しあわせの絵の具 愛を描く人 モード・ルイス 評価と感想/とにかく泣ける

しあわせの絵の具 愛を描く人 モード・ルイス 評価と感想
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サリー・ホーキンス、こっちの方がいいです ☆5点

カナダのフォーク・アートの女性画家モード・ルイスとその夫エベレットの半生を描いた伝記ドラマで各地の映画祭で観客賞を受賞した作品。
監督はアイルランドの女性監督アシュリング・ウォルシュ、主演にサリー・ホーキンスとイーサン・ホーク

予告編

映画『しあわせの絵の具 愛を描く人 モード・ルイス』予告編

映画データ

しあわせの絵の具 愛を描く人 モード・ルイス (2016) - シネマトゥデイ
美しい風景や動物たちを描いた素朴な作風で知られるカナダの画家モード・ルイスの伝記ドラマ。絵と自由を愛したモードの人生を、彼女を支え続けた夫との関係を軸に描き出す。
しあわせの絵の具 愛を描く人 モード・ルイス|映画情報のぴあ映画生活
『しあわせの絵の具 愛を描く人 モード・ルイス』は2016年の映画。『しあわせの絵の具 愛を描く人 モード・ルイス』に対するみんなの評価やクチコミ情報、映画館の上映スケジュール、フォトギャラリーや動画クリップなどを紹介しています。

本作は2018年3月3日(土)公開で、全国20館での公開です。
6月頃まで順次公開されるみたいで、最終的には39館での公開となるようです。

映画館で予告編は見なかったんですけど、公開中の『シェイプ・オブ・ウォーター』のサリー・ホーキンスということで観てまいりました。

監督はアシュリング・ウォルシュ
アイルランド出身の女性監督で1985年頃からショートフィルムを撮ってたみたいですけど、1990年代から主にイギリスのテレビドラマの演出を手掛けてることが多いようです。
昨年公開されたパク・チャヌク監督作『お嬢さん』の原作「荊の城」が2005年にBBCでテレビドラマ化されてて、その時の監督がアシュリング・ウォルシュで、主演がサリー・ホーキンスだったようです。

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主演にサリー・ホーキンス
近作は『パディントン』『パディントン2』『シェイプ・オブ・ウォーター』を観てます。

主演にイーサン・ホーク
近作は『マグニフィセント・セブン』を観てます。

他に共演と配役は以下の通りです。

モード・ルイス: サリー・ホーキンス
エベレット・ルイス: イーサン・ホーク
サンドラ: カリ・マチェット
アイダ(叔母): ガブリエル・ローズ
チャールズ(兄): ザカリー・ベネット

あらすじ

カナダ東部のノバスコシア州。小さな町で叔母と暮らすモード(サリー・ホーキンス)は、絵を描くことと自由を愛していた。ある日、商店で買い物中のモードは、家政婦募集の広告を貼り出した男に興味を持つ。男は町はずれで暮らし、魚の行商を営むエベレット(イーサン・ホーク)。モードは束縛の厳しい叔母から逃れるため、住み込みの家政婦になろうと決意。彼が1人で暮らす家のドアをノックした。
子供の頃から重いリウマチを患い、両親が他界した後は一族から厄介者扱いされてきたモード。孤児院で育ち、学もなく、生きるのに精一杯だったエベレット。そんなはみ出し者同士の同居生活はトラブル続きで、2人を揶揄する噂が広まる。しかし、モードがこしらえた熱々のチキンシチューを口にして、エベレットは孤独だった心が温まるのを感じるのだった。

そんな時、エベレットの顧客サンドラが家を訪れる。ニューヨークから避暑に来ている彼女は、モードが壁に描いたニワトリの絵を見て一目で才能を見抜き、絵の創作を依頼する。サンドラの期待に応えようと、モードは夢中で筆を動かし始めた。壁に、板に、請求書の裏に。そんな中、徐々に互いを認め合い、距離を縮めていったモードとエベレットは結婚。一方モードの絵は雑誌やテレビで取り上げられ評判となり、小さな家には観光客が押し寄せる。絵の創作に集中するモードに代わり、エベレットが家事と営業を担当するようになっていた。変わらず慎ましやかな生活を送り続ける2人は絵が1枚5ドルで売れる状況に驚き、顧客が喜ぶ姿を見るだけで満足していた。モードの絵の評判は広がり続け、やがてアメリカ合衆国大統領のニクソンから依頼が舞い込むまでに……。

公式サイトより引用)

ネタバレ感想

アカデミー賞獲ったんで『シェイプ・オブ・ウォーター』ばかり話題になってますが、いやー、これ観に行ってよかったです。
モード・ルイスの存在は知らなかったんですけど、女性監督ならではの繊細なタッチと優しさに溢れていて、めちゃめちゃ泣けましたね。

物語はモードが叔母のアイダに預けられてるところから始まるんですが、兄のチャールズが叔母に「その分の仕送りはしてるんだから、モードの面倒はちゃんと見てくれよな」みたいなことを言うんですね。
それで、モードは家に帰りたいって言うんですけど、兄が家は売ったって言うんで、どうやら両親は他界したんだなと想像できます。
ウィキペディアを見ると1937年、モード34歳のときと思われます。

映画を観てると最初は説明が無かったので、モードは山下清みたいな軽度の知的障害かな?と思ったんですが、とにかく一族からは1人では生きていけないと思われていて家事手伝いをしてるんですが、夜中にこっそりダンスホールに行ったのを叔母さんに怒られると自分の力で生きていこうと決意します。

ある日、街の商店に買い物に行くと、ちょうど店にエベレットがやってきて家政婦募集のチラシを貼るところに出くわします。
その様子を見ていたモードはエベレットが居なくなるとチラシを剥がして、その足でエベレットの家に向かいます。
エベレットと面接すると一旦帰されるんですが、エベレットは雑用している孤児院の先生に応募が少ないと愚痴をこぼすと、応募してきた人でいいじゃないかと言われ、エベレットはトラックでモードを迎えに行きます。

モードの家に着き、すぐ準備出来るかと聞くと、出来るというのでモードの準備を待ちます。
慌ただしく準備するモードに対し、アイダ叔母さんは出てったら二度と戻れないと言うと、モードはエベレットのトラックに飛び乗って叔母さんの家を後にします。

エベレットの家に着くと、とりあえず試用期間と言ってモードは雇われます。
モードは何をしたらいいか?と聞くと、エベレットから「言われないと動けないのか?」と言われ、エベレットが仕事に出てる間に掃き掃除と夕食のスープを作りますが、エベレットが帰ってきたときには棚にあった小物をいじったり、エベレットが嫌いなカブのスープだったり、食卓の上も全く片付いてなくて、速攻クビを言い渡されます。
モードは行くところが無いと言いながら外に出ますが、翌日の朝、エベレットが起きると、食卓の上は片付けてあってパンと飲み物が用意されていて、モードは一生懸命床を磨いていました。

なんかもうね、この辺で既に泣けるんですよね。
モードはリウマチなので手とか固まっちゃてるんですが、その姿で床磨いてるのとかいじらしくて。
エベレットの家は街から離れたところにあるので、歩いていくのも一苦労なんですが、そういうのもモードがびっこ引きながら歩いてる画を遠くから俯瞰するように撮っていて、心にジーンとくるんですよね。
エベレットも厳しいんですけど叔母さんのそれとは違っていて、朴訥な感じで女性と接したことも無さそうなので、どう接していいか困ってる感じも見受けられて、戸惑いながらモードを見る目がなんともいいんです。
イーサン・ホークもかなりいい演技してると思いました。

モードは動物が好きなんですが、エベレットが庭で飼っている鶏をごめんねと言いながら絞めると、チキンシチューを作ります。
エベレットはシチューを見て鶏はどうした?と聞くんですが、モードが庭にいるやつを絞めたと言うと、驚いたような関心したような、戸惑った表情でシチューを食べます。

モードはこの日、家の中でペンキを見つけて壁に付いてる小さな棚を塗るんですが、エベレットは何も言わないんですね。
食卓とか棚にエベレットが摘んできた花や草木が飾られて、殺風景だった部屋が段々と華やいでいくんですが、この辺はターシャ・テューダーみたいだなと思いました。

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モードはエベレットに私の寝床は?と聞くと、上の天井部屋にあるエベレットのベッドだと言われ、孤児院は雑魚寝だったぞと言われると納得するのでした。

エベレットは漁師のほかに廃品回収みたいなこともしてるんですが、同僚を連れてきたときに、奥さん面して出てきたモードを叩いてしまいます。
モードは気を紛らわすように部屋の壁に草木を描くんですが、エベレットはバツが悪いこともあって何も言いません。
モードは働いて2か月になるけど給料をもらってないと言って、週給25セント分全て請求すると筆と絵具を用意して壁に絵を描き始めます。
エベレットは誰が壁に絵を描いていいと言った?と聞いてきましたが、モードはエベレットが許可したと言います。
エベレットが綺麗にしろと。
返す言葉の無いエベレットは、こっちの壁は自由に書いていいと言います。

ある日、ニューヨークから避暑に来ているサンドラという女性が、エベレットに魚を注文してお金も払ったのに届けられてないと言いに来ます。
エベレットが不在でモードが応対しますが、モードはサンドラが素敵な靴を履いてるのにすぐ気づき、サンドラは壁に描かれた鶏に気付くとあなたが描いたの?と聞いてお互い自己紹介をすると握手して帰っていきます。

サンドラの件もあり、大事なことはモードがメモすると言うと、未収の顧客リストを作ってエベレットの仕事を手伝い、お互い不得手なことを補完し合っていく仲になります。

するとエベレットはそれまで一緒のベッドに寝ていてもモードに手を出してきませんでしたが、その日、初めて求めてきます。
モードはそういう行為をするなら結婚して欲しいと言い、もう昔みたいになるのは嫌だと言います。
モードは未婚のまま障害のある子を死産し、遺体も産後の意識が戻らないうちに埋葬されてた過去を語るのでした。

モードとエベレットはサンドラに魚を届けに行くと、明細替わりに書いた紙の裏の絵を気に入られ、売って欲しいと言われます。
値段を聞かれたエベレットが5セントと答えると10セントで買うと言われ、今後もどんどん持ってきて欲しいと言われます。
モードは帰り道、初めて絵が売れたと言って喜ぶのでした。

モードはポストカードやエベレットが持ってくる廃材の板を利用して絵を描きます。
すると再びサンドラが現れ、ポストカードよりもう少し大きい絵が欲しいと言います。
エベレットは板に描いた作品を見せると、サンドラはそれを買いたいと言い、エベレットは売ってしまいますが、モードはその絵は完成してなく売りたくないと言います。
エベレットはモードの気持ちを受け入れ、サンドラにお金を返すと、サンドラは前金で支払うからそれくらいの大きさの絵が欲しいと言い、モードは注文を受けて描くようになります。

モードが絵を描くのに忙しくなってくると、エベレットは家事を手伝うようになります。
モードは再び結婚したいと言いますが、完全に心を開くことが出来ないエベレットは木の穴に突っ込んだ方がマシだと言います。
傷ついたモードが外に出ると、こういう俺でもいいのか?と言って、モードとエベレットは結婚します。

描いた絵が貯まってくると2人は自宅で絵を売り始めます。
徐々に評判になると新聞記事でモードのことが紹介されるのでした。
するとそれに目を付けた兄のチャールズが、お金の管理を手伝うと言いに来ますが、エベレットと慎ましく暮らすモードはそれを拒否して兄と決別します。
暫くするとニクソン副大統領から絵が欲しいと手紙が届きます。

ニクソン副大統領が絵を買ったことが知られるとテレビ局が取材に来ます。
放送されると評判となり、多くの人が絵を買いに来るようになりますが、エベレットはモードの面倒を見るのがどれだけ大変かばかりを語っていたため、陰口を叩かれるようになります。

ある日、エベレットが街に買い物に出ると通院中のアイダに出くわし、なぜ妻に対してネガティブなことばかり言うのかと非難され、モードに顔を出して欲しいと言付けをされます。
モードはそれを聞いて死期が迫ってるアイダに会いに行こうとしますが、へそを曲げたエベレットは行く必要は無いと言って送っていかないので、モードは歩いてアイダの家に向かいます。

モードはアイダに会うとテレビを見たと言われ、一族で幸せになったのはモードだけかもしれないと言い、後悔して死にたく無いと言ってある事実を打ち明けます。
それは、障害があって死産になったと言った子が実は生きていることでした。
チャールズとアイダで相談し、モードに子育ては無理と決めつけて、裕福な家庭に養子として売ったと打ち明けられます。

ショックを受けて呆然自失でモードが歩いてるとエベレットが車で迎えにきます。
モードは子供のことや叔母のことを話そうとしますが、エベレットは辛気臭い話は聞きたくないと言い、テレビに出てからは朝早くから客が押し寄せ、自身は陰口を叩かれるようになり、ロクなことが無いと言い、モードと出会ったのが失敗だったと言います。
更にショックを受けたモードは家を出て、サンドラの元に身を寄せます。

これまでも小さな喧嘩は幾度もありましたが、初めて離れて暮らすと寂しさが募り、お互いがどれだけ必要だったかに気づきます。
エベレットはサンドラの家にモードを迎えに行き仲直りすると、そのままあるところに連れて行きます。
そこはモードの娘の家でエベレットが探してくれていたのでした。
娘はすでに結婚して家庭を設けていました。
モードは遠くから立派に成長した娘を見て安心します。

家に戻ったモードは年々悪化するリウマチに苦しめられると家の前で倒れてしまいます。
エベレットは医者を呼んでモードを診てもらうと肺気腫と言われ、タバコを止めるように言われますが、モードはバカな医者ねと言って笑うのでした。

ある晩モードが絵を描いてると苦しみだし、エベレットは慌てて車で病院に連れて行きます。
モードはそのまま入院し、ベッドから離れて座るエベレットを呼び寄せると、2人で暮らせて幸せだったと言い、静かに息を引き取ります。

エベレットは家に帰り、モードの筆箱を整理してると1枚のメモを見つけます。
それは、エベレットがかつて出した求人票で、モードはずっと大事にとっていたのでした。

エベレットが家の外に出してある「絵売ります」の看板を片付けると、映画は静かに終わります。

 

いやー、ラスト、モードが家を出ていってサンドラの別荘に身を寄せる辺りから、涙ちょちょぎれる展開でしたね。
サンドラがモードに絵を教えて欲しいって言うんですけど、モードは教えるようなもんじゃないって言うんですね。
モードは絵を習ったことは無いし、デザインもきちんとしてないと言います。
サンドラのように各地を旅したこともなく、生涯でヤーマスとディグビーしか知らなく、記憶で描いてると言います。
そして窓から見える景色が好きと言います。
鳥が横切り、蜂がやってきて、1日として同じ日は無いと言い、生命の輝きに溢れてると言います。

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エベレットが迎えに来て、モードが雲を見て「お尻の大きな女性に見える」と言うと2人して笑います。

カナダの雄大な自然を背景に、エベレットが押す手押し車にモードが乗せられて草原を走るシーンだけで涙が溢れます。
エベレットが病院を出て、モードを失った空虚さと大自然の対比がこれまたいいんですよね。

そしてエンドロールに挟み込まれるモードの絵の可愛らしいこと!

いやー、ホントすごいよかったです。
上映も2週目も終わる新宿ピカデリー平日の夜でしたけど、そこそこお客さんも入ってましたね。

関東と関西以外は、4月と5月から上映されるところも多いみたいなんで、お近くにきたら是非観て頂きたい作品です。

鑑賞データ

新宿ピカデリー SMTメンバーズ 割引クーポン 1200円
2018年 46作品目 累計36600円 1作品単価796円

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