ナイスガイズ! 評価と感想/70年代ディテールがすごい

ナイスガイズ! 評価と感想
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よくできた70年代ハードボイルドコメディ☆4点

予告編

映画データ

ナイスガイズ! (2016):作品情報|シネマトゥデイ
映画『ナイスガイズ!』のあらすじ・キャスト・評価・動画など作品情報:『リーサル・ウェポン』の製作・脚本コンビ、ジョエル・シルヴァーとシェーン・ブラックがタッグを組んだバディムービー。
http://cinema.pia.co.jp/title/170942/

『リーサル・ウェポン』『ダイ・ハード』『マトリックス』シリーズのジョエル・シルバー製作。

リーサルウェポンの脚本家で『ロング・キス・グッドナイト』では当時最高額の400万ドルの脚本料が支払われた『アイアンマン3』のシェーン・ブラック監督作品です。

ヒューマントラストシネマ渋谷にはよく行くので、本作の予告編はよく観ました。

あらすじ

シングルファーザーで酒浸りの私立探偵マーチ(R・ゴズリング)は、腕力で揉め事を解決する示談屋ヒーリー(R・クロウ)に強引に相棒にされ、失踪した少女の捜索を開始する。凸凹コンビに、13歳で車の運転までこなすキュートなマーチの娘・ホリーが加わり捜索を進めていくと、簡単なはずだった仕事は、1本の映画にまつわる連続不審死事件へと繋がり、やがて3人はアメリカ国家を揺るがす巨大な陰謀に巻き込まれていく―。コードネーム“オールドガイ”“ブルー・フェイス”“ジョン・ボーイ”…
次々と襲い来る凄腕の殺し屋に標的とされ、3人は命がけで事件解決に奔走する―

(公式サイトより引用)

ネタバレ感想

正直、ラッセル・クロウにそそられなかったのと、ガイ・リッチー監督の『コードネーム U.N.C.L.E』みたいに、おしゃれなだけで面白くないんじゃないかと思って、観る予定無かったんですけど面白かったです。

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内容はよく知らなくて私立探偵のバディ物くらいに思ってたんですけど、舞台が1977年のロサンゼルスだったんですね。

個人的にはこの70年代の設定はドンピシャで、ショーケンさんと水谷豊さんの「相棒」。
もとい「傷だらけの天使」や松田優作さんの「探偵物語」を思い浮かべてワクワクしました。

私立探偵の免許と拳銃許可証も持ってるけどめちゃめちゃ弱い(けど死なない)マーチ(ライアン・ゴズリング)と、探偵の免許も拳銃許可証も持ってないけど腕っぷしだけは強い示談屋のヒーリー(ラッセル・クロウ)のコンビが織りなすドタバタぶりは面白かったです。

特にライアン・ゴズリング演じるマーチは、映画的お約束がことごとく出来なくて笑いました。
よく映画のシーンで、建物に忍び込むのに窓ガラス割って鍵を開けますが、序盤、そのシーンで手首切っちゃって尋常じゃないくらい血が出てて爆笑しちゃいました。
また、拳銃を渡すときに放り投げるシーンでも暴投するんですが、それが完全なコメディ映画ほどあざとくなくて、油断して観てるからやられます(笑)

序盤にライアン・ゴズリングがラッセル・クロウに押さえつけられて腕折られてしまうシーンがあるんですが、そこも可笑しくて可笑しくて。
ゴズリングって『ホームアローン』のマコーレー・カルキンが大きくなったような気がするんですが、押さえつけられてバタバタしてるのが子供みたいで、序盤から笑わせてくれて体が温まりました。

それで、マーチは手首切ったり腕折れたり、結構な高さから落ちたりするんですが、とりあえず死なない。
この辺は同じジョエル・シルバー製作の『ダイ・ハード』も面目躍如といったところでしょうか。

ストーリーも70年代ハードボイルドあるあるって感じで、人探しからポルノ女優失踪事件に繋がり、利権や企業不正が絡んでくるっていうお話です。
若い女性の失踪に、ブルーフィルムやポルノフィルムという単語が絡んでくるだけでハードボイルド感が増します。
立ちはだかる巨悪(排ガス規制に関わる自動車業界)は、真相に辿り着くも倒せないのもお約束で、ロサンゼルスの水道利権を舞台にした『チャイナタウン』を思い浮かべましたし、そのやるせなさもハードボイルドたらしめていると思いました。

ラッセル・クロウとキム・ベイシンガーは『L.A.コンフィデンシャル』で共演してますが、こちらも傑作ハードボイルドで、もう20年前ですか!

LAコンフィデンシャルでは恋仲になる役でしたが、本作でのキム・ベイシンガーはジュディス・カットナーという司法省のお偉方役というのも時代を感じさせます。

変わって今作でのファムファタル的役割を果たすのがジュディスの娘アメリアを演じるマーガレット・クアリー。
長髪の綺麗な人でしたが『セックスと嘘とビデオテープ』のアンディ・マクダウェルの娘でしたか。

ゴズリングの娘役アンガーリー・ライスも可愛くてよかったです。

それにしてもLAコンフィデンシャルの予告の頃と比べるとラッセル・クロウの厚み増しましたな(人のこと言えませんが)。
だんだんと肥大化するあの体型を見て、亡くなったフィリップ・シーモア・ホフマンのポジションに収まるんじゃないかと思いました。

ストーリーの細かい部分(10万ドル運ぶところなど)で、やや、詰めきれてない感じもしましたが、70年代ハードボイルドコメディとしてたいへん楽しく観れました。

鑑賞データ

ヒューマントラストシネマ渋谷 TCGメンバーズ ハッピーフライデー 1000円
2017年 28作品目 累計24300円 1作品単価868円

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