しかし話は面白くなかった ☆4点
フィリップ・K・ディックのSF小説『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』を原作に1982年に制作された『ブレードランナー』の続編でオリジナルの30年後の世界を描く。製作総指揮リドリー・スコット、監督ドゥニ・ヴィルヌーヴ、主演ライアン・ゴズリング
予告編
映画データ
本作は2017年10月27日(金)公開で全国で340館弱での公開です。
特報みたいな予告編は半年以上前から流れてて映画館行く度に楽しみにしてたんですけど、公開が近づくとだんだんと予告編が長くなってきて、それ以上知りたくないような不思議な気持ちで見てました。
監督はドゥニ・ヴィルヌーヴ
近作は『複製された男』『ボーダーライン』『メッセージ』を観てます。
主演はライアン・ゴズリング
近作は『ドライヴ』『オンリー・ゴッド』『ロスト・リバー』『マネー・ショート 華麗なる大逆転』『ナイスガイズ!』『ラ・ラ・ランド』を観てます。
共演にハリソン・フォード
近作は『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』を劇場で観てないので、劇場で観るのは『K-19』以来で15年ぶりです。
共演にアナ・デ・アルマス
近作は『ノック・ノック』を観てます。
共演にシルヴィア・フークス
近作は『鑑定士と顔のない依頼人』を観てます。
共演にジャレッド・レトー
近作は『ダラス・バイヤーズクラブ』『スーサイド・スクワッド』を観てます。
共演にデイヴ・バウティスタ
近作は『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』『007 スペクター』『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス』を観てます。
他に共演と配役は以下の通りです。
K: ライアン・ゴズリング
リック・デッカード: ハリソン・フォード
ジョイ: アナ・デ・アルマス
ラヴ: シルヴィア・フークス
ジョシ: ロビン・ライト
マリエッティ: マッケンジー・デイヴィス
アナ・ステライン: カーラ・ジュリ
ミスター・コットン: レニー・ジェームズ
ガフ: エドワード・ジェームズ・オルモス
レイチェル: ショーン・ヤング
レイチェル(パフォーマンスダブル): ローレン・ペタ
サッパー・モートン: デイヴ・バウティスタ
ニアンダー・ウォレス: ジャレッド・レトー
あらすじ
2049年、貧困と病気が蔓延するカリフォルニア。
人間と見分けのつかない《レプリカント》が労働力として製造され、人間社会と危うい共存関係を保っていた。
危険な《レプリカント》を取り締まる捜査官は《ブレードランナー》と呼ばれ、2つの社会の均衡と秩序を守っていた―。LA市警のブレードランナー“K”(R・ゴズリング)は、ある事件の捜査中に、《レプリカント》開発に力を注ぐウォレス社の【巨大な陰謀】を知ると共に、その闇を暴く鍵となる男にたどり着く。
彼は、かつて優秀なブレードランナーとして活躍していたが、ある女性レプリカントと共に忽然と姿を消し、30年間行方不明になっていた男、デッカード(H・フォード)だった。
いったい彼は何を知ってしまったのか?
デッカードが命をかけて守り続けてきた〈秘密〉―人間と《レプリカント》、2つの世界の秩序を崩壊させ、人類存亡に関わる〈真実〉が今、明かされようとしている。(公式サイトhttp://www.bladerunner2049.jp/index.htmlより引用)
ネタバレ感想
アメリカでの公開は2017年10月6日(金)でオープニング興収は1位だったんですが、業界予測が4500万~5000万ドルのところ3300万ドル弱と振るわなかった本作。
日本でも興収こそ1位でしたか観客動員は「プリキュア」に次いで2位となってしまいました。
思うに、というか前から思ってたんですけど『ブレードランナー』って過大評価され過ぎだよなぁと。
自分も映画にハマり出した頃、VHSのレンタルビデオで見たんですけど、物語的にはそんなに面白いとは思わなかったんですよね。
オリジナル版は94分という見やすさで、お話も地球に逃げ込んできたレプリカントを抹殺するという単純なものでした。
ただそれまでのSF映画、『2001年宇宙の旅』や『スター・ウォーズ』、リドリー・スコット監督自身の『エイリアン』などの未来観とは全く違ったシド・ミードによるデザインとヴァンゲリスによる音楽の世界観は、その後様々な作品に影響を与え、サイバーパンク的な物の元となりました。
きっとクリエイティブなことに従事する人には響くんだろうなと思いました。
オリジナルも劇場公開時には振るわず、日本でも早々に打ち切られたりして、果たしてリアルタイムで観た人がどれくらいいるか?っていう作品なんですけど、ビデオが出るようになってからB級カルト的に取り上げられてたような気がします。
物語に様々な考察が生まれたのも、単純な編集ミス(6人目のレプリカントの問題など)によるもので、デヴィッド・リンチ監督の「ツイン・ピークス」で鏡に映ちゃった大道具さんがキラーボブに起用されたみたいな話で、元々整合性が取れないところがあります。
デッカードの正体に関してもリドリー・スコット監督の後付けによるところが多く、あまり深く考えても意味ないのかなぁとも思います。
そんな思いで観た本作は163分と長尺で、わりと最初から眠くなってしまったこともあって、ちょっと分かり辛かったです。
終わってみれば分かり辛いところは無いんですけど、観てる途中は分かり辛いんです。
観てる途中で話が読めた気がして「Kこそがレプリカントから生まれた子供じゃね?」と思い、「犯人はヤス」のポートピア連続殺人事件や『エンゼル・ハート』のハリー・エンゼルを思い浮かべて得意になってたんですけど、それこそ監督の狙い通りだったという…。
俺だと思ったら俺じゃなかった影武者みたいな話といいましょうか。
163分と長尺なんですが、終わってみればジョイとの話は本筋には関わってこない話で、バッサリ無くしてしまえば120分を切ってくる映画だとも思います。
観てる最中は、上のciatrの記事にあるように、視覚化された『her/世界でひとつの彼女』みたいだなと思いました。
正直オリジナルのブレードランナー同様面白いとは思わなかったんですけど、完璧なまでに前作の世界観を踏襲してる雰囲気は凄いなぁと思いました。
ラストのラヴとの格闘シーンとか、何で水が増えていくのか?とか全然分からないんですけど、雨と光と闇の演出はリドリー・スコットよりリドリー・スコットらしい!と思いました。
マリエッティ役のマッケンジー・デイヴィスもオリジナルでのダリル・ハンナを彷彿したり。
それからウォレスが復活させるレイチェル(ショーン・ヤング)はどうやって撮ったのかな?と思いましたが、『ローグ・ワン』で19歳のレイア姫(キャリー・フィッシャー)を蘇らせた方法と同じでした。
#BladeRunner2049 fans, learn more about my role as Rachael ♀️ https://t.co/r9XZRPFCRh pic.twitter.com/NXw5ZR11Mz
— Loren Peta (@lorenpeta) 2017年10月23日
それにしてもハリソン・フォードは2つのSF映画の金字塔に30年ぶりに引っ張り出されて凄いですなぁ。
オリジナルからはエドワード・ジェームズ・オルモスも引き続き出演していて、「特捜刑事マイアミ・バイス」での主任役が好きだったので嬉しかったです。
リドリー・スコット監督は『エイリアン』の続編で『プロメテウス』と『エイリアン: コヴェナント』を作ってますが、本作に関してはもう引っ張らない方がいいと思いますね。
『ブレードランナー』リドリー・スコット監督、『ブレードランナー 2049』ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督、この2つで十分だと思います。
鑑賞データ
丸の内ピカデリー SMTメンバーズ割引料金 1200円
2017年 182作品目 累計195700円 1作品単価1075円
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