ボブという名の猫 幸せのハイタッチ 評価と感想/リアル招き猫

ボブという名の猫 幸せのハイタッチ 評価と感想
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パルム・キャット賞をあげたい ☆3.5点

2012年にイギリスで出版されると瞬く間に70万部を超すベストセラーになったジェームズ・ボーエンのノンフィクション「ボブという名のストリート・キャット」の映画化で監督はロジャー・スポティスウッド。主演はルーク・トレッダウェイ、猫は実際の猫が出演。

予告編

映画データ

ボブという名の猫 幸せのハイタッチ (2016):作品情報|シネマトゥデイ
映画『ボブという名の猫 幸せのハイタッチ』のあらすじ・キャスト・評価・動画など作品情報:ホームレスのストリートミュージシャンと、野良猫の運命の出会いを描いたノンフィクション「ボブという名のストリート・キャット」を実写映画化。
http://cinema.pia.co.jp/title/173112/

本作は2017年8月26日(土)公開で全国で30館強の公開です。
今後も順次公開され最終的には60館規模での公開となるようです。

本作は映画館でも予告編を見たことなく、この猫の存在も知らなかったんですが、ヤフー映画のレビュー点数が高かったので気になって観に行ってきました。

監督はロジャー・スポティスウッド
名前を聞いてもピンときませんでしたが『007 トゥモロー・ネバー・ダイ』の監督さんでした。
他に有名どころではアーノルド・シュワルツェネッガー主演の『シックス・デイ』も監督されてます。
1989年まで遡るとトム・ハンクス主演の『ターナー&フーチ/すてきな相棒』で刑事と犬のバディ物を監督してますね。

これ映画館で観たような記憶もあるのですが、『K-9/友情に輝く星』とごっちゃになってるかも。

主演はルーク・トレッダウェイ
イギリスの俳優さんなんで初めましてかな?と思ったんですが『不屈の男 アンブロークン』に出てたみたいです。

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反日映画では無いが映画としてはいまいち ☆3点 予告編 映画データ 1年前に反日映画だと騒がれて話題になった本作。 1年経ってようやく公開に至った訳ですが、これのどこが反日映画なの?とビックリするくらいの普通の作品でした。 第二次世界大戦を...

どの役だったかな?

他に共演と配役は以下の通りです。

ジェームズ役: ルーク・トレッダウェイ
ボブ役: ボブ(本猫)
ヴァル役: ジョアンヌ・フロガット
ベティ役: ルタ・ゲドミンタス
ジャック役: アンソニー・ヘッド
メアリー役: キャロライン・グッドオール
バズ役: ダレン・エヴァンス

あらすじ

ロンドンでプロのミュージシャンを目指すが夢破れ、家族にも見放されてホームレスとなった青年ジェームズ。人生に目的も目標も持てないまま、薬物依存から抜け出す事もできず、まさにドン底の生活を送っていた彼のもとにある日、足にケガをした一匹の野良猫(ボブと命名)が迷い込んでくる。ジェームズが有り金全てをはたいてボブを助けて以来、ふたりはどこへ行くにも一緒で、次第にその動向が世間の注目を集めるようになる。しかし、彼らの前に次々と試練と困難が立ちはだかり、ジェームズはボブのためにも、それらを1つ1つ乗り越え、やがて大きなチャンスが訪れることになり……。

公式サイトより引用)

ネタバレ感想

日本でも2013年12月12日にフジテレビの「奇跡体験!アンビリバボー」で放送されたようですが、この話は全く知りませんでした。

奇跡体験!アンビリバボー:奇跡を運ぶノラ猫★人生ドン底男とのキズナ - フジテレビ
奇跡体験!アンビリバボー - オフィシャルサイト

本の方も世界中で発売されていて続編を併せると1000万部を超えてるとかで凄いですね。

映画の感想は素直にいい話だなとは思うのですが、まぁ宝くじが当たったみたいな話でもあります。

レビューや感想で「セカンドチャンスを信じて頑張れる」みたいのを目にしまして、作者のジェームズさんも「誰でもセカンドチャンスを手にする価値がある」と言ってるみたいですが、まぁ奇跡みたいな話なんで誰でもこうなる訳じゃないと思います。

映画は冒頭から、結構ホームレス描写がキツくてイギリス社会の闇を感じさせます。
今年公開された『わたしは、ダニエル・ブレイク』と共通する社会問題で、EU離脱の引き金にもなってます。

わたしは、ダニエル・ブレイク 評価と感想/2016年カンヌパルムドール作品
先進国が抱える閉塞感 ☆5点 わたしはダニエル・クレイグ 最初にタイトル見たときにはそう思ったんですけど、映画を観たらそんな冗談は言ってられないほどヘビーでやるせなく、心えぐられる社会派ドラマでした。 ケン・ローチ監督作品は初めて観ました。 小難しい作品が多いのかな?と思ってたんですが、とても分かりやすくて見やすかったです。

ドラッグ中毒、ヘロイン中毒から抜け出せない闇は『トレインスポッティング』で描かれていました。

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おれは、マーク・レントン ☆4.5点 予告編 映画データ 丸の内ピカデリー1(座席数802)の大スクリーンで観てきました。 公開から1週間、平日の夜なので100人も入って無かったかな。 実は、前作の『トレインスポッティング』は観たことなくて...

本作を観ててずっとつきまとう疑問は「何でこのお兄さん働かないの?」です。

意図した演出ではないでしょうが、ジェームズが朝から何も食べてないと言って、食堂みたいなトコで弁当を買いますが、代金の3ポンドが払えなくて黒人の店員に捨てられるシーン。

黒人の人は移民じゃないかもしれませんが、そういう人はちゃんと働いてて主人公のような20代そこそこの白人がドラッグに溺れ働いてないっていう。

このテーマは『ザ・シェフ 悪魔のレシピ』でも描かれてたんですが、日本でも若くて働けそうな人が生活保護受けてたりして、都内のコンビニエンスストアとかで働いてるのは外人ばかりなので同じような状況なんですよね。

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邦題付けたの誰だ(笑) ☆4点 予告編 映画データ ヒューマントラストシネマ渋谷で毎年行われている「未体験ゾーンの映画たち」での鑑賞です。 今年の未体験ゾーンでは『スイッチ・オフ』に続いて4作品目の鑑賞です。 ホントはシネマート新宿で『哭声...

プロのミュージシャンを目指すといっても、劇中流れる曲は実際の御本人の曲かは分かりませんが、ハッキリ言って凡庸です。

ボブが来たことによって投げ銭が集まりますが、音楽の力じゃないですよね。
どちらかというと猿回しに近くて、訓練しなくても優秀だった猫が来てくれたっていうだけで…。

主人公がビッグイシュー配って働きだすようになるのだって、路上演奏を禁止されたからで自発的なものとしては描かれてませんでした。
ビッグイシューでも不可抗力とはいえ縄張り荒らして1か月の販売停止となるんですが、あのシーンにしたって売り上げをちゃんと渡せばいいのになぁと思ってしまいました。

ビッグイシュー、部数減の苦境 売り手のホームレスが…:朝日新聞デジタル
自立を目指すホームレスが路上で売る雑誌「ビッグイシュー日本版」が苦境に立たされている。部数の落ち込みで、発行元が2年連続赤字に陥った。売り手のホームレスの減少が大きいが、活字離れも影響しているようだ…

主人公が努力したのはヘロイン中毒の治療に使われるメタドン(これも麻薬)も断つことで、これは2,3日家に籠って格闘する様子が描かれましたが、こういう時こそ拘束してくれるような施設を利用すればいいのになぁと思ったんですが、そういう施設無いんですかね?

物語としてはこのあと、ボブと一緒に路上演奏してたのがユーチューブで話題になり、それを目にした出版社が手記を持ち掛けて、書店でサイン会を開いたところで終わります。

ボブはもう単純に可愛かったですね。

実際、実話ベースのこういう映画でも訓練された動物タレントを使うと思うのですが、それを御本猫がやっちゃうんですからダブルで凄いです。
ボブがジェームズの元にやってきたのだって必然では無いはずですが、ここまでいくと人間の生まれ変わりとしか思えなくて、やっぱり奇跡です。

ボブは現在、推定年齢11歳ということですが、ジェームズの本当の人生はボブが亡くなってからでしょう。

宝くじの高額当選で注目を浴びた人が人生を狂わすことはよく聞く話で、ボブが印税のほとんどを寄付してしまっているというのは気になるところです。

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宝くじを買うことはありますか。 もし一夜にして人生が変わるほどの大金が手に入ったら、どう使おうかと夢を描いてしまうものですが、当選者の中には幸せになるどころか人生を破滅させてしまう人もいます。 実際に巨額の宝くじを当てたものの、天国から地獄...
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今年はこちらもアンビリバボーでやった『LION/ライオン ~25年目のただいま~』という映画が公開されましたが、ホント事実は小説より奇なりだなぁと思いました。

鑑賞データ

新宿ピカデリー SMTメンバーズ割引料金 1200円
2017年 147作品目 累計156400円 1作品単価1064円

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