ジャパンアクションクラブでも敵わず ☆4点
『デッドプール』の脚本チーム(レット・リース&ポール・ワーニック)が手掛けたSFスリラー。
監督はダニエル・エスピノーサ、主演はジェイク・ギレンホールとレベッカ・ファーガソン、共演に真田広之とライアン・レイノルズ
予告編
映画データ
「砕く」が印象的だった予告編を見て面白そうだなぁと思い鑑賞しました。
監督はダニエル・エスピノーサ
スウェーデンの監督さんだそうで、本国で『イージーマネー』というスリラー映画がヒットしてハリウッドで撮るようになったようです。
前作の『チャイルド44 森に消えた子供たち』を観てます。
主演にジェイク・ギレンホール
近作では『複製された男』『ナイトクローラー』『サウスポー』『エベレスト 3D』『雨の日は会えない、晴れた日は君を想う』とか観てます。
主演にレベッカ・ファーガソン
近作では『ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション』『ガール・オン・ザ・トレイン』『マダム・フローレンス! 夢見るふたり』とか観てます。
共演に真田広之
近作は邦画でも洋画でも観てないです。
『ウルヴァリン: SAMURAI』も『47RONIN』も観てないのでハリウッド作品で観るのは初めてになります。
共演にライアン・レイノルズ
『デッドプール』しか観てないですね。
ダニエル・エスピノーサ監督とは『デンジャラス・ラン』でもコンビを組んでます。
他に共演と配役は以下の通りです。
デビッド・ジョーダン(医師): ジェイク・ギレンホール
ミランダ・ノース(検疫官): レベッカ・ファーガソン
ローリー・アダムス(航空エンジニア): ライアン・レイノルズ
ショウ・ムラカミ(システムエンジニア): 真田広之
ヒュー・デリー(宇宙生物学者): アリヨン・バカレ
エカテリーナ・“キャット”・ゴロフキナ(司令官): オルガ・ディホヴィチナヤ
あらすじ
「生き残る」それがヤツの本能
無重力のISSから〈惨劇〉が始まる―
6名の宇宙飛行士が火星で発見した〈未知なる生命体〉
彼らは知らない―
世紀の大発見が大惨劇を招くものになることを。
それは、かつて火星を支配した、まぎれもなく宇宙最強の生命体。
小さく美しく、無駄なものが一切ない、”筋肉”と”脳”だけでできている。
どんな状況でも、相手にあわせて進化する。
最初のターゲットは人間。
6人の宇宙飛行士。
地球にたどりつく〈命〉は―
「地球に行かせない」それが6人のミッション。(公式サイトhttp://www.life-official.jp/より引用)
ネタバレ感想
ポスターでは、ジェイク・ギレンホールとレベッカ・ファーガソンとライアン・レイノルズで並んでるんですけど、ライアン・レイノルズは一番最初に死んでいなくなるので、実質、真田広之さんが3番手だと思います。
主役2人の次に生き残りますし。
日本での宣伝では「砕く」を推してたので『アンダー・ザ・スキン 種の捕食』みたいのを想像してたんですけど、結果的には砕くは関係無かったです。
タコみたいのが巻き付いて締め上げるといいますか。
映画は、火星探査機が持ち帰った、火星の土が入ったカプセルポッドみたいのを国際宇宙ステーション(ISS)が掴めなくて、宇宙に漂流しそうだったんですけど、ローリーが外に出てポッドを回収するところから始まります。
ポッドの回収に成功して、火星の土をシャーレーに入れて顕微鏡で見ると、アメーバみたいな単細胞生物がいるのが分かります。
宇宙生物学者のヒューが温度変化や電気刺激を与えるとその単細胞生物は動き出して、初めて地球外生命体の存在を確認します。
この地球外生命体の発見は地球でも沸き立っていて、公募の中から選ばれた小学生によって「カルビン」と命名されます。
カルビンはその小学生が通ってる学校名でした。
医師のデビッドはISSでの滞在記録が1年を越え最長滞在記録を更新してます。
黄昏ているデビッドは、80億人もいる地球より、ISSに滞在してる方が幸せなのでした。
ショウは地球にいる妻カズミ(森尚子)が産気づいています。
衛星テレビ電話で励ますと無事に元気な赤ちゃんが生まれます。
ヒューは順調に成長するカルビンに愛着を感じ、寝るのも忘れて研究に没頭しますが、集中力の低下から、研究室を密閉することを忘れてしまいます。
未知の生物は人類にどのような影響をもたらすか分からないので、研究室は厳重に密閉され隔離されなければならないのでした。
ヒューの失敗によりカルビンは活動を停止してしまいます。
死んでるのか冬眠してるのかも分からず、隊員たちは諦めますがヒューが強い電気ショックを与えると再びカルビンは活動を始めます。
ヒトデの赤ちゃんくらいの大きさに育ったカルビンはヒューの右手首に巻き付くと、そのまま締め上げて右手首を破壊するのでした。
ヒューを助けるため、ローリーが研究室に入ります。
ローリーはヒューを助けて研究室の外に出しますが、ローリーの背中にカルビンが付いてしまったため、今度はローリーを外に出せません。
ローリーは「俺が始末する」と言って、小型の火炎放射器でカルビンを焼き殺そうとしますが、小さな炎じゃビクともしないカルビンが徐々に大きくなってくると、ローリーの口に入り気道を塞いで窒息死させてしまいます。
死亡事故が起きても隔離は絶対のため、ローリーの遺体を研究室から出せません。
そうこうしてると、浮遊している小型の火炎放射器の口火が熱センサーに当たり、スプリンクラーが作動してしまいます。
スプリンクラーの先からはISS内のどこへでも行けてしまうため、システムエンジニアのショウが慌てて止めますが、カルビンはスプリンクラーの先から天井裏を伝ってISS内に入り込んでしまうのでした。
カルビンの捜索を一旦諦めローリーの遺体を回収し弔ってると、計器に異常を認めます。
故障を直すため、司令官のキャットが宇宙服に着替え外に出ます。
計器の異常は冷却がうまくいってないためでしたが、キャットが該当箇所の蓋を開けて調べると冷却材がなくなっていました。
ヒューは冷却材の主成分は水のため、カルビンが酸素と水を摂取してると考え、カルビンが冷却材を食べたとキャットに注意を促しますが、蓋を開けたところからカルビンが飛び出てきて、キャットの足元に巻き付いてしまいます。
宇宙服の中にも冷却材が入っているのでそれを狙ってるのでした。
キャットは故障箇所の蓋を閉め、デッキに向かいますが締め付けられた冷却材から水が漏れ宇宙服内に上がってきます。
窒息しそうになりながらデッキに着くもカルビンは足に巻き付いたままです。
キャットはISS内に入ることは諦め、カルビンもろとも宇宙の藻屑となることを決めたのでした。
この宇宙で水で溺れそうになるのは『パッセンジャー』でもやってました。
ISSから離れていくキャットを見つめ、悲しみにくれるクルーをよそに、カルビンはキャットから離れデッキに張り付くと再びISS内に入り込もうとするのでした。
外からISS内に入り込めるのは6個ある噴射口からで、そこにはセンサーが付いてるので、モグラ叩きゲームみたいに、ショウがセンサーが反応したら噴射してカルビンを殺そうとしますが、燃料切れになりそうになり結局入り込まれてしまいます。
生き残った4人は自分たちがいるスペースだけ封鎖して、ISS内の酸素を抜いてカルビンを殺そうとしますが、結局自分たちがいるスペースにカルビンが入ってきます。
ショウだけ、他の3人とはぐれるとカルビンに狙われ追いかけられます。
間一髪で就寝用カプセルに逃げ込むと、カルビンは目と鼻の先で、その姿はもうエイリアンやプレデターのようになっていました。
あんな恐ろしい生命体と正対して落ち着いていられる真田広之さん、さすがジャパンアクションクラブ出身と思って、心の中で頑張れーと叫び続けてましたね。
とりあえずカルビンは就寝用カプセルの中にいるショウは諦めてどこかに行ってしまいます。
その頃、デビッドとミランダは無線で恐ろしい生命体のことを地球に伝えますが、途中で無線が切れ正しく伝わってるか不明でした。
そしてヒューが突然苦しみだし心停止したので、デビッドとミランダがAEDをあてると、ヒューが息を吹き返しましたが、砕かれて包帯してた右手足の方からカルビンが現れて再び逃げるのでした。
ここはいつの間にかヒューの中にカルビンが入り込んでて編集的な繋がりがおかしい気がしました。
最初にヒューの手に巻き付いたときに、カルビンの細胞が寄生していてそれが包帯の下で育ったのかな?と思いました。
なので2匹に増えたのかな?と思ったんですけど、実際は1匹のままでした。
コメントでご指摘いただいて、ヒューは足がマヒしていたので、カルビンに足を食われてても気づかず室内に入れてしまったのではないかのことでした。
一度はAEDで息を吹き返したヒューでしたが結局死んでしまいます。
するとさっきの無線が効いたのか、ソユーズがISSにドッキングしてきます。
就寝用カプセルにいたショウは助けが来たと思ってソユーズに駆け込もうとします。
ショウは生まれたばかりの赤ちゃんのためにも地球に帰らなければならないのでした。
しかし、ミランダはソユーズは助けに来たんじゃないと、ショウに言いますが無線の不調のため聞こえていないようでした。
デビッドがなぜ助けに来たんじゃないのが分かるのか?と尋ねると、ミランダは検疫官として地球を出発する際にある書類にサインをしていたことを明かします。
それは未知の生命体の研究で万一のことがあった場合は、究極の隔離を行い、誰も助けに来ないというものでした。
絶対に未知の生命体が地球に入り込めないように、6人の命を犠牲にしても究極の隔離を行う、ということに同意してたのでした。
そんなことを知らないショウはソユーズに向かいますが、カルビンに追いつかれると、頑張ってかなり抵抗しますが、やっぱり殺されてしまいます。
ジャパンアクションクラブ、デューク真田をもってしても敵いませんでした。
ショウが死ぬと、しっかりドッキングされていなかったソユーズが離れていき、ISSにぶつかるとソーラーパネルなどを破壊してめちゃめちゃになります。
ISS内は温度調節機能も止まりどんどん冷え込んできます。
酸素の使用量も残り2時間を切ってデビッドがある提案をします。
それは脱出カプセルが2つあるので、それぞれに搭乗し、自分はカルビンを引き付けたら手動で地球への帰還軌道を外れ、カルビンもろとも宇宙を漂うというもので、ミランダは地球へ戻れというものでした。
ミランダは自分がカルビンを引き付けると言いますが、地球で暮らす自信の無いデビッドに俺に任せろと言われます。
この辺は自分を犠牲にしてサンドラ・ブロックを助けたジョージ・クルーニーみたいで『ゼロ・グラビティ』を思い浮かべましたね。
作戦通りデビッドはカルビンを脱出カプセル内に誘い込むと地球への帰還軌道を外れます。
ミランダは自動操縦で地球への帰還軌道につくのでした。
大気圏を突破して、どこかアジア圏の海に漂着するカプセル。
漁船に乗っている漁師が近づいてくると、ミランダの叫ぶ声が聞こえます。
宇宙を漂うミランダの脱出カプセル。
漁師が海に浮かぶカプセルをのぞき込むと、カルビンに覆いつくされたデビッドが叫んでいます。
漁師はカプセルの脱出用ハッチを開けようとハンドルを回すと、デビッドが開けるなと叫んでいるのでした。
カプセルを助けるべく、周囲から漁船が集まって映画は終わりです。
ふむ、ミランダが助かってハッピーエンドかと思いましたが、そう来ましたか。
一応、カルビンが地球に侵入して、デビッドもまだ生きてるので、続編も作れる感じなんですけど、アメリカでは5800万ドルの製作費に対し、興収3000万ドルくらいだったので、続編は無いのかな。
お話的には予告編から想像できる通りで、地球にいる管制官とのやり取りはなく、ほぼISS内の6人で進む密室劇です。
火星探査、土、ISSと、ほぼ現実と同じですのでリアリティはありましたね。
エイリアンの形状は面白かったですね。
最初はアメーバみたいので、そのうち粘菌みたくなって、それからクリオネを何匹か繋げたヒトデの赤ちゃんみたくなって、最終的には透明なタコみたいで。
今年は『メッセージ』のヘプタポッドといい、エイリアンのタコブームでしょうかね。
SFスリラーなんで哲学的なテーマとかは無いですが、上映時間104分、ポップコーン片手に気楽に見れる映画だと思います。
鑑賞データ
丸の内ピカデリー SMTメンバーズ60P無料鑑賞 0円
2017年 113作品目 累計119800円 1作品単価1060円
コメント
こんにちは。
昨日ライフを見たのですが、ヒューのAED のシーンは右手ではなく足から出てきたと思います。
ヒューは足がマヒしているため、足を食べられているのに気付かず室内に入れてしまったのでは。(ミランダが「足を食べられてる」と言っていたように思います)
mtsさん、こんにちは。
コメントありがとうございます。
自分でも書いててうろ覚えだったんですが、ご指摘いただいたように足の方からだった気がします。
なるほど!足がマヒしてるから気付かなかったのか。
それだとスムーズに繫がりますね。
ご指摘ありがとうございます。