませることになると、薫子は自慢げに家族の前で瑞穂の腕を大きく上げたり、顔を微笑ませたりするのでした。

いやー、このシーンはかなり面白くて笑っちゃいましたね。
撮り方も完全にホラーで狙ってた(瑞穂がニターっと笑う)と思うんですが、ホラー映画だと『ラザロ・エフェクト』っていうのがありました。

6/11(土)公開 『ラザロ・エフェクト』予告篇

なんか人造人間化への道をひた走ってるようにも見えて、フランケンシュタインとかも思い浮かべました。

そしてそれを見て、薫子に引け目を感じていて協力的だった和昌も千鶴子も、さすがに顔を引きつらせ始めます。

しかしそんな家族の反応をよそに薫子の狂気はさらに加速します。
瑞穂を車椅子に乗せて散歩させたり、学校の行事に参加したりするんですが、このシーンはホラーを超えて完全にギャグかコメディで爆笑しちゃいました(笑)

まぁ、ここまで極端な人はいないでしょうけど、自分の権利主張して周囲の迷惑を顧みない人はいますよね。

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結局この行為は近所の人を気味悪がせ、瑞穂の兄・生人も同級生から「お前の母ちゃん死体押して歩いてる」といじめられることになります。

さすがにここまでになってくると和昌も千鶴子も薫子に注意します。
すると薫子は逆ギレして包丁を振り上げ瑞穂を殺して自分も死ぬと言います。
そして警察にも電話をかけ、今から娘を殺すからすぐ来るように言います。

すると交番のお巡りさん役のミスターちんが駆け付けます。
薫子は駆け付けたミスターちんに対し、「この子は脳死状態で殺しても殺人罪になるのか?」と難しいことを聞きます。
「私が殺人罪で逮捕されれば瑞穂は生きていたことになる」と薫子はまくし立てますが、いきなりそんな小難しいこと聞かされてミスターちんは顔ポカンでした。

結局、薫子は姪の若葉からプール事故での真相の告白を受けて落ち着きを取り戻します。
若葉は「瑞穂ちゃんは私が落とした指輪を拾ってくれようとして代わりに亡くなった」と泣きじゃくり、「一生私が瑞穂ちゃんのお世話するから」と言って何度も謝ると、その場に居た全員涙するのでした。

そして暫くすると薫子の枕元に瑞穂が立ち、「お母さんありがとう」と言うと、その日を境にして瑞穂の容態が不安定になっていきます。

瑞穂の心停止が近いのを悟った薫子は臓器提供に同意すると、暫くして、瑞穂の心臓の提供を受けたと思われる少年(宗吾)が、元気な姿で播磨家の前を自転車で通るのを映して映画は終わります。

まぁお話としては最後は落ち着くところに落ち着いて、細かな伏線も回収されて、脚本的(篠崎絵里子さんでしたか)にはよかったかなと思います。

ヤフー映画3.91、映画.com3.7、フィルマークス3.8で、わりと評価いいと思いますし、感動出来る人には感動出来るんじゃないかと思いました。

また篠原涼子さんの演技も報知映画賞で主演女優賞、日本アカデミー賞で優秀主演女優賞を受賞されて熱演されていたんじゃないかと思います。
個人的にはエキセントリック過ぎて、笑っちゃって、ギャグ映画の方の分類に入ってしまったんで、演技の賞を受賞するとは思いませんでしたが。

演出面というか映像面で気になったのは、新しい技術を覚えたのか、サルのセンズリみたいにやたら光を入れてくることで、これも「何でこんなに光入れてくるんだろう?」と笑っちゃいまして、やっぱり堤監督だから笑かしにきてるのかな?と思いました。

まぁこのテーマは『ペット・セメタリー』なんかでもやってるんで、目新しさは感じなかったんですが、各々の感想は観た人の死生観が反映される映画かなと思いました。

鑑賞データ

丸の内ピカデリー SMTメンバーズ割引クーポン 1200円
2018年 183作品目 累計164600円 1作品単価899円

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