特筆すべきは浜辺美波 ☆5点
住野よるのデビュー作で2016年の本屋大賞第2位、累計発行部数200万部を超える同名ベストセラー小説の映画化です。
監督は月川翔。主演は浜辺美波と北村匠海。共演に小栗旬と北川景子で原作小説は未読です。
予告編
映画データ
この本を知ったのは『世界から猫が消えたなら』と同じで、電車の中によく広告が貼ってあったからで、セカネコのときは「世界から猫が消えたなら困る」と心の中でよくツッコミを入れておりました。
キミスイに関しては、「君の膵臓が食べたいby佐川君からの手紙」とツッコんでおりましたが、カニバリズム小説が公共交通機関で宣伝しないだろうし、どういう小説なのだろう?とは思ってました。
ちなみにここ5~6年でプロモーションしまくって売れた感のある小説は「謎解きはディナーのあとで(小学館)」「世界から猫が消えたなら(マガジンハウス)」「君の膵臓をたべたい(双葉社)」の3作でいずれもライトノベルな気がいたします。
本作は映画館で予告編見たかな?あまり記憶にないですが、スイーツ系の作品の前だとやってたのかもしれません。
そんなに興味なかったんですが、初週は東京喰種、2週目はジョジョを蹴散らすヒットぶりで評判もわりとよさそうなので観てまいりました。
監督は月川翔さん
芸名みたいな宝塚みたいなお名前の方ですね。初めましての監督さんです。
映画の『黒崎くんの言いなりになんてならない』は見てないですが、
ドラマの演出してたみたいで「みんな!エスパーだよ!」第8話、第9話と「ダメな私に恋してください」第5話、第7話は見てます。
主演に浜辺美波さん
まだ16歳ですか!恐るべしですね。
映画は初めましてでして、ドラマの「咲-Saki-」は見てました。
主演に北村匠海さん
近作は『セーラー服と機関銃 -卒業-』と『あやしい彼女』と『ディストラクション・ベイビーズ』を観てます。
共演に小栗旬さん
近作は『信長協奏曲(ノブナガコンツェルト)』『テラフォーマーズ』『ミュージアム』『追憶』『銀魂』を観てます。
テラフォーマーズ以外、興収10億円超えでアベレージ高し。
共演に北川景子さん
近作は『の・ようなもの のようなもの』『破門 ふたりのヤクビョーガミ』を観てます。
他に共演と配役は以下の通りです。
山内桜良:浜辺美波
僕(学生時代):北村匠海
恭子:大友花恋
ガム君:矢本悠馬
委員長:桜田通
栗山:森下大地
宮田一晴(現在のガム君):上地雄輔
恭子(現在):北川景子
僕(現在):小栗旬
あらすじ
高校時代のクラスメイト・山内桜良(浜辺美波)の言葉をきっかけに母校の教師となった【僕】(小栗旬)。
彼は、教え子と話すうちに、彼女と過ごした数ヶ月を 思い出していく―。
膵臓の病を患う彼女が書いていた「共病文庫」(=闘病日記)を偶然見つけたことから、【僕】(北村匠海)と桜良は次第に一緒に過ごすことに。
だが、眩いまでに懸命に生きる彼女の日々はやがて、終わりを告げる。
桜良の死から12年。
結婚を目前に控えた彼女の親友・恭子(北川景子)もまた、【僕】と同様に、桜良と過ごした日々を思い出していた―。
そして、ある事をきっかけに、桜良が12年の時を超えて伝えたかった本当の想いを知る2人―。(公式サイトhttp://kimisui.jp/introduction.htmlより引用)
ネタバレ感想
雰囲気としては今年1月に観た『僕らのごはんは明日で待ってる』と昨年11月に観た『湯を沸かすほどの熱い愛』を合わせた感じでしょうか。
クラスの人気女子と孤独男子の組み合わせは「ぼくごは」で、死ぬまでにやり残したことをやるのが「湯を沸かす」って感じです。
あと「ぼくごは」ではガスト推しでしたけど、本作ではスイーツパラダイス推しです。
原作未読なんであれですが、小説では現在パートが無いんですね。
結構、ケチつけようと思って観てたんですけど、女子高生なのにもう達観していて、仙人みたいな桜良と、それを演じる16歳とは思えないほど落ち着いた浜辺さんを見て、「話が出木杉君だろ」とは思ったものの、物語はどうなるんだろうと思って面白く観れたんですよね。
最初はちょっと、あの死ぬ死ぬテロもしんどいなと思ったものの、やっぱり桜良が亡くなって【僕】がお線香をあげにいくとこはジーンときましたし、お母さん役の人もそんなに有名でない方を使ってて潔いなと思ったり、普通にいい話だなと思いました。
図書委員のときに、新聞でチラッと見せていた伏線の、通り魔殺人事件で死んじゃう展開は、想像の斜め上いく展開でちょっと笑っちゃったんですけど、死は等しく誰にでも訪れるってことで致し方ないかなとも思うんですが、ちょっと酷くないですかね(笑)
委員長殺せよと思いましたけど、あの通り魔、女子しか狙わない設定でしたものね。
ガム君は近づいてくるいじめっ子かと思ってて、いつガムパッチンするかとハラハラしてましたが、普通にいい子でしたね。
2回ガム取るの拒否して3回目でガム取って、【僕】はガム君に心開いたと思ったんですけど、その後の12年間はそんなに交流無かったんですかね?
【僕】もいい大人になって先生なんだから、結婚式の招待状の出欠返事くらい出そうよと思いましたし、花嫁の恭子もツッコんでましたけど、あのタイミングで手紙を持ってくるか?とは思います。
手紙見つかるまで12年かかって、最後の真実と挑戦ゲームで桜良が聞きたかったことを知るって展開も、話が出木杉君な気がしますが、一応物語としてパズルのようにピタッと嵌るのでいいかとは思いました。
でもいいよなぁ、高校時代でしょ。
あんな可愛い女子と二人っきりで福岡旅行して、ヒルトン予約したら手違いで部屋1つしか取れてなくて、アップグレードで部屋がスイートって夢みたいな展開で、しかも風呂場に洗顔料持ってきてって言われたら鼻血しか出ない。
桜良の中にだって死ぬまでに誰かに処女を奉げたいっていうのはあった訳でしょう。
両親が居ないから家に呼ばれたって展開は、「据え膳食わぬは男の恥」と思ったんですけど、女子の意見はそうでもないみたいなんですね。
まぁ最近は美人局的なこともあるので気を付けなければいけませんが。
あと、死ぬっていうのが免罪符になって、劇中は未成年なのにお酒飲んでる描写があって珍しいなと思いましたね。
特筆すべきはやっぱり浜辺美波さんで、とんでもない新人さんが出てきたなと思います。
「咲-Saki-」のときも周囲に比べ、その落ち着きぶりは際立っていましたが、ショートカットだったのもあって、まだ幼さも残してたんですが、今作の達観した仙人のような役柄もあって、観てるときは20歳くらいかな?と思ったんですが、美少女っぷりが凄いなと。
演技も地で出来るタイプだと思うんですけど、本作は役柄に助けられてる部分もある気がして、すごい優等生なんですが上っ面な部分もある気がしたので、早いうちに厳しい監督に当たるといいんじゃないかなと思いました。
でもヒットしてよかったですよね。
自分では原作小説が200万部もいってるとは思わなくて50万部くらいかな?と思ってて、主演2人も世間的には無名の新人ですし、そんなにヒットする要素無いのかな?と思ってたんですけど、2週目の平日夜の回でも満席なんでビックリしました。
東宝配給で製作委員会方式でメディアタイアップ作品ですが、有名な俳優の出演は小栗さんと北川さんと上地さんくらいっていう珍しい作品でもあり、それがここまでヒットするのは素直に嬉しいと思います。
2週目になっても稼働落ちて無いんで『セカチュー』の半分くらい、いやもっと化けるかもしれませんね。
去年は「キミナハ」今年は「キミスイ」ですか。
おじさんは肝吸いが食べたい。
鑑賞データ
新宿ピカデリー SMTメンバーズ 割引料金 1200円
2017年 128作品目 累計136200円 1作品単価1064円
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