聖なる鹿殺し キリング・オブ・ア・セイクリッド・ディア 評価と感想/The不条理

聖なる鹿殺し 評価と感想 映画感想
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どちらにしようかな天の神様の言う通り ☆5点

ヨルゴス・ランティモス監督による2017年の第70回カンヌ国際映画祭脚本賞受賞作品。
主演にコリン・ファレル、ニコール・キッドマン、共演にバリー・ゴーガン

予告編

『聖なる鹿殺しキリング・オブ・ア・セイクリッド・ディア』予告編

映画データ

聖なる鹿殺し キリング・オブ・ア・セイクリッド・ディア (2017) - シネマトゥデイ
第70回カンヌ国際映画祭脚本賞に輝いた、『籠の中の乙女』『ロブスター』などのヨルゴス・ランティモス監督によるダークスリラー。
聖なる鹿殺し キリング・オブ・ア・セイクリッド・ディア|映画情報のぴあ映画生活
『聖なる鹿殺し キリング・オブ・ア・セイクリッド・ディア』は2017年の映画。『聖なる鹿殺し キリング・オブ・ア・セイクリッド・ディア』に対するみんなの評価やクチコミ情報、映画館の上映スケジュール、フォトギャラリーや動画クリップなどを紹介しています。

本作は2018年3月3日(土)公開で、全国8館での公開です。
今後順次公開され、最終的には30館での公開となるようです。

本作の予告編はヒューマントラストシネマでよく目にしていて、今年の中で一番印象に残る予告編でしたね。
ずっと不穏なティンパニみたいな音に少女の歌が流れてて、予告を見ても内容はよく分からずというインパクトのある予告編でした。

監督はヨルゴス・ランティモス
一昨年公開された『ロブスター』は見に行こうと思ったんですけど、なかなかタイミングが合わずに見そびれて、去年WOWOWでやってたのを途中で気づいて、最後30分くらいだけ見ました。

ロブスター(字幕版)
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ギリシャ人の監督なんで、名前と作品が一致してませんでしたが、『籠の中の乙女』という作品も見たいなと思ってチェックしたことがありました。

籠の中の乙女 (字幕版)
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結局、まだ見てないんですけどね。

主演にコリン・ファレル
近作は『ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅』『The Beguiled/ビガイルド 欲望のめざめ』を観てます。

主演にニコール・キッドマン
近作は『パディントン』『シークレット・アイズ』『LION/ライオン ~25年目のただいま~』『パーティで女の子に話しかけるには』『The Beguiled/ビガイルド 欲望のめざめ』を観てます。

共演にバリー・コーガン
近作は『ダンケルク』を観てます。

共演にラフィー・キャシディ
近作は『トゥモローランド』を観てます。

他に共演と配役は以下の通りです。

スティーブン: コリン・ファレル
アナ: ニコール・キッドマン
マーティン: バリー・コーガン
キム: ラフィー・キャシディ
ボブ: サニー・スリッチ
マーティンの母: アリシア・シルヴァーストーン
マシュー: ビル・キャンプ

あらすじ

心臓外科医スティーブンは、美しい妻と健康な二人の子供に恵まれ郊外の豪邸に暮らしていた。スティーブンには、もう一人、時どき会っている少年マーティンがいた。マーティンの父はすでに亡くなっており、スティーブンは彼に腕時計をプレゼントしたりと何かと気にかけてやっていた。しかし、マーティンを家に招き入れ家族に紹介したときから、奇妙なことが起こり始める。子供たちは突然歩けなくなり、這って移動するようになる。家族に一体何が起こったのか?そしてスティーブンはついに容赦ない究極の選択を迫られる・・・。

公式サイトより引用)

ネタバレ感想

いきなり、手術のために開かれた剝き出しの心臓がドクドクと動く様子を映す本作。
人によってはグロ映像になると思うんですが、最近はテレビのドキュメント番組でも結構な手術シーンを映すんで平気かな?

最初、それが心臓なのか他の臓器なのか分からなくて、白っぽかったのと血が出てなかったので、鹿の臓器かな?と思ったのですが、主人公が心臓外科医なので心臓なんですね。
タイトルに鹿殺しとありますが、鹿は全く出てきません。

タイトルに鹿殺しとあるのは、ギリシア悲劇の「アウリスのイピゲネイア」というお話がちょびっと元になってるらしく、アガメムノンがアルテミスの聖なる鹿を殺して怒りを買って、娘のイピゲネイアを生贄に差し出さねばならない、というのをモチーフにしてるみたいなんですが、鑑賞中はそんなことは全く分かりませんでした。

鹿は調べるとギリシャ神話では、月の女神アルテミスの水浴中の裸体を見たアクタイオンが鹿の姿に変えられてしまったそうで、アルテミスには鹿が付いて回るのですな。

監督の前作『ロブスター』は配偶者を見つけられなかった場合、動物の姿に変えられてしまうという話なので、これもギリシャ神話っぽい話で、さすがギリシャ人、根底にはギリシャ神話が流れてるんですね。

 

主人公スティーブンはマーティンという少年と頻繁に会ってるのですが微妙な距離感があり、最初は別れた奥さんに引き取られた子供なのかな?と思ったのですが、見ているうちに2人の関係が徐々に分かるという次第です。

マーティンの父親はスティーブンの患者で、心臓手術をしたのですが、酒を飲んで酔ったまま執刀したスティーブンがミスして死なせてしまったことが分かります。

スティーブンは当初、そのことを隠して患者の息子と言って家族に紹介するので、娘のキムがマーティンと仲良くなったりしてややこしいことになります。

やがてマーティンがスティーブンの家族に浸潤してくるとマーティンの目的が明らかになります。

マーティンは父親を失ったことに対し、正当な裁きが下されなけねばならないと言って、スティーブンに家族の中から死ぬ人を1人選べと迫ります。
誰も選べなければ、家族は歩けなくなり、やがて食欲がなくなり、さらには目から血を流し、やがて3人共死に至ると言います。

すると本当に下の子のボブが歩けなくなります。
病院で検査をしても原因が掴めず、一度検査が終わるとボブは再び歩けるようになったので、スティーブンは仮病を疑いますが、病院を出ようとすると再び歩けなくなり、そのまま入院となります。
マーティンの言った通りになるのを信じたくないスティーブンは、ボブを無理矢理立たせて歩かせようとしますが、仮病ではありませんでした。

スティーブンの妻のアナは眼科医で、専門外とはいえ医者なので、徹底的に検査をして原因を突き止めようとしますが、思い当たる節があるスティーブンはあまり積極的ではないので、そのことで却ってスティーブンと軋轢を生みます。

アナがボブの入院に付き添うようになると、家に一人でいるキムはどんどんマーティンと仲良くなって、スティーブンを不安にさせるのでした。

決断を下せないスティーブンに対し、決断を迫るマーティンがストーカー化すると、スティーブンはマーティンを避けようとしますが、その頃になるとキムも歩けなくなって入院するようになります。

スティーブンとマーティンの関係を不審に思ったアナが、スティーブンに問いただすと医療ミスで亡くなった患者の子だと打ち明けられます。
しかし、スティーブンのミスではなく相棒の麻酔科医マシューのミスだと言います。

アナはマーティンと父親のことをマシューに聞きに行きますが、マシューの口は重くギブアンドテイクを持ち掛けてきます。
アナが了承すると、マーティンの父親のことは憶えてると言い、酒に酔って執刀したスティーブンがミスして、以前からそういうことがあったと言います。
アナはマシューの求めに応じて手コキするのでした。

アナは入院しても容態が好転しない2人を自宅療養に切り替えます。

切羽詰まったスティーブンはマーティンを拉致すると自宅地下室に監禁します。
回避する方法を吐かせようと痛めつけますが、回避する方法は無いと言います。

やがてアナもマーティンが監禁されていることを知りますが、監禁しても無意味と悟りマーティンを逃がすと、スティーブンと現実的な話をします。

スティーブンはアナが生きていれば、また子供を作れると言い、まずアナを除外します。
次にキムとボブを比較すると概ねキムの方が優秀となり、キムを生かす方に落ち着くのでした。

そしてスティーブンはアナと全身麻酔プレイをします。

しかし土壇場で優柔不断になったスティーブンは、アナ、キム、ボブをリビングの椅子に拘束し、顔に袋を被せます。
自らは目隠しをしてグルグル回ると、止まったところでライフルの引き金を引き、ロシアンルーレットのように天の神様に委ねるのでした。

1発目、2発目は当たらず、3発目に当たったのはボブでした。

ボブを失ったスティーブン一家がレストランで食事をしてるとマーティンがやってきます。
3人はボブを一瞥すると、静かにレストランから出ていきます。
マーティンは3人をじっと見つめて映画は終わります。

映画はザ・不条理なので、どうしてマーティンの言った通りになるのか?とかを考えるのは止めました。

最初は『不能犯』みたいな暗示的なものかなぁ?と思いましたが、すぐにその考えは消えました。

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マーティンは父親を求めてた節もあるので、スティーブンが家族を捨ててマーティンの父親になれば、誰も死ななくて済むんじゃないかと考えましたけど、そっちの方には話が転びませんでしたね(マーティンの母親を拒否した時点で)。

緊張感のある雰囲気は黒沢清監督の作風を思わせましたが、映像的にはもう少し明るめでしたので、『シャイニング』のキューブリック的なのかなと思いました。

The Shining Trailer

広角レンズでゆったりとズームする映像は、どのシーンを切り取っても絵画的に美しく、北野武監督も

究極の映画とは、10枚の写真だけで構成される映画であり、回ってるフィルムをピタッと止めたときに、2時間の映画の中の何十万というコマの中の任意の1コマが美しいのが理想だと思う。

Wikipediaより引用)

と言ってますが、まさしくそんな感じの映画になってたと思います。

役者陣はみんなよかったですが、その中でもバリー・コーガンが特によかったですね。
『ダンケルク』ではマーク・ライランス演じるドーソン船長に同行する好青年を演じてましたけど、本作では一転して、その表面を飾る純朴さが底知れぬ恐ろしさに繋がっていて見事でした。
デトロイト』のウィル・ポールターなんかと同年齢で、今後が楽しみな役者さんだと思います。

上映時間121分の映画でセリフの分量はそんなに多くないと思いますが、緊張感のある映像で間延びすることなく集中して観れると思います。
これといった解の無い映画で、様々な解釈が出来ると思いますが、2回、3回と見ることで新たな気付きもありそうな作品で、時間があったらもう1回観たいと思います。

鑑賞データ

ヒューマントラストシネマ渋谷 TCGメンバーズ ハッピーフライデー 1000円
2018年 42作品目 累計31700円 1作品単価755円

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