オリエント急行殺人事件 評価と感想/俺がポアロだ!ケネス・ブラナーだ!

オリエント急行殺人事件 評価と感想 映画感想
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超豪華海鮮丼みたいでお腹いっぱい ☆3.5点

これまでに何度も映像化されている1934年に発表されたアガサ・クリスティのミステリー小説『オリエント急行の殺人』を1974年以来に映画化。監督・主演のケネス・ブラナーの元、ジョニー・デップをはじめとしたオールスターキャストで描く

オリエント急行の殺人
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予告編

映画『オリエント急行殺人事件』予告B

映画データ

オリエント急行殺人事件 (2017) - シネマトゥデイ
これまで幾度も映像化されてきたアガサ・クリスティの傑作ミステリーを映画化。ヨーロッパ各地を巡る豪華列車を舞台に、世界的な名探偵エルキュール・ポアロが客室で起きた刺殺事件の解明に挑む。
オリエント急行殺人事件|映画情報のぴあ映画生活
『オリエント急行殺人事件』は2017年の映画。『オリエント急行殺人事件』に対するみんなの評価やクチコミ情報、映画館の上映スケジュール、フォトギャラリーや動画クリップなどを紹介しています。

本作は2017年12月8日(金)公開で全国356館での公開です。

今冬の20世紀フォックスの大作ですが、ディズニーに約6兆円で買収されることが決まりました。

ディズニーが6兆円買収 20世紀フォックスを傘下に 米映画市場の3割占める
米娯楽・メディア大手のウォルト・ディズニーは14日、同業の21世紀フォックスの娯楽部門を約524億ドル(約5兆9千億円)で買収すると発表した。負債込みで総額66…

20世紀フォックス、日本での興行成績もいまいちパッとしませんでしたからね。
この10年でも日本で興収30億円以上記録したのは『ダイ・ハード4.0』『ナイトミュージアム』『アバター』『オデッセイ』だけです。
というか最近の日本ではウォルト・ディズニー・スタジオ1強ですね。

監督・主演はケネス・ブラナー
監督作は『愛と死の間で』と『から騒ぎ』を観たことがあるくらいですかね。

愛と死の間で (字幕版)
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出演作で近作は『ダンケルク』を観てます。

共演にミシェル・ファイファー
『ヘアスプレー』を見てないんで映画館で『ホワット・ライズ・ビニース』を観て以来です。

相変わらず綺麗でした。

共演にジョニー・デップ
近作は『Mr.タスク』『ブラック・スキャンダル』を観てます。

共演にウィレム・デフォー
近作は『誰よりも狙われた男』『ニンフォマニアック Vol.1Vol.2』『グランド・ブダペスト・ホテル』『ジョン・ウィック』『ドッグ・イート・ドッグ』を観てます。

共演にペネロペ・クルス
近作は『アイム・ソー・エキサイテッド!』を観てます。

他に共演と配役は以下の通りです。

ブーク: トム・ベイトマン
エルキュール・ポアロ: ケネス・ブラナー
ピラール・エストラバドス: ペネロペ・クルス
ゲアハルト・ハードマン: ウィレム・デフォー
ドラゴミロフ公爵夫人: ジュディ・デンチ
エドワード・ラチェット: ジョニー・デップ
ヘクター・マックィーン: ジョシュ・ギャッド
エドワード・ヘンリー・マスターマン: デレク・ジャコビ
ドクター・アーバスノット: レスリー・オドム・Jr
キャロライン・ハバード: ミシェル・ファイファー
メアリ・デブナム: デイジー・リドリー
ピエール・ミシェル: マーワン・ケンザリ
ヒルデガルト・シュミッツ: オリヴィア・コールマン
エレナ・アンドレニ伯爵夫人: ルーシー・ボーイントン
ビニアミノ・マルケス: マヌエル・ガルシア=ルルフォ
ルドルフ・アンドレニ伯爵: セルゲイ・ポルーニン

あらすじ

乗客全員が容疑者
”世界一の名探偵”ポアロが豪華列車で謎解きに挑む。

エルサレムで教会の遺物が盗まれ、鮮やかな推理で犯人を突き止めた、名探偵のエルキュール・ポアロ。イスタンブールで休暇をとろうとした彼だが、イギリスでの事件の解決を頼まれて急遽、オリエント急行に乗車する。

出発したオリエント急行でくつろぐポアロに話しかけてきたのは、アメリカ人富豪のラチェットだ。脅迫を受けているという彼は、ポアロに身辺の警護を頼む。しかし、ポアロはラチェットの要請をあっさりと断るのだった。

深夜、オリエント急行は雪崩のために脱線事故を起こし、山腹の高架橋で立ち往生してしまう。そしてその車内で殺人事件が起こっていた。ラチェットが12か所も刺され、死体で発見されたのだ。乗り合わせていた医師のアーバスノットは、死亡時刻を深夜の0時から2時の間だと断定する。

鉄道会社のブークから捜査を頼まれたポアロは、乗客たち一人一人に話を聞き始める。ラチェットの隣室のハバート夫人が「自分の部屋に男が忍び込んだ」と訴えるなど、乗客たちの証言によって、さまざまな事実が明らかになってきた。しかし乗客全員にアリバイがあり、ポアロの腕をもってしても犯人像は浮上しない。

ラチェットの部屋で発見された手紙の燃えカスから明らかになったのは、彼がかつてアームストロング誘拐事件に関わっていた事実だった。少女を誘拐し、殺害したラチェットが、復讐のために殺されたのか?殺人犯は乗客の中にいるのか、それとも・・・・・?

公式サイトより引用)

ネタバレ感想

名作の誉れ高い1974年のシドニー・ルメット版は映画ファンなら避けて通れないと思うんですけど、映画をよく見るようになってからもその存在は知っていましたが、なかなか観ようという気が起きず、同じシドニー・ルメット監督の名作『十二人の怒れる男』なんかより観たのはずっと後でした。

第28回:『オリエント急行殺人事件』(1974年) 監督:シドニー・ルメット 出演:アルバート・フィニー:名画プレイバック - シネマトゥデイ
ミステリーの女王、アガサ・クリスティが生んだ稀代の名探偵エルキュール・ポワロ。

その後もドラマとか映画の再放送をテレビでやってると思うんですけど、ことごとく見てないので内容はすっかり忘れてました。

というか、同じオリエント急行が舞台ということで『007 ロシアより愛をこめて』とごっちゃになってるきらいもあります(嘘)。

From Russia With Love

なのでトリックも忘れてたんですけど、よせばいいのに観る前に調べちゃいましてトリックが分かったんですけど、それでも全く忘れてました。

全く忘れてたということはオリジナルを観たとき、そんなに面白くなかったんじゃないか?(面白ければ面白かったとか覚えてると思うので)と思ったんですけど、本作を観てもそんな感じでした。

たぶんミステリーとして純粋な謎解きを楽しもうとすると、観客に提示される事実は少ないんだと思います。
というのも物語の構造がそうなってるからで、殺人事件の動機は劇中で明らかになるもう一つの幼児誘拐殺害事件が背景にあります。
読者や観客は当然その事件を知らないのですが、劇中内では誰もが知ってる有名事件となってるので、読者や観客との乖離がある訳です。

原作者のアガサ・クリスティは当時話題になっていた「リンドバーグ愛児誘拐事件」をモデルにしていて、きっと当時の読者ならこの事件がイメージに浮かぶんだと思います。

物語も時間軸に沿って誘拐殺害事件を描いてからオリエント急行内の事件を描けば復讐譚になると思うのですが、それを逆から描いて、しかもたまたまその列車に名探偵ポワロが乗り合わせたことから事件を推理していくという流れにしてミステリーにしています。

なのでトリックが先にある物語ではなくて、誘拐殺害事件のその後を考えたら、こういう事件になったという物語だと思います。
それだけにミステリーとしてのカタルシスは低く、どちらかというと重厚な人間ドラマの様相を呈してると思います。

本作が、原作や1974年版と違うところは、映画のまくらとして列車に乗る前に一つ事件を解決してるんですが、これがオリエント急行の事件の対照として描かれてます。

オリエント急行の事件は犯人が全員ですが、エルサレムの教会で遺物が盗まれた事件の犯人は警察が挙げた容疑者の中にいないというものでした(犯人は容疑者を挙げた警察官)。

そして1974年版の上映時間が128分に対し、本作は114分と短いのですが、冒頭に上記の事件を描いてるので、メインの話そのものが駆け足で更に短くなってる気がします。
観客もある程度この物語を知ってる前提でテンポ感を出しているように思い、ミステリーを解くというカタルシスは更に減ってる気がします。

すると見どころはどこにあるかと言うと、やはり豪華な出演者に限ると思います。

1974年版も
ミラーズ・クロッシング』のアルバート・フィニー
暗黒の恐怖』のリチャード・ウィドマーク
サイコ』のアンソニー・パーキンス
八十日間世界一周』のジョン・ギールグッド
007』シリーズのショーン・コネリー
三つ数えろ』のローレン・バコール
カサブランカ』のイングリット・バーグマン
ブリット』のジャクリーン・ビセット
恐怖の岬』のマーティン・バルサム
等々と相当豪華でしたが、本作は本作で現在のベテランから演技派、今が旬の若手俳優と、旬のネタが満載の豪華海鮮丼のようです。

役柄は違いますが、悪役のイメージで共通するのはウィレム・デフォーとリチャード・ウィドマーク
『パイレーツ・オブ・カリビアン』のシリーズがあるジョニー・デップと『007』のシリーズがあるショーン・コネリー
ミシェル・ファイファーとローレン・バコールは役が同じで雰囲気も似てますね。
ペネロペ・クルスとイングリット・バーグマンも役が同じで雰囲気は違いますがスペイン出身とスウェーデン出身ながらハリウッドで活躍してるので共通します。

それから今話題のバレエダンサーのセルゲイ・ポルーニン、『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』から起用され、公開中の『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』にも出演しているデイジー・リドリー、最近の『007』シリーズでM役だったジュディ・デンチ、等々、本作もかなり豪華です。

しかし、そんな面々を相手にしながらも、「この難事件を解けるのは神か?ポワロか?」とまで言ってのけるほど独断場のポアロを演じたケネス・ブラナーが、実は全部持ってってます。

それもそのはずで容疑者が12人もいるので、一人一人丁寧に掘り下げる訳にもいかず、どうしたって駆け足な描写になります。
すると相対的に、本作の立派な口ひげのようにポアロが浮かび上がってくるので、演じるブラナーの独断場となるわけです。

ブラナーもノリノリですよね。
当初、監督に決まると、そのまま自身がポアロ役に決まり、撮影に入ります。
劇中ラストで事件が解決するとポワロは途中下車し「エジプトに行く」と続編を示唆して終わります。

アメリカでは2017年11月10日(金)公開で1か月ほど経ちましたが、興収がもう少しで1億ドルに届きそうです。
世界興収も2億8千万ドルを超えてきたことから、続編の準備が始まったと報じられました。

「オリエント急行殺人事件」続編準備がスタート!次は「ナイルに死す」 : 映画ニュース - 映画.com
「オリエント急行殺人事件」の続編準備が早くもスタートしたことが明らかになった。米ハリウッド・レポーター紙が報じている。同作は、アガサ・クリスティの人気推理小説の再映画化で、「マイティ・ソー」「シンデレラ」の監督を手がけたケネス・ブラナーが製

この流れはユニバーサルがやろうとしてた「ダーク・ユニバース」の流れに近いと思います。
「アガサ・クリスティ・バース」とでも言いましょうか。
「ダーク・ユニバース」は頓挫したみたいですけど。

「ダーク・ユニバース」第2弾『フランケンシュタインの花嫁』公開日取り消しに! - シネマトゥデイ
米ユニバーサル・ピクチャーズが、トム・クルーズ主演作『ザ・マミー/呪われた砂漠の王女』に続く、「ダーク・ユニバース」第2弾として製作を進めていた新作映画『フランケンシュタインの花嫁』の全米公開日2019年2月14日を取り消し、延期することを発表した。

そんな訳でケネス・ブラナーの映画になってます。

面白いのはエンドロールでの出演者クレジット、一番目がブーク役のトム・ベイトマンで二番目がポアロ役のケネス・ブラナーなんです。
何でケネス・ブラナーが一番目じゃないんだろ?と思いましたが、事件の解決を依頼するのが鉄道会社重役のブークだからですかね?
『犬神家の一族』で言えば、殺された若林さんに代わって、改めて金田一耕助に事件を依頼する弁護士・古館恭三役の小沢栄太郎さんが一番目にクレジットされる感じです。

映画はまぁ、すごい面白いってほどではないですが、適度なアクションや雪崩のスペクタクルで現代風にテンポよく進み、謎解きの場面では最後の晩餐のような構図で撮るなど、観客を飽きさせない工夫はあるのである程度楽しめると思います。

鑑賞データ

TOHOシネマズ上野 TOHOシネマズデイ 1100円
2017年 205作品目 累計221100円 1作品単価1079円

コメント

  1. ミスマープル より:

    エンドロールのクレジットは劇中の登場順で並んでるからですね。

    • eigamanzai より:

      ミスマーブルさん

      なるほど!ありがとうございます。