お嬢さん 評価と感想/日本発hentaiは世界共通語です

お嬢さん 評価と感想
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ファッキン○ンポ ☆4.5点

『オールド・ボーイ』のパク・チャヌク監督がイギリスの作家サラ・ウォーターズ原作の「荊の城」を19世紀ロンドンの設定から1930年代、日本統治下の朝鮮半島に舞台設定を変えて映画化。
W主演にキム・ミニとキム・テリ、共演にハ・ジョンウ、チョ・ジヌン

予告編

映画データ

お嬢さん (2016):作品情報|シネマトゥデイ
映画『お嬢さん』のあらすじ・キャスト・評価など作品情報:第69回カンヌ国際映画祭に出品された、サラ・ウォーターズの小説「荊の城」を原案にしたサスペンス。
http://cinema.pia.co.jp/title/170486/

あらすじ

舞台は1939年の朝鮮半島。支配的な叔父と、膨大な蔵書に囲まれた豪邸から一歩も出ずに暮らす令嬢・秀子(キム・ミニ)のもとへ、新しいメイドの珠子こと孤児の少女スッキ(キム・テリ)がやってくる。実は詐欺師一味に育てられた孤児のスッキは、秀子の莫大な財産を狙う”伯爵”(ハ・ジョンウ)の手先だった。伯爵はスッキの力を借りて秀子を誘惑し、日本で結婚した後、財産を奪う計画だ。スッキはメイドとして屋敷に入り込むことに成功するが、秀子お嬢様に仕えてるうちに、美しく純真で孤独な秀子に惹かれていく。そして秀子も献身的なスッキに心を開いていく・・・そして物語の幕開けから60分、我々は予想だにしなかった展開に目を見張ることになる───

(公式サイトhttp://ojosan.jp/より引用)

ネタバレ感想

試写会で鑑賞です。

2017年3月3日(雛祭り)からの公開となるので、ネタバレを避けたい方はご注意下さい(ネタバレしてます)。

海外上映している際の原題は『THE HANDMAIDEN』のようなので、日本語だと『侍女』ですね。まあでも現在の日本では侍女は聞きなれない言葉ですし『お嬢さん』の方がインパクトあるかなと思います。

原作は未読です。
2005年の「このミステリーがすごい!海外編」の1位とか「週刊文春2004年ミステリーベスト10海外部門」の2位とかになってます。
原作のあらすじは

19世紀半ばのロンドン。17歳になる孤児スウは、故買屋の一家とともに暮らしていた。そんな彼女に顔見知りの詐欺師がある計画を持ちかける。とある令嬢をたぶらかして結婚し、その財産をそっくり奪い取ろうというのだ。スウの役割は令嬢の新しい侍女。スウはためらいながらも、話にのることにするのだが……。

東京創元社のHPから引用)

という感じなのですが、映画も全く一緒です。

話の骨格としては、『太陽がいっぱい』に似てるなと思いました。

貧しい方がお金持ちに近づき親密になって資産を奪い取るって話なんですが、この原作者のサラ・ウォーターズという方は同性愛者でレズビアンなんですね。

で、『太陽がいっぱい』の原作者のパトリシア・ハイスミスもレズビアンだったんですが、この方は生前は明らかにされてなくて、死後に見つかった日記などによって明らかになったそうなんですけど、その辺のことは去年観た『キャロル』で知りました。

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『太陽がいっぱい』は高校生くらいのときにテレビで見たんですが、当時は隠れたメタファーに同性愛があるなんて気づきもしなかったんですけど、そういう雰囲気というか匂いは今では何となく分かります。

なのでレズビアンの女性作家でミステリーという点で共通するのですが、本作はそこにミレニアム三部作の『ドラゴン・タトゥーの女』で描かれたようなミソジニー(女性蔑視)に対する抵抗みたいのも描かれていたと思います。

映画の細かい設定が原作通りなのかは分からないのですが、邦題のタイトル、お嬢さんである主人公の秀子(キム・ミニ)は叔父さんのコレクションである猥本を高値でオークションさせるために朗読させられていたんですね。

秀子や叔父さんの富豪側は日本人の設定(というか統治下の朝鮮なので韓国語と日本語が入り混じってる)なので、春本や猥本を読むときは日本語なんですが、ち○ぽとかま○ことか卑猥な言葉がいっぱい出てくるんですけど、テーマ的にも表現的にも先日観た『アンチポルノ』に似てるなと思いました(笑)

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結構、両作ともテーマ的には近いと思いますよ(両作ともR18+だ)。

(ちん〇まん〇繋がりでYoung Kz貼っときますね)

物語は3部構成になっていて、1部は侍女のスッキ・珠子(キム・テリ)の視点で描かれます。
そして、 公式サイト(リンク切れ確認)に書かれている通り、2部はお嬢さん秀子の視点になります。

そして物語の幕開けから60分、我々は予想だにしなかった展開に目を見張ることとなる

この60分で変わるのは、去年観た『ピンクとグレー』っぽいなと思いました。

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映画を観てるとこの時点では何部構成か分からないのですが、レズビアンが主体であることを考えると、カンのいい人はこの後の展開は読めると思います。

で、3部はタネ明かしになります。

一応、物語はミステリーの体をとっていますが、ブラックコメディな面もあるので、結構笑えますし、笑わせるように作ってます。監督も上映前の挨拶で笑って欲しいと言ってました。
あと、日本語の部分ですが、ここは日本人に聞かれると違和感がある所なので、寛大な気持ちで見て欲しいと言ってました。

監督によると世界で一番好きな女優は成瀬巳喜男監督作に出てくる高峰秀子さんだそうで、本作の主人公の名前もそこから付けたそうなんですが、映画終盤、たばこを吸うシーンで『犬神家の一族』のオマージュあると思いましたが、犬神家は高峰三枝子さんでした…。

レズシーンは『キャロル』より『アデル、ブルーは熱い色』に似てると思いました。

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監督によると、世界一会話の多いベッドシーンにしようとした、と言ってましたが、そんなでも無かった気がします。
が、ベッドシーンでも笑いをとりにきてるところでは笑わせてました。

上映時間がやや長いかな?と思ったのと、原作の大筋である、どんでん返しのどんでん返しはいいと思ったんですけど、細かい設定が分かり辛いのとやや無理があるので☆的には3.5点かなという気もしますが、女優さん2人の頑張りをプラスして☆4.5点しようと思います。

鑑賞データ

スペースFS汐留 coco独占試写会 0円
2017年 19作品目 累計15800円 1作品単価832円

コメント

  1. 匿名さん より:

    そもそも原作が、まあ何でもありだなあ。。。。っていう話なんで、どんでん返し好きな人ならお勧め。変態とどんでん返し、笑いもあるならまあ、娯楽作品としては良いかと。

    韓国はドラマはくどいのでいまいちだが、映画は非常に質が高く、特にミステリーやホラーは素晴らしい。今回は画面見ただけで、その辺のテイストは良いと思うのだが、(良すぎて、男性がなんか切断されている予告見ただけで、本編が見られない。。。)ただ、だったら最後に来るであろうどんでん返しがちょっとなあ。

    BBCが作った原作に近いドラマは見たけど、最初の3/4までの二人の女性を中心としたサスペンスは良いんだけど、(官能も適度なお色気と気持ちの表現が良かった)映像もきれいだし、でも最後1/4どたばたで、気持ちが引いていくのがわかる。
    どうやって着地するの? だったし、着地したときになんか気が抜けるというか、前段のあの努力は何処に消えたのかと思うような台無し感が否めなくて(すべては原作のせいです。ドラマの作り手としてはだいぶ頑張った感じでした)

    せっかくこの監督が作るなら、他の原作の方が良かったんじゃないかな。
    日本の小説でももっとましなのあったと思う。

    ちなみに、一瞬見ただけでわかるけど、ハリウッドが描く日本ぐらい、日本じゃないです。そう割り切った方が楽しめそう。