ミスミソウ 評価と感想/B級リベンジホラーといっていいかと

ミスミソウ 評価と感想
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治外法権的な設定が気になる ☆3点

ぶんか社が発行していた漫画雑誌「ホラーM」に2007年から2009年まで連載されていた押切蓮介の漫画作品の実写映画化。
監督は『ライチ☆光クラブ』の内藤瑛亮、主演は『咲-Saki-』の山田杏奈、共演に『ちはやふる』の清水尋也

予告編

映画『ミスミソウ』予告 ムビチケ告知ありver

映画データ

ミスミソウ (2017) - シネマトゥデイ
「ハイスコアガール」などの漫画家・押切蓮介のコミックを実写映画化。閉鎖的な田舎に転校していじめの標的になった少女の運命を描く。
ミスミソウ|映画情報のぴあ映画生活
『ミスミソウ』は2017年の映画。『ミスミソウ』に対するみんなの評価やクチコミ情報、映画館の上映スケジュール、フォトギャラリーや動画クリップなどを紹介しています。

本作は2018年4月7日(土)公開で、全国17館での公開です。
4月28日(土)から長野・飯田センゲキシネマズでも公開されて、最終的には18館での公開となるようです。

劇場で予告編を目にしたことはなくて、公開されることも知らなかったんですけど、なんとなく評判よさそうなんで観てきました。

原作の存在すら知らず、全く予備知識のない中での鑑賞です。

監督は内藤瑛亮さん
お名前は存じ上げなかったのですが『先生を流産させる会』や『ライチ☆光クラブ』のタイトルは知っていました。

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『先生を流産させる会』は公開時に見たいなと思った記憶があります。

主演は山田杏奈さん
ドラマ版の「咲-Saki-」は見てました。
メガネっ子の方ですね。
映画は『あゝ、荒野 前篇後篇』を観てます。

共演に清水尋也さん
映画出演作は『渇き。』と『ハルチカ』を観てます。

共演に大谷凜香さん
元ニコラモデルさんだそうで初めましてです。
役柄上、金髪にしてたみたいですけど、金髪にした広瀬すずさんみたいだな、と思いました。

他に共演と配役は以下の通りです。

野咲春花: 山田杏奈
相場晄: 清水尋也
小黒妙子: 大谷凜香
佐山流美: 大塚れな
橘吉絵: 中田青渚
加藤理佐子: 紺野彩夏
三島ゆり: 櫻愛里紗
久賀秀利: 遠藤健慎
真宮裕明: 大友一生
池川努: 遠藤真人
南京子: 森田亜紀
野咲祥子: 玉寄世奈
野咲和夫: 戸田昌宏
野咲(母): 片岡礼子
野咲満雄: 寺田農

あらすじ

東京から田舎に転校してきた主人公・野咲春花(山田杏奈)は”部外者”として扱われ、壮絶なイジメを受けていた。春花の唯一の味方は、同じように転校してきたクラスメイトの相場晄(清水尋也)。彼を心の支えに必死に耐えてきた春花だが、クラスの女王的存在、小黒妙子(大谷凜香)の取り巻きのイジメグループによる嫌がらせは日に日に工スカレートしていった。そして、ある日、激しく燃え上がる炎が春花の家を覆い尽くす。春花の妹・祥子は大火傷を負いながらも助かったが、両親は命を落としてしまった。思いもよらない悲劇に遭遇した春花の心は、崩壊する──。やがて事件の真相が露見することを恐れたイジメっ子達は春花に自殺するよう強要するが、それがきっかけとなって春花は事件の真相を知り、家族を奪ったイジメっ子達に己の命を賭けた凄惨な復誉を開始するのだが…。厳しい冬を耐え抜いた後に雪を割るようにして咲く花、三角草(ミスミソウ)。春花はミスミソウのように厳しい冬を耐えて、きれいな花を咲かせることができるのか…。春花が選んだ道とは…。

公式サイトより引用)

ネタバレ感想

全く予備知識もなく、どんな映画かも分からずに観たのですが、序盤は延々といじめ描写が続きます。

女子グループのリーダー格の妙子が、好きだった相場が東京から転校してきた主人公の春花といい感じになってるのが気に入らないようで、妙子の取り巻きにいじめられてます。

話が進むと相場も東京から転校してきた生徒だと分かります。
中学校の周りには森と畑しかなく、クラスの殆どが幼馴染で閉塞的な村社会が描かれます。

村の様子なんかはドローン撮影を多用していて、映画のルックはいいです。
陰湿ないじめ描写が続くのも「主人公が反撃するための前フリなんだろうなぁ」と思って観てました。

春花の両親はいじめに気付いて、担任に相談に行きますが、担任は事なかれ主義でした。
父親は相談した帰りに校舎の階段で、春花をいじめてる男子生徒に、上履きの底に画鋲をつけた足で背中を蹴られ突き落とされます。

うーん、ここまですると完全に警察案件で、父親の背中は画鋲で穴が開くんですが、本作では最後まで警察は登場しません。
無能警察というか、治外法権の村なのか?

父親は自分の転勤のせいですまないと春花に謝り、卒業まで2か月だから学校に行かなくていいと言います。

春花が学校に来なくなると、元々クラスのいじめられっ子だった流美がいじめられるようになります。
いじめっ子たちは流美に「いじめられたくなかったら春花を学校に連れてこい」と言います。

流美は春花の家を訪ねますが、説得に失敗します。
いじめっ子たちに更にいじめられ、春花のことをどう思うかと尋ねられると「ぶっ殺してやりたい」と呟きます。
その発言に、「どうせ出来っこない」と高を括るいじめっ子たちでしたが、流美は「やってやる」と言います。

次の日、春花は相場とデートします。
デートと言っても森の中を散歩するだけですが。
その中で雪の中でも力強く咲くミスミソウ(雪割草)の蘊蓄が相場から語られます。

春花はデートを終えて相場に家のそばまで送ってもらってると、怯えた感じで歩いてくるいじめっ子グループの理佐子とゆりとすれ違います。
春花が家の前に来ると、家が火事になっていました。
家族を助けに行こうとする春花を制止して、相場が家の中に入っていくと、黒焦げになった妹の祥子が助け出されます。
相場によると父親が庇うようにして守っていたと言います。

病院に運ばれた祥子は一命は取り留めますが意識不明の重体で、父親と母親は焼死しました。
両親を失った春花は、唐突に出てくる、(同じ村に住んでる?)祖父の満雄と暮らします。
両親の葬式は描かれず、火事に対する消防や警察の捜査というのも全く描かれません。

春花は気丈にも両親が亡くなって3日後くらいには学校に登校します。
春花は放課後、吉絵を長とする理佐子とゆりに裏山に呼び出されます。
良心の呵責を感じて、火事のことを話してしまいそうになる理佐子とゆりに対し、吉絵は全く悪びれず、薄々感づいている春花に対し、「死んでくれねぇかなー」と自殺を強要します。
春花は馬乗りになって首を絞めてくる吉絵に対し、そばにあった釘を拾うと吉絵の右目を突き刺します。

突き刺された吉絵の右目はデフォルメされたように大きくなっていて、刺された吉絵も「えっ、えっ」と、これまでのシリアスから一変してコメディ調になることから、西村映造みたいな作品なのかなぁ?と思います。
理佐子とゆりは、指を切り落とされたり、アキレス腱を切られたりの残酷描写で殺されるので、「ああ、そういう映画なんだな」と理解しました。

こうなってくるとビデオスルーでもよさそうなB級リベンジムービーな気がして、そっちの方に頭を切り替えて観ましたね。

吉絵が悪びれなかったのは、父親が酒乱であったりすることなのですが、サラッと描かれるだけです。
その後は殺された3人の親が、娘が帰ってこないと学校に詰め寄ったりするのが描かれるんですが、なぜか警察に相談に行ったりするシーンは描かれず、殺人事件になる訳でもありません。
一度、学校にパトカーが来て、放火のことがバレたんじゃないかと、秀利、裕明、努の3人はビビりますが、行方不明になった少女たちのことを聞きに来ただけでした。
このあと村に雪が降って、少女たちが殺された場所が穴が掘られた不法投棄場所みたいなこともあって、死体が雪に埋もれて事件が発覚しなかったとも読めますが、リアリティを追及すると辛いところです。

ただ色んな感想読むと、原作読んでる人からはわりと原作に忠実に作られてるとの声があるので、そういう世界観なんでしょう。
確かに現実のいじめ問題も子供、学校、親という狭い世界に終始してますので、その世界観をデフォルメしてるとも言えると思います。

次に春花は下校中の秀利に遭遇します。
母親の最後の様子を語る秀利にキレた春花はナイフで切りつけると、逃げる秀利を追います。
逃げる途中で森の斜面に足を滑らせた秀利が転落すると、足の角度があらぬ方向に曲がっていました。
そのまま放置されおそらく死んだのだと思います。
春花の赤いコートは血と泥で汚れたまま帰ってきますが、祖父は何も言いません。
翌日には赤いコートは綺麗になっています。

女子グループ3人と、秀利まで消えたことを不審に思った裕明と努は、春花の仕業と睨むと殺られる前に殺れということで春花を襲います。
普段からボーガンとモデルガンを所持してる2人はさながら狩りのごとく楽しんで春花を狙います。

なんか、こうなると完全に『バトルロワイアル』の雰囲気なんですが、2人は春花の返り討ちに遭い殺られます。

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妙子の家は裕福でしたが、父親は仕事で不在がちです。
妙子は高校卒業後は東京に出て美容師の専門学校に行きたいと思ってましたが、強権的な父親にあっさり却下されます。
春花の両親が死んで思うところあった妙子が、春花に会いに行くと2人の過去が分かります。春花が転校してきたとき最初に声を掛けたのは妙子で、東京への憧れもあったのでしょう、2人はすぐに仲良くなります。
春花が妙子のカットの練習台になることもありました。
しかし、同じく東京から転校してきた相場が春花と仲良くなると、妙子は春花を相場に取られたような気がします。
自分より相場と仲良く話してる春花を許せなくていじめるようになったことが分かります。
なので男を盗られたからでは無くて、どちらかというとレズ設定です。
妙子は春花に許してもらって帰ります。

流美は絵を描くことが好きでオタク気質で、いつも一人でぶつくさ言うためいじめれていましたが、妙子に憧れ的な思いを抱いてて、何枚も似顔絵を描いてました。
妙子に振り向いてもらいたくて、春花の家に火を点けたのに、振り向いてもらえない妙子は暴走します。
妙子が春花と仲直りして帰るところをナイフで襲います。
流美は妙子の美容師への夢を奪うように手をグサグサ刺し、動かなくなった妙子を放置して去ります。

失踪した生徒の親たちが、再び担任の南と校長に詰め寄っています。
ある親が担任の南は地元出身で、中学時代はいじめられてたんじゃなかったか?と言うと、南は親たちが自分のことを責める生徒たちに見え発狂します。
南はそのまま道路に飛び出すので、てっきり車に轢かれて「どんがらがっしゃーん」となると思ったら、やってきた除雪車に巻き込まれてミンチになるというものでした(ここも西村映造っぽい)。

『ミスミソウ』の血肉をまき散らす除雪車やグロテスク表現に込めた想いとは? 内藤瑛亮監督×押切蓮介氏(原作者)インタビュー  | SPICE - エンタメ特化型情報メディア スパイス
『ハイスコアガール』『でろでろ』で知られる押切蓮介氏の漫画のなかでも、「精神破壊(メンチサイド)ホラー」をキャッチコピーとした過激な『ミスミソウ完全版』を実写映画化した『ミスミソウ』が4月7日(土)に公開される。同作では、同級生から壮絶なイジメを受け、さらには家族を殺害された少女・春花(山田杏奈)が復讐を行う壮絶な物語...

暴走してる流美は入院してる祥子の病室に現れると、油を撒いて火を付けようとします。
そこに見舞いに訪れた春花と鉢合わせすると揉み合いになります。
流美はその際に、意識不明の祥子が起き上がる幻影を見ると怖くなって病室を飛び出します。
すると、入れ替わりに看護婦が入ってきて祖父が殴られ救急搬送されてくると聞かされます。
そこにちょうど相場も祥子の見舞いにやってくるのでした。

救急搬送されてきた祖父は血だらけで直ちに手術室に運ばれると、春花は前日の相場との電話を思い出します。
祖父は春花の中学卒業後は東京に行こうと考えていて、祥子も転院させる予定でした。
相場はそのことを祖父から聞かされていて、卒業まで春花を支えて欲しいと言われていました。
しかし相場は春花への思いを更に募らせ、卒業後は自分も東京に行き春花と暮らし、昼は働いて生活費を稼ぎ、夜は夜間学校へ行くという青写真を描いていました。
前日の電話でそのことを一方的に話す相場は、相場の祖母の了解も取り付けたと言い、春花の祖父にも了解をもらわないとね、と言ってたのでした。
春花は相場がいつの間にかいなくなったのに気づくと、相場の後を追います。

春花は雪道を歩いて帰る相場に追いつくと「手を見せて」と言います。
隠そうとする相場の手を無理矢理見ると傷だらけでした。
相場は「違うんだ」と言って、「祖母を説得するのにこうなった」と言って自分のことを語り始めます。

相場が東京から転校してきたのには理由がありました。
相場の父親は母親に暴力を振るっていました。
見かねた相場が止めに入ると、父親を家庭から追い出します。
父親の暴力が無くなり幸せに暮らせると思ってましたが、父親とは共依存のような関係だった母親に、今度は相場が暴力を振るうようになっていて、そのために祖母の元にやって来ていたのでした。
しかし、自分の思いが相手に理解されないと暴力を振るうようになっていた相場は、春花への思いを理解してくれない祖母にも暴力を振るっていて、祖父にも同様のことをしていたのでした。
春花は相場の狂った愛に拒否反応を示すと、相場はどうして分かってくれないんだと迫るのでした。

するとそこに流美が現れます。
「オメーが転校してくるまで、それなりに上手くやってたんだ。普通に卒業するはずだったのに、部外者がクラスをかき混ぜやがって…」と言うと、放火に至るまでの経緯が描かれます。

母親と父親の死の間際を詳細に話す流美にキレた春花は、流美に飛び掛かりますがこれは流美の罠でした。
流美は隠し持っていた包丁で春花の腹部を一刺しにします。
春花が倒れると、怒った相場が流美をボコボコにします。
勢いあまって相場のカバンの中身があたりにぶちまけられます。

相場が流美を動かなくなるまで殴り続けていると、起き上がった春花は1枚の写真に気づきます。
その写真は火事の中で祥子に覆い被さる父親の写真でした。
相場はその様子に気が付くと、父親が娘を守ろうとするこれほど美しい写真は無いと弁解を始めます。
しかし、もう怒りしか湧かない春花は、腹に刺さった包丁を抜くと相場めがけて振りかざします。
相場はとっさに流美を盾にすると包丁が流美に突き刺さります。
相場は「俺が守るって言ったのによぉぉ」と言うと、春花を殴り始めます。

相場は春花がぐったりするまで殴り続けるとカメラを構えて「俺と一緒にいると約束してくれ」と言います。
春花は薄れゆく意識の中で手を伸ばすと、雪の中に裕明が使っていたボーガンが落ちていました。
春花は相場めがけてボーガンを放つと、カメラを構えていた相場のレンズ越しに突き刺さるのでした。

時間が飛んで卒業式。
今回の件で唯一の生き残りは妙子だけでした。
右手に包帯をした妙子が卒業証書を受け取ると誰もいない教室に向かいます。
妙子が教室に着くと、明るい日差しの中、春花と迎えるはずだった楽しい学校生活が描かれて映画は終わります。

 

うーん、妙子は結構な致命傷を負ってたので、死んだと思ったんですけど、卒業式では手に包帯巻いてるくらいで済んでたので、そういうところもリアリティないですかね。

映像もところどころ変なところがあって、右目を突き刺された吉絵に新しい傷が突然出来たり、雪の中、春花と相場が高台の公園で傘をさして話してると、引きの画では傘に雪が積もってるのにアップになると雪が無かったり、そういうの気になっちゃいましたね。

映像的には白い雪に、春花の赤いコートや飛び散る鮮血といった、白と赤を意識してるのかなぁ?と思いました。
修羅雪姫のイメージです。

修羅雪姫(Lady Snowblood) Trailer

あと、よくゲロを吐いてましたね。
きっと監督がゲロ吐くシーンが好きなんだと思います。

原作好きな人には概ね好評のようで、確かにイジメいくないとは思いますけど、ちょっとリアリティないかな。

個人的には『アイ・スピット・オン・ユア・グレイヴ』なんかのB級リベンジムービーと変わらない気がしました。

あと、中田青渚さん
観るたびにいじめっ子役ばかりやってるので、可哀想だなと(笑)

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鑑賞データ

新宿バルト9 平日夕方割 1300円
2018年 61作品目 累計52100円 1作品単価854円

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